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37.崇拝モード全開!
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二人は、静かな自室に移動してソファに腰掛けると、サクレティアは一度深く息を吸い込んでから、慎重に口を開いた。彼女の表情は真剣そのものだった。
「クレノース……今日、あなたのお母様、マリアベル様の遺品を整理していて気づいたんだけど……実は、彼女も私と同じ転生者だったの。」
その言葉を聞いた瞬間、クレノースは一瞬驚いたように目を見開いた。しかしすぐに、彼はその驚きを隠すように表情を戻し、落ち着いた声で答えた。
「知っていたよ、サクレティア様。母上が……転生者だということも、あの部屋に残されている物のすべての意味も。だから、バルドには全てを処分するように言っておいたんだ。」
その意外な返答に、サクレティアは一瞬息を飲み、「知っていたの?」と、少し驚いた声で問い返した。クレノースがこんなにも冷静に母親の真実を受け入れていたことに、サクレティアは少しの驚きと共に、彼の内に秘めた葛藤の深さを感じ取った。
クレノースは深い溜息をつき、少し疲れた表情で静かに話し始めた。
「母上は、生まれ変わりとしてこの世界に来て、何度もそのことを僕に話していたよ。彼女は元の世界での自分の過去を誇りに思っていて、それをこの世界で活かそうと躍起になっていた。でも、それが次第に狂気に変わっていったんだ。彼女は自分がこの世界を支配する存在だと思い込み、周囲に無理難題を押しつけ、そして……人を傷つけるようになった。」
その言葉を聞いて、サクレティアは無言のままクレノースを見つめた。彼の声には、長年にわたる苦しみと葛藤が滲んでいて、サクレティアは彼がどれほどの重圧を受けていたのかを初めて実感した。クレノースは続ける。
「母上の行動が父を追い詰め、そして僕自身も彼女の支配から逃れることができなかった。母上の狂気は、僕の心を縛り続けていたんだ。あの狂った教育と、異常な愛情……僕が母上の手から逃れられるようになるまで、ずっと……」
クレノースの言葉は途切れ、彼の肩が僅かに震えているのがわかった。彼が過去の痛みにどれだけ苦しんできたかが、その沈黙からも伝わってきた。サクレティアは、静かに彼の手を取って握りしめ、優しい声で語りかけた。
「クレノース……もう大丈夫よ。あなたは過去に縛られなくてもいい。私がそばにいるから、一緒にこれからを見ていきましょう。」サクレティアの声は、まるで彼を包み込むように柔らかく響いた。
その優しい言葉に、クレノースは一瞬息を飲み、彼女をじっと見つめ続けた。彼の瞳には、深い感謝と少しばかりの戸惑いが混ざっていた。やがて、ほんの少しだけその表情が緩み、かすかな微笑みが浮かんだ。
「ありがとうございます……サクレティア様。あなたがそばにいてくださって、本当に感謝しています……僕は救われました。」
その言葉に、サクレティアは心の中で苦笑した。
《あれ?さっきまで少し素のクレノが出てたのに……また崇拝モードに戻っちゃったか》
クレノースはふと真剣な表情を浮かべ、サクレティアに向かって言った。
「あぁ、それと……一つお伝えしておかねばなりません。母上が昔話していたことですが……どうやら、僕は『学校』という場所に通い、ある女性を巡って王太子と対峙し、その女性を勝ち取るというストーリーに巻き込まれる予定だったようです。」
サクレティアは驚きながらも冷静にその言葉を聞き取った。クレノースの話の内容が、マリアベルの遺した日記に記されていた「物語の中の世界」という部分と重なっているのをすぐに理解した。
「母は、僕を愛していたからこそ、その『学校』へは通わせませんでした。代わりに家庭教師を雇い、卒業に必要な資格は取得しましたが……母上は、王太子との対立を恐れ、僕を社交界にほとんど出させなかったんです。王太子に会えば問題が起きるのではないかと、常に心配していたようで……」
クレノースの言葉には、彼の母親がいかに彼を自分の世界に閉じ込めようとしていたか、そしてその結果、彼自身がどれほど抑圧されてきたかが見て取れた。
サクレティアは「物語の中での役割」に彼が気付いていたことに驚きつつも、同時にマリアベルの狂気じみた愛情が、彼の人生をどれほど歪めてしまったのかを再確認する。彼女はクレノースの手を優しく握り返し、穏やかに微笑んだ。
「でも今は、あなたはその物語を超えて生きているわ。私たちは、私たちの手で未来を作っていけるのよ、クレノ。」
クレノースはサクレティアの言葉に静かに頷き、再びその穏やかな微笑みを返した。「はい、サクレティア様……その通りです。今はあなたと共に、新しい物語を紡いでいきたいと思います。」
《やっぱり物語の世界か……でも、私たちはその枠を越えて生きることができる》
「今日は、勝手に処分する予定のものを見てしまってごめんなさい。」サクレティアは少し申し訳なさそうに、クレノースに謝った。
クレノースは、彼女の言葉に少し驚きながらも優しく微笑んだ。「謝らないでください、サクレティア様。あなたが見てくれたことも、きっと意味があったのだと思います。僕も……過去をすべて消し去りたいと思っていましたが、あなたが関わってくれたことで、その過去に向き合うことができました。」
その言葉に、サクレティアは少し安心し、クレノースの手をそっと握り返した。「それなら良かったわ。でも、もしも辛いことがあれば、いつでも話してね。私はあなたの味方よ、クレノ。」
クレノースはサクレティアの言葉を聞くやいなや、瞳に涙が溢れ出し、突然大号泣し始めた。
「サクレティア様ぁぁぁ! 僕はなんて幸運なのでしょうか!」彼は、両膝をつき、手を胸にあてて震えながら感極まっていた。「あなたのような、慈悲深い、そして何もかもを理解してくださるお方が、僕の側にいてくださるなんて……!」
「ちょ、ちょっと待って、泣きすぎじゃない!? しかもそんなに崇拝されるようなこと、今言ってないでしょ!」サクレティアは大慌てで突っ込んだ。
しかし、クレノースは聞く耳を持たず、号泣しながら彼女の足元にすがりついた。
「サクレティア様ぁ! 僕の全てはあなたのためにあります! 生まれ変わっても、いや、数え切れないほどの転生を繰り返しても、あなたに忠誠を誓い続けます! どうか、どうか、僕をお許しください!」
「いやいや、待って、そこまで重い誓いを求めてないから! それに許すって何を!? ちょっと落ち着いて!」サクレティアは必死に止めようとするが、クレノースの涙は止まらない。
「僕は……僕は過去に多くの過ちを犯しましたが、サクレティア様がいてくださることで僕は生き返ったのです! この命は全て、あなたのために……! 本当に……本当に感謝の気持ちが止まりません!」崇拝の度合いが頂点に達したクレノースは、完全に自分の世界に入っていた。
「いや、泣き止む気配ゼロじゃない!? それに、もう誓うことは何もないってば! 立って、ちゃんと立ってよ! ていうか、床、濡れるから!」
クレノースは、ようやく立ち上がったものの、涙を拭きながらサクレティアを崇める目は変わらない。「サクレティア様……僕のすべてはあなたのためにあります……」
「はいはい、分かったから! とりあえず普通にして! もう、これ、どこまで続くのよ……」と、呆れながらも最後には笑ってしまうサクレティアだった。
「クレノース……今日、あなたのお母様、マリアベル様の遺品を整理していて気づいたんだけど……実は、彼女も私と同じ転生者だったの。」
その言葉を聞いた瞬間、クレノースは一瞬驚いたように目を見開いた。しかしすぐに、彼はその驚きを隠すように表情を戻し、落ち着いた声で答えた。
「知っていたよ、サクレティア様。母上が……転生者だということも、あの部屋に残されている物のすべての意味も。だから、バルドには全てを処分するように言っておいたんだ。」
その意外な返答に、サクレティアは一瞬息を飲み、「知っていたの?」と、少し驚いた声で問い返した。クレノースがこんなにも冷静に母親の真実を受け入れていたことに、サクレティアは少しの驚きと共に、彼の内に秘めた葛藤の深さを感じ取った。
クレノースは深い溜息をつき、少し疲れた表情で静かに話し始めた。
「母上は、生まれ変わりとしてこの世界に来て、何度もそのことを僕に話していたよ。彼女は元の世界での自分の過去を誇りに思っていて、それをこの世界で活かそうと躍起になっていた。でも、それが次第に狂気に変わっていったんだ。彼女は自分がこの世界を支配する存在だと思い込み、周囲に無理難題を押しつけ、そして……人を傷つけるようになった。」
その言葉を聞いて、サクレティアは無言のままクレノースを見つめた。彼の声には、長年にわたる苦しみと葛藤が滲んでいて、サクレティアは彼がどれほどの重圧を受けていたのかを初めて実感した。クレノースは続ける。
「母上の行動が父を追い詰め、そして僕自身も彼女の支配から逃れることができなかった。母上の狂気は、僕の心を縛り続けていたんだ。あの狂った教育と、異常な愛情……僕が母上の手から逃れられるようになるまで、ずっと……」
クレノースの言葉は途切れ、彼の肩が僅かに震えているのがわかった。彼が過去の痛みにどれだけ苦しんできたかが、その沈黙からも伝わってきた。サクレティアは、静かに彼の手を取って握りしめ、優しい声で語りかけた。
「クレノース……もう大丈夫よ。あなたは過去に縛られなくてもいい。私がそばにいるから、一緒にこれからを見ていきましょう。」サクレティアの声は、まるで彼を包み込むように柔らかく響いた。
その優しい言葉に、クレノースは一瞬息を飲み、彼女をじっと見つめ続けた。彼の瞳には、深い感謝と少しばかりの戸惑いが混ざっていた。やがて、ほんの少しだけその表情が緩み、かすかな微笑みが浮かんだ。
「ありがとうございます……サクレティア様。あなたがそばにいてくださって、本当に感謝しています……僕は救われました。」
その言葉に、サクレティアは心の中で苦笑した。
《あれ?さっきまで少し素のクレノが出てたのに……また崇拝モードに戻っちゃったか》
クレノースはふと真剣な表情を浮かべ、サクレティアに向かって言った。
「あぁ、それと……一つお伝えしておかねばなりません。母上が昔話していたことですが……どうやら、僕は『学校』という場所に通い、ある女性を巡って王太子と対峙し、その女性を勝ち取るというストーリーに巻き込まれる予定だったようです。」
サクレティアは驚きながらも冷静にその言葉を聞き取った。クレノースの話の内容が、マリアベルの遺した日記に記されていた「物語の中の世界」という部分と重なっているのをすぐに理解した。
「母は、僕を愛していたからこそ、その『学校』へは通わせませんでした。代わりに家庭教師を雇い、卒業に必要な資格は取得しましたが……母上は、王太子との対立を恐れ、僕を社交界にほとんど出させなかったんです。王太子に会えば問題が起きるのではないかと、常に心配していたようで……」
クレノースの言葉には、彼の母親がいかに彼を自分の世界に閉じ込めようとしていたか、そしてその結果、彼自身がどれほど抑圧されてきたかが見て取れた。
サクレティアは「物語の中での役割」に彼が気付いていたことに驚きつつも、同時にマリアベルの狂気じみた愛情が、彼の人生をどれほど歪めてしまったのかを再確認する。彼女はクレノースの手を優しく握り返し、穏やかに微笑んだ。
「でも今は、あなたはその物語を超えて生きているわ。私たちは、私たちの手で未来を作っていけるのよ、クレノ。」
クレノースはサクレティアの言葉に静かに頷き、再びその穏やかな微笑みを返した。「はい、サクレティア様……その通りです。今はあなたと共に、新しい物語を紡いでいきたいと思います。」
《やっぱり物語の世界か……でも、私たちはその枠を越えて生きることができる》
「今日は、勝手に処分する予定のものを見てしまってごめんなさい。」サクレティアは少し申し訳なさそうに、クレノースに謝った。
クレノースは、彼女の言葉に少し驚きながらも優しく微笑んだ。「謝らないでください、サクレティア様。あなたが見てくれたことも、きっと意味があったのだと思います。僕も……過去をすべて消し去りたいと思っていましたが、あなたが関わってくれたことで、その過去に向き合うことができました。」
その言葉に、サクレティアは少し安心し、クレノースの手をそっと握り返した。「それなら良かったわ。でも、もしも辛いことがあれば、いつでも話してね。私はあなたの味方よ、クレノ。」
クレノースはサクレティアの言葉を聞くやいなや、瞳に涙が溢れ出し、突然大号泣し始めた。
「サクレティア様ぁぁぁ! 僕はなんて幸運なのでしょうか!」彼は、両膝をつき、手を胸にあてて震えながら感極まっていた。「あなたのような、慈悲深い、そして何もかもを理解してくださるお方が、僕の側にいてくださるなんて……!」
「ちょ、ちょっと待って、泣きすぎじゃない!? しかもそんなに崇拝されるようなこと、今言ってないでしょ!」サクレティアは大慌てで突っ込んだ。
しかし、クレノースは聞く耳を持たず、号泣しながら彼女の足元にすがりついた。
「サクレティア様ぁ! 僕の全てはあなたのためにあります! 生まれ変わっても、いや、数え切れないほどの転生を繰り返しても、あなたに忠誠を誓い続けます! どうか、どうか、僕をお許しください!」
「いやいや、待って、そこまで重い誓いを求めてないから! それに許すって何を!? ちょっと落ち着いて!」サクレティアは必死に止めようとするが、クレノースの涙は止まらない。
「僕は……僕は過去に多くの過ちを犯しましたが、サクレティア様がいてくださることで僕は生き返ったのです! この命は全て、あなたのために……! 本当に……本当に感謝の気持ちが止まりません!」崇拝の度合いが頂点に達したクレノースは、完全に自分の世界に入っていた。
「いや、泣き止む気配ゼロじゃない!? それに、もう誓うことは何もないってば! 立って、ちゃんと立ってよ! ていうか、床、濡れるから!」
クレノースは、ようやく立ち上がったものの、涙を拭きながらサクレティアを崇める目は変わらない。「サクレティア様……僕のすべてはあなたのためにあります……」
「はいはい、分かったから! とりあえず普通にして! もう、これ、どこまで続くのよ……」と、呆れながらも最後には笑ってしまうサクレティアだった。
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