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78p【ぼっち】
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「なっ!?」
「えっ。何?」
報酬画面を三度は確認したが、目当ての盾はでていなかった。
「盾でなかった。」と呟く俺。
「まぁ、あるあるだよね。」とシン。
「もう疲労バフも空腹バフもかなり蓄積されてるから一回帰らないと。」と咲。
「えっ、気づかなかった。」
自分にかかっているデバフを確認すると疲労バフに空腹バフがプラス5くらいは上乗せされていて驚いた。バフを見た瞬間にお腹が減って疲れがどっと襲ってきた。
今の感じ、もしかして、千翠さんの言ってたゲームはゲームだって言ってた感覚と似てるのか?痛みや苦しさは思い込みだって。でも、しんどいものはしんどいな。
「色々と麻痺してるんじゃない?」と咲。
時計を見ればゲーム内の時間が24時間経っていた。あのクエストはほぼ1日潰れてしまうのか。幻覚にかかっている間に結構な時間がたっていたようだ。
確かにシンが幻覚にかかっている間、かなり時間経過していた。
「出るまでやるよ!」と咲が言う。
「うん。」
「僕も自分を鍛える為にも手伝うよ。」
それから三人で6日間ラストカントリーのクエストをした。
ラストカントリーの精神汚染系クエストは最上級な為6日間かけてたったの4回しかクリアできなかった。途中、幻覚にトラウマができてしまい、回復するのに少し時間がかかってしまった。
4回目で盾がでたのはいいけど、他の最上級クエストもこれくらい時間をとられるのかと思うとゾっとする。
眠気に疲労、それから空腹、空腹はパンとかを持っていけばなんとか抑えられるけど、何も知らないで行ってたら絶対ダウンしてた。
何が起こるかわからないから、先に、透けて青白い桜の木の枝のような見た目の盾をハルに装備させた。
俺達はすぐにギルドハウスへ帰って大広間で食事をとった。
「それ、そんなに必要だったの?」とシン。
「うん。これを春風のタクトに装備させるんだ。」
「へぇ。なんか全部ここで話せないの、もどかしいね。」
「ごめん。」
「いいよ。別に。十分ギリギリのところまで話してくれてるじゃん。」
「コホンッ。私より、よそのAIの方が仲良いってどういう事かなぁ?」と咲が怒りはじめた。
「あー、えーっと。まぁまぁ。」と咲を宥める。
「あ、僕ルナのとこ帰んなきゃ。」とシンは立ち上がってゲートを開いて帰っていった。
(シン。空気をよんで帰ってくれたのか?絶賛気まずい。)
「はぁ。妬けちゃうなぁ。」
「ごめん、部屋で話そう。ここだと地獄耳つけてる人に聞かれちゃうし。」
「わかった。」
自室へ移動して椅子に座ると咲も隣に座った。
「シンはさ。一人ぼっちなんだ。」
「どういう意味?」
「ルナさんはシンカさんを愛してるみたいなんだけど、シンはルナさんを心から愛してる。ルナさんが幸せになるなら自分は蔑ろにされてもいいって思っててさ。ルナさんがシンを求めた時のみ、シンはそれに応じる。だから心のどこかで一人だったんだ。シンカさんとは仲悪いし。本心は、AIの縛り設定で僕か千翠さんにしか話せないみたいだし。」
「何それ。シン可哀想じゃん!!!ルナが最低な女って事がわかった。」と怒りを表す咲。
「う、うん。そうなるよな。まぁ、俺にしか本心とか話辛いだろうから、色々友情が芽生えたっていうか。」
「どうしてもっと早くそれ教えてくれなかったの?これだけ長い時間あったのに。」
「あー、その。ルナさんを悪く思うのもやめてほしくて。同じギルドでこれから長い付き合いになっていくわけだし、あとルナさんには数えきれないほど支援してもらってるのもある。多くの人がルナさんを慕ってるからさ。」
「りき、なんか、成長してるね。」と今度は微笑んで俺の頭をくしゃくしゃと撫でる咲。
「え!?どういう意味?」
「でも!私よりシンに構ってるのはダメ!今日はクエスト中もずっと喋ってたし!」
咲はぷくーっと頬を膨らます。
「なっ、それは、咲が幻覚にかかってる間だけだろ?」
「むぅ。あれだけ毎日毎日学校帰りに色んな事話してくれてたりきが、私をほったらかして他の人と喋ってたら寂しいじゃん。」
「それは外側の咲に喋りかけてたわけで、中の人じゃないだろ?」
「手に入ったら冷めるタイプなの?」
「そんな事はないよ!って、これじゃあ俺達って付き合ってるみたいじゃないですか…。」
「忘れてるかもしれないけど、一応成人だから私。リキに手を出したら捕まっちゃうんだからね!」
「あ、そういえばそうでしたね。」
「でも。ゲームの中は別だよね。ゲームの中は年齢も身分も関係ない。だってゲームなんだもん。」
「それって。」
「現実世界では付き合えないけど、ゲームだから。ゲームの中では付き合えるよ?私達。」
「だとしても付き合えません。俺からすれば咲を人質にとられてるようなものだから。」
「ふふーんだ。」と挑発的な笑みを浮かべる陽子さんにムカッときてしまう俺だった。
翌日
朝食をシンと俺と咲は一緒にとっていた。
「あ、そうだ。大聖堂のクエスト受けてペアリングとってくれば?魅惑耐性つくから良いよ?あの指輪。僕のオススメはマリアージュ大聖堂だけど。」とシンがクエストを提案する。
「大聖堂クエスト?」
「マリアージュ大聖堂、ブライダル大聖堂、ウェディング大聖堂、マリッジ大聖堂、ダムクーイ大聖堂、ガモス大聖堂、ホッホツァイト大聖堂、7つの大聖堂で結婚式みたいなクエストができるんだ。大聖堂によってもらえる指輪が違うし、性能も違うんだ。」
「へぇ。」
「まぁでも、課金で手に入る指輪の方が性能が高いから常にはめてる人はいないかな。僕ももってるよ。」
シンは指輪を取り出してみせてくれた。
指輪を手に取ってみると、ガモスの指輪という表示がでて、指輪には「ルナ」と名前が刻まれていた。
「これはどういう能力?」
「オールステータス10ずつアップ。シンカはマリアージュの魅惑耐性指輪。男女二人の限定クエストで、その大聖堂の石碑に名前を一回記入したら縁切りの儀式をするまでその大聖堂では永遠に再度受ける事ができない。」
「つまり、相手を変えれば全大聖堂クエスト制覇できるってこと?」
「あぁ。うん。全制覇した人は7つの指輪を一つの指輪に変換できて、7つの能力を保有する結構強い指輪になるんだ。だから指輪だけの為に能力婚とかいう俗語もあるし。」
「へぇ。色々あるんだなぁ。ちなみにどうして魅惑耐性を進めるんだ?」
「魅惑されたら別の人を好きになるんだけど、それが結構やっかいだからさ。僕は一回かかって、酷い目にあったよ。シンカが羨ましい。」
「そうなんだ。」
多分、罰の嵐だったんだろうなと予想する。
「リキ、いくの?」
「せっかくだし行こうか。」
朝食を終えた後、とりあえず咲と二人でギルドハウスの外に出た。
「えっ。何?」
報酬画面を三度は確認したが、目当ての盾はでていなかった。
「盾でなかった。」と呟く俺。
「まぁ、あるあるだよね。」とシン。
「もう疲労バフも空腹バフもかなり蓄積されてるから一回帰らないと。」と咲。
「えっ、気づかなかった。」
自分にかかっているデバフを確認すると疲労バフに空腹バフがプラス5くらいは上乗せされていて驚いた。バフを見た瞬間にお腹が減って疲れがどっと襲ってきた。
今の感じ、もしかして、千翠さんの言ってたゲームはゲームだって言ってた感覚と似てるのか?痛みや苦しさは思い込みだって。でも、しんどいものはしんどいな。
「色々と麻痺してるんじゃない?」と咲。
時計を見ればゲーム内の時間が24時間経っていた。あのクエストはほぼ1日潰れてしまうのか。幻覚にかかっている間に結構な時間がたっていたようだ。
確かにシンが幻覚にかかっている間、かなり時間経過していた。
「出るまでやるよ!」と咲が言う。
「うん。」
「僕も自分を鍛える為にも手伝うよ。」
それから三人で6日間ラストカントリーのクエストをした。
ラストカントリーの精神汚染系クエストは最上級な為6日間かけてたったの4回しかクリアできなかった。途中、幻覚にトラウマができてしまい、回復するのに少し時間がかかってしまった。
4回目で盾がでたのはいいけど、他の最上級クエストもこれくらい時間をとられるのかと思うとゾっとする。
眠気に疲労、それから空腹、空腹はパンとかを持っていけばなんとか抑えられるけど、何も知らないで行ってたら絶対ダウンしてた。
何が起こるかわからないから、先に、透けて青白い桜の木の枝のような見た目の盾をハルに装備させた。
俺達はすぐにギルドハウスへ帰って大広間で食事をとった。
「それ、そんなに必要だったの?」とシン。
「うん。これを春風のタクトに装備させるんだ。」
「へぇ。なんか全部ここで話せないの、もどかしいね。」
「ごめん。」
「いいよ。別に。十分ギリギリのところまで話してくれてるじゃん。」
「コホンッ。私より、よそのAIの方が仲良いってどういう事かなぁ?」と咲が怒りはじめた。
「あー、えーっと。まぁまぁ。」と咲を宥める。
「あ、僕ルナのとこ帰んなきゃ。」とシンは立ち上がってゲートを開いて帰っていった。
(シン。空気をよんで帰ってくれたのか?絶賛気まずい。)
「はぁ。妬けちゃうなぁ。」
「ごめん、部屋で話そう。ここだと地獄耳つけてる人に聞かれちゃうし。」
「わかった。」
自室へ移動して椅子に座ると咲も隣に座った。
「シンはさ。一人ぼっちなんだ。」
「どういう意味?」
「ルナさんはシンカさんを愛してるみたいなんだけど、シンはルナさんを心から愛してる。ルナさんが幸せになるなら自分は蔑ろにされてもいいって思っててさ。ルナさんがシンを求めた時のみ、シンはそれに応じる。だから心のどこかで一人だったんだ。シンカさんとは仲悪いし。本心は、AIの縛り設定で僕か千翠さんにしか話せないみたいだし。」
「何それ。シン可哀想じゃん!!!ルナが最低な女って事がわかった。」と怒りを表す咲。
「う、うん。そうなるよな。まぁ、俺にしか本心とか話辛いだろうから、色々友情が芽生えたっていうか。」
「どうしてもっと早くそれ教えてくれなかったの?これだけ長い時間あったのに。」
「あー、その。ルナさんを悪く思うのもやめてほしくて。同じギルドでこれから長い付き合いになっていくわけだし、あとルナさんには数えきれないほど支援してもらってるのもある。多くの人がルナさんを慕ってるからさ。」
「りき、なんか、成長してるね。」と今度は微笑んで俺の頭をくしゃくしゃと撫でる咲。
「え!?どういう意味?」
「でも!私よりシンに構ってるのはダメ!今日はクエスト中もずっと喋ってたし!」
咲はぷくーっと頬を膨らます。
「なっ、それは、咲が幻覚にかかってる間だけだろ?」
「むぅ。あれだけ毎日毎日学校帰りに色んな事話してくれてたりきが、私をほったらかして他の人と喋ってたら寂しいじゃん。」
「それは外側の咲に喋りかけてたわけで、中の人じゃないだろ?」
「手に入ったら冷めるタイプなの?」
「そんな事はないよ!って、これじゃあ俺達って付き合ってるみたいじゃないですか…。」
「忘れてるかもしれないけど、一応成人だから私。リキに手を出したら捕まっちゃうんだからね!」
「あ、そういえばそうでしたね。」
「でも。ゲームの中は別だよね。ゲームの中は年齢も身分も関係ない。だってゲームなんだもん。」
「それって。」
「現実世界では付き合えないけど、ゲームだから。ゲームの中では付き合えるよ?私達。」
「だとしても付き合えません。俺からすれば咲を人質にとられてるようなものだから。」
「ふふーんだ。」と挑発的な笑みを浮かべる陽子さんにムカッときてしまう俺だった。
翌日
朝食をシンと俺と咲は一緒にとっていた。
「あ、そうだ。大聖堂のクエスト受けてペアリングとってくれば?魅惑耐性つくから良いよ?あの指輪。僕のオススメはマリアージュ大聖堂だけど。」とシンがクエストを提案する。
「大聖堂クエスト?」
「マリアージュ大聖堂、ブライダル大聖堂、ウェディング大聖堂、マリッジ大聖堂、ダムクーイ大聖堂、ガモス大聖堂、ホッホツァイト大聖堂、7つの大聖堂で結婚式みたいなクエストができるんだ。大聖堂によってもらえる指輪が違うし、性能も違うんだ。」
「へぇ。」
「まぁでも、課金で手に入る指輪の方が性能が高いから常にはめてる人はいないかな。僕ももってるよ。」
シンは指輪を取り出してみせてくれた。
指輪を手に取ってみると、ガモスの指輪という表示がでて、指輪には「ルナ」と名前が刻まれていた。
「これはどういう能力?」
「オールステータス10ずつアップ。シンカはマリアージュの魅惑耐性指輪。男女二人の限定クエストで、その大聖堂の石碑に名前を一回記入したら縁切りの儀式をするまでその大聖堂では永遠に再度受ける事ができない。」
「つまり、相手を変えれば全大聖堂クエスト制覇できるってこと?」
「あぁ。うん。全制覇した人は7つの指輪を一つの指輪に変換できて、7つの能力を保有する結構強い指輪になるんだ。だから指輪だけの為に能力婚とかいう俗語もあるし。」
「へぇ。色々あるんだなぁ。ちなみにどうして魅惑耐性を進めるんだ?」
「魅惑されたら別の人を好きになるんだけど、それが結構やっかいだからさ。僕は一回かかって、酷い目にあったよ。シンカが羨ましい。」
「そうなんだ。」
多分、罰の嵐だったんだろうなと予想する。
「リキ、いくの?」
「せっかくだし行こうか。」
朝食を終えた後、とりあえず咲と二人でギルドハウスの外に出た。
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