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第一章 悪の拠点づくり
5.皆さんの期待どおりに
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ネロ姐さんと呼ばれたその女性がどうやらこの館の主らしい。
人間だけの町かと思ったいたから、獣人がいたことに俺は驚いた。
俺、ケモ耳は好き。
でも、熊の獣人とかいるんだね。初めて見るなら、本当は狼の獣人が良かったけど。
「俺の店でずいぶんと荒稼ぎしてくれたねえ。
客がこんなに巻き上げられちゃあ商売上がったりだよ。」
熊の獣人ネロは俺のいるテーブルの空になったイスにドカっと座った。
ちょっと怒っている風に見える。怖い。
「ネロさん!やっちまって下さいよ!」
最初にやられたおっさんAが囃し立てる。残りのB~Jも同調した。
この後のエロの楽しみを奪われたJは結構必死だ。
さっきまで俺を応援してくれていた娼婦たちも、裏切ってネロの方につく。
瞬く間にここは敵地と化した。
「ネロさん。あなたのお店で変な事してすみません。実は追いはぎに会って、今しがたこの町に着いたばかりでお金がなかったんです。」
俺は取り敢えず同情を引いておく。
ここでケンカになったら隣のテーブルの積まれた銅貨がドサクサで取られちゃう。
「うおぁは!こんなに腕っぷし強いのに追いはぎにやられるタマなのかあい?」
あら、あっさりバレちゃった。
どうやら、今回の俺の演技はイモだった様だ。やはり稽古が必要だな。
「まあ、いいさ。俺とも勝負しな!
俺が勝ったらその銀髪の女は一晩ここで働いてもらう!
お前が勝ったら銀貨10枚くれてやるよ!」
「いやいや、あなた女性ですよね!」
俺の反論に周りの人々は悪い顔をしてニヤニヤと口元を綻ばす。
はいはい、どうせ獣人だから人間の男よりも数段腕っぷしが強いとかなんでしょ?
じゃあもっと上乗せしないと!
「この雰囲気だと、ネロさんは人間の男よりも強いって感じですよね。
不公平じゃないですか?
こっちは弱い人間で、こんなに連戦で握力も落ちてきてるのに。」
「その度胸いいねえ!なんでも賭けるぜえ?何がいい?」
ここは娼館で目の前にはケモ耳。
ならば賭ける物は一つだ。
「じゃあ、ネロさんを。」
周囲一同騒然となる。
あれ?なんか間違えちゃった?
そんな空気をネロが大声で笑い飛ばした。
「うおぁははははは!本当に面白いなお前!あいにく俺は売り物じゃない。
それに人間が獣人を求めるってのも滅多にないしな!」
あそうなんだ?この世界の人間は獣人には発情しないのか。もったいない。
「いいだろうよ。対価は俺だ。
ちなみに俺は人間にも獣人にもは負けたことはないぜえ。」
ネロは唇を舌で舐めずり、怪しく言い放つ。そして静かに腕をテーブルに構えた。
いやあ、この負けフラグがすごいネロさん。清々しいなあ。
「では・・・。」
俺はネロと右腕を組んだ。背が大きいだけあって、リーチも長い。上から体重を掛けられるとキツそうだ。
「レディー・・・Go!」
掛け声と共に周囲が一斉に沸き立つ。
ネロの腕が一回り膨らみ筋肉の筋が浮かび上がる。さらには血管も浮かび上がってくる。
もうこれは女性の腕じゃない。完全に野性の筋肉だ。
「くっ・・・これはなかなかしんどい・・・。」
押され気味の俺は苦痛の声を上げる。
ふと気づいた。
ステータスがなんでもかんでもMAXでも、それは人間の範囲でのMAXなのかも。
目の前のそれは人間を超えたもの。
もしかして、やばい?
「どうしたんだい?先ほどまでの威勢は?」
ジリジリと押し込んでくるネロ。
明らかにここの誰よりも、しかも数倍の力だ。
「こ、これは・・・、」
・・・楽勝です。
いかがでしたか?神が降りた俺の名演技。臨場感ありましたか?
はい。全くもって楽勝です。腕に血管も浮いてないですし。
でも呼吸を止めがちにして、顔にわざと血管を浮かせてます。
「?」
押し込んでいるはずなのに、なかなか倒せない事にネロは不思議な顔をし始めた。
「くおおおおお!」
俺はわざとらしく唸って、腕を盛り返す。
そのままゆっくりとネロの腕を押し倒した。
手が痛い。力んだネロの尖った爪が手に刺さった。血が出た。
「まさかこんな・・・。」
負けを認められないネロ。
信じられない光景に周囲の人たちも静寂に包まれる。
「今のはれ、練習だよな!そうだ、今度は左手でやろう!」
ネロは慌てて懇願する。
いやだけど、この感じなんかみんな納得できない感があるしなあ。
仕方ない。
「レディー・・・Go!」
再度の掛け声に、俺はもうたくさん稼いだしもういいかな、なんて考える。
スパーン!
「ぶぁかなぁぁぁぁ!」
俺は一瞬でネロの腕をテーブルに押し付けた。また爪が刺さるの嫌だしね。
ネロは盛大に断末魔を上げた。
はい、今度こそ、ケモ耳ゲットー☆
カオスゲージ
〔Law and order ++[80]+++++++ Chaos〕
人間だけの町かと思ったいたから、獣人がいたことに俺は驚いた。
俺、ケモ耳は好き。
でも、熊の獣人とかいるんだね。初めて見るなら、本当は狼の獣人が良かったけど。
「俺の店でずいぶんと荒稼ぎしてくれたねえ。
客がこんなに巻き上げられちゃあ商売上がったりだよ。」
熊の獣人ネロは俺のいるテーブルの空になったイスにドカっと座った。
ちょっと怒っている風に見える。怖い。
「ネロさん!やっちまって下さいよ!」
最初にやられたおっさんAが囃し立てる。残りのB~Jも同調した。
この後のエロの楽しみを奪われたJは結構必死だ。
さっきまで俺を応援してくれていた娼婦たちも、裏切ってネロの方につく。
瞬く間にここは敵地と化した。
「ネロさん。あなたのお店で変な事してすみません。実は追いはぎに会って、今しがたこの町に着いたばかりでお金がなかったんです。」
俺は取り敢えず同情を引いておく。
ここでケンカになったら隣のテーブルの積まれた銅貨がドサクサで取られちゃう。
「うおぁは!こんなに腕っぷし強いのに追いはぎにやられるタマなのかあい?」
あら、あっさりバレちゃった。
どうやら、今回の俺の演技はイモだった様だ。やはり稽古が必要だな。
「まあ、いいさ。俺とも勝負しな!
俺が勝ったらその銀髪の女は一晩ここで働いてもらう!
お前が勝ったら銀貨10枚くれてやるよ!」
「いやいや、あなた女性ですよね!」
俺の反論に周りの人々は悪い顔をしてニヤニヤと口元を綻ばす。
はいはい、どうせ獣人だから人間の男よりも数段腕っぷしが強いとかなんでしょ?
じゃあもっと上乗せしないと!
「この雰囲気だと、ネロさんは人間の男よりも強いって感じですよね。
不公平じゃないですか?
こっちは弱い人間で、こんなに連戦で握力も落ちてきてるのに。」
「その度胸いいねえ!なんでも賭けるぜえ?何がいい?」
ここは娼館で目の前にはケモ耳。
ならば賭ける物は一つだ。
「じゃあ、ネロさんを。」
周囲一同騒然となる。
あれ?なんか間違えちゃった?
そんな空気をネロが大声で笑い飛ばした。
「うおぁははははは!本当に面白いなお前!あいにく俺は売り物じゃない。
それに人間が獣人を求めるってのも滅多にないしな!」
あそうなんだ?この世界の人間は獣人には発情しないのか。もったいない。
「いいだろうよ。対価は俺だ。
ちなみに俺は人間にも獣人にもは負けたことはないぜえ。」
ネロは唇を舌で舐めずり、怪しく言い放つ。そして静かに腕をテーブルに構えた。
いやあ、この負けフラグがすごいネロさん。清々しいなあ。
「では・・・。」
俺はネロと右腕を組んだ。背が大きいだけあって、リーチも長い。上から体重を掛けられるとキツそうだ。
「レディー・・・Go!」
掛け声と共に周囲が一斉に沸き立つ。
ネロの腕が一回り膨らみ筋肉の筋が浮かび上がる。さらには血管も浮かび上がってくる。
もうこれは女性の腕じゃない。完全に野性の筋肉だ。
「くっ・・・これはなかなかしんどい・・・。」
押され気味の俺は苦痛の声を上げる。
ふと気づいた。
ステータスがなんでもかんでもMAXでも、それは人間の範囲でのMAXなのかも。
目の前のそれは人間を超えたもの。
もしかして、やばい?
「どうしたんだい?先ほどまでの威勢は?」
ジリジリと押し込んでくるネロ。
明らかにここの誰よりも、しかも数倍の力だ。
「こ、これは・・・、」
・・・楽勝です。
いかがでしたか?神が降りた俺の名演技。臨場感ありましたか?
はい。全くもって楽勝です。腕に血管も浮いてないですし。
でも呼吸を止めがちにして、顔にわざと血管を浮かせてます。
「?」
押し込んでいるはずなのに、なかなか倒せない事にネロは不思議な顔をし始めた。
「くおおおおお!」
俺はわざとらしく唸って、腕を盛り返す。
そのままゆっくりとネロの腕を押し倒した。
手が痛い。力んだネロの尖った爪が手に刺さった。血が出た。
「まさかこんな・・・。」
負けを認められないネロ。
信じられない光景に周囲の人たちも静寂に包まれる。
「今のはれ、練習だよな!そうだ、今度は左手でやろう!」
ネロは慌てて懇願する。
いやだけど、この感じなんかみんな納得できない感があるしなあ。
仕方ない。
「レディー・・・Go!」
再度の掛け声に、俺はもうたくさん稼いだしもういいかな、なんて考える。
スパーン!
「ぶぁかなぁぁぁぁ!」
俺は一瞬でネロの腕をテーブルに押し付けた。また爪が刺さるの嫌だしね。
ネロは盛大に断末魔を上げた。
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