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4月半ばは昼こそ暖かいものの、夜になると思い出したように肌寒い風が吹く。
佐山に抱えられるように歩いていると自分の限界が覗いた気がして口に手を当てる。
慌ててもう大丈夫だから、と距離を空ける俺にしばらく怪訝な表情を浮かべていたが頑なにその場から動こうとしない俺に、
「行き倒れないでくださいね!」
と忠告と自販機で購入した水を残し、佐山は名残惜しそうにその場を後にした。
若者を助けようとしたあまり結局は頼ってしまう自分の情けなさに、耐えられなくなったのかもしれない。
だが強気でいれるほど胃の状態は良くはなかった。
『なんとか胃薬を買わないと…』
家まで持つかも危ういし、ここら辺は居酒屋が立ち並ぶような繁華街だから薬局があるのかも不安だ。
思い通りにいかない足を惰性で動かしていると、少し先に青い十字の看板が見えた。
もう少し、というところで口に苦味が広がる。
『ヤバい』
と思ったのも束の間、俺は今晩無理に詰め込んだアルコールやつまみ達を側溝にぶちまけてしまった。
佐山に抱えられるように歩いていると自分の限界が覗いた気がして口に手を当てる。
慌ててもう大丈夫だから、と距離を空ける俺にしばらく怪訝な表情を浮かべていたが頑なにその場から動こうとしない俺に、
「行き倒れないでくださいね!」
と忠告と自販機で購入した水を残し、佐山は名残惜しそうにその場を後にした。
若者を助けようとしたあまり結局は頼ってしまう自分の情けなさに、耐えられなくなったのかもしれない。
だが強気でいれるほど胃の状態は良くはなかった。
『なんとか胃薬を買わないと…』
家まで持つかも危ういし、ここら辺は居酒屋が立ち並ぶような繁華街だから薬局があるのかも不安だ。
思い通りにいかない足を惰性で動かしていると、少し先に青い十字の看板が見えた。
もう少し、というところで口に苦味が広がる。
『ヤバい』
と思ったのも束の間、俺は今晩無理に詰め込んだアルコールやつまみ達を側溝にぶちまけてしまった。
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