破壊、略奪、支配、エロ。これが大人のファンタジー

一心腐乱

文字の大きさ
上 下
20 / 92
第一章 悪の拠点づくり

11.初めて女性のパンツを買いました

しおりを挟む
 昼下がりの午後、昼食の片づけを手伝い終わった俺たちは街に出てみることにした。
昨日はとにかく酒場だけを探していたから、あまり周りに気づいていない。
 昨日の稼ぎのお陰で懐も温かい。

「あそうだ、ファラ。これを神様の道具箱に入れておける?」

 俺は銅貨が山盛り入った白い袋を女神に差し出す。

「大丈夫ですよ。えい。」

 白い袋は女神の手に触れた途端に消えていった。
すげえ便利これ。まじで太った青いネコ。

「じゃあ、行こうか!」

 午後の暖かい太陽の下、俺たちは町を歩いた。ロドルフおねえに町を見たいといったら、地図を貸してくれた。
 俺の興味を引く場所がいくつもある。
 しばらく歩いて一つ目の目的の場所につく。
店の軒先の入り口の上の所に袖看板が付いている。

“イシルの武器防具屋”

銅でできたその、盾のレリーフの看板は中に店名が刻まれている。
本当にファンタジーな雰囲気が出てる。
 俺はわくわくしながら、扉を開いた。

「いらっしゃーい!」

 かわいらしい声が響く。
 ショーケース越しに女の子が出迎えてくれる。
まだ10代後半であろうか、茶色い髪にあどけない笑顔が眩しい。

「おや?見ない顔。ようこそ、イシルの武器防具屋へ。
お父さんの作った武器はどれもすごいよ!」

 この看板娘感が眩しい。
冒険の後には必ず立ち寄りたい、そんな気分になる。

「えっと、武器とか扱ったことないんで、ちょっと見てていいですか?」

「あら?旅の方じゃないんだ?どうぞ、ごゆっくり。」

 看板娘は満面な笑みで承諾してくれる。
俺はショーケースや壁に掛かっている武器をまじまじと見た。
片手剣、両手剣、ランスやナイフなどいろいろ揃ってる。
金棒の先に鎖が付いていて、鎖の先端に金属の棘が付いた鉄球の武器、いわゆるモーニングスターなんてのもある。
本当に俺の知っているファンタジーの世界観そのままだ。
 武器はどれも眩い光を放っているように見える。
あ、興奮してる俺の目に眩く映っているだけか。
 ふと冷静になった。
そうしたら、商品の下に掛かっている値札が目に入った。
ナイフで520アル、片手剣で1500アル、モーニングスターで2300アルって書いてある。

「あのう、すみませんが銅貨一枚って何アルですか?」

「ええ?面白いこと言うお客さんだね!銅貨1枚が1アルに決まってるよ!はははは!」

 看板娘は高らかに笑い声をあげる。

「じゃあ、銀貨と金貨は?」

 恥は掻き捨て。俺は続けて尋ねた。

「まあ!本当に知らないんだね。
いいよ、教えてあげる。この辺りで流通しているアルブ銅貨が1アル。
それでアルブ銀貨は銅貨100枚分。アルブ金貨は見たことないけど銅貨1万枚分だよ!
隣国はまた貨幣価値が違うから両替に気を付けてね!」

 笑顔で教えてくれる看板娘だが、逆に俺は顔が引きつった。

「ファラ・・・?渡した銅貨ってどのくらいあったっけ?」

 すごい稼いだ気になっていた俺は結局枚数を数えていなかった。

「すみません。私もそのまましまったので・・・でもステータスウインドウで確認できますよ。」

「マジで!?便利!」

 俺はステータスを思い浮かべ、ウインドウを開く。

Money : 720 Copper coin of ALFアルブ銅貨

 読めないけどこれが銅貨720枚ってことだろう。
ナイフしか買えない・・・。
俺は花形の両手剣が欲しかったに・・・。
この世界はインフレなのか。生産系のチートを持ってたら大儲けなのかもしれないな。

「あのう・・・大丈夫ですか?」

 一人でぶつぶつ言っている俺に看板娘が声を掛ける。
俺ははっとなり、慌てて切り返した。

「ごめんなさい。お金が貯まったらまた来ます!」

 俺は女神の手を引いて逃げるように外に出た。
あーあ、看板娘かわいかったな・・・。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 仕方ないから俺は他の目的地に行くことにした。
途中、掲げてある値段などを気にしながら歩く。
やはり生活必需品の値段はそれほど高い印象はない。
武器が、いや金属の値段が高いのだ。
 これは鉱山を掘り当てる冒険の章とかが来るな、と一人でニヤける。
 そんなことを考えていると、お目当てのお店にたどり着いた。

“ラビットのランジェリー専門店”

 そう。女性の下着売り場だ。
ロドルフおねえに聞いたらここがいいと教えてくれた。
いつまでも女神をノーパンにさせておくわけにはいかない。
賭けのタネにしてしまったから、せめてものお詫びだ。
 俺はお店のドアを開ける。
お花のお香の匂いだろうか、とても良い匂いが鼻をくすぐる。
 中を見ると、やっぱり。
男は誰もいない。
 数人いる女性の目が冷たい。

「ふぁ、ファラ!どれにする?早く選べよー。」

 とりあえず俺はバカップルの体を演じてみた。
現世の子供の頃でも女性の下着売り場なんて、そんな禁断の花園に入ったことないよ。
緊張感と妙な背徳感がとめどなく襲ってくる。

「キチクさん?どうしたんですか?何を選べと言うんですか?」

「いや、あの・・・お前下着を身に着けてないだろう?
人間は下着というものを身に着けるもんなんだよ。
買ってやるから早く選んでくれ。」

「ええ!これはもしかして私にプレゼントですか!?男性が女性の気を引くために贈るというあの!」

 女神は頬を押えて嬉々としている。いやいいから早くしてください。

「あら、いらっしゃーい。」

 俺たちに下着店の女性が話しかけてきた。

「聞こえたわよ。プレゼントなのね。私が一緒に選んであげる。」

「お、お願いします。」

 俺はその女性に女神を押し付けた。

 数十分後、入口近くで待っていた俺を下着店の女性が呼びに来た。
やっと会計かと思ってついて行く。
 着いたのは奥にある閉まったカーテンの前。まさか・・・。

「つれてきたわよ。」

 下着店の女性がカーテンに話しかける。
すると、シャーッとレールが滑る音がして、カーテンが開く。

「ぶはあああ!」

 俺は思わず、吹き出した。
そのカーテンの奥には、やはり女神がランジェリー姿で立っていた。
 花柄のレースで編み込まれた紫色のコルセットに黒い編み上げのタイツ、そして胸元とお揃いの柄のレースの紫のショーツを履いている。
 だが、普通のショーツではなかった。
秘部の部分が開いていて、その部分の布がないのだ。秘部が丸見えなのである。
まあ、そこから銀色の毛並みが覗き、紫のランジェリーと色あいがとてもあっているのだけれど。

「どうですか?この服、似合いますか?」

 素っ頓狂な顔をして女神は恥じらいもなく聞いてきた。
これがただの服だと思っているらしい。天然って怖い。いや、学んでないだけか。

「見せなくていいから!それと股間の空いてるのだめだから!それは娼婦用!!」

 言うが早いか、俺はカーテンをぴしゃりと閉めた。
しばらく声がしなかったが、元の服に着替えたのか、カーテンが開いた。

「これもかわいいと思うのです。」

 出てきた女神は違う下着を身に着けていた。
淡いブルーの肩ひものない胸当て、少し低い位置にある同じブルーのショーツ。
どちらも生地と同じ色で薔薇を形どったレースをあしらっていて、控えめながら上品。
女神の銀髪にとてもよく似合う色だった。

「・・・・似合う。」

 一瞬女神の可憐さに呑まれたが、何とか俺は一言だけ口にできた。

「よかった!それじゃあ、これでお願いします!」

 女神は笑顔を綻ばして後ろを向いた。
ショーツの後ろはTバックだった。

「まあ、いいか・・・。」

 女神はそのまま下着の上に服を着る。そして会計を済ませて店を出た。
下着は銅貨65枚だった。
 帰り道、俺は女神に下着とはなんぞやという事を教えながら歩いた。
結構力説したのだが、多分心に届いていない。
女神は俺の片腕を抱きながら上機嫌で歩く。
その笑顔は止まらない。

初めてのプレゼントがよっぽど嬉しかったんだな。
俺は初めてしたプレゼントは?
と聞かれたらその下着を思い出すことになるんだけどね。



カオスゲージ
Law and order法と秩序 +++[77]++++++ Chaos混沌


しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【掲示板形式】気付いたら貞操逆転世界にいたんだがどうすればいい

やまいし
ファンタジー
掲示板にハマった…… 掲示板形式+αです。※掲示板は元の世界(現代日本)と繋がっています。

処理中です...