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第二十二話【ギャップ萌えですわぁ~~~~~~~~~~~!!!!】

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「取り合えず、一命は取り留めました。これからティファニールを隔離する塔を建てないといけませんね。」とヒスイ。
「おい…。貴様、また勝手に俺の土地を改造しようとしているのか?」と拳をプルプルと震わせ青筋をたてるエルメロイ。
「仕方ないじゃないですか。エルの身に何かあれば……死んじゃいます。」と切なそうな苦しそうな顔をネタでするヒスイ。
「キモイ顔を見せるな!!」と怒鳴るエルメロイ。
「二人とも!!うるさい!一命を取り留めても、凄い汗だし、苦しそうだよ。静かにしてあげて…それに、私の癒しがこんなにも効きづらいのはおかしいよ。」と不安気な顔をするエルメラルダ。
「…すみません。そうですね。エル、少しの間ティファニールを任せても良いですか?」とヒスイ。
「え?…ヒスイ大丈夫なの?」と驚いた顔をするエルメラルダ。
「終わったら、また一ヵ月ほどは閉じ込めてしまいそうですけど。今はそうも言ってられませんから。」とヒスイは真剣な顔をして手に魔法の光を灯す。
「おい、よせ。少し寝たとしても、魔力は完全に回復しきってないだろ。」と言ってヒスイの肩を持つエルメロイ。
「いえ、これだけはどうしてもやっておかないと…。」とヒスイは疲れながらも真剣に何かを作りだす。
「いったい、何を作り出そうとしている。」とエルメロイ。
「ヒス…んっ!!」
エルメラルダがヒスイの名前を呼ぼうとすればチュっとヒスイの唇があたり、言葉が途中で途切れてしまうエルメラルダ。エルメロイの口が大きく開く、顎が地へついてしまいそうなくらいに。
そうして作り出されたものは美しいキラキラしたヒスイの瞳の色と同じエメラルドのネックレスとキラキラしたエルメラルダの瞳の色と同じアメジストのネックレスだった。
「はい…エル。これを。」と言ってヒスイはエルメラルダの首にエメラルドのネックレスを着ける。エルメラルダの心臓は今にも爆発しそうなくらいドキドキしていた。ネックレスを着けてくれる時のヒスイの仕草がとても魅力的だったからだ。それに…キスをされた事もだ。
「エル、自分にコレをつけて下さい。」とエルメラルダにアメジストのネックレスを渡す。
身長差が少しあり、ほぼ抱きしめるかのようなカタチで着ける事になるエルメラルダ。
ついついお互いに嬉しそうに見つめあってしまう。
「頼むからそういうのは二人の時にしてくれ。俺は一応兄なんだが。」と片手で頭を抱えるエルメロイ。
そしてバタンと倒れてしまうヒスイ。
「きゃっ!!大丈夫!?」とヒスイに寄り添うエルメラルダ。
「放っておけ。魔力切れだ。」と言ってエルメロイはヒスイを抱きかかえベッドに移す。
ヒスイは寝息を立てて眠ってしまう。
「コイツが本気で寝てるとこ初めて見たな。」と言ってヒスイに布団をかけるエルメロイ。
「お兄様、どういう事?ヒスイはいつもこんなふうに寝てるよ?」とキョトンとした顔を見せるエルメラルダ。
「前世の記憶の中のヒスイと今のヒスイ。違いがわかるか?」とエルメロイ。
「お兄様、どうしてその事を…。」と驚くエルメラルダ。
「ヒスイから色々聞いた。」と溜息混じりに話すエルメロイ。
エルメラルダは乙女ゲーム【ウルコク】をやっていた最後の記憶、自分がヒスイルートを最後にプレイしていたという最後の記憶を思い出していた。
今のヒスイと乙女ゲームのヒスイ、何か…確かに違和感がある。だけどそれはゲームだからだとか絵だからだと思っていた。
「……目の下にクマがない。」とポツリと呟くエルメラルダ。
「そうだ。コイツの目の下には酷いクマができていた。気を抜けなかったんだ。ずっと。命を狙われているような感覚がずっと抜けないとほざいていたな。」とエルメロイ。
「ヒスイ…。とりあえず、私ティファニール様を癒します。」とエルメラルダはより一層ティファニールに強めの聖属性の光をあてる。

朝になって目が覚めたエルメラルダはいつの間にかベッドに寝かされており、それをジっと見つめているティファニール。
「うわぁっ!!ティファニール様。」とつい驚いてしまうエルメラルダ。
「うっせぇ女。」と可愛い容姿から到底考えられないような発言をするティファニール。
しかし、ティファニールを攻略済みのエルメラルダには効果無し。
「ティファニール様、お加減はいかがですか?」と微笑みかけるエルメラルダ。
「なっ…別に。その…。ありがと…な。にー様から色々…少し聞いた。」と拗ねたような照れたような態度を見せるティファニール。
「良かった。…って。ん?」とエルメラルダは胸元に違和感があり、違和感の正体が昨日ヒスイにつけてもらったネックレスからだと確信する。
ネックレスから心臓の鼓動のようなものを感じた。
(…まさか…これって…まさか!?)と脳内はパニックだ。
「ん?どうしたんだ?」とティファニールは不思議そうな顔をしてエルメラルダを見る。
「う、ううん。何でもないの。さぁて!!ヒスイもお兄様もいないし、魔法の勉強でもしようかなぁ!!」とベッドから出るエルメラルダ。
「……エルメラルダ嬢といえば、高飛車で癇癪持ちなイメージしかねぇけど、今のアンタは…ただの馬鹿?」とまたもや容姿に似合わない発言をするティファニール。
「どうして馬鹿なんですか!!」と突っ込むエルメラルダ。
「俺が魔法教えてあげよっか。そこそこ自信あるよ。」と自信ありげに笑むティファニール。
「ほんとですか!!お願いします!!!」と目を輝かせて、凄い速さでティファニールのところへ近寄り、ティファニールの手を握るエルメラルダ。
「マジかよ…。」と引き気味だが、自分で言ってしまったものだから引くに引けないティファニール。

エルメラルダは攻略したからこそ知っていた。アナスタリアを蹴落として、ティファニールを王にした経験があるのだ。ティファニールは呪われたヌイグルミのせいで魔法力を吸われていた。それを聖女であるヒロインが解除してティファニールの魔法力を底上げし、色々な困難を乗り越え、王を勝ち取って聖女と結婚するストーリー。
(つまり、ヒスイを抜いて、この国一番の魔法の使い手。あのヌイグルミについている呪いは本物の聖女に解いてもらう為に解かないでおこう…。)
※ヒスイが解呪しました。

「いいの?俺、厳しいけど。」と顎杖をついて足を組むティファニール。
「是非!!お願いします、先生!!」
(尊い…。眼福~//)とエルメラルダは心の中でときめいていた。
(なんか視線が気持ち悪いな。コイツ。)と心の中で思うティファニール。

ティファニールはエルメラルダに魔法の基礎を丁寧に教えていく。
エルメラルダがどれだけお馬鹿でも、罵りもせず、教え方を変えて分かりやすく、分かるまで説明するティファニール。
(これは人気でるわぁ。真の隠れ王だもんなぁ…。)と心の中で思うエルメラルダ。
「…流石名門貴族の令嬢なだけあるね。筋はまぁ、良いんじゃない?魔力量も悪くないみたいだし。」とティファニールに褒められて感激するエルメラルダ。
「ティファニール様///」と目を輝かせるエルメラルダ。
「まぁ。今日の授業はここで・・・。」とティファニールが言いかければバタンっとティファニールの目の前でエルメラルダが倒れてしまった。
「おい!どうしたんだ!!おい!!!おい!!エルメラルダ!!」とエルメラルダを抱きかかえて揺さぶるティファニール。
(どうしよ…体が…動かない…瞼が重い…。)

トクン…トクン…トクン…
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