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今日は連休明けの暇な火曜日。
私の勤務先はファミリー世帯が多い住宅地にあるので、連休明けは本当に暇。ファミリーで来店されるお客様を見ると人並みに羨ましいとは思うけど、今の私には旦那や子どもよりもランチタイムの方が大切。私にしては珍しく朝から頑張ってサンドイッチと野菜たっぷりのスープを作ってきた。サンドイッチでも中身の具に凝ってきたから、今から楽しみでしょうがない。
私の職場は遅番の子が来たと同時に早番はランチタイムに入る。今日の遅番は1つ下の松下 悠ちゃん。年中ボブな私とは違い、季節ごとに髪型やカラーを変える女子力高い女の子。私には無理だ、そんなこと。私と1つしか変わらないのにね。髪型やメイク、服装で色んな姿になれる女の子って不思議。こういう事をただ思うだけの私はかなりのズボラだと思う……
そんな悠ちゃん待つ間、掃除しているフリをしながら時計の針を見ていた。まだ、時間は30分もある。エスカレーターを挟んだ向かいの眼鏡のショップも、隣のファミリー向けの服のお店もみんな暇そうだ。だからといって隣の店舗とお喋りとかしてはいけないけれど。一応ね、挨拶はするけどライバル店ですから。と視線をフラフラさせてると、思いの外、悠ちゃんが早くに出勤してきた。
「香奈さーん、おはようございまーす!今日の夜の合コンなんで…」
「嫌だ」
瞬殺。
普段、人当たりの良さを繕ってはいるけれど悠ちゃんだけは特別。
入社してから今までずっと同じ職場にいて、職場の人間関係や恋バナなど私の全ての話を打ち明けている唯一の親友であり、同僚。
だから、私も素の自分を出す事が出来るのだけれど……
この合コン好きには付き合ってあげれない。
「もうー香奈さん、悠、まだ全部言ってないですけどー」
「合コンの言葉がでた時点で無理 !他、当たってよー」
そう言いながらマイバッグを持つ。
うん、私の頭の中はサンドイッチいっぱいだ!
「まだ、今月入って2回目ですよー。
いいじゃないですか」
「あのねぇ、まだっていっても今月はまだ10日間しかたってないよ?無理無理。
私、前だって無理やり連れて行かれて次の日寝不足で辛かったんだから」
「寝不足って2時間位いつもより寝る時間遅かっただけですよねぇ?
まだ、全然夜更かし出来る年ですよー私達」
今日の朝巻いてきたであろう、クルクルにウェーブがかかった髪を指に巻きながら笑顔で話す。
あー可愛いなぁ……
でも、私の貴重な癒しの時間を削られるのはやっぱり嫌だ。
しかも苦手な合コン……
お客様以外に人見知りな私には苦痛でしかない。
「やだやだ。自分の好きな事をやって寝不足になるのはいいけど、好きじゃない人といる時間なんて苦痛なだけだもん。
勘弁して」
「もーう。そんな事言ってるから前彼さんに振られるんですよ?」
「むぅ……」
アイメイクバッチリだけど、同情の眼差しでこっちを見る悠ちゃん。
つけまつげが瞬きをする度にバサバサと揺れている。
「まーでも、しょうがないっか。悠、香奈さんの嫌がる事したくないし。
でも、また一緒に行ってくださいね。
悠、香奈さんといる時が1番悠らしさだせるから」
こんな悠ちゃん。
男ならこれまた瞬殺されるような、可愛らしい眼差しと言葉で悩殺されてしまいそうだ。
「うん、わかったよ。ゴメンね、悠ちゃん」
「いえいえ」
いつでも笑顔の悠ちゃん。
つられて笑顔になる私。
…この子といると自分も女子力アップした気になる。
そして、簡単な言付けをすませ、ランチタイムへ 。
私の勤務先はファミリー世帯が多い住宅地にあるので、連休明けは本当に暇。ファミリーで来店されるお客様を見ると人並みに羨ましいとは思うけど、今の私には旦那や子どもよりもランチタイムの方が大切。私にしては珍しく朝から頑張ってサンドイッチと野菜たっぷりのスープを作ってきた。サンドイッチでも中身の具に凝ってきたから、今から楽しみでしょうがない。
私の職場は遅番の子が来たと同時に早番はランチタイムに入る。今日の遅番は1つ下の松下 悠ちゃん。年中ボブな私とは違い、季節ごとに髪型やカラーを変える女子力高い女の子。私には無理だ、そんなこと。私と1つしか変わらないのにね。髪型やメイク、服装で色んな姿になれる女の子って不思議。こういう事をただ思うだけの私はかなりのズボラだと思う……
そんな悠ちゃん待つ間、掃除しているフリをしながら時計の針を見ていた。まだ、時間は30分もある。エスカレーターを挟んだ向かいの眼鏡のショップも、隣のファミリー向けの服のお店もみんな暇そうだ。だからといって隣の店舗とお喋りとかしてはいけないけれど。一応ね、挨拶はするけどライバル店ですから。と視線をフラフラさせてると、思いの外、悠ちゃんが早くに出勤してきた。
「香奈さーん、おはようございまーす!今日の夜の合コンなんで…」
「嫌だ」
瞬殺。
普段、人当たりの良さを繕ってはいるけれど悠ちゃんだけは特別。
入社してから今までずっと同じ職場にいて、職場の人間関係や恋バナなど私の全ての話を打ち明けている唯一の親友であり、同僚。
だから、私も素の自分を出す事が出来るのだけれど……
この合コン好きには付き合ってあげれない。
「もうー香奈さん、悠、まだ全部言ってないですけどー」
「合コンの言葉がでた時点で無理 !他、当たってよー」
そう言いながらマイバッグを持つ。
うん、私の頭の中はサンドイッチいっぱいだ!
「まだ、今月入って2回目ですよー。
いいじゃないですか」
「あのねぇ、まだっていっても今月はまだ10日間しかたってないよ?無理無理。
私、前だって無理やり連れて行かれて次の日寝不足で辛かったんだから」
「寝不足って2時間位いつもより寝る時間遅かっただけですよねぇ?
まだ、全然夜更かし出来る年ですよー私達」
今日の朝巻いてきたであろう、クルクルにウェーブがかかった髪を指に巻きながら笑顔で話す。
あー可愛いなぁ……
でも、私の貴重な癒しの時間を削られるのはやっぱり嫌だ。
しかも苦手な合コン……
お客様以外に人見知りな私には苦痛でしかない。
「やだやだ。自分の好きな事をやって寝不足になるのはいいけど、好きじゃない人といる時間なんて苦痛なだけだもん。
勘弁して」
「もーう。そんな事言ってるから前彼さんに振られるんですよ?」
「むぅ……」
アイメイクバッチリだけど、同情の眼差しでこっちを見る悠ちゃん。
つけまつげが瞬きをする度にバサバサと揺れている。
「まーでも、しょうがないっか。悠、香奈さんの嫌がる事したくないし。
でも、また一緒に行ってくださいね。
悠、香奈さんといる時が1番悠らしさだせるから」
こんな悠ちゃん。
男ならこれまた瞬殺されるような、可愛らしい眼差しと言葉で悩殺されてしまいそうだ。
「うん、わかったよ。ゴメンね、悠ちゃん」
「いえいえ」
いつでも笑顔の悠ちゃん。
つられて笑顔になる私。
…この子といると自分も女子力アップした気になる。
そして、簡単な言付けをすませ、ランチタイムへ 。
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