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退院した件
しおりを挟む退院した僕のテンションは低い。
あんなに準備して楽しみにしていたのにアニメフェスに退院する事ができず、フェスで欲しかった物や生あゆたんを拝む事ができなかった。
「僕の高校最後の夏は終わった……」
最後の夏が終わった高校球児のように僕は燃え尽きていた。
「はぁー」
タメ息を吐いた僕は座っているベンチから立ち上がり公園を出た。
家から出たくなかったけど退院してからぐーたらしてる僕の事を無理矢理母が「二時間したら帰ってきなさい」と言って家から追い出した。
家から出てちょうど二時間たったので帰る。
家につき、リビングのドアを開けた。
パンパンパン!
「「「「お誕生日おめでとう!」」」」
クラッカーの音と皆の声で驚いたけどそう言えば今日は僕の誕生日だ。
「さぁ賢、座って!」
「染谷君、座って座って!私の隣に!」
「美織ちゃんは何を言ってるのかな?」
滝川さんに北澤さん、紗枝に手を引かれ椅子に座る。
「賢ちゃん、おめでとう!」
そう言ってケーキを持ってきた母に滝川さんと北澤さん、紗枝が「私が持つから」と言い合いをしてそれを母が「あらあら」と微笑んでいるけど三人はいつの間に僕の母と仲良くなったのだろうか?不思議だ
「杏お姉ちゃん、美織お姉ちゃん、紗枝ねぇ早くしようよ」
妹までも紗枝の事は元々『紗枝ねぇ』と呼んでいたのでともかく、滝川さんと北澤さんの事をお姉ちゃんと呼んでるのには本当に驚いた。
「こほん、それではお兄ちゃんローソクの火を消して」
「わかったよ」
僕は妹に返事を返すと一息でローソクの火を消した。
「「「「「おめでとうー!」」」」」
拍手の音と皆の声がリビングに響く。
「あ、ありがとう」
「賢が元気ないから美織と紗枝ちゃんと計画したんだよ」
「そうそう、私はお義母さんと一緒にこのチキン揚げたんだよ」
「美織ちゃん、お義母さんって呼ぶのはまだ早いと思うよ」
「もーそんな事より早く食べようよー」
「あらあら」
騒がしくする皆を見てると嬉しくなる。
「皆、ありがとう」
騒がしくする皆を見ながら僕は呟いた。
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