プライド

東雲 乱丸

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螺旋

壊れゆく男

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 二日後。
「調整は順調か?」
「テクの方は概ね問題ねぇな。コイツは少し手こずってるようだが……」
そう言い、那技が体斗を小突く。
「だろうな。なら、もうオマエの調整は終わりだ」
瑛心がそう言うと、体斗の顔がみるみる青くなる。
「僕が必ずあいつをメス堕ちさせるから、もう少しだけやらせてよ!」
「まあ聞け。オマエの仕上げは確かにアレだが、今回はそれが理由じゃねえ。調整の方向を変える。この前のアイツの様子を見てコレだと気付いたぜ……」
那技が怪訝な顔で言う。
「まさか、アイツにタチらせるのか?確かにあの見た目にあれだけのデカマラだ、リバにしても申し分ないかもしれねぇが……」
「いや、そうじゃねぇ」
瑛心の言葉に二人の男は首を傾げた。
「素直になったと思えばやけに反抗的になったりと、心を折りきれねえのは奴の男としてのプライドにあると思ってたが俺の見当違いだった」
「どういう事?」
体斗は眉間にシワを寄せ聞いた。
「倒錯的なナルシストだったんだよ。奴は自覚してねぇだろうが、自分はイケメンのヒーローだから『男らしく』振る舞い『絶対に屈しない』という理想の自分を持ってる。ヒーローだからどんな苦痛にも耐えられるし、第三者目線の自分が『負けるなヒーロー!頑張れヒーロー!』と応援する事で、逆に苦痛を快感に変えちまう」
那技は納得したように呟く。
「第三者目線として自分を見ることで理想のヒーローが凌辱されていると認識し、自分で自分に興奮し欲情してる生粋のナルシストって訳だ……」
「そうだ。苦痛を気持ちいいと感じるのは自分じゃないから、心が折れる事がねえ。理想の自分という男に興奮するから、メス堕ちしねえ」
「つまり、その理想を打ち砕けばいいわけか……」
「そういう事だ。しばらく徹底的にケツマンコを嬲って、セックス漬けにしろ。後は俺が調律して仕上げる」
瑛心はそう告げると体斗に何やら耳打ちした。
二人はニヤッと笑うと直之の元へ向かった。

 直之はうつ伏せで尻を高く上げながら腰を振りまくっている。
両手は後ろ手に拘束され、脚もアナルが丸見えになるように開かれ拘束されていた。
「ああっ!ああんっ!あひぃっ!」
直之の肛門には一時間近く尻尾型のバイブと低周波器が挿入されたまま、直之の身体の動きに合わせて振動している。
「あひっ……あっ……ああ……」
「どうしたの?そんなに喘いで……」
体斗は直之の耳元に息を吹きかけ囁いた。
「そろそろ射精したい?」
直之は顔を真っ赤にして答える。
「だ……射精したい……です……」
「じゃあお望み通り射精させてやるよ」

 体斗は少し緊張した面持ちで、低周波のリモコンを握った。
(僕だってやれる……僕ならやれる……)
そして出力を最大にし低周波器のスイッチを一瞬入れた。
バチィィィーーーンッ!
「がぁぁーーっ!」
凄まじい電気刺激の痛みに直之はビクンと身体が跳ねる。
肉棒からはドクッドクッと勢いなく精液が漏れ出ていた。
(なんだよこれっ!?イったはずなのにっ……なんでイケた気がしないんだっ!)
直之は混乱しながらも肉棒は硬くピクピク動いていた。
「マジかっ!?やっぱ瑛心はスゲえ……」
体斗は瑛心の言葉を反芻し呟いた。

――アイツは電気に弱すぎんだよ。
苦痛を通り越して死の恐怖だけになっちまう。
だから痛みが快感に変わる事もねえし、死を感じて漏らすみてえに絶頂せずに射精だけしやがる。
逆に電気をうまく使えば、絶頂させずに何度でも射精させられるはずだ――

 那技は直之の肉棒を指で弾きながら興味深そうに撮影していた。
(ほう……電気で射精しても勃起したままなのか……あいつの狙いはこれか……)

 「ねえねえ、望み通り射精させてやったんだよ?お礼も言えないの?」
体斗が高圧的に言った。
「な、何をしたんだ!?全然イけた感じがしなかった……」
直之の言葉に体斗はフッと笑みを浮かべ答える。
「電流を前立腺に直接流して強制的に射精させただけだよ。頭ではイケないけど、チンポはしっかり射精してるよ?まあ射精感がないから気持ちよくはなれないけどねぇ」
直之は信じられないという顔で自分の下半身を見た。
確かに射精感はなかった。
しかし鈴口からは白濁とした液体が垂れ流れていた。
「こんなの射精じゃない……」
直之は不快感を露わにする。
「そうか、もう一発欲しいのか」
体斗は直之の尻をペチッと叩きスイッチを入れた。
バチィィィーーーンッ!
「ぐあっ!!」
再び前立腺に強烈な電撃が流れる。
肉棒からまたもダラダラと精液が漏れるが、やはり射精感はない。
「これで満足したぁ?」
快感もなくダラダラと白濁液を垂れ流すペニスを見て、体斗はニヤニヤしている。
「普通に射精させてくれ……」
悔しげに唇を噛む直之だが、その表情にはどこか物足りなさそうな感情があった。
「連続で射精させてくれだって?欲しがるねぇ。やってあげるよ」
「いっ!?電気は嫌だーッ!!」
直之の願い虚しく、体斗は再びスイッチを入れる。
バチィィーーーンッ!
「んぎぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
直之は絶叫しながら身体を仰け反らせ、激しく痙攣する。
ペニスはやはりダラダラと白濁液を垂れ流すだけで快感はない。
「ほらぁ、もっと射精しなよ!」
すぐさま低周波器のスイッチを入れる。
バチィィーーーンッ!!
ドクッ……ドクッ……
「あがぁっ!ああっ!」
直之はあまりの激痛に悶絶し、涙を流しながら悲鳴をあげる。
射精しまくれて良かったねっ」
体斗は直之の乳首をつねりながら嘲笑う。
「あが……あ……」
直之は身体をビクビク震わせ、焦点の合わない目で床を見つめている。
直之は意識が飛びそうになりながらも小さく呟く。
「も……もう許してくれ……」
体斗は直之の髪を掴んで無理やり目を合わせさせる。
そして直之に言い聞かせるように言う。
「お前に拒否権なんてないんだよ。ほら、もう一発だ」
体斗は直之を見つめたまま低周波器のスイッチを入れる。
バチィィーーーンッ!!
「んひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
直之は身体を弓なりに反らせて射精した。
ドクッドクッドクッ!
勢いのない精液が漏れ続ける。
直之は涙と鼻水と唾液で顔を汚していた。
「ケツマンコでイキまくりだね。金玉が空になるまで射精させてあげるよ」
体斗は直之の髪を掴んだまま頭を揺さぶる。
「うぅ……」
直之は電気の恐怖にガタガタ震え出し、弱々しく声を出すだけだった。

 「今日はその位にしておけ。明日もあるんだぞ」
僅か20分足らずで文字通りもう何も出ない状態になると、那技は体斗を止め直之の拘束を解くように言った。
「はいはい、コイツはこの後どうすんの?」
体斗は直之の両手両足の縄を解きながら聞く。
「今日は筋トレはさせなくていいから、そのまま風呂に入れてやれ。あと風邪をひかねぇようにシャツも着せて、今日はゆっくり休ませろ」
那技はそう指示すると部屋から出て行った。

 「VIP待遇だね、感謝しなよ」
体斗は全裸で横たわる直之を起こし肩を貸すと、浴室へと連れて行き湯船に浸からせた。
お湯で温まり少し落ち着いたのか、直之の全身が脱力していく。
直之はゆっくり瞼を閉じ、呼吸を整えようと深く息を吸っている。
その度に発達した大胸筋が上下し水面が優しく揺れ、雄々しくも妖艶なオーラが呼吸と共に吐き出され湯船を満たしていく。
そんな直之の身体を体斗は改めまじまじと見る。

 鍛え上げられた筋肉質の肉体に、褐色の肌。
胸板は厚く腕には太い血管が浮かび上がっており、腹筋は綺麗に割れている。
太腿は太く、脹脛は筋肉で盛り上がていた。
股間に密集する剛毛は短めに整えられ、それが逆に巨根を際立たせ男らしさを強調している。
整った顔立ちは凛々しく、少し厚ぼったい唇が欲情的で色っぽい。

 どこまでも完璧なこの男を凌辱し犯し悲鳴を上げさせる事は、体斗にとって堪らなく支配欲を満たす最高の悦楽だった。
(瑛心達がここまで入れ込む理由もよく分かるよ)
体斗は心の中で呟き、直之に声を掛ける。
「おい、まだ寝るんじゃねぇよ。僕が洗ってあげるから出ろ」
 体斗は直之の身体を隅々まで洗い終わるとタオルで拭いてやり、新しい服と少し小さめの下着に着替えさせ部屋に運んだ。
ベッドに直之を寝かせ毛布を掛けてやると、直之はそのまま泥のよう眠りについた。

 体斗が直之の部屋を出て行くと、那技が待っていた。
「アイツの様子は?」
「ぐっすり眠ってるよ」
「ならいい……明日は徹底的に快楽漬けにするからな。お前もしっかり休んでおけよ」
「へいへい。じゃあ僕も寝るねぇ~」
体斗はそう言うと自分の部屋に戻っていった。

 那技は直之のいる部屋の扉を眺めながら呟く。
「明日は本当のセックスってやつを教えてやる……楽しみにしておけ……」
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