40 / 56
40.身内の不幸
しおりを挟む
朝の柔らかな陽光が部屋を包み、サクレティアがゆっくりと目を覚ますと、何やらバタバタとした気配が耳に届いた。寝起きの意識がまだはっきりしない中で目をこらすと、雨に濡れたままのクレノースとバルドが、まさに部屋に入ってくるところだった。
「サクレティア様!」クレノースは無邪気ともいえる笑顔で、まるで宝物でも見つけたかのように彼女を見つめている。水滴が額から滴り落ち、まさに嵐から飛び出してきた姿そのままであった。
「お手を煩わせまいと、王城まで自ら出向いて参りました。無事にサインも許可も一通り取り付けてまいりましたので、どうかご安心ください!」と、クレノースはまるで任務を完遂した戦士のように、誇らしげに胸を張って報告する。
サクレティアは一瞬ぽかんと口を開けたまま、あまりのことに頭が追いつかず心の中で思わず《この人大丈夫?……夜中に王宮へなんて、王様だってさすがに驚いたでしょうに》と軽くツッコミを入れる。
しかし、クレノースの純粋すぎる満面の笑みを見て、サクレティアも呆れながらため息をつきつつ、心配して損したような気分に。
「ちょっと、クレノ!あんな大雨の中で、しかも深夜に王宮へ押しかけるなんて、普通に考えたら失礼にもほどがあるでしょう?」と、冷静に指摘を入れた。
「いえ、僕はただサクレティア様の時間を少しでも取らせないようにと……」と、クレノースは純粋な瞳で言い訳しようとするが、サクレティアの表情を見て次第に言葉が小さくなる。
「もういいわ。とにかく無茶はしないで、ね?何かあってからでは遅いんだから」と少し強めにたしなめるサクレティアに、クレノースは反省したのか、しおらしく「すみません…お叱りはごもっともでございます」としょんぼりと肩を落とした。
その様子を見たバルドが「実は…私も止めたのですが、どうしてもと仰せになられ…」と、サクレティアに頭を下げる。
「ううん、バルドはいいのよ。むしろ夜中まで付き合わせてしまってごめんなさいね」と、バルドに対しては優しく微笑むサクレティア。
クレノースの顔に再び満面の笑みが戻り、「サクレティア様にこんなに真剣に叱っていただけるなんて、僕にとっては光栄の極みです!……いつでも、喜んでこの身を張って、あなたのために尽くしますから!」と、思いがけない方向に話を持っていき、サクレティアは心の中で《この人、本当にどうしてくれようかしら……》と、思わずため息をつきながらも困惑を隠せない。
それでも、心配してくれるサクレティアに感動したのか、クレノースは片手で彼女の手をそっと取り、深く見つめながら、「サクレティア様がどれほど心配してくださったのかがよくわかります。どうか、今後は無茶をしないよう努めますから、どうぞご安心を」と、きっぱりと約束するように言う。
「そう、ならもう本当にやめてね?私も心臓がもたないから」と、サクレティアがクレノースの手を握り返して微笑むと、クレノースはふいに涙目になりながら「サクレティア様が僕を気遣ってくださることこそ、僕の生きる糧です…!」と感動に打ち震えている。
その様子にサクレティアは苦笑を浮かべながら「ちゃんと約束ね?」と、もう一度念を押すのであった。
サクレティアは朝の支度を終え、クレノースと一緒に朝食を楽しみながら、日課のように執務室で朝刊を手に取った。その瞬間、彼女は目を見開き、思わず声を漏らした。
「は……?」
クレノースが驚いたようにサクレティアの方を見るも、彼女は新聞から目を離さず、さらに驚きの声をあげた。
「はーーーーー!?」
その勢いに、クレノースも少し慌てて新聞を覗き込もうとし、「どうされたのですか、サクレティア様?」と心配そうに尋ねた。
サクレティアの手にある新聞の一面には、彼女が目を疑うほどの見出しが大きく書かれていた。
「ボーン伯爵家、何者かに暗殺される――父親の遺体発見。母と姉は行方不明」
サクレティアは、その見出しと記事にしばらく黙り込み、驚きを呑み込んでから、淡々と記事を読み進めた。そこには、彼女のかつての実家であるボーン伯爵家が何者かに襲撃され、伯爵である父親が殺害されたこと、母と姉が行方不明であることが詳細に記されていた。そして、まだ襲撃の原因や犯人の手がかりはつかめていないという。伯爵邸は物々しい空気に包まれ、周囲の貴族も不安を隠せない様子であるという情報まで載っている。
サクレティアは記事を読み終えると、心の中でため息をついた。彼女はボーン伯爵家に対して冷淡な感情を抱いていた。父親からは幼い頃から酷い虐待を受け、母や姉からは冷遇され続けてきた――そんな実家に対して、もう愛情も何も残っていない。それどころか、暗殺されたとしても「自業自得」とすら思ってしまう自分がいた。とはいえ、事件そのものには興味が湧いていた。いったい何が起きたのか?そして、何者が伯爵家を襲ったのか?その背景には、ただの家族の問題ではない、もっと大きなものが隠されているのかもしれないと感じたのだ。
クレノースは彼女の複雑な表情をじっと見つめて、「……どうされましたか?」と静かに尋ねた。サクレティアは新聞を持つ手を少し下げ、クレノースの方を見上げた。
「いや……別に。ただ……実家の伯爵家が、暗殺されたっていうのよ。父は殺されて、母と姉は行方不明ですって。」
サクレティアの言葉を聞いたクレノースは、少し眉をひそめながら、「サクレティア様、何か気になることが?」と問いかけた。
「……そうね、気になるって言えば気になるかしら。でも……」サクレティアはわずかに肩をすくめ、苦笑した。「実を言うと、特に父のことは自業自得って思ってるくらいだから、深い同情はないわ。あの人には……本当に辛い思いをさせられたからね。」
クレノースはうなずき、少し目を伏せた。「そうですね……。ですが、サクレティア様の心が少しでも波立つのなら、どうか仰ってください。僕は、あなたのためなら何でもお手伝いさせていただきますから。」
サクレティアはクレノースの優しさに一瞬表情を和らげたが、再び新聞に目を戻してつぶやいた。「それにしても……誰がこんなことを?何が目的だったのかしらね。」
サクレティアの言葉に、クレノースは顎に手を当てて少し考え込むように目を細めた。「実家の問題だけが原因ではない気がしますね。あの家には、様々な背景が絡んでいるかもしれません……」
サクレティアは新聞を折りたたみ、息をついた。「……まさか、ここまでになるとはね。でも、今さら私があの家のために何かをする気もないわ」
クレノースは彼女をじっと見つめてから、「それでも、何者かがボーン伯爵家を襲った理由を知る価値はあるかもしれません。もし望まれるなら、こちらでも調べてみましょうか?」と静かに提案した。
サクレティアはその提案に一瞬迷ったが、うなずいて答えた。「えぇ、ありがとう。正直、真相がわかれば心も少しは整理できるかもしれないし、何があったのか知っておきたい気もするわ」
クレノースは小さく微笑み、「では、信頼できる者に調査を頼んでみます。何か判明しましたら、すぐにお伝えいたしますね」と安心させるように穏やかに返した。
サクレティアは少し迷った表情を見せながら、「ねぇ、クレノース……身内の不幸があった場合、やはり開催されるパーティーに出席すべきかしら?」と尋ねた。
彼女の視線は近日開かれるコートリル侯爵家のパーティーへの不安を物語っていた。その背後には、先日の毒の件もちらついているのだろう。できることなら、出席しない口実を見つけたかった。
クレノースはその意図をすぐに察し、少し首をかしげながら答えた。「通常、近しい身内に不幸があった場合には遠慮するのが礼儀とされています。サクレティア様のお気持ちを尊重するならば、出席を見合わせる理由としては十分かと。」
サクレティアはその答えに安心したように微笑み、深く息をついた。「ありがとう、クレノ。そうね、コートリル侯爵家のパーティーには、あまり無理に行かなくても良さそうね。」
「サクレティア様!」クレノースは無邪気ともいえる笑顔で、まるで宝物でも見つけたかのように彼女を見つめている。水滴が額から滴り落ち、まさに嵐から飛び出してきた姿そのままであった。
「お手を煩わせまいと、王城まで自ら出向いて参りました。無事にサインも許可も一通り取り付けてまいりましたので、どうかご安心ください!」と、クレノースはまるで任務を完遂した戦士のように、誇らしげに胸を張って報告する。
サクレティアは一瞬ぽかんと口を開けたまま、あまりのことに頭が追いつかず心の中で思わず《この人大丈夫?……夜中に王宮へなんて、王様だってさすがに驚いたでしょうに》と軽くツッコミを入れる。
しかし、クレノースの純粋すぎる満面の笑みを見て、サクレティアも呆れながらため息をつきつつ、心配して損したような気分に。
「ちょっと、クレノ!あんな大雨の中で、しかも深夜に王宮へ押しかけるなんて、普通に考えたら失礼にもほどがあるでしょう?」と、冷静に指摘を入れた。
「いえ、僕はただサクレティア様の時間を少しでも取らせないようにと……」と、クレノースは純粋な瞳で言い訳しようとするが、サクレティアの表情を見て次第に言葉が小さくなる。
「もういいわ。とにかく無茶はしないで、ね?何かあってからでは遅いんだから」と少し強めにたしなめるサクレティアに、クレノースは反省したのか、しおらしく「すみません…お叱りはごもっともでございます」としょんぼりと肩を落とした。
その様子を見たバルドが「実は…私も止めたのですが、どうしてもと仰せになられ…」と、サクレティアに頭を下げる。
「ううん、バルドはいいのよ。むしろ夜中まで付き合わせてしまってごめんなさいね」と、バルドに対しては優しく微笑むサクレティア。
クレノースの顔に再び満面の笑みが戻り、「サクレティア様にこんなに真剣に叱っていただけるなんて、僕にとっては光栄の極みです!……いつでも、喜んでこの身を張って、あなたのために尽くしますから!」と、思いがけない方向に話を持っていき、サクレティアは心の中で《この人、本当にどうしてくれようかしら……》と、思わずため息をつきながらも困惑を隠せない。
それでも、心配してくれるサクレティアに感動したのか、クレノースは片手で彼女の手をそっと取り、深く見つめながら、「サクレティア様がどれほど心配してくださったのかがよくわかります。どうか、今後は無茶をしないよう努めますから、どうぞご安心を」と、きっぱりと約束するように言う。
「そう、ならもう本当にやめてね?私も心臓がもたないから」と、サクレティアがクレノースの手を握り返して微笑むと、クレノースはふいに涙目になりながら「サクレティア様が僕を気遣ってくださることこそ、僕の生きる糧です…!」と感動に打ち震えている。
その様子にサクレティアは苦笑を浮かべながら「ちゃんと約束ね?」と、もう一度念を押すのであった。
サクレティアは朝の支度を終え、クレノースと一緒に朝食を楽しみながら、日課のように執務室で朝刊を手に取った。その瞬間、彼女は目を見開き、思わず声を漏らした。
「は……?」
クレノースが驚いたようにサクレティアの方を見るも、彼女は新聞から目を離さず、さらに驚きの声をあげた。
「はーーーーー!?」
その勢いに、クレノースも少し慌てて新聞を覗き込もうとし、「どうされたのですか、サクレティア様?」と心配そうに尋ねた。
サクレティアの手にある新聞の一面には、彼女が目を疑うほどの見出しが大きく書かれていた。
「ボーン伯爵家、何者かに暗殺される――父親の遺体発見。母と姉は行方不明」
サクレティアは、その見出しと記事にしばらく黙り込み、驚きを呑み込んでから、淡々と記事を読み進めた。そこには、彼女のかつての実家であるボーン伯爵家が何者かに襲撃され、伯爵である父親が殺害されたこと、母と姉が行方不明であることが詳細に記されていた。そして、まだ襲撃の原因や犯人の手がかりはつかめていないという。伯爵邸は物々しい空気に包まれ、周囲の貴族も不安を隠せない様子であるという情報まで載っている。
サクレティアは記事を読み終えると、心の中でため息をついた。彼女はボーン伯爵家に対して冷淡な感情を抱いていた。父親からは幼い頃から酷い虐待を受け、母や姉からは冷遇され続けてきた――そんな実家に対して、もう愛情も何も残っていない。それどころか、暗殺されたとしても「自業自得」とすら思ってしまう自分がいた。とはいえ、事件そのものには興味が湧いていた。いったい何が起きたのか?そして、何者が伯爵家を襲ったのか?その背景には、ただの家族の問題ではない、もっと大きなものが隠されているのかもしれないと感じたのだ。
クレノースは彼女の複雑な表情をじっと見つめて、「……どうされましたか?」と静かに尋ねた。サクレティアは新聞を持つ手を少し下げ、クレノースの方を見上げた。
「いや……別に。ただ……実家の伯爵家が、暗殺されたっていうのよ。父は殺されて、母と姉は行方不明ですって。」
サクレティアの言葉を聞いたクレノースは、少し眉をひそめながら、「サクレティア様、何か気になることが?」と問いかけた。
「……そうね、気になるって言えば気になるかしら。でも……」サクレティアはわずかに肩をすくめ、苦笑した。「実を言うと、特に父のことは自業自得って思ってるくらいだから、深い同情はないわ。あの人には……本当に辛い思いをさせられたからね。」
クレノースはうなずき、少し目を伏せた。「そうですね……。ですが、サクレティア様の心が少しでも波立つのなら、どうか仰ってください。僕は、あなたのためなら何でもお手伝いさせていただきますから。」
サクレティアはクレノースの優しさに一瞬表情を和らげたが、再び新聞に目を戻してつぶやいた。「それにしても……誰がこんなことを?何が目的だったのかしらね。」
サクレティアの言葉に、クレノースは顎に手を当てて少し考え込むように目を細めた。「実家の問題だけが原因ではない気がしますね。あの家には、様々な背景が絡んでいるかもしれません……」
サクレティアは新聞を折りたたみ、息をついた。「……まさか、ここまでになるとはね。でも、今さら私があの家のために何かをする気もないわ」
クレノースは彼女をじっと見つめてから、「それでも、何者かがボーン伯爵家を襲った理由を知る価値はあるかもしれません。もし望まれるなら、こちらでも調べてみましょうか?」と静かに提案した。
サクレティアはその提案に一瞬迷ったが、うなずいて答えた。「えぇ、ありがとう。正直、真相がわかれば心も少しは整理できるかもしれないし、何があったのか知っておきたい気もするわ」
クレノースは小さく微笑み、「では、信頼できる者に調査を頼んでみます。何か判明しましたら、すぐにお伝えいたしますね」と安心させるように穏やかに返した。
サクレティアは少し迷った表情を見せながら、「ねぇ、クレノース……身内の不幸があった場合、やはり開催されるパーティーに出席すべきかしら?」と尋ねた。
彼女の視線は近日開かれるコートリル侯爵家のパーティーへの不安を物語っていた。その背後には、先日の毒の件もちらついているのだろう。できることなら、出席しない口実を見つけたかった。
クレノースはその意図をすぐに察し、少し首をかしげながら答えた。「通常、近しい身内に不幸があった場合には遠慮するのが礼儀とされています。サクレティア様のお気持ちを尊重するならば、出席を見合わせる理由としては十分かと。」
サクレティアはその答えに安心したように微笑み、深く息をついた。「ありがとう、クレノ。そうね、コートリル侯爵家のパーティーには、あまり無理に行かなくても良さそうね。」
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

公爵夫人アリアの華麗なるダブルワーク〜秘密の隠し部屋からお届けいたします〜
白猫
恋愛
主人公アリアとディカルト公爵家の当主であるルドルフは、政略結婚により結ばれた典型的な貴族の夫婦だった。 がしかし、5年ぶりに戦地から戻ったルドルフは敗戦国である隣国の平民イザベラを連れ帰る。城に戻ったルドルフからは目すら合わせてもらえないまま、本邸と別邸にわかれた別居生活が始まる。愛人なのかすら教えてもらえない女性の存在、そのイザベラから無駄に意識されるうちに、アリアは面倒臭さに頭を抱えるようになる。ある日、侍女から語られたイザベラに関する「推測」をきっかけに物語は大きく動き出す。 暗闇しかないトンネルのような現状から抜け出すには、ルドルフと離婚し公爵令嬢に戻るしかないと思っていたアリアだが、その「推測」にひと握りの可能性を見出したのだ。そして公爵邸にいながら自分を磨き、リスキリングに挑戦する。とにかく今あるものを使って、できるだけ抵抗しよう!そんなアリアを待っていたのは、思わぬ新しい人生と想像を上回る幸福であった。公爵夫人の反撃と挑戦の狼煙、いまここに高く打ち上げます!
➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。
夫と息子は私が守ります!〜呪いを受けた夫とワケあり義息子を守る転生令嬢の奮闘記〜
梵天丸
恋愛
グリーン侯爵家のシャーロットは、妾の子ということで本妻の子たちとは差別化され、不遇な扱いを受けていた。
そんなシャーロットにある日、いわくつきの公爵との結婚の話が舞い込む。
実はシャーロットはバツイチで元保育士の転生令嬢だった。そしてこの物語の舞台は、彼女が愛読していた小説の世界のものだ。原作の小説には4行ほどしか登場しないシャーロットは、公爵との結婚後すぐに離婚し、出戻っていた。しかしその後、シャーロットは30歳年上のやもめ子爵に嫁がされた挙げ句、愛人に殺されるという不遇な脇役だった。
悲惨な末路を避けるためには、何としても公爵との結婚を長続きさせるしかない。
しかし、嫁いだ先の公爵家は、極寒の北国にある上、夫である公爵は魔女の呪いを受けて目が見えない。さらに公爵を始め、公爵家の人たちはシャーロットに対してよそよそしく、いかにも早く出て行って欲しいという雰囲気だった。原作のシャーロットが耐えきれずに離婚した理由が分かる。しかし、実家に戻れば、悲惨な末路が待っている。シャーロットは図々しく居座る計画を立てる。
そんなある日、シャーロットは城の中で公爵にそっくりな子どもと出会う。その子どもは、公爵のことを「お父さん」と呼んだ。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる