崖崩れ

筑紫榛名

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(三)‐2

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 作業員らは不満ではあったが、その書類を提出することで自分たちが稼ぐための現場を確保できることを考えると、サボったり不満を言うばかりになるわけにもいかなかった。
 そうこうして定時になると、はかどったのかはかどっていないのか全く不明な事務書類が社長の手に渡されて、野上を含めた作業員たちは自宅へと帰っていった。
 その翌日もまた同じで、天気は雨であった。秋雨前線が日本列島、特に関東地方南部に停滞しており、関東地方では雨が降り続いていた。そのため、野上たちは再び会社の事務所で、不得手とする役所へ提出する書類の作成をしなければならなかった。

(続く)
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