28 / 42
第2章 世界的な異変
28、断罪と友達
しおりを挟む
「そこのあなた、私が食べる前に毒味をしていただけないでしょうか。招待していただいた席でこのように無礼なことを申し上げるのは大変心苦しいのですが、薬師ゆえにどうしても先ほどの香りが気になってしまって……」
ヴァレリアさんが侯爵家の方々に綺麗な礼をしてから告げた言葉に、女性は大きな動揺を見せた。
「な、なぜ私が……」
「貴族家の料理人には毒など害があるものを絶対に主人へ給仕しないよう、定期的に作られた食事を皆で毒味する業務があったと思いますので、その一環として確認していただけないかと思った次第です。男性よりも女性の方が、私の心情的にありがたいのですが……」
その提案を受けて、料理人の皆さんはそれで自分たちの潔白が証明できるならと女性に毒味を促し、アルベール様も提案を受け入れるように頷いた。
しかし女性は提案に頷かず、目に見えて狼狽えている様子だ。顔色を真っ青にして、全身が小刻みに震えている。
自分で毒を入れたんだから、食べることなんてできないよね……どの程度の毒なのか知らないけど、女性の様子を見るにかなり強い毒なのかもしれない。
「……お前、まさか。本当に毒なんて入れてないよな?」
「おい、俺たちがさっき作ったデザートだろ? 食べるのを躊躇うことなんてないはずだ。さっさと毒見をしてこい」
躊躇っている女性の姿を見て、他の料理人たちが女性に厳しい視線を向け始めた。
「早く行くんだ」
「ご主人様とお客人の前だぞ。手間を取らせるな」
「できないのか? それは毒を入れたと言っているようなものだぞ」
他の料理人に厳しい声をかけられるたびに、女性は顔色を悪くして体を小さく縮こめていく。こんな反応をしたら、もう自分が犯人だと言ってるようなものだよね。
女性の態度にほとんどの人が黒だと認識したところで、アルベール様が冷たい瞳を女性に向けて口を開いた。
「毒味ができないのか? それはなぜだ」
「……おいっ、若様が声をかけてくださっているんだぞ。早く答えろ!」
アルベール様の言葉にも女性が無言を貫いたところで、料理人の中で一番年上に見える男性が女性の背中を無理やり押した。
それによって数歩だけ前に出てきた女性は、部屋にいる全ての人から厳しい目を向けられていることを確認し……瞳に涙を浮かべるとその場に崩れ落ちた。
「た、大変……申し訳っ、……っ、ございません」
床に頭を擦り付けて号泣しながら泣いている女性を擁護する人は、もちろんいない。
「――ヴァレリア嬢の食事に、毒を入れたんだな?」
アルベール様は今にも女性に殴りかかりそうなほどの怒りを滲ませながらも、さすが貴族なのかその感情を押さえ込んで落ち着いた声を出した。
しかし女性を射殺さんばかりの視線を見ると、それを向けられていない私も思わずゾッとしてしまう。
「……は、はい。こちらの毒を……も、申し訳、ございませんっ……っ、ほ、本当に、申し訳……」
「貴様の謝罪などいらん」
アルベール様はそう言って女性を黙らせると、この騒動に気づいて食堂に集まっていた兵士たちに指示を出し、女性を拘束して連れていかせた。さらに毒とプリンも保存するように指示をする。
そうして女性がいなくなった食堂内には、少しの沈黙が流れた。それを破ったのはアルベール様だ。
「ヴァレリア嬢――本当に、本当に申し訳なかった。何とお詫びをしたら良いのか……エトマン伯爵家へ正式なお詫びをさせていただき、ヴァレリア嬢にもお詫びを……」
アルベール様はさっきまでの怒りを滲ませた姿からは一転、今にも泣きそうな様子で肩を落としてそう言った。
何だか可哀想に思えてきちゃうな……
「伯爵家への詫びは入りません。私はもう家を出ていますから。それから私個人にも必要ないです。事前に気づいて幸いにも被害はありませんでしたので」
その言葉を聞いたアルベール様は、悲しそうな表情で唇をギュッと噛むと、儚さを纏わせた綺麗な笑みを浮かべて深く頭を下げた。
「寛大なご処置、ありがとうございます」
それから侯爵様や侯爵夫人からも謝罪を受け、女性の動機などが分かったら伝えてもらうことだけは約束して、私たちは侯爵家を後にすることになった。
侯爵家のエントランス前で、アルベール様は名残惜しそうにヴァレリアさんのことを見つめ、意を決した様子で口を開く。
「ヴァレリア嬢、友人にという話は忘れてください。本日は大変申し訳ございませんでした。無理やり夕食に誘った挙句、危険に晒してしまうなど……何度謝っても許されることだとは思っていませんが、本当に申し訳ございませんでした。今日の出来事があなたの心に傷を作ってしまわないかどうか、それだけが気がかりですが……遠くから、幸せに過ごされることを願っております」
そう言って深く頭を下げたまま顔を上げないアルベール様に、ヴァレリアさんは大きく、それはもう大きく息を吐き出した。
そして貴族女性への擬態を完全に取り払い、いつもの薬屋にいる時のヴァレリアさんに戻る。
「そんなに暗い雰囲気で送り出されたら、私が悪いことをしたみたいだ」
突然口調を変えたヴァレリアさんに、アルベール様はポカンとした表情で顔を上げた。
「毒を盛られかけたんだし、もう礼儀は良いよな?」
「……えっ、あっ、も、もちろん」
「じゃあずっと思ってたことを言わせてもらうが、まず何年も前にパーティーで一度だけ見た私をずっと追いかけていたと言われても、嬉しいどころか怖い。それにグイグイ来られても私はお前の名前すら知らなかった。そんなやつに好意を寄せられても嬉しくない」
おおっ……ズバッと言う。でもこれがヴァレリアさんだよね。
「それから私は繊細な貴族の料理よりも、平民向け居酒屋にあるような塩辛い酒のつまみが好きだし、いつもはドレスどころかスカートだって履かない。そして貴族社会に貴族として戻ることは絶対にない。女性らしい口調だって使わない。――こんな私でも、まだ好きだと言うのか? さすがに幻滅するだろう」
「しない! 私はそんなヴァレリア嬢のことも好ましいと思う!」
アルベール様が全く悩まずに即答したのを聞いて、ヴァレリアさんは驚きに瞳を見開いてから、次第に呆れたような笑みを浮かべた。
「ははっ、物好きだな」
そして今度は楽しそうな笑い声をあげると、アルベール様の頭に手を伸ばして髪の毛をぐしゃぐしゃに掻き回す。
なんかもう、何でもありだね。侯爵家の皆さんがびっくりしてるよ。
「うわっ」
「友達になるのなら構わないぞ。ただこちらに来てくれるのならな。私は友人と行く場所は居酒屋と決めてるんだ」
「平民向けの居酒屋か? どんな料理があるのか楽しみだな」
「酒は飲めるか?」
「私はワイン一本は容易い」
「それは優秀だな。たくさん楽しめそうだ」
――なんだかよく分からないけど、二人は友達になることになったのかな……?
まあ本人たちが良いのなら、私が反対することはない。意外にも気が合いそうだし、上手くやっていけるのかも。
というかアルベール様、さっきまでとは別人だね。瞳がキラキラと輝いて顔が緩みまくってるよ。
これは……侯爵家の跡取り、弟さんにしたほうがいいかもしれない。そんなことを考えて思わず侯爵家の方々がいる方向に視線を向けると、アルベール様の弟さんが皆に視線を向けられていた。
あっ、やっぱり皆同じことを考えてたみたいだ。
「じゃあアルベール、また後でな」
「ああ、ヴァレリア。今度酒を持って薬屋にお邪魔しよう」
「つまみも頼んだぞ」
「任せておけ」
いつの間にか呼び捨てになっている二人は、貴族家の屋敷を辞する時の挨拶とは思えないそんな会話をした。
そしてヴァレリアさんがアルベール様以外の侯爵家の方々に正式な礼をしたところで、私たちは嬉しそうなアルベール様に見送られて馬車で屋敷を後にした。
「ヴァレリアさん、友達になって良かったんですか?」
「本当は今日で最後にしようと思ってたんだけどな。意外と気が合いそうだし、面白いやつだったから良いだろう」
「確かに、凄く特異な人ではありましたね……」
これからどうなるか分からないけど、なんとなく二人がこれから先も一緒にいる想像が容易にできて、私の頬は緩んでしまった。
ヴァレリアさんが侯爵家の方々に綺麗な礼をしてから告げた言葉に、女性は大きな動揺を見せた。
「な、なぜ私が……」
「貴族家の料理人には毒など害があるものを絶対に主人へ給仕しないよう、定期的に作られた食事を皆で毒味する業務があったと思いますので、その一環として確認していただけないかと思った次第です。男性よりも女性の方が、私の心情的にありがたいのですが……」
その提案を受けて、料理人の皆さんはそれで自分たちの潔白が証明できるならと女性に毒味を促し、アルベール様も提案を受け入れるように頷いた。
しかし女性は提案に頷かず、目に見えて狼狽えている様子だ。顔色を真っ青にして、全身が小刻みに震えている。
自分で毒を入れたんだから、食べることなんてできないよね……どの程度の毒なのか知らないけど、女性の様子を見るにかなり強い毒なのかもしれない。
「……お前、まさか。本当に毒なんて入れてないよな?」
「おい、俺たちがさっき作ったデザートだろ? 食べるのを躊躇うことなんてないはずだ。さっさと毒見をしてこい」
躊躇っている女性の姿を見て、他の料理人たちが女性に厳しい視線を向け始めた。
「早く行くんだ」
「ご主人様とお客人の前だぞ。手間を取らせるな」
「できないのか? それは毒を入れたと言っているようなものだぞ」
他の料理人に厳しい声をかけられるたびに、女性は顔色を悪くして体を小さく縮こめていく。こんな反応をしたら、もう自分が犯人だと言ってるようなものだよね。
女性の態度にほとんどの人が黒だと認識したところで、アルベール様が冷たい瞳を女性に向けて口を開いた。
「毒味ができないのか? それはなぜだ」
「……おいっ、若様が声をかけてくださっているんだぞ。早く答えろ!」
アルベール様の言葉にも女性が無言を貫いたところで、料理人の中で一番年上に見える男性が女性の背中を無理やり押した。
それによって数歩だけ前に出てきた女性は、部屋にいる全ての人から厳しい目を向けられていることを確認し……瞳に涙を浮かべるとその場に崩れ落ちた。
「た、大変……申し訳っ、……っ、ございません」
床に頭を擦り付けて号泣しながら泣いている女性を擁護する人は、もちろんいない。
「――ヴァレリア嬢の食事に、毒を入れたんだな?」
アルベール様は今にも女性に殴りかかりそうなほどの怒りを滲ませながらも、さすが貴族なのかその感情を押さえ込んで落ち着いた声を出した。
しかし女性を射殺さんばかりの視線を見ると、それを向けられていない私も思わずゾッとしてしまう。
「……は、はい。こちらの毒を……も、申し訳、ございませんっ……っ、ほ、本当に、申し訳……」
「貴様の謝罪などいらん」
アルベール様はそう言って女性を黙らせると、この騒動に気づいて食堂に集まっていた兵士たちに指示を出し、女性を拘束して連れていかせた。さらに毒とプリンも保存するように指示をする。
そうして女性がいなくなった食堂内には、少しの沈黙が流れた。それを破ったのはアルベール様だ。
「ヴァレリア嬢――本当に、本当に申し訳なかった。何とお詫びをしたら良いのか……エトマン伯爵家へ正式なお詫びをさせていただき、ヴァレリア嬢にもお詫びを……」
アルベール様はさっきまでの怒りを滲ませた姿からは一転、今にも泣きそうな様子で肩を落としてそう言った。
何だか可哀想に思えてきちゃうな……
「伯爵家への詫びは入りません。私はもう家を出ていますから。それから私個人にも必要ないです。事前に気づいて幸いにも被害はありませんでしたので」
その言葉を聞いたアルベール様は、悲しそうな表情で唇をギュッと噛むと、儚さを纏わせた綺麗な笑みを浮かべて深く頭を下げた。
「寛大なご処置、ありがとうございます」
それから侯爵様や侯爵夫人からも謝罪を受け、女性の動機などが分かったら伝えてもらうことだけは約束して、私たちは侯爵家を後にすることになった。
侯爵家のエントランス前で、アルベール様は名残惜しそうにヴァレリアさんのことを見つめ、意を決した様子で口を開く。
「ヴァレリア嬢、友人にという話は忘れてください。本日は大変申し訳ございませんでした。無理やり夕食に誘った挙句、危険に晒してしまうなど……何度謝っても許されることだとは思っていませんが、本当に申し訳ございませんでした。今日の出来事があなたの心に傷を作ってしまわないかどうか、それだけが気がかりですが……遠くから、幸せに過ごされることを願っております」
そう言って深く頭を下げたまま顔を上げないアルベール様に、ヴァレリアさんは大きく、それはもう大きく息を吐き出した。
そして貴族女性への擬態を完全に取り払い、いつもの薬屋にいる時のヴァレリアさんに戻る。
「そんなに暗い雰囲気で送り出されたら、私が悪いことをしたみたいだ」
突然口調を変えたヴァレリアさんに、アルベール様はポカンとした表情で顔を上げた。
「毒を盛られかけたんだし、もう礼儀は良いよな?」
「……えっ、あっ、も、もちろん」
「じゃあずっと思ってたことを言わせてもらうが、まず何年も前にパーティーで一度だけ見た私をずっと追いかけていたと言われても、嬉しいどころか怖い。それにグイグイ来られても私はお前の名前すら知らなかった。そんなやつに好意を寄せられても嬉しくない」
おおっ……ズバッと言う。でもこれがヴァレリアさんだよね。
「それから私は繊細な貴族の料理よりも、平民向け居酒屋にあるような塩辛い酒のつまみが好きだし、いつもはドレスどころかスカートだって履かない。そして貴族社会に貴族として戻ることは絶対にない。女性らしい口調だって使わない。――こんな私でも、まだ好きだと言うのか? さすがに幻滅するだろう」
「しない! 私はそんなヴァレリア嬢のことも好ましいと思う!」
アルベール様が全く悩まずに即答したのを聞いて、ヴァレリアさんは驚きに瞳を見開いてから、次第に呆れたような笑みを浮かべた。
「ははっ、物好きだな」
そして今度は楽しそうな笑い声をあげると、アルベール様の頭に手を伸ばして髪の毛をぐしゃぐしゃに掻き回す。
なんかもう、何でもありだね。侯爵家の皆さんがびっくりしてるよ。
「うわっ」
「友達になるのなら構わないぞ。ただこちらに来てくれるのならな。私は友人と行く場所は居酒屋と決めてるんだ」
「平民向けの居酒屋か? どんな料理があるのか楽しみだな」
「酒は飲めるか?」
「私はワイン一本は容易い」
「それは優秀だな。たくさん楽しめそうだ」
――なんだかよく分からないけど、二人は友達になることになったのかな……?
まあ本人たちが良いのなら、私が反対することはない。意外にも気が合いそうだし、上手くやっていけるのかも。
というかアルベール様、さっきまでとは別人だね。瞳がキラキラと輝いて顔が緩みまくってるよ。
これは……侯爵家の跡取り、弟さんにしたほうがいいかもしれない。そんなことを考えて思わず侯爵家の方々がいる方向に視線を向けると、アルベール様の弟さんが皆に視線を向けられていた。
あっ、やっぱり皆同じことを考えてたみたいだ。
「じゃあアルベール、また後でな」
「ああ、ヴァレリア。今度酒を持って薬屋にお邪魔しよう」
「つまみも頼んだぞ」
「任せておけ」
いつの間にか呼び捨てになっている二人は、貴族家の屋敷を辞する時の挨拶とは思えないそんな会話をした。
そしてヴァレリアさんがアルベール様以外の侯爵家の方々に正式な礼をしたところで、私たちは嬉しそうなアルベール様に見送られて馬車で屋敷を後にした。
「ヴァレリアさん、友達になって良かったんですか?」
「本当は今日で最後にしようと思ってたんだけどな。意外と気が合いそうだし、面白いやつだったから良いだろう」
「確かに、凄く特異な人ではありましたね……」
これからどうなるか分からないけど、なんとなく二人がこれから先も一緒にいる想像が容易にできて、私の頬は緩んでしまった。
12
お気に入りに追加
564
あなたにおすすめの小説
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
束原ミヤコ
恋愛
マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる