2 / 11
2、招集理由
しおりを挟む
「お前達、よく集まってくれたな」
「そりゃあ、あんたに呼ばれたらさすがに集まるぜ。Sランク冒険者の称号のおかげでこの国の中でならどこでも特別待遇だし、強い魔物が出たら呼んでもらえるしな」
「待遇に満足してくれているのであれば良かった」
「おう! 特に文句はないぜ」
エドガーが今話しているのはこの国の王だ。国王とこんなに気安く会話をしていいのかと思うが、Sランク冒険者にはそれが認められている。さらに今三人がいる場所は王宮にある小さな応接室で、周りには最低限の使用人と国王の護衛しかいないのもこの態度の理由だろう。
「エドガーは少しは陛下に敬意を払え。陛下、ご無沙汰しております。Sランク冒険者という格別の待遇により、充実した素晴らしい日々を過ごせております」
「Sランク冒険者は国の宝だからな。当然のことだ」
「それで陛下、今回は何の召集ですか? もしかして他国に行ってもいいとか! 他国のSランク冒険者と戦えるとか!」
ニックは大きな黒い瞳を輝かせている。この可愛い顔で強い者と戦うのが好きとは、人は見かけによらないものだ。
「本当か!? 俺はずっと外に行ってみたかったんだ!」
Sランク冒険者は国の宝であるので、国内から出ることは禁止されている。国には格別の待遇をしてもらっているという恩もあり、この三人はこの決まりを今まで守ってきた。しかし他国に行ってみたいという欲や、他国の強い者と戦いたいという欲がなくなることはない。
「エドガー君、遠くの帝国にはドラゴンを一撃で倒す双剣使いがいるらしいよ!」
「ニック、それは本当か!? ドラゴンはさすがに俺でも苦戦するぜ。俺もまだまだだな」
ドラゴンとは海を渡った先にある、この国がある大陸より何倍も大きな大陸からごく稀に飛んでくる魔物だ。その強さは一国をも滅ぼすと言われていて、この国でも対処できるのはここにいる三人しかいない。
しかし三人でもかなり苦戦する相手なのだ。それを一撃で倒すとなれば、この三人よりも強いということだろう。
「ほう、そのような人物がいるのか。ぜひ会ってみたいな。して陛下、此度の招集はその者に会いにいくのが目的でしょうか?」
頼みの綱のアーネストまでが、双剣使いに意識を向けてしまった。王はまだ招集の目的を何も口にしていないのに、勝手に帝国の双剣使いに会いにいくことで目的が決定されそうだ。
この三人は悪い者達ではない。その強い力を悪い方向に使うのではなく国を守ることに使っているのだから、とても素晴らしい三人だと言えよう。
しかし、いかんせん揃いも揃って戦闘馬鹿なのだ。まだ理性はあるので戦闘狂とまでは言わないが、強い魔物が出たと聞けば何においてもすぐに駆けつける。もし出国を認めたならばすぐに他国の強者の下へ決闘を挑みにいくのだろう。海を渡りドラゴンが住む渓谷を目指す者もいるかもしれない。
そんな三人は味方でいてくれるのであればとても頼りになるのだが、とにかく自由奔放でこうして話し合うのも大変だ。現に今この国の王はこの場で一番偉いはずなのに、完全に三人の勢いに飲まれている。
「お前達、少し落ち着いてくれ。此度の招集の目的は帝国の双剣使いなどではない」
「そうなのか? じゃあなんで呼んだんだよ。他に強い奴の情報なんかあったっけか?」
「うーん、僕は知らないかなぁ~」
王がこの三人を招集する時は強い者が現れた時ではなく国に危機が陥った時なのだが、今までの招集は国に凶悪な魔物が現れた時だけだったので、三人は強敵と戦える時に呼ばれると誤解しているようだ。
「強敵と戦ってもらうために呼んだのではないのだ。いや、確かに強い敵とは戦うことになるだろうが、それが目的ではない」
「では陛下、私達は何をすれば良いのでしょうか?」
「お前達には……聖女アーシュラを助け出してもらいたい」
王が硬い表情でそう告げると、三人はさっきまでのふざけた雰囲気を一変させて、かなり厳しい表情を浮かべた。
「それってどういうこと? アーシュラが誘拐されたってこと?」
聖女とは数十年に一度だけ世界中の何処かに生まれると言われている存在で、真っ白な髪色がその特徴だ。
聖女は強い癒しの力を持つので、聖女がいる国は魔物の被害が例年の半分以下に抑えられ、作物の収穫量は倍ほどに増えると言われている。さらに聖女がいる限りその国では疫病も流行らないのだ。
そんな聖女が現在存在しているのはエドガー達の国と、海を渡った先にある遠い大国の二つだけ。
どちらの聖女も王宮で大切に保護されていたのだが……
「一週間前の深夜、何者かによって王宮から連れ去られたのだ……」
「なんでそんなことになったの? だってアーシュラが住む離宮には僕がバリアをかけておいたから、悪意がある者は絶対に入れないはずだよ。それに王宮にも王宮所属の魔法使いがバリアを張ってるでしょ?」
ニックはいつもの可愛い笑顔の面影もないほど厳しい表情を浮かべている。いや、これは怒っている。
聖女アーシェラはとても心優しく素敵な少女で、ニックはバリアを張る関係で何度か会ううちに仲良くなり、二人は友達なのだ。
エドガーとアーネストもアーシェラとは何度か会ったことがあり、その心優しさに好感を持っていた。
よって三人はあの心優しきアーシェラを誘拐した相手が憎く、怒りを抑えきれていない。今この場で一番災難なのは、至近距離で三人の殺気を受けているこの国の王だ。王とは一見煌びやかに見えるが、その実は大変な仕事なのである。
「……それが、なぜ連れ去られたのかは未だわかっていないのだ。ただバリアが破られた形跡はなかったため、アーシェラが自ら外に出たとしか……」
「アーシェラが僕達を裏切ったとでも言うの?」
アーシェラが自ら国を出た可能性を示した途端に、ニックの殺気が数倍に増幅した。殺気だけではなく魔力も漏れているので、弱い者は今この場にいるだけでも辛いだろう。
「そ、そんなことを言っている訳じゃない。ただアーシェラは心優しい子だ。バリアの外で傷ついた動物がいたとか、倒れた使用人がいたとか、そんなことがあればすぐバリアの外まで駆け出してしまうだろうと思ったのだ」
「確かに……アーシェラならあり得るね」
「では陛下、アーシェラは今推測したような方法で王宮から連れ出されたと仮定しましょう。しかし大切なのはその後です。どこに連れ去られたのかは調査してあるのですよね?」
アーネストは調査していなかったら許さないというような厳しい表情で、王に詰め寄った。物理的には詰め寄っていないのだが、精神的に追い詰めるような雰囲気を醸し出している。
「も、もちろん調査してある。王家の諜報部隊に指示し、アーシェラの行方を捜索した。その結果、東の隣国へ連れていかれたというのが結論だ」
「東の隣国? だが隣国へ行くには国境門を通らなきゃ無理だろ? それ以外なら暗黒山を越えるしかないじゃねぇか。まさか……」
「ああ、そのまさかだ。アーシェラを連れ去った者達が暗黒山に入ったところまでは形跡を追えた。しかしその後はもう魔物の痕跡と混じって分からなかったそうだ」
東の隣国との国境は、暗黒山という深淵の森よりも危険なエリアとなっていて、その山が一部途切れるところにある国境門でしか国家間の行き来ができない。よって東の隣国とは、今まで戦争も起きていなければ貿易もほとんどないという、関係性が希薄な国なのだ。
「そりゃあ、あんたに呼ばれたらさすがに集まるぜ。Sランク冒険者の称号のおかげでこの国の中でならどこでも特別待遇だし、強い魔物が出たら呼んでもらえるしな」
「待遇に満足してくれているのであれば良かった」
「おう! 特に文句はないぜ」
エドガーが今話しているのはこの国の王だ。国王とこんなに気安く会話をしていいのかと思うが、Sランク冒険者にはそれが認められている。さらに今三人がいる場所は王宮にある小さな応接室で、周りには最低限の使用人と国王の護衛しかいないのもこの態度の理由だろう。
「エドガーは少しは陛下に敬意を払え。陛下、ご無沙汰しております。Sランク冒険者という格別の待遇により、充実した素晴らしい日々を過ごせております」
「Sランク冒険者は国の宝だからな。当然のことだ」
「それで陛下、今回は何の召集ですか? もしかして他国に行ってもいいとか! 他国のSランク冒険者と戦えるとか!」
ニックは大きな黒い瞳を輝かせている。この可愛い顔で強い者と戦うのが好きとは、人は見かけによらないものだ。
「本当か!? 俺はずっと外に行ってみたかったんだ!」
Sランク冒険者は国の宝であるので、国内から出ることは禁止されている。国には格別の待遇をしてもらっているという恩もあり、この三人はこの決まりを今まで守ってきた。しかし他国に行ってみたいという欲や、他国の強い者と戦いたいという欲がなくなることはない。
「エドガー君、遠くの帝国にはドラゴンを一撃で倒す双剣使いがいるらしいよ!」
「ニック、それは本当か!? ドラゴンはさすがに俺でも苦戦するぜ。俺もまだまだだな」
ドラゴンとは海を渡った先にある、この国がある大陸より何倍も大きな大陸からごく稀に飛んでくる魔物だ。その強さは一国をも滅ぼすと言われていて、この国でも対処できるのはここにいる三人しかいない。
しかし三人でもかなり苦戦する相手なのだ。それを一撃で倒すとなれば、この三人よりも強いということだろう。
「ほう、そのような人物がいるのか。ぜひ会ってみたいな。して陛下、此度の招集はその者に会いにいくのが目的でしょうか?」
頼みの綱のアーネストまでが、双剣使いに意識を向けてしまった。王はまだ招集の目的を何も口にしていないのに、勝手に帝国の双剣使いに会いにいくことで目的が決定されそうだ。
この三人は悪い者達ではない。その強い力を悪い方向に使うのではなく国を守ることに使っているのだから、とても素晴らしい三人だと言えよう。
しかし、いかんせん揃いも揃って戦闘馬鹿なのだ。まだ理性はあるので戦闘狂とまでは言わないが、強い魔物が出たと聞けば何においてもすぐに駆けつける。もし出国を認めたならばすぐに他国の強者の下へ決闘を挑みにいくのだろう。海を渡りドラゴンが住む渓谷を目指す者もいるかもしれない。
そんな三人は味方でいてくれるのであればとても頼りになるのだが、とにかく自由奔放でこうして話し合うのも大変だ。現に今この国の王はこの場で一番偉いはずなのに、完全に三人の勢いに飲まれている。
「お前達、少し落ち着いてくれ。此度の招集の目的は帝国の双剣使いなどではない」
「そうなのか? じゃあなんで呼んだんだよ。他に強い奴の情報なんかあったっけか?」
「うーん、僕は知らないかなぁ~」
王がこの三人を招集する時は強い者が現れた時ではなく国に危機が陥った時なのだが、今までの招集は国に凶悪な魔物が現れた時だけだったので、三人は強敵と戦える時に呼ばれると誤解しているようだ。
「強敵と戦ってもらうために呼んだのではないのだ。いや、確かに強い敵とは戦うことになるだろうが、それが目的ではない」
「では陛下、私達は何をすれば良いのでしょうか?」
「お前達には……聖女アーシュラを助け出してもらいたい」
王が硬い表情でそう告げると、三人はさっきまでのふざけた雰囲気を一変させて、かなり厳しい表情を浮かべた。
「それってどういうこと? アーシュラが誘拐されたってこと?」
聖女とは数十年に一度だけ世界中の何処かに生まれると言われている存在で、真っ白な髪色がその特徴だ。
聖女は強い癒しの力を持つので、聖女がいる国は魔物の被害が例年の半分以下に抑えられ、作物の収穫量は倍ほどに増えると言われている。さらに聖女がいる限りその国では疫病も流行らないのだ。
そんな聖女が現在存在しているのはエドガー達の国と、海を渡った先にある遠い大国の二つだけ。
どちらの聖女も王宮で大切に保護されていたのだが……
「一週間前の深夜、何者かによって王宮から連れ去られたのだ……」
「なんでそんなことになったの? だってアーシュラが住む離宮には僕がバリアをかけておいたから、悪意がある者は絶対に入れないはずだよ。それに王宮にも王宮所属の魔法使いがバリアを張ってるでしょ?」
ニックはいつもの可愛い笑顔の面影もないほど厳しい表情を浮かべている。いや、これは怒っている。
聖女アーシェラはとても心優しく素敵な少女で、ニックはバリアを張る関係で何度か会ううちに仲良くなり、二人は友達なのだ。
エドガーとアーネストもアーシェラとは何度か会ったことがあり、その心優しさに好感を持っていた。
よって三人はあの心優しきアーシェラを誘拐した相手が憎く、怒りを抑えきれていない。今この場で一番災難なのは、至近距離で三人の殺気を受けているこの国の王だ。王とは一見煌びやかに見えるが、その実は大変な仕事なのである。
「……それが、なぜ連れ去られたのかは未だわかっていないのだ。ただバリアが破られた形跡はなかったため、アーシェラが自ら外に出たとしか……」
「アーシェラが僕達を裏切ったとでも言うの?」
アーシェラが自ら国を出た可能性を示した途端に、ニックの殺気が数倍に増幅した。殺気だけではなく魔力も漏れているので、弱い者は今この場にいるだけでも辛いだろう。
「そ、そんなことを言っている訳じゃない。ただアーシェラは心優しい子だ。バリアの外で傷ついた動物がいたとか、倒れた使用人がいたとか、そんなことがあればすぐバリアの外まで駆け出してしまうだろうと思ったのだ」
「確かに……アーシェラならあり得るね」
「では陛下、アーシェラは今推測したような方法で王宮から連れ出されたと仮定しましょう。しかし大切なのはその後です。どこに連れ去られたのかは調査してあるのですよね?」
アーネストは調査していなかったら許さないというような厳しい表情で、王に詰め寄った。物理的には詰め寄っていないのだが、精神的に追い詰めるような雰囲気を醸し出している。
「も、もちろん調査してある。王家の諜報部隊に指示し、アーシェラの行方を捜索した。その結果、東の隣国へ連れていかれたというのが結論だ」
「東の隣国? だが隣国へ行くには国境門を通らなきゃ無理だろ? それ以外なら暗黒山を越えるしかないじゃねぇか。まさか……」
「ああ、そのまさかだ。アーシェラを連れ去った者達が暗黒山に入ったところまでは形跡を追えた。しかしその後はもう魔物の痕跡と混じって分からなかったそうだ」
東の隣国との国境は、暗黒山という深淵の森よりも危険なエリアとなっていて、その山が一部途切れるところにある国境門でしか国家間の行き来ができない。よって東の隣国とは、今まで戦争も起きていなければ貿易もほとんどないという、関係性が希薄な国なのだ。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる