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コンビニ店員颯太
しおりを挟む可愛い娘だと思った。
あのタマゴサンドの客は明らかに高島さん目当てだけど時々、店の前を通り過ぎていくのを見かけた。
キョロキョロ動く大きな瞳は店内を見る。
視線からビームが出ているみたいに何を探しているのかとてもわかりやすくて微笑ましかった。
高島さんがいないのはわかっていても確かめてしまう
そんな表情で通り過ぎていくから
「高島さんがいなくてごめんね」と心の中で謝る。
いつの間にか、そんな習慣が出来るほど彼女をよく見ていた。
「颯太君、明日の朝入れそうかな」
急なシフトはアルバイトを多く使っている店あるある
いちいち請け負っていたら体がもたないけど、フッとよぎったのは彼女の瞳
「高島さんいますよね?」
「うん、彼はいるけど朝番の富田さんがねぇ」
富田、富田、あの化粧濃い人かな?
思い出しながら、いいですよ!と答えていた。
「助かるよ明日は仕込み多くてさ、なんとなく富田さん休む気がしてたのに、うっかりしてたよ」
「マネージャー、人雇う時は考えようよ」
僕が言ったところで、えへへへと笑って終わる。
とりあえず明日凌げそうで安心したようだ。
この店は朝が1番忙しいのに時給はそのままで
無言の抗議のつもりなのか月に何度かある休まないでほしい日を選んで休む人がいる。
高島さんは深夜から延長してしばらく朝のシフトに入り忙しい時間帯をこなしていた。
店長とマネージャーは感謝しているけど現場では特に誰も何も言わない
高島さんは淡々と真面目に働くだけだった。
明日、また高島さんと一緒になったらあの娘とのやり取りを見ることが出来るだろう。
その後で、あの娘のことをどう思うのか聞いてみたい
あんなに真っ直ぐに見つめて意思表示してくる娘をひとりの男としてどう感じているのだろうか?
ただ、僕はまだ高島さんとそんなに親しくはない。
いきなりそんなことを聞いたらダメかな?
変な奴だと思われたら嫌だから…やっぱりまだ経過観察でいいかな。
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