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真白は見た。
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嬉しくて、ふわふわして、ドキドキして、楽しくて。それなのに、切なくて苦しい、そんな同棲生活はあっという間に過ぎていく。土日には新しいマンションの為の家電を買いに行ったりと、順調に秀ちゃんはここを出て行く準備を進めていった。秀ちゃんは当然のように私を買い物に付き添わせて、キッチン系の家電はよく分からないからと、冷蔵庫とか電子レンジとか、ほぼ私の意見だけで即決購入してしまった。――未来の秀ちゃんの彼女はこの事実を知ったら、きっとすごく嫌な気分になると思うけど、それは内緒にしておいた。
そんな同棲開始から13日目の水曜日。
今日は商業登記の打ち合わせのために、日高先生とオフィスビルに来た。実はここには秀ちゃんの会社も入っていて、恋する乙女としてはフロアは全然違うけど、もしかしたら偶然エレベーターとかで出くわさないかな、なんて淡い期待をしてしまう。
まあ、当然出会えるわけもなく、日高先生と帰りのエレベーターを降りた。
「帰ったら、書類一式の作成頼むな」
「はい」
「せっかくだし、どこかで昼を食べてくか」
「いいですね」と笑っていた私は目の端に見慣れた姿を捉えた。
秀ちゃんと、その横で微笑む美女の姿。うっとりと微笑む女性からは秀ちゃんへの恋心が透けて見えた。
見たくないのに、視線が離せない。心臓がドクドクと早鐘を打つ。
「木之下?」
「……あっ、いえ、なんでもありません」
どうしよう、いつも二人きりでしか会わないから、秀ちゃんが他の女性と二人きりでいるだけで動揺してしまう。当然のように秀ちゃんだって昼間は出会いがいっぱいあるわけで。
いや――ちがう、こんなに混乱してるのは、それだけじゃ無くって。
私はこの同棲生活の中で、秀ちゃんへの想いを今まで以上に募らせて、ますますのめり込んでいたんだ。
他の女性とただ話しているのさえ、嫉妬で耐えられないほどに。
「おーすごい美男と美女だな」
「そうですね」
「嫌な男だな」
「所長?」
「イケメンで仕事もできそうでプライベートも充実してそうなやつ。滅びればいいのに」
「所長だって仕事ができて、稼ぎもあって、美人な奥さんもいるんだから、別にいいじゃないですか」
瞬間、淡々と話していたはずの秀ちゃんの顔つきがすごく優しい表情に変わった。まるで、愛しい人を見るかのようなその表情に、さぁっと血の気が引いていく。
――どうして、そんな顔でその人を見るの?
秀ちゃんは私に気づくことも無く、後ろを向いて去っていく。
「お、美女がこっちくる」
緊張と動揺で何の反応もできずに固まる私の横を綺麗な女の人がカツカツと足早に通り過ぎた。ふわっと香る香水の甘い香りが鼻につく。
「いい匂いがしたな」
泣きたい気持ちを抑えて、精一杯普段通りの声を心がける。
「そうですね」
秀ちゃんがあんな表情するなんて。
秀ちゃんはあの綺麗な人と、どういう関係なんだろう。
食べ終わって寝るまでの間、秀ちゃんはよくパソコンを広げる。チラッと画面を見たら英文だったので、ニューヨークとやり取りしてるのかな、と思う。
働く秀ちゃんは、戦闘モードっていうか、真剣な表情が本当に格好良くて、どこか禁欲的な色気がある。こういう時の秀ちゃんのぴりっとした空気感が心地よくて、その横で専門書を読むと一人の時よりも集中できる。
お互い別々のことをしているし、特に話したりもしないけれど、同じ空間で秀ちゃんの存在を感じながら、一緒に過ごせるこの時間も、私はとっても好きだ。
小気味良く響くキーボードの音と、紙をめくる音だけの空間を愛しく感じていると、異質なバイブ音が割って入ってきた。
音の先、秀ちゃんの個人のスマホの画面には『広仲愛』と表示されていた。
スマホを手に持った秀ちゃんが部屋から出て行く。
なんとなく、今日見た綺麗な人の姿が頭をよぎった。
気にしないふりをして、本に目を戻しても、全然読み進められない。何度も同じ場所を追うばかりの自分に、ため息をついたとき、カチャっとドアが開いた。すぐに戻ってきてくれた秀ちゃんに少しホッとしながら視線を上げる。
「誰だったの?」
なるべくサラッと尋ねると、「同じ会社の人間」とつまらなさそうに答えられた。
「そうなんだ」
やっぱり、今日見た人かな。
個人の携帯で連絡を取る仲なんだ。秀ちゃんがあんな目で見つめる人だもん、連絡先くらい交換してるよね。
苦い思いが込み上げてきて、ツンと鼻の奥が痛くなる。
――だめだ、こんな泣きたい気持ちのままいたらきっと秀ちゃんにバレちゃう。
「ね、紅茶淹れるけど飲む?」
「ん? あぁ、ありがとう」
自分の機嫌は自分で取るしかない。
奮発して買ったお気に入りのティーカップセットと専門店で購入したお高い紅茶を取り出す。今日はお気に入りの入浴剤もお風呂にいれることにする。これだけしても、まだまだ気分は沈んだままだけど、最後にカンフル剤がくると思うからきっと大丈夫だ。
「はい、紅茶置いとくね」
キーボードを叩く手の動きが止まって、まだ真剣なままの漆黒の瞳がこちらを向く。
「サンキュ」
低く艶やかな声とゆるりと上がる口角。私を見つめる瞳。くしゃりと頭を撫でてくれる優しい手。ただこれだけでささくれ立った心が癒されていく。
やきもちを妬いていたことも忘れて、えへへ、とだらしなく口許を緩めると、秀ちゃんもつられて笑ってくれる。
これだけで機嫌が良くなる自分はなんて安上がりなんだろう。
お盆を片付けて振り返ると、頬杖をついて気怠そうに私を横目で見ていた秀ちゃんが口を開いた。
「なんかいいことでもあった?」
「分かる? それ、自分へのご褒美に買ったティーカップセットだから気分が上がるの。あと、今日はお気に入りの入浴剤をお風呂に入れようと思ってて」
すぐに割れちゃいそうな繊細なカップは色合いもお花の柄も可愛い。これで紅茶を飲むと、それだけですごく贅沢な気分になる。しかも、今日は美味しい紅茶を特別丁寧に淹れた。しかも、これを好きな人の横に座って一緒に飲めるのだ。しかも頭も撫でてもらえて。
「幸せだよね」
秀ちゃんが笑った。
「お前のそういうとこいいよな」
「そういうとこって?」
サラッと言われた言葉に、期待に心臓がどきどきと忙しなく動き始める。
「そうやって、小さいことでいちいち幸せを感じるとこ」
聞いてがっかりした。むっと唇を尖らせる。
「それ、褒めてる?」
「褒めてる褒めてる。このアールグレイ美味いな」
「でしょう? ちょっとお高いけど、美味しくて何度もリピートしてるんだ……ってやっぱりさっきのは褒めてないよね?」
「ほら、お気に入りのカップなんだろ? 余計なこと考えるのやめておけよ」
「なにその雑な話の逸らし方。でもいいもん、幸せだもん」
ぷい、と顔を背ける。でも、背けたそばから口許が緩んで笑ってしまう。
「何をそんなに喜んでるのか、全然分かんないんだけど」
呆れたように笑う秀ちゃんに「秘密」と笑い返す。
「まあ、真白が楽しいならなんでもいいけど」
紅茶を置くと、漆黒の瞳がスクリーンに戻る。一瞬で仕事の顔になる。その凛々しい横顔に胸が高鳴る。そっと視線を逸らして、胸を押さえた。
秀ちゃんには、きっとこの先も分からないだろうな。秀ちゃんにからかわれるのすら嬉しい、私の恋心なんて。
こんな穏やかで幸せな時間をずっと秀ちゃんと過ごせたらいいのにな。
「おやすみ、秀ちゃん」
座っていた秀ちゃんの頑丈な肩に手を置いて、愉しそうに目を細める美形に顔を寄せる。
唇が重なる。いつも恥ずかしくって一瞬だけど、今回は唇の柔らかさを堪能するようにゆっくりと押し付けて、ゆっくりと離れた。
ドキドキして、嬉しくて、切なくて、幸せで……胸が痛い。
「ちょっとは上手くなったな」
嫌がられたらどうしよう、なんて。私の心配とは裏腹に秀ちゃんは不遜に笑っただけだった。
――ねぇ、どうして私がこんなキスをするのを許してくれるの?
「流石にね」
微笑って、誤魔化す。
聞きたいことも言いたいことも沢山あるけど、それを口にしたら今のこの関係が終わってしまうから口に出せない。まるで彼女みたいに扱ってくれるのが嬉しくて。
でも――きっと今の関係はきっと間違ってる。
だけど、あと少しだけでいいから。秀ちゃんが彼女と付き合うまででいいから。神様、どうかもう少しだけ私をこの関係に浸らせてください。
「おやすみ、真白」
秀ちゃんが部屋の電気を消す。暗闇の中で秀ちゃんの輪郭を見つめる。
私にはキスさせるくせに、自分からは最初の日以降、一度もしないよね。
どうして?
ねえ、秀ちゃん。
今日見た綺麗な女の人とはどんな関係なの?
私は今のこの状況をどう受け取ったらいいの?
――ねえ、秀ちゃん。私が好きって言ったら、やっぱり引く?
そんな同棲開始から13日目の水曜日。
今日は商業登記の打ち合わせのために、日高先生とオフィスビルに来た。実はここには秀ちゃんの会社も入っていて、恋する乙女としてはフロアは全然違うけど、もしかしたら偶然エレベーターとかで出くわさないかな、なんて淡い期待をしてしまう。
まあ、当然出会えるわけもなく、日高先生と帰りのエレベーターを降りた。
「帰ったら、書類一式の作成頼むな」
「はい」
「せっかくだし、どこかで昼を食べてくか」
「いいですね」と笑っていた私は目の端に見慣れた姿を捉えた。
秀ちゃんと、その横で微笑む美女の姿。うっとりと微笑む女性からは秀ちゃんへの恋心が透けて見えた。
見たくないのに、視線が離せない。心臓がドクドクと早鐘を打つ。
「木之下?」
「……あっ、いえ、なんでもありません」
どうしよう、いつも二人きりでしか会わないから、秀ちゃんが他の女性と二人きりでいるだけで動揺してしまう。当然のように秀ちゃんだって昼間は出会いがいっぱいあるわけで。
いや――ちがう、こんなに混乱してるのは、それだけじゃ無くって。
私はこの同棲生活の中で、秀ちゃんへの想いを今まで以上に募らせて、ますますのめり込んでいたんだ。
他の女性とただ話しているのさえ、嫉妬で耐えられないほどに。
「おーすごい美男と美女だな」
「そうですね」
「嫌な男だな」
「所長?」
「イケメンで仕事もできそうでプライベートも充実してそうなやつ。滅びればいいのに」
「所長だって仕事ができて、稼ぎもあって、美人な奥さんもいるんだから、別にいいじゃないですか」
瞬間、淡々と話していたはずの秀ちゃんの顔つきがすごく優しい表情に変わった。まるで、愛しい人を見るかのようなその表情に、さぁっと血の気が引いていく。
――どうして、そんな顔でその人を見るの?
秀ちゃんは私に気づくことも無く、後ろを向いて去っていく。
「お、美女がこっちくる」
緊張と動揺で何の反応もできずに固まる私の横を綺麗な女の人がカツカツと足早に通り過ぎた。ふわっと香る香水の甘い香りが鼻につく。
「いい匂いがしたな」
泣きたい気持ちを抑えて、精一杯普段通りの声を心がける。
「そうですね」
秀ちゃんがあんな表情するなんて。
秀ちゃんはあの綺麗な人と、どういう関係なんだろう。
食べ終わって寝るまでの間、秀ちゃんはよくパソコンを広げる。チラッと画面を見たら英文だったので、ニューヨークとやり取りしてるのかな、と思う。
働く秀ちゃんは、戦闘モードっていうか、真剣な表情が本当に格好良くて、どこか禁欲的な色気がある。こういう時の秀ちゃんのぴりっとした空気感が心地よくて、その横で専門書を読むと一人の時よりも集中できる。
お互い別々のことをしているし、特に話したりもしないけれど、同じ空間で秀ちゃんの存在を感じながら、一緒に過ごせるこの時間も、私はとっても好きだ。
小気味良く響くキーボードの音と、紙をめくる音だけの空間を愛しく感じていると、異質なバイブ音が割って入ってきた。
音の先、秀ちゃんの個人のスマホの画面には『広仲愛』と表示されていた。
スマホを手に持った秀ちゃんが部屋から出て行く。
なんとなく、今日見た綺麗な人の姿が頭をよぎった。
気にしないふりをして、本に目を戻しても、全然読み進められない。何度も同じ場所を追うばかりの自分に、ため息をついたとき、カチャっとドアが開いた。すぐに戻ってきてくれた秀ちゃんに少しホッとしながら視線を上げる。
「誰だったの?」
なるべくサラッと尋ねると、「同じ会社の人間」とつまらなさそうに答えられた。
「そうなんだ」
やっぱり、今日見た人かな。
個人の携帯で連絡を取る仲なんだ。秀ちゃんがあんな目で見つめる人だもん、連絡先くらい交換してるよね。
苦い思いが込み上げてきて、ツンと鼻の奥が痛くなる。
――だめだ、こんな泣きたい気持ちのままいたらきっと秀ちゃんにバレちゃう。
「ね、紅茶淹れるけど飲む?」
「ん? あぁ、ありがとう」
自分の機嫌は自分で取るしかない。
奮発して買ったお気に入りのティーカップセットと専門店で購入したお高い紅茶を取り出す。今日はお気に入りの入浴剤もお風呂にいれることにする。これだけしても、まだまだ気分は沈んだままだけど、最後にカンフル剤がくると思うからきっと大丈夫だ。
「はい、紅茶置いとくね」
キーボードを叩く手の動きが止まって、まだ真剣なままの漆黒の瞳がこちらを向く。
「サンキュ」
低く艶やかな声とゆるりと上がる口角。私を見つめる瞳。くしゃりと頭を撫でてくれる優しい手。ただこれだけでささくれ立った心が癒されていく。
やきもちを妬いていたことも忘れて、えへへ、とだらしなく口許を緩めると、秀ちゃんもつられて笑ってくれる。
これだけで機嫌が良くなる自分はなんて安上がりなんだろう。
お盆を片付けて振り返ると、頬杖をついて気怠そうに私を横目で見ていた秀ちゃんが口を開いた。
「なんかいいことでもあった?」
「分かる? それ、自分へのご褒美に買ったティーカップセットだから気分が上がるの。あと、今日はお気に入りの入浴剤をお風呂に入れようと思ってて」
すぐに割れちゃいそうな繊細なカップは色合いもお花の柄も可愛い。これで紅茶を飲むと、それだけですごく贅沢な気分になる。しかも、今日は美味しい紅茶を特別丁寧に淹れた。しかも、これを好きな人の横に座って一緒に飲めるのだ。しかも頭も撫でてもらえて。
「幸せだよね」
秀ちゃんが笑った。
「お前のそういうとこいいよな」
「そういうとこって?」
サラッと言われた言葉に、期待に心臓がどきどきと忙しなく動き始める。
「そうやって、小さいことでいちいち幸せを感じるとこ」
聞いてがっかりした。むっと唇を尖らせる。
「それ、褒めてる?」
「褒めてる褒めてる。このアールグレイ美味いな」
「でしょう? ちょっとお高いけど、美味しくて何度もリピートしてるんだ……ってやっぱりさっきのは褒めてないよね?」
「ほら、お気に入りのカップなんだろ? 余計なこと考えるのやめておけよ」
「なにその雑な話の逸らし方。でもいいもん、幸せだもん」
ぷい、と顔を背ける。でも、背けたそばから口許が緩んで笑ってしまう。
「何をそんなに喜んでるのか、全然分かんないんだけど」
呆れたように笑う秀ちゃんに「秘密」と笑い返す。
「まあ、真白が楽しいならなんでもいいけど」
紅茶を置くと、漆黒の瞳がスクリーンに戻る。一瞬で仕事の顔になる。その凛々しい横顔に胸が高鳴る。そっと視線を逸らして、胸を押さえた。
秀ちゃんには、きっとこの先も分からないだろうな。秀ちゃんにからかわれるのすら嬉しい、私の恋心なんて。
こんな穏やかで幸せな時間をずっと秀ちゃんと過ごせたらいいのにな。
「おやすみ、秀ちゃん」
座っていた秀ちゃんの頑丈な肩に手を置いて、愉しそうに目を細める美形に顔を寄せる。
唇が重なる。いつも恥ずかしくって一瞬だけど、今回は唇の柔らかさを堪能するようにゆっくりと押し付けて、ゆっくりと離れた。
ドキドキして、嬉しくて、切なくて、幸せで……胸が痛い。
「ちょっとは上手くなったな」
嫌がられたらどうしよう、なんて。私の心配とは裏腹に秀ちゃんは不遜に笑っただけだった。
――ねぇ、どうして私がこんなキスをするのを許してくれるの?
「流石にね」
微笑って、誤魔化す。
聞きたいことも言いたいことも沢山あるけど、それを口にしたら今のこの関係が終わってしまうから口に出せない。まるで彼女みたいに扱ってくれるのが嬉しくて。
でも――きっと今の関係はきっと間違ってる。
だけど、あと少しだけでいいから。秀ちゃんが彼女と付き合うまででいいから。神様、どうかもう少しだけ私をこの関係に浸らせてください。
「おやすみ、真白」
秀ちゃんが部屋の電気を消す。暗闇の中で秀ちゃんの輪郭を見つめる。
私にはキスさせるくせに、自分からは最初の日以降、一度もしないよね。
どうして?
ねえ、秀ちゃん。
今日見た綺麗な女の人とはどんな関係なの?
私は今のこの状況をどう受け取ったらいいの?
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