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82p【護】
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「魔力回復ができなくなるまでひたすら耐え続けるしかないです。ですが、前のマスターの武器なら攻撃が届くかもしれません。」
なるほど。ハク、ハナビ!全力で咲の援護を!それから、あのAIを倒してほしい。
光線が終わると仏の大きな黄金の手が俺に襲い掛かる。
吹き飛ばされそうになったところをフゥの風を反対から吹かせてなんとか吹き飛ばないように持ちこたえるが体力が異常に減ってしまった。
スゥが回復をしてくれたが、魔力を酷く消耗していて、何度も何度もくらうわけにはいかない事がわかった。
音だ音で動きを読むんだ。ダリアさんから学んだ事。
「ちょこまかと、忌々しい虫め。」とヒルコさんの声が聞こえる。
あぁ、このタクトを持ち始めた時みたいに目を瞑ってるだけで勝てたらどれだけ楽だろうか。
ヒルコさんの武器は光でほとんど見えないけど、腕が6つの仏といえば、阿修羅だ。って、それがわかったからって弱点とか見当たらない。
目が光に慣れてきたようで、6つの腕のうち5つの手には武器が握られていた。
あれだ!!!あれを狙わないといけなかったんだ。
咲の方が片付き次第やってみよう。それまでどうにか持ちこたえないと。
しばらく戦いは続いた。
「リキ!こっちは片付いた!」
咲の声が聞こえた。あぁ、終わったんだね。
俺はもう、ここで終わってしまいそうだ。
咲が到着する数分前にヒルコさんの仏の大きな手に捕まってギリギリと体力を削られていて、そして痛みに耐えかねてタクトを落としてしまっていた。
「リキ!!!」
咲がタクトを咄嗟にだしてスゥを呼び出したとしてももうきっと間に合わないだろう。
もう俺の体力は0に近づいていた。
終わる、終わってしまう。またペナルティか。でも咲を、陽子さんに少しは貢献できたかな。でも、ペナルティってちょっときついな。
ふとその時、シンが「待ってるから!」と言っていたのを思い出した。
それから「リキなら勝てる。」と言ってくれた咲。
でも俺…俺っ!!!
その時、不思議な事が起こった。俺の体力がジワジワと回復し始めた。
それから辺りに小さな白い羽がまるで雪のように降った。
「リキ、君は死なないよ。知ってますか?タマゴが割れた時のみ一時的に強制パーティーを組まされるって事。」
その声は全く聞き覚えのない声だったけど、喋り方でわかった。
「まも…る。」
俺はいつの間にか仏の手から脱出していた。
「護。」
「やっと会えましたね。 リキ。僕がいる限り君は死にませんよ。」
護はまだ幼い子供の容姿をしていて、小さな翼を一生懸命羽ばたかせて俺を抱きしめて浮かせてくれていた。
このタイミングでセーレを宿らせたAIのタマゴが羽化したのだ。そして生まれたての護は俺をヒルコの手から救ってくれた。
「大天使アリエル」と咲が呟いた。
「アリエル…だと?生まれたばかりの赤子がまともに戦えるわけがない!」とヒルコさんが此方を見て言った。
「生まれたばかりですか。そうですね。僕が普通のAIだったら戦えてなかったでしょうね。僕はこの期を待って生まれてきたんですから。」
「どういう意味?」と咲が信じられないという顔をして此方をみていた。
「僕は399番ですよ。」と護が咲に向って言うと咲は両手で口を覆った。
これはきっとムーンバミューダ社内の言葉なんだろうと思い今は追求はしないでおこうと思った。
それより今は…!!
「咲!仏の手だ!手に武器を持ってる!それを壊すんだ!」
瞬きすれば咲の姿はそこにはなかった。俺の言葉を聞いてすぐさま仏の持つ手をステッキで叩く咲。
「流石ですね。聞かないんですか?番号の意味。」
「あ、うん。咲が僕に知ってほしくない事だろうから。」
「時期がきたらってとこですか。さて、うーん、咲さんの事をどのように呼びましょう?」
「咲の事?」
「はい。神崎さん。陽子さん。うーん。」
「普通に咲さんでいいんじゃないかな。」
「じゃあ。そうしようかな。」
「どうして知り合いだって黙ってたんだ?」
「言ったら怪しまれて神崎、じゃなかった咲さんに反対されてたでしょうから。」
「えっと、てことは護も肉体があるって事でいいのかな?」
「さぁ、それはどうでしょう?あ、ログアウトはできませんよ。」
ログアウトができないって事はAIなのかな?
ほんと最近のAIは見分けがつかないくらいどっちか難しい。
まぁ、最初に会った時既に俺の名前知ってたからおかしいなとは思ってたけど。
「くそっ!!やはりあのAIから倒さねば。」とヒルコさんが此方を向く。
「リキ!!これを!」と咲が春風のタクトを俺の方に投げてくれた。
タクトをキャッチしてハクとハナビを展開した。
「護、もう大丈夫だ。自分で飛べる。」というと護は俺から離れた。
すぐに俺はフゥの力を借りて飛び、ヒルコさんの背後に回った。
すると咲がステッキでヒルコさんの武器ごと叩いて破損させてゆく。
「ヒルコ、ごめんなさい。ごめんなさいっ!!」と咲はごめんなさいの気持ちを籠こめた力いっぱいの攻撃を繰り返す。
「やめろぉぉぉぉ!!!!」とヒルコさんは大きな声で叫ぶ。
ついにヒルコの武器は完全に破損してバラバラに崩れる。
「これで、終わりっ!!」
咲がヒルコさんにトドメをさそうとステッキを振り上げると、ヒルコさんはニタァっと笑い、それを見た咲は咄嗟に距離をとった。
光の弾丸のような何かが咲の頬をかすめる。
「…っ!?」
「ふっはははっ。武器はこれだけじゃない。」
今度は金色のうねうねした九本の触手がヒルコさんの背中あたりからにょきにょきとでてきた。
「その武器は1匹の蛇だったはず。ヒルコ貴方もしかして。」
「ハハハハハハハハ!!」
AIと武器の融合武器。
咲は震えた声で「ヒルコ、ごめんね。」と言うとヒルコさんは大きく目を見開いた。
「………や…れ…。」とヒルコさんは苦しそうに顔を歪める。
「ヒルコ…!?」
「……も…意識が…もた…ない。」
「そんな…私っ。」
ヒルコさんは俺を見て「頼む…わた…しを…倒してくれ…。」と苦しそうに微笑んだ。
どうして突然こんな事に?本当のヒルコさんはいったい?
「リキ、もうすぐ強制パーティーが解除されてしまいます。だから早く。」と護が背中を押してくれた。
俺はハクでトドメをさした。
ヒルコさんは呪いの炎で燃えながら消えていった。
最後のヒルコさんはいったいなんだったんだろうか。
凄く、心にモヤが残った。
なるほど。ハク、ハナビ!全力で咲の援護を!それから、あのAIを倒してほしい。
光線が終わると仏の大きな黄金の手が俺に襲い掛かる。
吹き飛ばされそうになったところをフゥの風を反対から吹かせてなんとか吹き飛ばないように持ちこたえるが体力が異常に減ってしまった。
スゥが回復をしてくれたが、魔力を酷く消耗していて、何度も何度もくらうわけにはいかない事がわかった。
音だ音で動きを読むんだ。ダリアさんから学んだ事。
「ちょこまかと、忌々しい虫め。」とヒルコさんの声が聞こえる。
あぁ、このタクトを持ち始めた時みたいに目を瞑ってるだけで勝てたらどれだけ楽だろうか。
ヒルコさんの武器は光でほとんど見えないけど、腕が6つの仏といえば、阿修羅だ。って、それがわかったからって弱点とか見当たらない。
目が光に慣れてきたようで、6つの腕のうち5つの手には武器が握られていた。
あれだ!!!あれを狙わないといけなかったんだ。
咲の方が片付き次第やってみよう。それまでどうにか持ちこたえないと。
しばらく戦いは続いた。
「リキ!こっちは片付いた!」
咲の声が聞こえた。あぁ、終わったんだね。
俺はもう、ここで終わってしまいそうだ。
咲が到着する数分前にヒルコさんの仏の大きな手に捕まってギリギリと体力を削られていて、そして痛みに耐えかねてタクトを落としてしまっていた。
「リキ!!!」
咲がタクトを咄嗟にだしてスゥを呼び出したとしてももうきっと間に合わないだろう。
もう俺の体力は0に近づいていた。
終わる、終わってしまう。またペナルティか。でも咲を、陽子さんに少しは貢献できたかな。でも、ペナルティってちょっときついな。
ふとその時、シンが「待ってるから!」と言っていたのを思い出した。
それから「リキなら勝てる。」と言ってくれた咲。
でも俺…俺っ!!!
その時、不思議な事が起こった。俺の体力がジワジワと回復し始めた。
それから辺りに小さな白い羽がまるで雪のように降った。
「リキ、君は死なないよ。知ってますか?タマゴが割れた時のみ一時的に強制パーティーを組まされるって事。」
その声は全く聞き覚えのない声だったけど、喋り方でわかった。
「まも…る。」
俺はいつの間にか仏の手から脱出していた。
「護。」
「やっと会えましたね。 リキ。僕がいる限り君は死にませんよ。」
護はまだ幼い子供の容姿をしていて、小さな翼を一生懸命羽ばたかせて俺を抱きしめて浮かせてくれていた。
このタイミングでセーレを宿らせたAIのタマゴが羽化したのだ。そして生まれたての護は俺をヒルコの手から救ってくれた。
「大天使アリエル」と咲が呟いた。
「アリエル…だと?生まれたばかりの赤子がまともに戦えるわけがない!」とヒルコさんが此方を見て言った。
「生まれたばかりですか。そうですね。僕が普通のAIだったら戦えてなかったでしょうね。僕はこの期を待って生まれてきたんですから。」
「どういう意味?」と咲が信じられないという顔をして此方をみていた。
「僕は399番ですよ。」と護が咲に向って言うと咲は両手で口を覆った。
これはきっとムーンバミューダ社内の言葉なんだろうと思い今は追求はしないでおこうと思った。
それより今は…!!
「咲!仏の手だ!手に武器を持ってる!それを壊すんだ!」
瞬きすれば咲の姿はそこにはなかった。俺の言葉を聞いてすぐさま仏の持つ手をステッキで叩く咲。
「流石ですね。聞かないんですか?番号の意味。」
「あ、うん。咲が僕に知ってほしくない事だろうから。」
「時期がきたらってとこですか。さて、うーん、咲さんの事をどのように呼びましょう?」
「咲の事?」
「はい。神崎さん。陽子さん。うーん。」
「普通に咲さんでいいんじゃないかな。」
「じゃあ。そうしようかな。」
「どうして知り合いだって黙ってたんだ?」
「言ったら怪しまれて神崎、じゃなかった咲さんに反対されてたでしょうから。」
「えっと、てことは護も肉体があるって事でいいのかな?」
「さぁ、それはどうでしょう?あ、ログアウトはできませんよ。」
ログアウトができないって事はAIなのかな?
ほんと最近のAIは見分けがつかないくらいどっちか難しい。
まぁ、最初に会った時既に俺の名前知ってたからおかしいなとは思ってたけど。
「くそっ!!やはりあのAIから倒さねば。」とヒルコさんが此方を向く。
「リキ!!これを!」と咲が春風のタクトを俺の方に投げてくれた。
タクトをキャッチしてハクとハナビを展開した。
「護、もう大丈夫だ。自分で飛べる。」というと護は俺から離れた。
すぐに俺はフゥの力を借りて飛び、ヒルコさんの背後に回った。
すると咲がステッキでヒルコさんの武器ごと叩いて破損させてゆく。
「ヒルコ、ごめんなさい。ごめんなさいっ!!」と咲はごめんなさいの気持ちを籠こめた力いっぱいの攻撃を繰り返す。
「やめろぉぉぉぉ!!!!」とヒルコさんは大きな声で叫ぶ。
ついにヒルコの武器は完全に破損してバラバラに崩れる。
「これで、終わりっ!!」
咲がヒルコさんにトドメをさそうとステッキを振り上げると、ヒルコさんはニタァっと笑い、それを見た咲は咄嗟に距離をとった。
光の弾丸のような何かが咲の頬をかすめる。
「…っ!?」
「ふっはははっ。武器はこれだけじゃない。」
今度は金色のうねうねした九本の触手がヒルコさんの背中あたりからにょきにょきとでてきた。
「その武器は1匹の蛇だったはず。ヒルコ貴方もしかして。」
「ハハハハハハハハ!!」
AIと武器の融合武器。
咲は震えた声で「ヒルコ、ごめんね。」と言うとヒルコさんは大きく目を見開いた。
「………や…れ…。」とヒルコさんは苦しそうに顔を歪める。
「ヒルコ…!?」
「……も…意識が…もた…ない。」
「そんな…私っ。」
ヒルコさんは俺を見て「頼む…わた…しを…倒してくれ…。」と苦しそうに微笑んだ。
どうして突然こんな事に?本当のヒルコさんはいったい?
「リキ、もうすぐ強制パーティーが解除されてしまいます。だから早く。」と護が背中を押してくれた。
俺はハクでトドメをさした。
ヒルコさんは呪いの炎で燃えながら消えていった。
最後のヒルコさんはいったいなんだったんだろうか。
凄く、心にモヤが残った。
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