プライド

東雲 乱丸

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螺旋

始まることのない希望

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 直之を凌辱した帰り道、車中の男達は笑いながら話していた。
「まんまと騙されてやんの」
「本当にマヌケだな」
「あのローションに医療用の早漏防止薬が入ってるとも知らずに、本気でチンポだけじゃイケねえ身体になったと思い込みやがったぜ」
瑛心は計画通りに直之を堕とせた事で悦に浸る。
「ただの暗示だが、これでアイツは自分だけではイケなくなる。どんなに嬲っても、最後は必ず自分から股を開くぜ」
「やっぱ瑛心の調教はスゴいね」
体斗が褒め称えた。
「これで完全にセックス依存症の肉便器だな。なかなか堕ちねえから時間もかかったし、そろそろ納品するか?」
那技が尋ねる。
「そうだな……」
少し考え込み瑛心は答えた。
「いや、久々の超一級品だ。完璧に仕上げるぞ」
「やったね!まだまだ遊び足りなかったんだよねぇ」
体斗が歓喜の声をあげ、那技も薄ら笑みを浮かべていた。


――大勢の男に囲まれた直之がいる。
『乳首チュパチュパしてぇ~♡』
『ケツマンコ、グチョグチョなのぉ~♡』
『あぁ~ん♡おチンポ入れてぇ~♡』
直之は無骨な指で乳首をケツマンコを愛撫している。
しかし、ペニスは縮こまったままだ。
直之を囲む男達は微動だにしない。
すると直之は突如狂ったように指を動かし始めた。
『おチンポないとイケないのっ!』
『頂戴!頂戴!!頂戴!!!頂戴!!!!』
ヒステリックに叫びだすと、掻きむしった乳首がポロッと取れる。
ボーリング玉程に肥大化した自分の拳を必死にズボズボとアナルに出し入れする。
『誰でもいいから、おチンポ頂戴ぃぃーっ!!!!!』


――ガバッ!
 物凄い脂汗をかき、直之は飛び起きた。
慌てて胸と尻を見る。
その厚く逞しい大胸筋の上には乳首が鎮座しており、ぷっくりとした桃尻の谷間には縦割れのアナルがこっそり隠れていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
 直之は息を整えつつ、昨晩の事を思い出す。
浅ましく股を開き、チンポを頬張り快楽を貪る自分がフラッシュバックした。
(違う、俺はあんな事……)
否定しようとするが、身体に残る感覚がそれを許さない。
ちぎれる程に引っ張られ抓られた乳首の痛み、喉奥まで突き刺さった肉棒にえずく苦しみ、尿道に指を挿入される恐怖、そして尻穴を激しく犯され前立腺を潰される熱い肉棒の圧倒感。
あれ程の屈辱感と苦痛の中で絶頂したという事実は消えようがない。
そして何より犯されないと絶頂に達する事が出来ない苦しみが鮮明に残っていた。
直之はその事実に愕然とする。
今まで直之は男としてのプライドだけは守り、ひたすらに男達の欲望の捌け口となる事を受け入れてきた。
しかし男達に身体を作り替えられるという事は、そのプライドさえも徐々に蝕まれていく事を意味している。

 (もう以前の自分に戻ることは出来ないのか……)
恐る恐るペニスに手を伸ばし、しごき始める。
シコシコシコシコッ……
次第に肉棒は硬度を増していくと、ゆっくり右手を離し左手だけで竿を握った。
そして、右手は玉袋を揉みしだく。
「はあっ……んっ……」
直之の口から甘い吐息が漏れる。
やがて、肉棒は完全に勃ち上がった。
玉袋から手を放し、両手で根元から肉棒を握る。
両手で握ってもカリ首にすら届かず、指が回らないほど太いペットボトルサイズの肉棒は、血管を浮き立たせドクンドクンと脈打っていた。
「くっ……はぁっ……」
亀頭からは我慢汁が溢れ出ており、それを潤滑油にして上下に擦る。
シュッ、クチュックチュッ……
淫らな水音が部屋に響く。
「んんっ……あぁ……」
片手を亀頭に移動させ、中指で裏スジを刺激し始めた。
シュコッシュコッシュコッ……
指の動きに呼応するように肉棒は震え、大量の我慢汁を滴らせる。
「ふぅ……はぅっ……」
親指で亀頭に我慢汁塗りたくるように刺激を与えながらしごきだした。
グチュッグチュグチュグチュグチュ……
溢れ出る我慢汁が泡立つ。
「はんっ! あぁっ!」
直之の腰がビクビク跳ね上がる。
そのまま左手を亀頭の上に乗せ、グリグリ動かした。
グリュグリュグリュッ……
先走りがローション代わりとなり、滑りが良くなる。
そのまま直之は左手を上下に動かす。
ズリュンヌチャッ……
ニュルルルッ……
肉棒が痙攣を始めた。
直之は再び両手で竿を握り、腰を上下に振り始める。
グチュグチュグチュグチュグチュ……
卑猥な音を立てながら一心不乱にピストン運動を繰り返す。
亀頭は射精寸前まで膨張している。
まるで何かから逃げるように、ひたすら腰を振り続け…………そっと動きを止めた。
「あはっ……あははははは……ホントにイケないんだ……」
自傷気味に笑うその頬には涙が伝っていた。

 たとえ思い込みだとしても、ちょっとした一言で簡単にインポや射精障害になったりする。
男とは案外繊細なのだ。
言葉だけでなく実際にイケなかった直之にとっては尚更だった。
(そうだとしても……何で俺はあんな事を言ってしまったんだ……)
直之は後悔の念に苛まれるが、もう取り返しがつかない。

 「俺ってバカだな……」
自分の愚かさを嘲笑い虚ろな目で天井を見つめ、直之は再び睡魔が訪れるのを願った。
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