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24.生贄
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「そんな……嘘です! そんなの信じられません!」
ヘスティアは思わず叫んだ。
しかし、タイロンは真剣な表情で続ける。
「いや、本当だよ。この話は一部の者しか知らないことだけど……僕は知っているんだ」
タイロンは自信ありげに言う。
呆然としたまま、ヘスティアは彼を見つめた。
「で、でも……以前はアマーリアさまも炎の乙女役を務めたと聞いています。アマーリアさまはご存命です。だから、そんなはずは……」
「ああ……確かに、普段はそうだね。人形を投げ入れておしまいだ。でも、今は状況が違う。きみは、幻獣のことについて何か聞いていないかい?」
真剣な表情で、タイロンは尋ねてくる。
ヘスティアは困惑しながら答えた。
「幻獣は眠っていると……」
「そのとおり。だから、今回は特別なんだ。炎の精霊に捧げるために、生きた人間が必要なんだよ」
タイロンは興奮気味に言う。
何も言えず、ヘスティアはただ彼を見つめた。
「そんな……」
「でも、心配はいらないよ。きみは僕が守ってあげよう」
タイロンは優しく微笑むと、ヘスティアの手を取った。
その手はまるで氷のように冷たく感じられる。
「考えてもごらん。どうして辺境伯家の人たちが、きみなんかのことを大切に扱うのか」
タイロンは意味深に微笑む。
ヘスティアは背筋に冷たいものが走るのを感じた。
「……それは、どういう意味ですか?」
ヘスティアがおそるおそる尋ねると、タイロンはにやりと口角を上げた。
「まさか、自分に価値があるなんて勘違いしてるんじゃないだろうね?」
タイロンは嘲笑うように言い放った。
その蔑みのこもった目に、ヘスティアは言葉を失う。
「きみのような役立たずが、辺境伯の人たちから大切にされるわけがないだろう。いちおうは男爵令嬢という貴族の娘で、生贄にするのにちょうどいいからだよ。だから、彼らはきみを丁重に扱うんだ。わかるかい?」
タイロンの言葉が胸に突き刺さる。ヘスティアはぎゅっと唇を噛んだ。
「そう……だったのですか」
俯きがちに、ヘスティアは掠れた声で答えた。
役立たず、大切にされるはずがない。それらの言葉がかつての扱いと重なり、ヘスティアの心を抉ろうとしてくる。
「ほら、やっぱり知らなかったんじゃないか。馬鹿だなぁ、きみは」
呆れたように言うと、タイロンは鼻で笑う。そして、さらに続ける。
「でも、きみを辺境伯家に紹介したのは僕だからね。責任は感じているんだ。だから、きみを助けてあげようと思ってね」
「助ける……?」
ヘスティアは訝しげな表情を浮かべる。
タイロンは笑みを浮かべたまま、ゆっくりと頷いた。
「ああ、そうだよ。きみのような役立たず、助けてあげようなんていうのは僕くらいのものだ。感謝してほしいね」
得意げな表情で、タイロンは言い放つ。
ヘスティアは何も答えられずに、拳を軽く握りしめる。
「火口での儀式は、希望者が参列できるんだ。でも、今回は口裏を合わせるために、辺境伯家の息のかかった者だけを送り込むはずだ」
タイロンは確信に満ちた目で言う。
ヘスティアは戸惑いながらも、彼の言葉に耳を傾けた。
「だから、ごく普通の人々を加えよう。当日、街の人も儀式に参列させろと要求する。そうすれば、辺境伯家の人は断れない」
タイロンは楽しげに笑いながら説明を続ける。
黙ったまま、ヘスティアはじっと彼を見ていた。
「そうすれば、人の目があるから儀式は表向き、人形を投げ入れて普通に終わるはずだ。それから、人目を忍んでもう一度儀式をやり直すことになる。いったんは、山から戻ってくるだろう」
そう言うと、タイロンはポケットに手を突っ込んだ。一瞬だけ顔をしかめるが、すぐに笑顔に戻る。
「これをきみにあげよう」
タイロンはポケットから何かを取り出した。
それは、赤い宝石のようなものだった。雫型をしており、下の部分がまるで影のように色が濃くなっている。
その宝石を、取り出した手と逆側に持ち替え、タイロンはヘスティアの手に握らせた。
「これは……?」
「きみを守るためのお守りだよ。山から戻ってすぐ、これと同じものを掲げた場所に逃げ込むんだ。そうすれば、きみは助かる。炎の乙女として死なずに済むよ」
不思議そうなヘスティアに、タイロンは優しく微笑んだ。
「実は、僕は特殊な魔法が使えるんだ。詳しく言うことはできないけれど、僕は影のようにきみを守ることができる。だから、安心していい」
タイロンは自信に満ちた表情で言った。
ヘスティアはその言葉の意味を理解しようと、必死で頭を働かせる。
「どうして……そこまでしてくださるのですか?」
ヘスティアが尋ねると、タイロンはその場に片膝をつく。
そして、先ほどポケットに入れた側の手でヘスティアのドレスの裾をつかむと、軽く口づけをした。
その瞬間、ヘスティアの背筋にぞくりとしたものが走る。
「僕はきみを救いたいんだ。だから、僕を信じてほしい」
タイロンは真剣な表情で見つめてくる。しかし、その瞳の奥には別の感情も見え隠れしているように感じられた。
ヘスティアはタイロンの瞳を見つめ返すと、静かに頷いた。
「わかりました……ありがとうございます」
感情のない声でヘスティアが答えると、タイロンは安堵の表情を浮かべる。
「きみを助けてあげられるのは、僕だけだからね。きみなんかを気にかける人間は、他にいないんだよ。だから、僕に従うしかないんだ」
ヘスティアの心に刻み込むよう、タイロンは繰り返す。
「はい……わかりました」
ヘスティアは素直に答える。
すると、タイロンは満足げな笑みを浮かべた。
「それでいいんだよ。きみは僕の言うとおりに行動すればいいんだ」
タイロンは立ち上がると、ヘスティアに背を向ける。そして、そのまま部屋を出て行った。
一人残されたヘスティアは、彼が出て行った扉を見つめる。
「あなたは……変わらないわね。いつまでも私が思いどおりになると思っているんだから」
ため息をつくと、ヘスティアは手の中にある赤い宝石を見つめた。
「そうはいかないわよ。私は自分の意思で生きていくんだから」
ヘスティアはそう呟くと、赤いドレスの裾を払って立ち上がる。そして、足早に部屋を出て行った。
ヘスティアは思わず叫んだ。
しかし、タイロンは真剣な表情で続ける。
「いや、本当だよ。この話は一部の者しか知らないことだけど……僕は知っているんだ」
タイロンは自信ありげに言う。
呆然としたまま、ヘスティアは彼を見つめた。
「で、でも……以前はアマーリアさまも炎の乙女役を務めたと聞いています。アマーリアさまはご存命です。だから、そんなはずは……」
「ああ……確かに、普段はそうだね。人形を投げ入れておしまいだ。でも、今は状況が違う。きみは、幻獣のことについて何か聞いていないかい?」
真剣な表情で、タイロンは尋ねてくる。
ヘスティアは困惑しながら答えた。
「幻獣は眠っていると……」
「そのとおり。だから、今回は特別なんだ。炎の精霊に捧げるために、生きた人間が必要なんだよ」
タイロンは興奮気味に言う。
何も言えず、ヘスティアはただ彼を見つめた。
「そんな……」
「でも、心配はいらないよ。きみは僕が守ってあげよう」
タイロンは優しく微笑むと、ヘスティアの手を取った。
その手はまるで氷のように冷たく感じられる。
「考えてもごらん。どうして辺境伯家の人たちが、きみなんかのことを大切に扱うのか」
タイロンは意味深に微笑む。
ヘスティアは背筋に冷たいものが走るのを感じた。
「……それは、どういう意味ですか?」
ヘスティアがおそるおそる尋ねると、タイロンはにやりと口角を上げた。
「まさか、自分に価値があるなんて勘違いしてるんじゃないだろうね?」
タイロンは嘲笑うように言い放った。
その蔑みのこもった目に、ヘスティアは言葉を失う。
「きみのような役立たずが、辺境伯の人たちから大切にされるわけがないだろう。いちおうは男爵令嬢という貴族の娘で、生贄にするのにちょうどいいからだよ。だから、彼らはきみを丁重に扱うんだ。わかるかい?」
タイロンの言葉が胸に突き刺さる。ヘスティアはぎゅっと唇を噛んだ。
「そう……だったのですか」
俯きがちに、ヘスティアは掠れた声で答えた。
役立たず、大切にされるはずがない。それらの言葉がかつての扱いと重なり、ヘスティアの心を抉ろうとしてくる。
「ほら、やっぱり知らなかったんじゃないか。馬鹿だなぁ、きみは」
呆れたように言うと、タイロンは鼻で笑う。そして、さらに続ける。
「でも、きみを辺境伯家に紹介したのは僕だからね。責任は感じているんだ。だから、きみを助けてあげようと思ってね」
「助ける……?」
ヘスティアは訝しげな表情を浮かべる。
タイロンは笑みを浮かべたまま、ゆっくりと頷いた。
「ああ、そうだよ。きみのような役立たず、助けてあげようなんていうのは僕くらいのものだ。感謝してほしいね」
得意げな表情で、タイロンは言い放つ。
ヘスティアは何も答えられずに、拳を軽く握りしめる。
「火口での儀式は、希望者が参列できるんだ。でも、今回は口裏を合わせるために、辺境伯家の息のかかった者だけを送り込むはずだ」
タイロンは確信に満ちた目で言う。
ヘスティアは戸惑いながらも、彼の言葉に耳を傾けた。
「だから、ごく普通の人々を加えよう。当日、街の人も儀式に参列させろと要求する。そうすれば、辺境伯家の人は断れない」
タイロンは楽しげに笑いながら説明を続ける。
黙ったまま、ヘスティアはじっと彼を見ていた。
「そうすれば、人の目があるから儀式は表向き、人形を投げ入れて普通に終わるはずだ。それから、人目を忍んでもう一度儀式をやり直すことになる。いったんは、山から戻ってくるだろう」
そう言うと、タイロンはポケットに手を突っ込んだ。一瞬だけ顔をしかめるが、すぐに笑顔に戻る。
「これをきみにあげよう」
タイロンはポケットから何かを取り出した。
それは、赤い宝石のようなものだった。雫型をしており、下の部分がまるで影のように色が濃くなっている。
その宝石を、取り出した手と逆側に持ち替え、タイロンはヘスティアの手に握らせた。
「これは……?」
「きみを守るためのお守りだよ。山から戻ってすぐ、これと同じものを掲げた場所に逃げ込むんだ。そうすれば、きみは助かる。炎の乙女として死なずに済むよ」
不思議そうなヘスティアに、タイロンは優しく微笑んだ。
「実は、僕は特殊な魔法が使えるんだ。詳しく言うことはできないけれど、僕は影のようにきみを守ることができる。だから、安心していい」
タイロンは自信に満ちた表情で言った。
ヘスティアはその言葉の意味を理解しようと、必死で頭を働かせる。
「どうして……そこまでしてくださるのですか?」
ヘスティアが尋ねると、タイロンはその場に片膝をつく。
そして、先ほどポケットに入れた側の手でヘスティアのドレスの裾をつかむと、軽く口づけをした。
その瞬間、ヘスティアの背筋にぞくりとしたものが走る。
「僕はきみを救いたいんだ。だから、僕を信じてほしい」
タイロンは真剣な表情で見つめてくる。しかし、その瞳の奥には別の感情も見え隠れしているように感じられた。
ヘスティアはタイロンの瞳を見つめ返すと、静かに頷いた。
「わかりました……ありがとうございます」
感情のない声でヘスティアが答えると、タイロンは安堵の表情を浮かべる。
「きみを助けてあげられるのは、僕だけだからね。きみなんかを気にかける人間は、他にいないんだよ。だから、僕に従うしかないんだ」
ヘスティアの心に刻み込むよう、タイロンは繰り返す。
「はい……わかりました」
ヘスティアは素直に答える。
すると、タイロンは満足げな笑みを浮かべた。
「それでいいんだよ。きみは僕の言うとおりに行動すればいいんだ」
タイロンは立ち上がると、ヘスティアに背を向ける。そして、そのまま部屋を出て行った。
一人残されたヘスティアは、彼が出て行った扉を見つめる。
「あなたは……変わらないわね。いつまでも私が思いどおりになると思っているんだから」
ため息をつくと、ヘスティアは手の中にある赤い宝石を見つめた。
「そうはいかないわよ。私は自分の意思で生きていくんだから」
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