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第一章 悪の拠点づくり
19.慰めほどの報酬と危険な宝石
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「今度こそ、ほんとに終了?」
手にしている、豪華な装飾の両手剣の血を拭っているネロに問いかける。
人間の俺が熊手で、なんでくまさんのネロが両手剣なんだ?
理不尽な疑問が浮かんでたが、心に中に沈めて置く事にする。
「ああ、終わりだねえ。こんだけしっかり岩を積んどけばね。
しかし、ゴブリンは森の魔獣を狩って餌にしていただろうから、これでまた生態系が変わるかもしれないねえ。」
今回のゴブリン退治は今度は魔獣が繁殖しすぎてしまうかもしれない、そんな可能性を示唆させていた。
俺がひょんな感じで絶滅させてしまったホラーツリーが原因で悪いことが連鎖している。
しかし、人間としては目の前の、一番害のあるゴブリン退治が最優先だ。
「しかし、なかなかの惨劇だねえ。放っておいても魔獣が、死肉食らってくれるだろうが・・・。
じゃあ、行こうかねえ。」
ネロは声を掛けて馬車を隠していある方に足を向けた。
俺も後について行こうとする。その時、屍となっているゴブリンの腰布の隙間に、光が反射しているのを見た。
「なんだろう?」
おれは腰布から光の原因を取り出してみる。
それは大きな宝石だった。
ゴルフボール大で武骨な形の丸い宝石だった。
紫に近い青を持つそれは、輝きの中を覗くと黒い魔法陣が浮かんでる。
きっと価値あるものに違いない。
「お宝ゲット~。」
俺はおもむろにその宝石をズボンのポケットにしまった。
正直、死体だらけでげんなりしていたが、一気に気分がよくなった。
これが何なのかも知らないで。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺たち一行は昼過ぎには、町に帰還していた。
そういえば今更だが、この町はドンタナという。行きにネロが教えてくれた。
馬車は町に入り、警邏隊の詰め所に着く。
俺たちは広間に案内され、事の次第を隊長に報告した。
「うむ。よくわかった。今回もご助力感謝する。これは謝礼だ。」
警邏隊の隊長はお金が入った白い袋をネロに差し出した。
その袋は硬貨がぎっしりに詰まっていて、所々硬貨の形にでこぼこしている。
なんか、ファンタジーのお金って感じ。
「毎度ありっ!」
謝礼を受け取ったネロと俺たちはその場を後にする。
途中、ネロは「ほらよっ。」と言って硬貨を俺に渡す。
「銅貨10枚・・・。」
「今回のお手伝いの報酬。」
ネロは満面な笑みで俺を見る。
「いや・・・・命賭けてこれだと少なくない?」
テンションダウンな俺。
ネロが小脇に抱えている、ぎっしり詰まった白い袋を見る。
「そういうなって!生きて帰っておいしいエールが飲める!これが最高なんじゃないかい!?」
俺と、女神の2杯分のエール代という事か・・・。
ごまかし半分に大きく笑うネロ。俺はそれを横目で見上げる。
まあ、いいか。風呂も部屋も食事も用意してもらっているんだから。
それよりも、身体を洗いたい。
ゴブリンの返り血を浴びまくった俺は帰り道、それはもうひどい匂いを馬車にまき散らしていた。
ネロなんかずっと鼻をつまんでた。
「まだ湯殿は掃除している時間だし、湯も沸いていないが身体だけでも洗ってくるといい。」
ネロに許可をもらって俺は湯殿に急ぐ。
脱衣所でさっさ臭い服を脱いで、風呂場に入る。
「ああ!キチクさん!」
掃除をしていた下働きの子供が気づいて声を上げる。
「ごめん。戦闘でちょっと汚れちゃって。
邪魔にならないようにするから、身体洗わせて?」
「もちろん大丈夫ですよ!お疲れ様です!」
下働きの子供は無垢な笑顔を俺に向ける。
それにほのぼのしながら、端っこで身体を洗うことにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あー、さっぱりした!」
裸のまま、タオルで頭を拭いている俺。
ゴブリンの血はなんだか濃くて、なかなか落ちなかった。
念入りに洗って、やっと爽快な気分になった。
ふと、籠に入れた臭い服と共にあった青い宝石に目が留まる。
「ええ!!?」
ゴルフボール大だったそれは、なんとサッカーボールくらいに大きくなっていた。
中の魔法陣も小さい時より複雑な形状をしているような気がする。
驚いた俺はそれを手に取ろうと触れた。
その瞬間。
俺の身体がその宝石に吸い込まれていく。
ガチャリ。
その時に、湯殿の入口の扉が開いた。
「キチク~?やっぱり俺も一緒に身体を洗いたい、なんてな~。」
鼻の下を伸ばしたネロが入ってきた。
「?。キチク?」
そこにいるはずだった俺は、忽然と消えてしまっていた。
カオスゲージ
〔Law and order +++[72]++++++ Chaos〕
手にしている、豪華な装飾の両手剣の血を拭っているネロに問いかける。
人間の俺が熊手で、なんでくまさんのネロが両手剣なんだ?
理不尽な疑問が浮かんでたが、心に中に沈めて置く事にする。
「ああ、終わりだねえ。こんだけしっかり岩を積んどけばね。
しかし、ゴブリンは森の魔獣を狩って餌にしていただろうから、これでまた生態系が変わるかもしれないねえ。」
今回のゴブリン退治は今度は魔獣が繁殖しすぎてしまうかもしれない、そんな可能性を示唆させていた。
俺がひょんな感じで絶滅させてしまったホラーツリーが原因で悪いことが連鎖している。
しかし、人間としては目の前の、一番害のあるゴブリン退治が最優先だ。
「しかし、なかなかの惨劇だねえ。放っておいても魔獣が、死肉食らってくれるだろうが・・・。
じゃあ、行こうかねえ。」
ネロは声を掛けて馬車を隠していある方に足を向けた。
俺も後について行こうとする。その時、屍となっているゴブリンの腰布の隙間に、光が反射しているのを見た。
「なんだろう?」
おれは腰布から光の原因を取り出してみる。
それは大きな宝石だった。
ゴルフボール大で武骨な形の丸い宝石だった。
紫に近い青を持つそれは、輝きの中を覗くと黒い魔法陣が浮かんでる。
きっと価値あるものに違いない。
「お宝ゲット~。」
俺はおもむろにその宝石をズボンのポケットにしまった。
正直、死体だらけでげんなりしていたが、一気に気分がよくなった。
これが何なのかも知らないで。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺たち一行は昼過ぎには、町に帰還していた。
そういえば今更だが、この町はドンタナという。行きにネロが教えてくれた。
馬車は町に入り、警邏隊の詰め所に着く。
俺たちは広間に案内され、事の次第を隊長に報告した。
「うむ。よくわかった。今回もご助力感謝する。これは謝礼だ。」
警邏隊の隊長はお金が入った白い袋をネロに差し出した。
その袋は硬貨がぎっしりに詰まっていて、所々硬貨の形にでこぼこしている。
なんか、ファンタジーのお金って感じ。
「毎度ありっ!」
謝礼を受け取ったネロと俺たちはその場を後にする。
途中、ネロは「ほらよっ。」と言って硬貨を俺に渡す。
「銅貨10枚・・・。」
「今回のお手伝いの報酬。」
ネロは満面な笑みで俺を見る。
「いや・・・・命賭けてこれだと少なくない?」
テンションダウンな俺。
ネロが小脇に抱えている、ぎっしり詰まった白い袋を見る。
「そういうなって!生きて帰っておいしいエールが飲める!これが最高なんじゃないかい!?」
俺と、女神の2杯分のエール代という事か・・・。
ごまかし半分に大きく笑うネロ。俺はそれを横目で見上げる。
まあ、いいか。風呂も部屋も食事も用意してもらっているんだから。
それよりも、身体を洗いたい。
ゴブリンの返り血を浴びまくった俺は帰り道、それはもうひどい匂いを馬車にまき散らしていた。
ネロなんかずっと鼻をつまんでた。
「まだ湯殿は掃除している時間だし、湯も沸いていないが身体だけでも洗ってくるといい。」
ネロに許可をもらって俺は湯殿に急ぐ。
脱衣所でさっさ臭い服を脱いで、風呂場に入る。
「ああ!キチクさん!」
掃除をしていた下働きの子供が気づいて声を上げる。
「ごめん。戦闘でちょっと汚れちゃって。
邪魔にならないようにするから、身体洗わせて?」
「もちろん大丈夫ですよ!お疲れ様です!」
下働きの子供は無垢な笑顔を俺に向ける。
それにほのぼのしながら、端っこで身体を洗うことにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あー、さっぱりした!」
裸のまま、タオルで頭を拭いている俺。
ゴブリンの血はなんだか濃くて、なかなか落ちなかった。
念入りに洗って、やっと爽快な気分になった。
ふと、籠に入れた臭い服と共にあった青い宝石に目が留まる。
「ええ!!?」
ゴルフボール大だったそれは、なんとサッカーボールくらいに大きくなっていた。
中の魔法陣も小さい時より複雑な形状をしているような気がする。
驚いた俺はそれを手に取ろうと触れた。
その瞬間。
俺の身体がその宝石に吸い込まれていく。
ガチャリ。
その時に、湯殿の入口の扉が開いた。
「キチク~?やっぱり俺も一緒に身体を洗いたい、なんてな~。」
鼻の下を伸ばしたネロが入ってきた。
「?。キチク?」
そこにいるはずだった俺は、忽然と消えてしまっていた。
カオスゲージ
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