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第二章 大罪人として
23.初めての....
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「待って・・・。」
かすれるようなその声が俺の耳朶に触れる。
目の前のエフィルディスが放つ誘惑で、理性を根こそぎ持っていかれてしまいそうだった俺の感情に、雫のようにそっと落ちてきた言葉。
その言葉を無視することなどできなくて、俺は身体を起こして上半身だけで振り向く。
俺の視線には最初からの立ち位置を変えることなく、その場に佇むエストが映る。
俺からは5メートルは離れた場所だったのに、エストがこぼしたその声は不思議と俺の耳に届いたという事だ。
あまりの急展開で動揺しっぱなしだったエスト。
いまだに身体が小刻みに震えているのが、俺から見たこの距離でも気づけてしまう。
だけど、その碧の視線は俺の心を穿つように、俺の方をはっきりと注視している。
そして、その眼の意思を口にしようとしていたが、息のなって漏れるだけでなかなか声にならない。
「ど・・・どうした・・・?」
自分の方に向いた俺に対して、言葉を作れないエスト。
結果、エフィルディスの献身的な協力のおかげで事を進めることができる程になったのに、なぜエストはそれを差し止めるようなことを言ったのか。
エストの意図が分からなかった俺はたどたどしく疑問を口にした。
俺の不思議がっている表情を見て少し我に返ったのか、エストは一度目を瞑った後、再度見開いた。
「キチク・・・・」
「な、何・・・?」
震えを抑えながらも真剣な表情のエスト。
ついにその声が形になる。
「・・・・私と出会う以前の女たちならまだいい。
だが、出会ったばかりの女と、というのはいささか心外だ・・・。」
「心外??」
エストの口から出た言葉はまるで要領を得ていない。
エストの言葉を受けて、俺はさらに混乱し始める。
「だから、お前が言う心がすでに繋がっている人たちなら我慢できるが、出会ったばかりの女は我慢できない!」
「ええ??」
自分の意図をうまく説明できないエストは、言葉が進むにつれて段々と声が荒ぶっていく。
うまく言えないことに、自分自身にいら立っているのだろうか。
「もう、やだ!!
察しろ!この唐変木!!
認める、認める!私はお前の事が好きになってしまったんだ!
だから、私の目の前でどうでもいい女を抱くなんて許せない!
抱くなら、私を抱け!!」
エストの感情そのままの、あまりに強い言葉。
わなわなと熱を発するその身体の震えはさらに一層大きくなっている。
『えっ?今何て?』と聞き返してしまいそうになるくらい、俺としても自分の耳を疑ってしまう。
エフィルディスはそもそもエストの言葉が分からないから、気持ちいいところに水を刺されたから少し怪訝な表情だ。
「なんだよ、その反応・・・・。
私じゃダメなのか・・・・?」
呆然と固まってしまった俺を見て、エストが残念そうに言葉を濁していく。
きっと呆然とした俺には刹那的な時間だったのだが、エストの体感ではもっともっと長い時間だったのだろう。
そして、そして目を細めて歪んだ瞳からスーッと涙が一筋、線を引いて落ちていく。
「エスト・・・・」
気の利いた言葉をかけれたらよかったのだが、涙の線を描き、目を細めてまつ毛で陰を作るエストの綺麗さに見惚れてしまった俺は名前を呟くのが精いっぱいだった。
「もう・・・・」
不意に、俺の後ろ側からエフィルディスがため息を落とす。
「もう!
面倒くさい不器用な方ですねぇ!」
ちょっといらだっているのか、エフィルディスはいつもより声のトーンが低い。
そして、寝台から降りて立ち上がり、エストの方にずんずんと歩いていく。
もちろん、小ぶりな胸はそのまま出したままだ。
「え?エフィルディス・・・?」
俺はただ成り行きを見守る形になった。
エフィルディスに急に近づいてこられたエストもわけがわからず、様子を伺う。
そんなエストの目の前に立ったエフィルディスは胡散臭い作り笑顔をにっこりと浮かべる。
「何を言っているかはわかりませんが、曲がった性格のあなたの事を考えれば大体は想像つきます。」
当然、エストには言葉を理解できないと分かった上で、エフィルディスはエストに言う。
そして、
「んなあ!何を!」
エストが驚愕と羞恥の声を上げる。
さらに次の瞬間に身体を隠すようにしゃがみこんでしまう。
「ムカつきます、私よりおっきいじゃないですか。」
嫌悪の言葉を吐き捨てるエフィルディス。
エフィルディスが何をやったのか、2人が重なっていたから俺にはあまりよくは見えなかった。
だが、きっとエフィルディスがエストの胸当てを勢いよく下にずり下げたのだろう。
結構発育のよい胸が露わになり、ぶるっと踊ったのがちょっとだけ見えた。
「隠してないでこっちです、寝台に行きますよ。」
「ちょっ!――――」
エフィルディスはエストの手を無理やり取って、ぐいっと引っ張って立ち上がらせる。
そしてそのまま、寝台にいる俺の方に歩いてくる。
「うおう・・・。」
空いた片手で胸を隠すエスト。
だがそれは乳首は隠れているが、乳房のほとんどは隠せていない。
様は手ブラの状態なのだが、動揺と羞恥を浮かべ、視線が泳ぐエストがなんともエロい。
「えいっ。」
俺の目の前に来たエフィルディスは、持った手ごとエストを俺に投げつけた。
「おわっっぷ!」
投げつけられたエストに俺は押し倒され、寝台に倒れこむ。
しかも俺の口にはちょうどエストの胸が押し当てられる。
ふにゃっとした温かく、柔らかい触感が急に襲ってきたのだ。
「ひゃっ―――!」
驚きと敏感な所に刺激があったためか、エストの口から少し色の入った声が漏れた。
普段のハスキーな声から想像できなかったかわいらしい声だ。
「ひゃあっ―――!ひっ、ああっ!!――――」
その色の声は一言だけ出たのと思ったら、なぜだか、それがさらに続いていくことに。
俺は何もしていないのだが。
「あっ、ああっ―――、待て、そんな・・・そんなところ、を――――!!」
どんどん色めき立っていくエストの声。
エストの胸で顔を埋め尽くされている俺は何が起きているのかはわからない。
だが、しかし。
こんなシチュエーションで何もしないなんてのは男が廃る。
俺は両手でエストの胸を横から鷲掴みして乳首を舐め始める。
「!!!―――」
エストが嬌声を上げるが、もはやかすれて声になっていない。
だが、声のかわりに乳首を刺激すればするほど、ビクリビクリと全身を震わせる。
しかし、すごい。
胸の弾力が半端ない。
ふにゃっとするのは間違いないのだが返りがすごく、弾き返されるのでは?と思うくらい強い弾力で、リズムよく揉みまわすのにとても具合がいい。
見た目の作りはほぼ一緒でもやはり獣人族ということなのか。
明らかに人間の胸よりも弾力が強い。
そういえば、思い返してみればエストの胸は胸当てをきつく巻いているはずなのに胸は斜め上をしっかりと向いていた。
重力に逆らい、凛とそびえ立っていたのだ。
そして、愛らしい乳首はなんとも淡い桜色。
もともと肌はかなり白いのだが、その肌との境界が曖昧なほど淡い桜色。
刺激され、それにこたえるようにツンと立ってきたかわいらしい乳首に、その色がよく似合う。
さらにその綺麗な桜色は俺の唾液に濡れて、いやらしくヌメヌメと光沢を纏う。
「キ、キサマ・・・・何を・・・、たし、かに・・私を抱けと言ったが、こんなイキナリ、ひゃうっ!!」
瞳を色に歪ませつつも、強い眼差しで胸を吸う俺を睨んだエスト。
相当に近い距離で俺とエストの視線が交錯する。
だが、エストのそんな強気な眼差しもすぐに色に負けて緩んでいく。
乳首を舐めまわし、すごい弾力の胸を弄ぶ絶え間なく続く俺の前戯に屈していく。
色欲と羞恥とに簡単に翻弄されてしまって、当たりが強く、偉そうだったはずのエストはすでに見る影もない。
「ふあぁぁぁ・・・・・あああ、なんでこんなに、・・・・身体が火照る、のお・・・・?」
やっぱり実はエロい要素を持っていたのか、初めての経験で感情のコントロールが出来ずに振り切ってしまったのか、どちらにせよ、完全に情欲を瞼に浮かべて薄く開く瞳でエストは俺を視姦してくる。
普段とは違うギャップも合わさってか、ぼんやりと色を浮かべるその綺麗な碧眼はとてつもない色気を放つ。
「エスト・・・・えろい・・・。」
胸を吸っていたのに、合ってしまったエストの視線に俺は心を奪われ、ポロリと呟いてしまう。
こんなことを言おうものなら、拳が飛んできそうなものだが、この時ばかりは違っていた。
ぎゅう・・・・。
あたたかなものが俺の頭を包む。
エストの両腕が俺の頭を抱きしめていた。
フワッとエストから甘い香りが漂ってくる。
「もう・・・エロい女と思われてもいい・・・・。
でも、でも今この欲をキチクと一緒に味わっていたいよ・・・。」
エストの腕の中の、俺とエスト二人だけのとっても狭い空間。二人だけの空間。
そこにまた甘美な言葉が落ちる。
「好きだと認めてしまった瞬間から・・・・もうどうしようもないくらいキチクを求めてしまってる・・・。」
狭い空間の中で、ハスキーな声が二人だけに鈍く響く。
音叉の様に耳朶が、心が震えていく。
「だから・・・・抱いてほしい・・・・、私の初めてをもらってほしい・・・。」
自分を飾ることも、守ることもしない。
ひたすら殻に閉じこもって、そうやってずっと自分を守ってきた。
想像もつかないほどの勇気を振り絞ってその殻を破って、そして紡いだ本当の自分の純粋で素直な言葉。
全身が熱くなるのを感じる。
こんな思いを乗せた言葉を俺なんかにくれるんだ。
心が滾らないわけがない。
「エスト・・・・ありがとう。
俺、エストの気持ちを全力で受け止めるよ・・・。」
返事の代わりに、俺の頭を抱く腕にさらに力が籠る。
ちょっと痛いくらいなのだが、こんな痛みも悪くはない。
心も、身体も、抱きしめあっている。これがなんとも心地いい。
ずっとこのまま抱き合っててもいいくらいだ。
だが、
「もう、いいですか?」
不意にエフィルディスの声で気持ちを断ち切られる。
エストにおいてはビクリと脊髄反射するほど驚いていた。
「ちょっと気持ちよくしてあげたら、勝手に二人の世界に入ってしまうんですから・・・。」
「ご、ごめん・・・。あっ!」
俺は謝罪と共に、エフィルディスの方に顔をずらす。
すると、エフィルディスは寝台に横座り、いわゆるお姉さん座りで座っていた。
その姿を見て俺は声を上げる。
先ほどまでは胸は出ていたが、服を着ていた。
だが今はすべて服を脱ぎ、全裸なのだ。
雪の様に透き通る白い肌。
縛ってあったアッシュグレージュの髪を解いて、胸を隠すように前に垂らしている。
華奢なのにすらっとした肢体はまさにパリコレのモデルとでもいうのが一番の誉め言葉になるのだろうか。
細すぎる体つきは嫌いという人もいるが、俺は結構好きだ。
それに、両手を股間を隠すように前に置いているしぐさなんかもとてもかわいいと思ってしまう。
さらに言えば、結構待ってたんですよ?という雰囲気のちょっとだけむくれた表情もかわいい。
「エフィルディス・・・・。」
少しだけ冷静になったのか、エフィルディスの存在を思い出したエストは顔を恥ずかしそうに逸らし、俺から身体を起こす。
「やっぱり鷺の獣人は翼が弱いんですね。」
エフィルディスは俺に説明するように話してきた。
実際、エストには言葉が伝わらない。
「そういえば、ちょっと気持ちよくって何してたの・・・?」
「はい。翼の付け根、ようは脇を舐めたり、いじったりしてあげてたんです。」
「ぶは!脇舐め!しかも翼!!」
純真なエルフ、エフィルディスはにっこりと悪びれもなく笑う。
「ほら、エストさんはウブだからこれくらいして火をつけてあげないと、いつまで経っても何も進展しませんから!」
純真なエルフ、エフィルディスはさらににっこりと笑う。
「ははっ・・・すごいね・・・。」
「いいえ、これからですよ。
本当はキチクさんと二人だけで楽しみたかったんですけど、仕方ないですね。
エストさんもしょうがないから入れてあげます。」
「えっ?」
エフィルディスの意図が分からず聞き返したが、それより早くエフィルディスは俺たちの方に四つん這いで迫ってくる。
そして俺の上にまたがり、身体を起こしているエストと俺との間に入り、俺の唇を奪う。
「ああっ!」
目の前の光景にエストが思わず声を上げる。
それに反応して、エフィルディスはエストに流し目を向けた。
「ど、どういう意味だ!・・・・ふあっ!」
ちょっと逆上して声を荒げたエスト。
だが、またすぐに力が漏れる。
エフィルディスがエストの胸を揉んだのだ。
エフィルディスは視線だけエストに流し、俺の唇を弄び、さらにエストの胸をまさぐる。
そして空いた方の手で俺の手を掴み、俺の手のひらを自分の胸に宛がう。
「うっひょー!!やばいのじゃ!!ビンビンじゃあ!3Pなのかや!スリーピース?スリープレイ?なんなんじゃあ!!」
なんかちょっと離れたところから変な声が聞こえた気がする・・・・。
そういえば、そんなのもいたな。
カオスゲージ
〔Law and Order +++[65]++++++ Chaos〕
かすれるようなその声が俺の耳朶に触れる。
目の前のエフィルディスが放つ誘惑で、理性を根こそぎ持っていかれてしまいそうだった俺の感情に、雫のようにそっと落ちてきた言葉。
その言葉を無視することなどできなくて、俺は身体を起こして上半身だけで振り向く。
俺の視線には最初からの立ち位置を変えることなく、その場に佇むエストが映る。
俺からは5メートルは離れた場所だったのに、エストがこぼしたその声は不思議と俺の耳に届いたという事だ。
あまりの急展開で動揺しっぱなしだったエスト。
いまだに身体が小刻みに震えているのが、俺から見たこの距離でも気づけてしまう。
だけど、その碧の視線は俺の心を穿つように、俺の方をはっきりと注視している。
そして、その眼の意思を口にしようとしていたが、息のなって漏れるだけでなかなか声にならない。
「ど・・・どうした・・・?」
自分の方に向いた俺に対して、言葉を作れないエスト。
結果、エフィルディスの献身的な協力のおかげで事を進めることができる程になったのに、なぜエストはそれを差し止めるようなことを言ったのか。
エストの意図が分からなかった俺はたどたどしく疑問を口にした。
俺の不思議がっている表情を見て少し我に返ったのか、エストは一度目を瞑った後、再度見開いた。
「キチク・・・・」
「な、何・・・?」
震えを抑えながらも真剣な表情のエスト。
ついにその声が形になる。
「・・・・私と出会う以前の女たちならまだいい。
だが、出会ったばかりの女と、というのはいささか心外だ・・・。」
「心外??」
エストの口から出た言葉はまるで要領を得ていない。
エストの言葉を受けて、俺はさらに混乱し始める。
「だから、お前が言う心がすでに繋がっている人たちなら我慢できるが、出会ったばかりの女は我慢できない!」
「ええ??」
自分の意図をうまく説明できないエストは、言葉が進むにつれて段々と声が荒ぶっていく。
うまく言えないことに、自分自身にいら立っているのだろうか。
「もう、やだ!!
察しろ!この唐変木!!
認める、認める!私はお前の事が好きになってしまったんだ!
だから、私の目の前でどうでもいい女を抱くなんて許せない!
抱くなら、私を抱け!!」
エストの感情そのままの、あまりに強い言葉。
わなわなと熱を発するその身体の震えはさらに一層大きくなっている。
『えっ?今何て?』と聞き返してしまいそうになるくらい、俺としても自分の耳を疑ってしまう。
エフィルディスはそもそもエストの言葉が分からないから、気持ちいいところに水を刺されたから少し怪訝な表情だ。
「なんだよ、その反応・・・・。
私じゃダメなのか・・・・?」
呆然と固まってしまった俺を見て、エストが残念そうに言葉を濁していく。
きっと呆然とした俺には刹那的な時間だったのだが、エストの体感ではもっともっと長い時間だったのだろう。
そして、そして目を細めて歪んだ瞳からスーッと涙が一筋、線を引いて落ちていく。
「エスト・・・・」
気の利いた言葉をかけれたらよかったのだが、涙の線を描き、目を細めてまつ毛で陰を作るエストの綺麗さに見惚れてしまった俺は名前を呟くのが精いっぱいだった。
「もう・・・・」
不意に、俺の後ろ側からエフィルディスがため息を落とす。
「もう!
面倒くさい不器用な方ですねぇ!」
ちょっといらだっているのか、エフィルディスはいつもより声のトーンが低い。
そして、寝台から降りて立ち上がり、エストの方にずんずんと歩いていく。
もちろん、小ぶりな胸はそのまま出したままだ。
「え?エフィルディス・・・?」
俺はただ成り行きを見守る形になった。
エフィルディスに急に近づいてこられたエストもわけがわからず、様子を伺う。
そんなエストの目の前に立ったエフィルディスは胡散臭い作り笑顔をにっこりと浮かべる。
「何を言っているかはわかりませんが、曲がった性格のあなたの事を考えれば大体は想像つきます。」
当然、エストには言葉を理解できないと分かった上で、エフィルディスはエストに言う。
そして、
「んなあ!何を!」
エストが驚愕と羞恥の声を上げる。
さらに次の瞬間に身体を隠すようにしゃがみこんでしまう。
「ムカつきます、私よりおっきいじゃないですか。」
嫌悪の言葉を吐き捨てるエフィルディス。
エフィルディスが何をやったのか、2人が重なっていたから俺にはあまりよくは見えなかった。
だが、きっとエフィルディスがエストの胸当てを勢いよく下にずり下げたのだろう。
結構発育のよい胸が露わになり、ぶるっと踊ったのがちょっとだけ見えた。
「隠してないでこっちです、寝台に行きますよ。」
「ちょっ!――――」
エフィルディスはエストの手を無理やり取って、ぐいっと引っ張って立ち上がらせる。
そしてそのまま、寝台にいる俺の方に歩いてくる。
「うおう・・・。」
空いた片手で胸を隠すエスト。
だがそれは乳首は隠れているが、乳房のほとんどは隠せていない。
様は手ブラの状態なのだが、動揺と羞恥を浮かべ、視線が泳ぐエストがなんともエロい。
「えいっ。」
俺の目の前に来たエフィルディスは、持った手ごとエストを俺に投げつけた。
「おわっっぷ!」
投げつけられたエストに俺は押し倒され、寝台に倒れこむ。
しかも俺の口にはちょうどエストの胸が押し当てられる。
ふにゃっとした温かく、柔らかい触感が急に襲ってきたのだ。
「ひゃっ―――!」
驚きと敏感な所に刺激があったためか、エストの口から少し色の入った声が漏れた。
普段のハスキーな声から想像できなかったかわいらしい声だ。
「ひゃあっ―――!ひっ、ああっ!!――――」
その色の声は一言だけ出たのと思ったら、なぜだか、それがさらに続いていくことに。
俺は何もしていないのだが。
「あっ、ああっ―――、待て、そんな・・・そんなところ、を――――!!」
どんどん色めき立っていくエストの声。
エストの胸で顔を埋め尽くされている俺は何が起きているのかはわからない。
だが、しかし。
こんなシチュエーションで何もしないなんてのは男が廃る。
俺は両手でエストの胸を横から鷲掴みして乳首を舐め始める。
「!!!―――」
エストが嬌声を上げるが、もはやかすれて声になっていない。
だが、声のかわりに乳首を刺激すればするほど、ビクリビクリと全身を震わせる。
しかし、すごい。
胸の弾力が半端ない。
ふにゃっとするのは間違いないのだが返りがすごく、弾き返されるのでは?と思うくらい強い弾力で、リズムよく揉みまわすのにとても具合がいい。
見た目の作りはほぼ一緒でもやはり獣人族ということなのか。
明らかに人間の胸よりも弾力が強い。
そういえば、思い返してみればエストの胸は胸当てをきつく巻いているはずなのに胸は斜め上をしっかりと向いていた。
重力に逆らい、凛とそびえ立っていたのだ。
そして、愛らしい乳首はなんとも淡い桜色。
もともと肌はかなり白いのだが、その肌との境界が曖昧なほど淡い桜色。
刺激され、それにこたえるようにツンと立ってきたかわいらしい乳首に、その色がよく似合う。
さらにその綺麗な桜色は俺の唾液に濡れて、いやらしくヌメヌメと光沢を纏う。
「キ、キサマ・・・・何を・・・、たし、かに・・私を抱けと言ったが、こんなイキナリ、ひゃうっ!!」
瞳を色に歪ませつつも、強い眼差しで胸を吸う俺を睨んだエスト。
相当に近い距離で俺とエストの視線が交錯する。
だが、エストのそんな強気な眼差しもすぐに色に負けて緩んでいく。
乳首を舐めまわし、すごい弾力の胸を弄ぶ絶え間なく続く俺の前戯に屈していく。
色欲と羞恥とに簡単に翻弄されてしまって、当たりが強く、偉そうだったはずのエストはすでに見る影もない。
「ふあぁぁぁ・・・・・あああ、なんでこんなに、・・・・身体が火照る、のお・・・・?」
やっぱり実はエロい要素を持っていたのか、初めての経験で感情のコントロールが出来ずに振り切ってしまったのか、どちらにせよ、完全に情欲を瞼に浮かべて薄く開く瞳でエストは俺を視姦してくる。
普段とは違うギャップも合わさってか、ぼんやりと色を浮かべるその綺麗な碧眼はとてつもない色気を放つ。
「エスト・・・・えろい・・・。」
胸を吸っていたのに、合ってしまったエストの視線に俺は心を奪われ、ポロリと呟いてしまう。
こんなことを言おうものなら、拳が飛んできそうなものだが、この時ばかりは違っていた。
ぎゅう・・・・。
あたたかなものが俺の頭を包む。
エストの両腕が俺の頭を抱きしめていた。
フワッとエストから甘い香りが漂ってくる。
「もう・・・エロい女と思われてもいい・・・・。
でも、でも今この欲をキチクと一緒に味わっていたいよ・・・。」
エストの腕の中の、俺とエスト二人だけのとっても狭い空間。二人だけの空間。
そこにまた甘美な言葉が落ちる。
「好きだと認めてしまった瞬間から・・・・もうどうしようもないくらいキチクを求めてしまってる・・・。」
狭い空間の中で、ハスキーな声が二人だけに鈍く響く。
音叉の様に耳朶が、心が震えていく。
「だから・・・・抱いてほしい・・・・、私の初めてをもらってほしい・・・。」
自分を飾ることも、守ることもしない。
ひたすら殻に閉じこもって、そうやってずっと自分を守ってきた。
想像もつかないほどの勇気を振り絞ってその殻を破って、そして紡いだ本当の自分の純粋で素直な言葉。
全身が熱くなるのを感じる。
こんな思いを乗せた言葉を俺なんかにくれるんだ。
心が滾らないわけがない。
「エスト・・・・ありがとう。
俺、エストの気持ちを全力で受け止めるよ・・・。」
返事の代わりに、俺の頭を抱く腕にさらに力が籠る。
ちょっと痛いくらいなのだが、こんな痛みも悪くはない。
心も、身体も、抱きしめあっている。これがなんとも心地いい。
ずっとこのまま抱き合っててもいいくらいだ。
だが、
「もう、いいですか?」
不意にエフィルディスの声で気持ちを断ち切られる。
エストにおいてはビクリと脊髄反射するほど驚いていた。
「ちょっと気持ちよくしてあげたら、勝手に二人の世界に入ってしまうんですから・・・。」
「ご、ごめん・・・。あっ!」
俺は謝罪と共に、エフィルディスの方に顔をずらす。
すると、エフィルディスは寝台に横座り、いわゆるお姉さん座りで座っていた。
その姿を見て俺は声を上げる。
先ほどまでは胸は出ていたが、服を着ていた。
だが今はすべて服を脱ぎ、全裸なのだ。
雪の様に透き通る白い肌。
縛ってあったアッシュグレージュの髪を解いて、胸を隠すように前に垂らしている。
華奢なのにすらっとした肢体はまさにパリコレのモデルとでもいうのが一番の誉め言葉になるのだろうか。
細すぎる体つきは嫌いという人もいるが、俺は結構好きだ。
それに、両手を股間を隠すように前に置いているしぐさなんかもとてもかわいいと思ってしまう。
さらに言えば、結構待ってたんですよ?という雰囲気のちょっとだけむくれた表情もかわいい。
「エフィルディス・・・・。」
少しだけ冷静になったのか、エフィルディスの存在を思い出したエストは顔を恥ずかしそうに逸らし、俺から身体を起こす。
「やっぱり鷺の獣人は翼が弱いんですね。」
エフィルディスは俺に説明するように話してきた。
実際、エストには言葉が伝わらない。
「そういえば、ちょっと気持ちよくって何してたの・・・?」
「はい。翼の付け根、ようは脇を舐めたり、いじったりしてあげてたんです。」
「ぶは!脇舐め!しかも翼!!」
純真なエルフ、エフィルディスはにっこりと悪びれもなく笑う。
「ほら、エストさんはウブだからこれくらいして火をつけてあげないと、いつまで経っても何も進展しませんから!」
純真なエルフ、エフィルディスはさらににっこりと笑う。
「ははっ・・・すごいね・・・。」
「いいえ、これからですよ。
本当はキチクさんと二人だけで楽しみたかったんですけど、仕方ないですね。
エストさんもしょうがないから入れてあげます。」
「えっ?」
エフィルディスの意図が分からず聞き返したが、それより早くエフィルディスは俺たちの方に四つん這いで迫ってくる。
そして俺の上にまたがり、身体を起こしているエストと俺との間に入り、俺の唇を奪う。
「ああっ!」
目の前の光景にエストが思わず声を上げる。
それに反応して、エフィルディスはエストに流し目を向けた。
「ど、どういう意味だ!・・・・ふあっ!」
ちょっと逆上して声を荒げたエスト。
だが、またすぐに力が漏れる。
エフィルディスがエストの胸を揉んだのだ。
エフィルディスは視線だけエストに流し、俺の唇を弄び、さらにエストの胸をまさぐる。
そして空いた方の手で俺の手を掴み、俺の手のひらを自分の胸に宛がう。
「うっひょー!!やばいのじゃ!!ビンビンじゃあ!3Pなのかや!スリーピース?スリープレイ?なんなんじゃあ!!」
なんかちょっと離れたところから変な声が聞こえた気がする・・・・。
そういえば、そんなのもいたな。
カオスゲージ
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