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序章 始まりで擦り潰される
4.二千年の妄想
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37歳まで童貞で女の人に触ったこともなかったのに、極上の美神で筆下ろし。
俺の初めてのセックスは記憶に残るものとなった。
息子が納得したので、行為を終えて二人でベッドで休んでいる。
何にもない真っ白な空間でだ。なんだこのシチュエーション。
隣の女神は俺の腕を抱いてスヤスヤと寝息を立てている。
これって恋人同士がするやつじゃないの?
「あっ、すみません。寝てしまってました。」
どうせならと思って恋人っぽく金色の髪を撫でたら、女神は目を覚ましてしまった。
「女神も寝るんだな。」
髪を触っていた手を慌てて引っ込めて、俺は冷静に言った。
「亡くなった魂がない場合はこの空間で休んでいます。このベッドもいつも私が使っているものです。」
「亡くなった魂?そんなの世界で見ればすごい数で休んでいる暇なんてないんじゃないのか?」
「そうなんですが、魂を導く女神も大勢います。私は地球の、日本担当の一人です。」
女神っていっぱいいるんだ・・・。なんか童貞卒の感動薄れた・・・。
「私たち女神はこの空間を離れることはできないので、いつも一人で待っているのです。」
「え?ずっと?どのくらい?」
「さあ?わかりません。私は唯一神アヴァロン様に作られた存在。たぶん、今の担当から考えると、日本に人が増えてきてからでしょう。2千年とちょっとという感じでしょうか。」
「その間ずっと一人で?辛くないのそれ?」
「はい。魂を導くことだけが私の役目ですから。それに私たちは人間と近い形で作られています。
感情も、身体も。だから、唯一許された事。
人間の文化を覗き見る事はとても楽しい娯楽です。」
そういって女神は手に錫杖と現し、振るった。
すると、宙に映像が浮かぶ。映っているのは日本の町だ。
だんだん、その映像が一軒家の中に入っていく。
家の中には男性がベッドに横たわっていた。下半身裸で。
その男性は薄い本を読みながら、自慰をしている。
いやいや、男のそんな行為見たくないし!
「殿方がよくご執心なさってるこの薄い本。これがとても楽しいのです。」
女神はそう言って、男性が持つ本に映像を寄せた。
なるほど、だから俺の所有物ということになった瞬間にああなっちゃったんだ。俺はこの情事の顛末に納得した。
なんか、自分と重なる。
俺は37年間、童貞で身体を重ねる喜びを知らなかった。だから、一人で妄想を暴発させてた。
女神も2千年以上ただの一人で、愛情も快楽もなく寂しく過ごしてきた。
女神様もきっと妄想に逃げ込むしかなかった。そうに違いない。
俺は宙に映る映像を、爛々とした目で見ている女神の髪をそっと撫でた。
もう少しだけ、この女神様の望む、ドMな世界に付き合ってやろう。
カオスゲージ
〔Law and order ++[82]+++++++ Chaos〕
俺の初めてのセックスは記憶に残るものとなった。
息子が納得したので、行為を終えて二人でベッドで休んでいる。
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これって恋人同士がするやつじゃないの?
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どうせならと思って恋人っぽく金色の髪を撫でたら、女神は目を覚ましてしまった。
「女神も寝るんだな。」
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「亡くなった魂がない場合はこの空間で休んでいます。このベッドもいつも私が使っているものです。」
「亡くなった魂?そんなの世界で見ればすごい数で休んでいる暇なんてないんじゃないのか?」
「そうなんですが、魂を導く女神も大勢います。私は地球の、日本担当の一人です。」
女神っていっぱいいるんだ・・・。なんか童貞卒の感動薄れた・・・。
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「え?ずっと?どのくらい?」
「さあ?わかりません。私は唯一神アヴァロン様に作られた存在。たぶん、今の担当から考えると、日本に人が増えてきてからでしょう。2千年とちょっとという感じでしょうか。」
「その間ずっと一人で?辛くないのそれ?」
「はい。魂を導くことだけが私の役目ですから。それに私たちは人間と近い形で作られています。
感情も、身体も。だから、唯一許された事。
人間の文化を覗き見る事はとても楽しい娯楽です。」
そういって女神は手に錫杖と現し、振るった。
すると、宙に映像が浮かぶ。映っているのは日本の町だ。
だんだん、その映像が一軒家の中に入っていく。
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なるほど、だから俺の所有物ということになった瞬間にああなっちゃったんだ。俺はこの情事の顛末に納得した。
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もう少しだけ、この女神様の望む、ドMな世界に付き合ってやろう。
カオスゲージ
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