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第一章 始まり
本編外小話 カリスタ
しおりを挟む最初カリスタと出会ったのはあの飛竜トカゲ事件の時だ。
俺はあの事件の後、何も考えずに双子お兄ちゃんズの真似をして手綱を握り引っ張りながらさり気なく、カリスタの背を撫でたのだ。
――――その時。
「あ! ダメだ!」
「リン! ダメだ!」
「え? 何??」
双子お兄ちゃんズに急にダメと止められた俺は何が為か分からなかったので変わらず、カリスタの背を優しく撫でていた。
「リン! ダメだっ……たら?」
「えぇっ? カリスタが………………」
「「カリスタが嫌がってない!」」
「っ! へぇ!?」
突如として大きな声で叫ぶ双子お兄ちゃんズに俺は驚いて撫でていた手を思わず止めてしまった。
「な、なんだよ!? 何がどうした!? ……っひょわ! って! 今度は何!?」
驚いた俺は咄嗟に双子お兄ちゃんズに向かって叫んでしまったのだが、その後あまり間を開けずに俺の頬にひんやりと冷たい何かが触れたので更に変な声が出てしまい、冷たさの原因を見ようと首を思いっきりそちらに向けたのだが。
「って! 近い! 何!? どうした? って、ひゃは! ば、馬鹿! やめろ! くすぐったい!」
なんと、カリスタが大きな舌でリンタロウの顔を舐めたり、その冷たい肌の頭をすりすりと摺り寄せているのだ。
「珍しいな、カリスタは俺以外には普段そんなに懐かないのだが」
「え! そうなの? こんなにいい子だよ?」
俺はそう言って今度はカリスタの頭を撫でるが、嫌がれるそぶりがない。
「いやあ、すごいなあリンタロウ殿。私なんて触ろうとしたら頭をガブリといかれてしまったよ。あははははは!」
「えぇ!? ドゥース様が!?」
「家族の誰よりも先に父上が噛まれてたぞ」
「噛まれてたぞ」
「えぇ……、それは」
まさかの第一人者が双子お兄ちゃんズのどちらかではなく、ドゥース様が噛まれたと聞いてこの親にしてこの子ありなのか。と俺はその時思った。
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