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25.話し合い
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「……というわけです」
ヘスティアは一通り話し終えると、大きく息を吐いた。
話を聞き終えた一同は、真剣な表情で考え込んでいる。
グレアムの部屋でテーブルを囲んでいるのは、グレアム、アマーリア、レイモンド、ヘスティアの四人だ。
タイロンの話など、まともに信用しなかったヘスティアは、すぐにアマーリアに相談した。
すると、こうして皆で話し合うことになったのだ。
今は炎の乙女のドレスから普段着に着替えたこともあって、ヘスティアの気分は落ち着いている。
「生贄とは、また大胆なことを言い出したものだな」
グレアムが呆れたように呟いた。
「そうやってヘスティアを不安にさせて操ろうという魂胆ね」
アマーリアも険しい表情を浮かべている。
「しかもヘスティアのことを侮辱するなんて……許せない」
レイモンドは怒りに震えているようだった。
彼らの反応を見て、ヘスティアはほっとする。自分が大切だと思われていることを実感したからだ。
タイロンはヘスティアの劣等感を煽り、依存させようとしている。
しかし、辺境伯家の人たちのおかげで、ヘスティアは己の殻を破ることができた。 今は、タイロンに何を言われようとも動じることはない。
彼の言いなりになったふりをして、その裏をかくのだ。
「それで、これが渡されたお守りです」
ヘスティアはタイロンに渡された赤い宝石を取り出し、テーブルに置く。
「これは、何かしら? 魔法がかけられているようには見えないけれど」
アマーリアは不思議そうに赤い宝石を見つめる。他の面々も興味深げに見つめていた。
「見たところ、ただの宝石のようだな……」
グレアムは不思議そうに首を傾げる。
「これと同じものを掲げた場所に逃げ込めと言っていたそうだな。ならば、その場所には仲間がいる可能性が高そうだな」
レイモンドは思案しながら言う。
「そうね。タイロンの後をつけさせているけれど、まだ報告はないわ。でも、引き続き追わせましょう。その宝石と同じものを掲げた場所についても、調査をしないとね」
アマーリアは頷いて答える。
「ただ……タイロンは私に何をさせようとしているのか、わからないのが気になります。参列者に街の人を加えようとするのは、自分の手の者を紛れ込ませるためだというのは想像がつきますが」
ヘスティアは不安になりながら呟く。
タイロンはヘスティアに何をさせるつもりなのか。
本当に救いたいなどと考えていないのは明らかだ。そもそも、彼が言った生贄自体が、嘘だろう。
あんな信用できない男が言った生贄の話よりも、ヘスティアをこれまで大切に扱ってくれた辺境伯家の人たちを信じたい。
「確かに、不思議な話ではあるな。ヘスティアを利用しようとしているのは間違いないだろうが、どういった役割なのかが不明だ。奴の言う、特殊な魔法とやらが関係しているのかもしれん」
グレアムは難しい表情を浮かべて腕を組む。
「ヘスティア、タイロンの魔法に心当たりはないかしら?」
アマーリアに尋ねられ、ヘスティアは首を横に振る。
「いえ……そもそも、彼が魔法を使えるということも、知りませんでした」
ヘスティアの答えを聞いて、アマーリアは難しい表情を浮かべる。
「そう……ポーラにも聞いてみましょう。もしかしたら、知っているかもしれないわ」
「……大丈夫でしょうか?」
ヘスティアは不安に感じながら尋ねる。
「ええ、任せてちょうだい」
アマーリアは頼もしい笑みを浮かべた。
「それで、その赤い宝石はどうするつもりだ?」
テーブルに置かれたままの赤い宝石を眺め、グレアムが尋ねる。
「タイロンのことは信用できません。私がこれを持っていることで、何か利用されてしまうかもしれないと考えると……」
ヘスティアは赤い宝石を見つめながら答える。
「確かに、そうだな。ならば、儂が預かろうか」
「いえ、仮に持っている者を操るような効果があった場合、おじいさまでは危険です。おじいさまが暴れ出したら、誰も止められません」
グレアムの提案を、レイモンドが慌てて却下する。
「なんだ、儂に決闘で勝つと息巻いていたくせに、自信がないではないか」
「それとこれとは別問題です!」
軽口を叩くグレアムを、レイモンドは一喝する。
そんな二人の様子を見て、ヘスティアは思わず笑みをこぼした。
こんな状況なのに、自分は笑っていられる。
自分の居場所がある、大切にしてくれる人たちがいる。
それはヘスティアにとって何よりも嬉しいことだった。
「わかったわ。では、私が保管しておくわね」
アマーリアはそう言うと、赤い宝石を手に取った。
「ありがとうございます……申し訳ありません」
ヘスティアは礼を述べながら頭を下げる。
「いいのよ。あなたを危険な目にあわせるわけにはいかないもの」
アマーリアは優しく微笑むと、宝石を布にくるむ。そして、大事そうに抱え込んだ。
「それじゃあ、さっそく行動に移りましょう」
アマーリアは椅子から立ち上がると、宣言するように言った。
「そうだな、まずはタイロンの後をつけさせていた者の報告を聞こう。それから、街の調査だ」
グレアムも頷きながら立ち上がる。
「ヘスティア、きみのことは俺が必ず守る。だから、安心してくれ」
レイモンドも力強く宣言した。
「はい……よろしくお願いします!」
ヘスティアも立ち上がり、彼らに深く頭を下げた。
部屋を出て行くグレアムとアマーリアの後を追おうとしたところで、レイモンドから呼び止められる。
「ヘスティア……この件が無事に終わったら、俺と正式に婚約を結ぼう」
レイモンドは真剣な眼差しで、ヘスティアを見つめる。
「えっ……婚約ですか?」
突然の申し出に、ヘスティアは困惑する。
結婚を申し込まれて承諾したのだから、当然のことではある。しかし、こうもはっきり言われると、戸惑ってしまう。
「ああ、そうだ。俺の妻になってくれるんだよな。だから、ほかの男には渡さない」
レイモンドは真剣な表情で告げると、ヘスティアを抱き寄せる。
「あっ……」
突然の抱擁に驚きながらも、ヘスティアは小さく声を上げた。
「約束の証だ」
そう言うと、レイモンドはヘスティアの額に口づけをする。そして、名残惜しそうにゆっくりと体を離した。
「では、またあとで」
レイモンドは照れたように微笑むと、部屋を出て行く。
一人残されたヘスティアは呆然と立ち尽くしていた。
心臓がどきどきと高鳴っている。顔が熱くなり、頬が赤くなっているのが鏡を見なくてもわかった。
「レイモンドさま……」
ヘスティアは無意識に彼の名前を呟いていた。胸の奥が温かくなるような不思議な感覚だった。
しばらくして我に返ると、慌てて部屋から出て行く。そして、そのまま廊下を早足で歩き出した。
ヘスティアは一通り話し終えると、大きく息を吐いた。
話を聞き終えた一同は、真剣な表情で考え込んでいる。
グレアムの部屋でテーブルを囲んでいるのは、グレアム、アマーリア、レイモンド、ヘスティアの四人だ。
タイロンの話など、まともに信用しなかったヘスティアは、すぐにアマーリアに相談した。
すると、こうして皆で話し合うことになったのだ。
今は炎の乙女のドレスから普段着に着替えたこともあって、ヘスティアの気分は落ち着いている。
「生贄とは、また大胆なことを言い出したものだな」
グレアムが呆れたように呟いた。
「そうやってヘスティアを不安にさせて操ろうという魂胆ね」
アマーリアも険しい表情を浮かべている。
「しかもヘスティアのことを侮辱するなんて……許せない」
レイモンドは怒りに震えているようだった。
彼らの反応を見て、ヘスティアはほっとする。自分が大切だと思われていることを実感したからだ。
タイロンはヘスティアの劣等感を煽り、依存させようとしている。
しかし、辺境伯家の人たちのおかげで、ヘスティアは己の殻を破ることができた。 今は、タイロンに何を言われようとも動じることはない。
彼の言いなりになったふりをして、その裏をかくのだ。
「それで、これが渡されたお守りです」
ヘスティアはタイロンに渡された赤い宝石を取り出し、テーブルに置く。
「これは、何かしら? 魔法がかけられているようには見えないけれど」
アマーリアは不思議そうに赤い宝石を見つめる。他の面々も興味深げに見つめていた。
「見たところ、ただの宝石のようだな……」
グレアムは不思議そうに首を傾げる。
「これと同じものを掲げた場所に逃げ込めと言っていたそうだな。ならば、その場所には仲間がいる可能性が高そうだな」
レイモンドは思案しながら言う。
「そうね。タイロンの後をつけさせているけれど、まだ報告はないわ。でも、引き続き追わせましょう。その宝石と同じものを掲げた場所についても、調査をしないとね」
アマーリアは頷いて答える。
「ただ……タイロンは私に何をさせようとしているのか、わからないのが気になります。参列者に街の人を加えようとするのは、自分の手の者を紛れ込ませるためだというのは想像がつきますが」
ヘスティアは不安になりながら呟く。
タイロンはヘスティアに何をさせるつもりなのか。
本当に救いたいなどと考えていないのは明らかだ。そもそも、彼が言った生贄自体が、嘘だろう。
あんな信用できない男が言った生贄の話よりも、ヘスティアをこれまで大切に扱ってくれた辺境伯家の人たちを信じたい。
「確かに、不思議な話ではあるな。ヘスティアを利用しようとしているのは間違いないだろうが、どういった役割なのかが不明だ。奴の言う、特殊な魔法とやらが関係しているのかもしれん」
グレアムは難しい表情を浮かべて腕を組む。
「ヘスティア、タイロンの魔法に心当たりはないかしら?」
アマーリアに尋ねられ、ヘスティアは首を横に振る。
「いえ……そもそも、彼が魔法を使えるということも、知りませんでした」
ヘスティアの答えを聞いて、アマーリアは難しい表情を浮かべる。
「そう……ポーラにも聞いてみましょう。もしかしたら、知っているかもしれないわ」
「……大丈夫でしょうか?」
ヘスティアは不安に感じながら尋ねる。
「ええ、任せてちょうだい」
アマーリアは頼もしい笑みを浮かべた。
「それで、その赤い宝石はどうするつもりだ?」
テーブルに置かれたままの赤い宝石を眺め、グレアムが尋ねる。
「タイロンのことは信用できません。私がこれを持っていることで、何か利用されてしまうかもしれないと考えると……」
ヘスティアは赤い宝石を見つめながら答える。
「確かに、そうだな。ならば、儂が預かろうか」
「いえ、仮に持っている者を操るような効果があった場合、おじいさまでは危険です。おじいさまが暴れ出したら、誰も止められません」
グレアムの提案を、レイモンドが慌てて却下する。
「なんだ、儂に決闘で勝つと息巻いていたくせに、自信がないではないか」
「それとこれとは別問題です!」
軽口を叩くグレアムを、レイモンドは一喝する。
そんな二人の様子を見て、ヘスティアは思わず笑みをこぼした。
こんな状況なのに、自分は笑っていられる。
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「わかったわ。では、私が保管しておくわね」
アマーリアはそう言うと、赤い宝石を手に取った。
「ありがとうございます……申し訳ありません」
ヘスティアは礼を述べながら頭を下げる。
「いいのよ。あなたを危険な目にあわせるわけにはいかないもの」
アマーリアは優しく微笑むと、宝石を布にくるむ。そして、大事そうに抱え込んだ。
「それじゃあ、さっそく行動に移りましょう」
アマーリアは椅子から立ち上がると、宣言するように言った。
「そうだな、まずはタイロンの後をつけさせていた者の報告を聞こう。それから、街の調査だ」
グレアムも頷きながら立ち上がる。
「ヘスティア、きみのことは俺が必ず守る。だから、安心してくれ」
レイモンドも力強く宣言した。
「はい……よろしくお願いします!」
ヘスティアも立ち上がり、彼らに深く頭を下げた。
部屋を出て行くグレアムとアマーリアの後を追おうとしたところで、レイモンドから呼び止められる。
「ヘスティア……この件が無事に終わったら、俺と正式に婚約を結ぼう」
レイモンドは真剣な眼差しで、ヘスティアを見つめる。
「えっ……婚約ですか?」
突然の申し出に、ヘスティアは困惑する。
結婚を申し込まれて承諾したのだから、当然のことではある。しかし、こうもはっきり言われると、戸惑ってしまう。
「ああ、そうだ。俺の妻になってくれるんだよな。だから、ほかの男には渡さない」
レイモンドは真剣な表情で告げると、ヘスティアを抱き寄せる。
「あっ……」
突然の抱擁に驚きながらも、ヘスティアは小さく声を上げた。
「約束の証だ」
そう言うと、レイモンドはヘスティアの額に口づけをする。そして、名残惜しそうにゆっくりと体を離した。
「では、またあとで」
レイモンドは照れたように微笑むと、部屋を出て行く。
一人残されたヘスティアは呆然と立ち尽くしていた。
心臓がどきどきと高鳴っている。顔が熱くなり、頬が赤くなっているのが鏡を見なくてもわかった。
「レイモンドさま……」
ヘスティアは無意識に彼の名前を呟いていた。胸の奥が温かくなるような不思議な感覚だった。
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