86 / 95
第3章 黒山編
113、救世主
しおりを挟む
リルンたちの戦いが無事勝利に終わり、俺たちが褒めてあげなくちゃなんて呑気な会話をしていると、呆然と戦いの様子を眺めていた兵士たちの方からどよめきが聞こえてきた。
「なっ、ど、どういうことだ……?」
「俺が今見たのは、夢か?」
「従魔四体で、サラマンダーを討伐した、ぞ?」
次第にそのどよめきは熱量を帯びてきて、その場が熱気に包まれる。
「ぎ、犠牲者なしでサラマンダーを討伐できたぞ!」
「これは凄いことだ……!」
「全員無事に街へ帰れるぞ!」
「うぅ……っ」
「お前、子供が生まれたばっかりだったもんな! 良かったな!」
大喜びで飛び回る人、嬉しさのあまり泣く人、とにかく驚きを露わにする人、まだ呆然としている人、様々な兵士たちの熱気がしばらくは収まらず、その熱気は比較的早くに俺たちへと向かった。
「あの従魔は救世主だ。お前たちは救世主だ!」
「街を救ってくれてありがとう!」
「本当にありがとう……!」
俺たちはもみくちゃにされ、たくさんの兵士に手を握られ肩を叩かれ、とにかく感謝される。そんな状態にひたすら混乱していると……そこにリルンたちが戻ってきた。
『討伐してきたぞ』
『少し手こずったな』
『僕も活躍したよー!』
『サラマンダーの一匹ぐらい、楽勝だったわ』
いつも通りのテンションでいる皆に、兵士たちの視線がギュインっと集まる。そして一気に讃えられた。
「お前たち、本当にありがとう!」
「助かった!」
「めちゃくちゃ強いんだな……!」
そんな褒め言葉の数々に、リルンはふんっと視線を逸らしながらも尻尾はぶんぶんと振られていて、ラトはえへへと嬉しそうに頬を緩めている。
デュラ爺はあまり変わらない表情だけど少し嬉しげで、スーちゃんはいつもよりわざとらしく顔を洗っていた。
そんな皆の分かりやすい嬉しさを表す態度に、俺たちの頬は緩んでしまう。
「皆、可愛いな……」
「本当に可愛いよね。ラトなんてもう、これ以上ないってぐらい照れてるよ」
短い手で頭を掻くようにして尻尾をピンッと立てているラトは、本当に可愛い。リルンもデュラ爺もスーちゃんも全員可愛すぎる。
近くには倒されたサラマンダーがいることも忘れてひたすら和んでいると、突然兵士たちの声が小さくなった。そして自然と兵士たちが道を作り、そこから現れたのは……豪華な文官服のようなものを着たおじさんだ。
「君たちがサラマンダーを討伐してくれたのかな」
優しそうだけど不思議と威厳がある男性の言葉に俺たちが頷くと、その男性は深く頭を下げた。
「ありがとう。この街を預かる代官として、皆を代表して礼を言わせてほしい。本当に助かった。君たちは我が街の救世主だ」
救世主なんて大袈裟な……そう思いつつ、代官という凄い立場にいる人に頭を下げられている現状が居た堪れず、慌てて声をかける。
「あ、あの、たまたま近くにいただけですから」
「そうです。顔を上げてください。あの子たちも楽しんでサラマンダーを討伐してましたし……」
フィーネが苦笑しつつ告げたその言葉に俺も苦笑しながら頷いたけど、楽しみながらという事実を軽く受け止めたのは俺たちだけだった。
「まさか、サラマンダーを楽しみながら討伐できるとは」
代官がそう言って目を見開くと、それに続いて兵士も口を開く。
「どんだけ強いんだ……」
「でも、本当にヤバい戦いしてたよな」
「信じられないぐらい強かったな」
「楽しそうに見えたな」
そんな言葉の数々を聞いた代官は、居住まいを正すと俺たちに告げた。
「これからこの街で起こったことを全て王宮に報告するのだが、その結果が出るまで街に滞在してもらえないだろうか。君たちには街一番の高級宿を貸し切らせてもらうし、不自由はさせない」
「それは、何か責められたり……」
急にそんなことを言われては戸惑い、フィーネが恐る恐る問いかけると、代官は少し慌てたように手を横に振る。
「いや、街の救世主を責めるなんてとんでもない。王家から何かしらの礼が出るはずなんだ。そのため、街に留まってもらいたい」
決定権は俺たちに預けてくれているけど、代官の瞳からは懇願が伝わってくるし、後ろにたくさんいる兵士たちからも期待の眼差しが向けられていた。
そんな中で無理に断る勇気は俺になく、そもそもそこまでして断る理由もなく、俺はフィーネに視線を向けて問いかける。
「街にしばらくは滞在する、か?」
するとフィーネも同じ気持ちだったのか、すぐに頷いてくれた。
「そうだね……そうしようか。急ぐ用事もないし」
その返答を聞いた代官は、大袈裟に頭を下げる。
「ありがとう! それでは、さっそく街に戻ろう。しばらくは高級宿でゆっくりと休んでいてほしい」
「はい。ありがとうございます……」
そうして俺たちは代官や一部の兵士と共に、温泉街に戻ることになった。
「なっ、ど、どういうことだ……?」
「俺が今見たのは、夢か?」
「従魔四体で、サラマンダーを討伐した、ぞ?」
次第にそのどよめきは熱量を帯びてきて、その場が熱気に包まれる。
「ぎ、犠牲者なしでサラマンダーを討伐できたぞ!」
「これは凄いことだ……!」
「全員無事に街へ帰れるぞ!」
「うぅ……っ」
「お前、子供が生まれたばっかりだったもんな! 良かったな!」
大喜びで飛び回る人、嬉しさのあまり泣く人、とにかく驚きを露わにする人、まだ呆然としている人、様々な兵士たちの熱気がしばらくは収まらず、その熱気は比較的早くに俺たちへと向かった。
「あの従魔は救世主だ。お前たちは救世主だ!」
「街を救ってくれてありがとう!」
「本当にありがとう……!」
俺たちはもみくちゃにされ、たくさんの兵士に手を握られ肩を叩かれ、とにかく感謝される。そんな状態にひたすら混乱していると……そこにリルンたちが戻ってきた。
『討伐してきたぞ』
『少し手こずったな』
『僕も活躍したよー!』
『サラマンダーの一匹ぐらい、楽勝だったわ』
いつも通りのテンションでいる皆に、兵士たちの視線がギュインっと集まる。そして一気に讃えられた。
「お前たち、本当にありがとう!」
「助かった!」
「めちゃくちゃ強いんだな……!」
そんな褒め言葉の数々に、リルンはふんっと視線を逸らしながらも尻尾はぶんぶんと振られていて、ラトはえへへと嬉しそうに頬を緩めている。
デュラ爺はあまり変わらない表情だけど少し嬉しげで、スーちゃんはいつもよりわざとらしく顔を洗っていた。
そんな皆の分かりやすい嬉しさを表す態度に、俺たちの頬は緩んでしまう。
「皆、可愛いな……」
「本当に可愛いよね。ラトなんてもう、これ以上ないってぐらい照れてるよ」
短い手で頭を掻くようにして尻尾をピンッと立てているラトは、本当に可愛い。リルンもデュラ爺もスーちゃんも全員可愛すぎる。
近くには倒されたサラマンダーがいることも忘れてひたすら和んでいると、突然兵士たちの声が小さくなった。そして自然と兵士たちが道を作り、そこから現れたのは……豪華な文官服のようなものを着たおじさんだ。
「君たちがサラマンダーを討伐してくれたのかな」
優しそうだけど不思議と威厳がある男性の言葉に俺たちが頷くと、その男性は深く頭を下げた。
「ありがとう。この街を預かる代官として、皆を代表して礼を言わせてほしい。本当に助かった。君たちは我が街の救世主だ」
救世主なんて大袈裟な……そう思いつつ、代官という凄い立場にいる人に頭を下げられている現状が居た堪れず、慌てて声をかける。
「あ、あの、たまたま近くにいただけですから」
「そうです。顔を上げてください。あの子たちも楽しんでサラマンダーを討伐してましたし……」
フィーネが苦笑しつつ告げたその言葉に俺も苦笑しながら頷いたけど、楽しみながらという事実を軽く受け止めたのは俺たちだけだった。
「まさか、サラマンダーを楽しみながら討伐できるとは」
代官がそう言って目を見開くと、それに続いて兵士も口を開く。
「どんだけ強いんだ……」
「でも、本当にヤバい戦いしてたよな」
「信じられないぐらい強かったな」
「楽しそうに見えたな」
そんな言葉の数々を聞いた代官は、居住まいを正すと俺たちに告げた。
「これからこの街で起こったことを全て王宮に報告するのだが、その結果が出るまで街に滞在してもらえないだろうか。君たちには街一番の高級宿を貸し切らせてもらうし、不自由はさせない」
「それは、何か責められたり……」
急にそんなことを言われては戸惑い、フィーネが恐る恐る問いかけると、代官は少し慌てたように手を横に振る。
「いや、街の救世主を責めるなんてとんでもない。王家から何かしらの礼が出るはずなんだ。そのため、街に留まってもらいたい」
決定権は俺たちに預けてくれているけど、代官の瞳からは懇願が伝わってくるし、後ろにたくさんいる兵士たちからも期待の眼差しが向けられていた。
そんな中で無理に断る勇気は俺になく、そもそもそこまでして断る理由もなく、俺はフィーネに視線を向けて問いかける。
「街にしばらくは滞在する、か?」
するとフィーネも同じ気持ちだったのか、すぐに頷いてくれた。
「そうだね……そうしようか。急ぐ用事もないし」
その返答を聞いた代官は、大袈裟に頭を下げる。
「ありがとう! それでは、さっそく街に戻ろう。しばらくは高級宿でゆっくりと休んでいてほしい」
「はい。ありがとうございます……」
そうして俺たちは代官や一部の兵士と共に、温泉街に戻ることになった。
176
お気に入りに追加
2,149
あなたにおすすめの小説
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。
3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。
そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!!
こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!!
感想やご意見楽しみにしております!
尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。