18 / 37
18.ポーラの企み
しおりを挟む
その後は何事もなく人形作りが進み、等身大の藁人形が広間に飾られることになった。
可愛らしい衣装に身を包んだ藁人形は、まるで生きているかのような存在感を放っている。
その出来栄えに、アマーリアも満足げな表情を浮かべていた。
「素敵ね。では、最後の仕上げをしましょうか」
アマーリアはそう言うと、藁人形にそっと赤い石が輝くブローチをつける。
タイロンからの贈り物だという、花のブローチだ。ヘスティアは何とも言えない気持ちを抱いたまま、人形を見つめていた。
彼からの贈り物など欲しくないのだが、タイロンが何を思ってポーラに預けたのかが気になる。
しかし、ポーラに尋ねたところで、素直に答えるとは思えない。
ヘスティアがもやもやとした気持ちを抱えていると、アマーリアは祈るようにブローチに手を触れる。
「火の精霊よ、どうか我が願いを聞き届けたまえ」
アマーリアはそう呟くと、静かに目を閉じた。
すると、人形に飾られた赤い石が、炎のような輝きを放ち始める。そして、人形全体が光に包まれ始めた。
「すごい……」
ヘスティアは思わず感嘆の声を上げた。
藁人形は赤い光に包まれ、炎のような揺らめきを放っている。それはまるで炎の花が咲いているかのようだった。
ほのかに花のような香りが漂い、周囲を包む。
幻想的な光景に誰もが目を奪われていた。
「綺麗……」
ヘスティアは思わず呟く。
すると、アマーリアがゆっくりと目を開けた。そして、静かに微笑むと口を開く。
「これで完成よ」
アマーリアの言葉に、使用人たちから歓声が上がる。皆一様に喜びを露わにしていた。
藁人形は炎のように輝き続け、その存在感をさらに高めていく。
どうやらアマーリアの魔法によって、人形の中に火の力が込められているようだ。
「みんなありがとう。おかげで素晴らしい人形が完成したわ」
アマーリアはそう言うと、使用人たち一人一人に声をかけていく。その表情からは心からの感謝が感じられた。
「さあ、祭りまであともう少しよ。最後まで気を抜かずに頑張りましょう!」
アマーリアの言葉に、使用人たちは元気よく返事をする。
その様子を見て、ヘスティアは心が温かくなるのを感じた。
「私はこれから外で打ち合わせがあるから、後はお願いね」
アマーリアはそう言うと、使用人たちに後を託す。そして、出かける準備をするために広間を去っていった。
残された使用人たちは、祭りの準備を続ける。
藁人形を広間の中央に飾り、祭りの日がくるまで大切に保管するのだ。
ヘスティアも人形のブローチが気になりながらも、祭りの準備に取り掛かるのだった。
その翌日、屋敷は大騒ぎになっていた。
広間の藁人形から、輝きが失われてしまったのだ。
「そんな……どうして……?」
ヘスティアは信じられない思いで、人形を見つめる。
藁人形はただの藁の塊になっており、炎のような赤い光も、花のような香りもない。
「どうして……こんなことに……」
ヘスティアは呆然としながら呟く。
「ねえ、こういうことってよくあるの?」
ポーラは使用人の一人に話しかける。
すると、使用人は困ったように答えた。
「いえ……こんなことは初めてです……」
使用人たちは戸惑いの表情を浮かべる。彼らにもわからないようだ。
アマーリアはまだ不在で、すぐに連絡を取ることができない。
「いつもアマーリアさまは、最後に小物を使って魔法をかけてくださっているのですが……」
使用人の一人が言いかけたところで、ポーラがわざとらしいまでに驚嘆の声を上げる。
「まあ、ブローチが無くなっているわ!」
「え……?」
使用人たちはポーラの指さす方を見る。すると、確かにブローチが無くなっていた。
「まさか……盗まれたの……?」
使用人の一人が信じられないといった様子で言う。
ポーラは大袈裟に口元を両手で覆った。
「そんな……まさか……でも……そうとしか……」
ポーラはぶつぶつと独り言を言い始める。その様子は明らかに不自然だった。
ヘスティアは嫌な予感を覚える。
「あなた……もしかして……」
ヘスティアがポーラに声をかけようとした瞬間、彼女は大声を出した。
「お姉さまがブローチを盗んだのね! なんということかしら……!」
「なっ……!」
ヘスティアは驚愕の声を上げる。
周囲の使用人たちの視線が一斉に集まった。
「お姉さまは、本当はタイロンお兄さまのことが忘れられなかったのね! そうよね……元婚約者ですもの! だから、タイロンお兄さまからのブローチを盗んで、自分のものにしようとしたんだわ!」
ポーラは目に涙を浮かべながら、ヘスティアを責め立てる。
「ち、違うわ……私はそんなこと……」
ヘスティアは反論しようとするが、周囲の視線が集まる中で声を発することができずにいた。
「大旦那さまの後妻になるのだから、そんな想いは捨てるべきなのに……。だから、浄化すればいいと思って、人形にブローチを飾り付けてもらったのに……こんなことになるなんて……」
ポーラはそう言いながら、泣き崩れるふりをする。しかし、その瞳からは涙など流れていなかった。
「ひどいわ……お姉さま……! そんなにタイロンお兄さまのことが好きだったなんて……!」
ポーラはわざとらしく叫ぶ。
周囲がざわつき始めた。
「ヘスティアちゃん……いえ、ヘスティアさまがそんなことをするわけが……」
「そうよ、ブローチを盗んだというのなら、むしろ怪しいのはポーラさまだわ」
使用人たちが口々に言う。
だが、ポーラはすぐさま反論した。
「どうして私なのよ! だったら、お姉さまの部屋を調べてみましょうよ! きっと、ブローチが出てくるはずよ!」
ポーラの言葉に、使用人の一人がヘスティアの部屋へ向かう。そして、すぐに戻ってきた。
「ポーラさまの言うとおりです……ブローチが見つかりました……」
使用人の言葉に、さらにざわつく。
ポーラはほくそ笑んだ。
「ほら見なさい! やっぱりお姉さまが盗んだのよ!」
ポーラは勝ち誇ったように叫ぶ。
ヘスティアは歯噛みした。このままでは、ポーラの思うつぼである。
「違う……それは私が盗んだものじゃないわ……」
ヘスティアが訴えかけるように言うと、ポーラはわざとらしく首を傾げた。
「あら? それならどうしてお姉さまの部屋にブローチがあるの?」
ポーラはヘスティアを挑発するように問いかける。
一瞬、頭に血が上りそうになるが、ヘスティアはなんとか堪えた。ここで冷静さを失ってはならない。
「……どうせ、あなたが盗んで私の部屋に置いていったのでしょう? 私に罪を着せようとしているんだわ」
ヘスティアの言葉に、使用人たちはざわめく。
ポーラはやれやれと首を振った。
「お姉さまったら往生際が悪いわね。でも、お姉さまの想いの深さに気付かなった私にも非があるわね……」
ポーラはそう言うと、悲しげな表情を浮かべた。
「だから、この件はここでおしまいにしましょう。今度こそブローチを捧げて、タイロンお兄さまへの想いを振り払ってほしいわ」
「だから、私は盗んでなんかいないわ! そもそも、タイロンさまのことなんて元から好きでも……」
「お姉さま、言わなくてもいいわ! このブローチを人形に戻して、それで全て終わりよ!」
ポーラはヘスティアの言葉を遮ると、人形にブローチをつけた。
ところが、人形はそのままで、輝きは戻らない。
「え……? どうして……」
ポーラは焦ってブローチを外すと、再度飾り付けた。だが、結果は変わらない。
「そんな……まさか……」
ポーラは信じられないという表情で呟く。その顔から血の気が引いていった。
どうやら、ヘスティアの心の不貞を知らしめて嫌がらせをする作戦だったらしい。
間違いなく、ブローチを盗んで仕組んだのはポーラだ。
しかし、それを深く追及して真相解明などされては、彼女にとってはたまったものではない。だから、それほど大事にはしたくなかったのだろう。
ブローチを人形に戻し、なあなあで済ませたかったに違いない。
ところが、もはや彼女の思惑は外れてしまった。
「何の騒ぎだ」
さらに、しばらく屋敷を留守にしていたレイモンドが戻ってきた。
可愛らしい衣装に身を包んだ藁人形は、まるで生きているかのような存在感を放っている。
その出来栄えに、アマーリアも満足げな表情を浮かべていた。
「素敵ね。では、最後の仕上げをしましょうか」
アマーリアはそう言うと、藁人形にそっと赤い石が輝くブローチをつける。
タイロンからの贈り物だという、花のブローチだ。ヘスティアは何とも言えない気持ちを抱いたまま、人形を見つめていた。
彼からの贈り物など欲しくないのだが、タイロンが何を思ってポーラに預けたのかが気になる。
しかし、ポーラに尋ねたところで、素直に答えるとは思えない。
ヘスティアがもやもやとした気持ちを抱えていると、アマーリアは祈るようにブローチに手を触れる。
「火の精霊よ、どうか我が願いを聞き届けたまえ」
アマーリアはそう呟くと、静かに目を閉じた。
すると、人形に飾られた赤い石が、炎のような輝きを放ち始める。そして、人形全体が光に包まれ始めた。
「すごい……」
ヘスティアは思わず感嘆の声を上げた。
藁人形は赤い光に包まれ、炎のような揺らめきを放っている。それはまるで炎の花が咲いているかのようだった。
ほのかに花のような香りが漂い、周囲を包む。
幻想的な光景に誰もが目を奪われていた。
「綺麗……」
ヘスティアは思わず呟く。
すると、アマーリアがゆっくりと目を開けた。そして、静かに微笑むと口を開く。
「これで完成よ」
アマーリアの言葉に、使用人たちから歓声が上がる。皆一様に喜びを露わにしていた。
藁人形は炎のように輝き続け、その存在感をさらに高めていく。
どうやらアマーリアの魔法によって、人形の中に火の力が込められているようだ。
「みんなありがとう。おかげで素晴らしい人形が完成したわ」
アマーリアはそう言うと、使用人たち一人一人に声をかけていく。その表情からは心からの感謝が感じられた。
「さあ、祭りまであともう少しよ。最後まで気を抜かずに頑張りましょう!」
アマーリアの言葉に、使用人たちは元気よく返事をする。
その様子を見て、ヘスティアは心が温かくなるのを感じた。
「私はこれから外で打ち合わせがあるから、後はお願いね」
アマーリアはそう言うと、使用人たちに後を託す。そして、出かける準備をするために広間を去っていった。
残された使用人たちは、祭りの準備を続ける。
藁人形を広間の中央に飾り、祭りの日がくるまで大切に保管するのだ。
ヘスティアも人形のブローチが気になりながらも、祭りの準備に取り掛かるのだった。
その翌日、屋敷は大騒ぎになっていた。
広間の藁人形から、輝きが失われてしまったのだ。
「そんな……どうして……?」
ヘスティアは信じられない思いで、人形を見つめる。
藁人形はただの藁の塊になっており、炎のような赤い光も、花のような香りもない。
「どうして……こんなことに……」
ヘスティアは呆然としながら呟く。
「ねえ、こういうことってよくあるの?」
ポーラは使用人の一人に話しかける。
すると、使用人は困ったように答えた。
「いえ……こんなことは初めてです……」
使用人たちは戸惑いの表情を浮かべる。彼らにもわからないようだ。
アマーリアはまだ不在で、すぐに連絡を取ることができない。
「いつもアマーリアさまは、最後に小物を使って魔法をかけてくださっているのですが……」
使用人の一人が言いかけたところで、ポーラがわざとらしいまでに驚嘆の声を上げる。
「まあ、ブローチが無くなっているわ!」
「え……?」
使用人たちはポーラの指さす方を見る。すると、確かにブローチが無くなっていた。
「まさか……盗まれたの……?」
使用人の一人が信じられないといった様子で言う。
ポーラは大袈裟に口元を両手で覆った。
「そんな……まさか……でも……そうとしか……」
ポーラはぶつぶつと独り言を言い始める。その様子は明らかに不自然だった。
ヘスティアは嫌な予感を覚える。
「あなた……もしかして……」
ヘスティアがポーラに声をかけようとした瞬間、彼女は大声を出した。
「お姉さまがブローチを盗んだのね! なんということかしら……!」
「なっ……!」
ヘスティアは驚愕の声を上げる。
周囲の使用人たちの視線が一斉に集まった。
「お姉さまは、本当はタイロンお兄さまのことが忘れられなかったのね! そうよね……元婚約者ですもの! だから、タイロンお兄さまからのブローチを盗んで、自分のものにしようとしたんだわ!」
ポーラは目に涙を浮かべながら、ヘスティアを責め立てる。
「ち、違うわ……私はそんなこと……」
ヘスティアは反論しようとするが、周囲の視線が集まる中で声を発することができずにいた。
「大旦那さまの後妻になるのだから、そんな想いは捨てるべきなのに……。だから、浄化すればいいと思って、人形にブローチを飾り付けてもらったのに……こんなことになるなんて……」
ポーラはそう言いながら、泣き崩れるふりをする。しかし、その瞳からは涙など流れていなかった。
「ひどいわ……お姉さま……! そんなにタイロンお兄さまのことが好きだったなんて……!」
ポーラはわざとらしく叫ぶ。
周囲がざわつき始めた。
「ヘスティアちゃん……いえ、ヘスティアさまがそんなことをするわけが……」
「そうよ、ブローチを盗んだというのなら、むしろ怪しいのはポーラさまだわ」
使用人たちが口々に言う。
だが、ポーラはすぐさま反論した。
「どうして私なのよ! だったら、お姉さまの部屋を調べてみましょうよ! きっと、ブローチが出てくるはずよ!」
ポーラの言葉に、使用人の一人がヘスティアの部屋へ向かう。そして、すぐに戻ってきた。
「ポーラさまの言うとおりです……ブローチが見つかりました……」
使用人の言葉に、さらにざわつく。
ポーラはほくそ笑んだ。
「ほら見なさい! やっぱりお姉さまが盗んだのよ!」
ポーラは勝ち誇ったように叫ぶ。
ヘスティアは歯噛みした。このままでは、ポーラの思うつぼである。
「違う……それは私が盗んだものじゃないわ……」
ヘスティアが訴えかけるように言うと、ポーラはわざとらしく首を傾げた。
「あら? それならどうしてお姉さまの部屋にブローチがあるの?」
ポーラはヘスティアを挑発するように問いかける。
一瞬、頭に血が上りそうになるが、ヘスティアはなんとか堪えた。ここで冷静さを失ってはならない。
「……どうせ、あなたが盗んで私の部屋に置いていったのでしょう? 私に罪を着せようとしているんだわ」
ヘスティアの言葉に、使用人たちはざわめく。
ポーラはやれやれと首を振った。
「お姉さまったら往生際が悪いわね。でも、お姉さまの想いの深さに気付かなった私にも非があるわね……」
ポーラはそう言うと、悲しげな表情を浮かべた。
「だから、この件はここでおしまいにしましょう。今度こそブローチを捧げて、タイロンお兄さまへの想いを振り払ってほしいわ」
「だから、私は盗んでなんかいないわ! そもそも、タイロンさまのことなんて元から好きでも……」
「お姉さま、言わなくてもいいわ! このブローチを人形に戻して、それで全て終わりよ!」
ポーラはヘスティアの言葉を遮ると、人形にブローチをつけた。
ところが、人形はそのままで、輝きは戻らない。
「え……? どうして……」
ポーラは焦ってブローチを外すと、再度飾り付けた。だが、結果は変わらない。
「そんな……まさか……」
ポーラは信じられないという表情で呟く。その顔から血の気が引いていった。
どうやら、ヘスティアの心の不貞を知らしめて嫌がらせをする作戦だったらしい。
間違いなく、ブローチを盗んで仕組んだのはポーラだ。
しかし、それを深く追及して真相解明などされては、彼女にとってはたまったものではない。だから、それほど大事にはしたくなかったのだろう。
ブローチを人形に戻し、なあなあで済ませたかったに違いない。
ところが、もはや彼女の思惑は外れてしまった。
「何の騒ぎだ」
さらに、しばらく屋敷を留守にしていたレイモンドが戻ってきた。
1,157
お気に入りに追加
2,615
あなたにおすすめの小説
嫌われ令嬢が冷酷公爵に嫁ぐ話~幸せになるおまじない~
朝露ココア
恋愛
ハベリア家伯爵令嬢、マイア。
マイアは身分に相応しくない冷遇を受けていた。
食事はまともに与えられず、血色も悪い。
髪は乱れて、ドレスは着せてもらえない。
父がかわいがる義妹に虐められ、このような仕打ちを受けることとなった。
絶望的な状況で生きる中、マイアにひとつの縁談が舞い込んでくる。
ジョシュア公爵──社交界の堅物で、大の女嫌いが相手だ。
これは契約結婚であり、あくまで建前の婚約。
しかし、ジョシュアの態度は誠実だった。
「君は思っていたよりも話のわかる人だな」
「それでは美しい姿がもったいない」
「マイア嬢、食べられないものはあるか?」
健気なマイアの態度に、ジョシュアは思わぬ優しさを見せる。
そんな中、マイアには特殊な「おまじない」の能力があることが発覚し……
マイアを支度金目当てに送り出した実家では、母と妹のせいで家計が傾き……マイアが幸福になる一方で、実家は徐々に崩壊していく。
これは不遇な令嬢が愛され、ただ幸福な日々を送る話である。
無理やり『陰険侯爵』に嫁がされた私は、侯爵家で幸せな日々を送っています
朝露ココア
恋愛
「私は妹の幸福を願っているの。あなたには侯爵夫人になって幸せに生きてほしい。侯爵様の婚姻相手には、すごくお似合いだと思うわ」
わがままな姉のドリカに命じられ、侯爵家に嫁がされることになったディアナ。
派手で綺麗な姉とは異なり、ディアナは園芸と読書が趣味の陰気な子爵令嬢。
そんな彼女は傲慢な母と姉に逆らえず言いなりになっていた。
縁談の相手は『陰険侯爵』とも言われる悪評高い侯爵。
ディアナの意思はまったく尊重されずに嫁がされた侯爵家。
最初は挙動不審で自信のない『陰険侯爵』も、ディアナと接するうちに変化が現れて……次第に成長していく。
「ディアナ。君は俺が守る」
内気な夫婦が支え合い、そして心を育む物語。
妹に人生を狂わされた代わりに、ハイスペックな夫が出来ました
コトミ
恋愛
子爵令嬢のソフィアは成人する直前に婚約者に浮気をされ婚約破棄を告げられた。そしてその婚約者を奪ったのはソフィアの妹であるミアだった。ミアや周りの人間に散々に罵倒され、元婚約者にビンタまでされ、何も考えられなくなったソフィアは屋敷から逃げ出した。すぐに追いつかれて屋敷に連れ戻されると覚悟していたソフィアは一人の青年に助けられ、屋敷で一晩を過ごす。その後にその青年と…
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
悪役令嬢はお断りです
あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。
この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。
その小説は王子と侍女との切ない恋物語。
そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。
侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。
このまま進めば断罪コースは確定。
寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。
何とかしないと。
でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。
そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。
剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が
女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。
そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。
●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
●毎日21時更新(サクサク進みます)
●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)
(第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。
辺境伯へ嫁ぎます。
アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。
隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。
私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。
辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。
本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。
辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。
辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。
それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか?
そんな望みを抱いてしまいます。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 設定はゆるいです。
(言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)
❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。
(出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
追放された悪役令嬢は辺境にて隠し子を養育する
3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)
恋愛
婚約者である王太子からの突然の断罪!
それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。
しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。
味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。
「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」
エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。
そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。
「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」
義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる