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73p【変わる】
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翌日、朝食が終わって、姉が先に家を出て僕が次に家を出た。
陽子さんは僕が学校へ行ってる間AIとしてお金を稼いでくれるみたいだけど「でも、バトルふっかけられて負けたらごめんね!」と言われた。
まぁ、負けても咲が一人寂しい思いをしながら過ごす事はないからペナルティくらい…いいのかな。ミルフィオレには迷惑をかけちゃうから、できればペナルティにならないでほしいけど。
とりあえず今日はマスクだけはしてるけど、イメチェンを兼ねて散髪して帰ろう。
学校の門の前につくと、見知らぬ制服を着た人が数人立っていた。うちと違う制服だしヒルコさんの仲間だったら嫌だな。
「よっ!力。何してんだよ。」と背後から声をかけられてビクっと体を震わして振り返る。
背後にいたのは僕と一番仲が良いクラスメイトの武井 豊。
いつ見てもオシャレというか、同じ制服着てるはずなのにオシャレに見える不思議な奴。
「なんだ、豊か。びっくりした。」
「どうしたんだ?そんなビクビクして。」
「あ!そうだ豊!」
「ん?どした?」
「髪の毛につけてるソレ!ワックスとか持ってない?」
「ワックス?持ってるけど?」
「貸してくれ!」
「は?いいけど。力お前どこにつけるんだよ。」
豊はカバンからワックスを取り出して僕に渡してくれた。僕は蓋をあけてワックスを手にとって、べっとりつけて髪の毛をオールバックにした。
「お、おい!お前何してんの!?使いすぎだろ!」
「悪い!新しいの買って返す!」
「てか!!オールバックってまじか。お前。」
豊は顔を引きつらせてドン引きしていた。
「今日はこれで一日過ごす。」
「ぶはっ!」と吹き出す豊。
「お前最高だよ。どうしたんだ?昨日は休むし。なんか雰囲気ちがうし。」
「まぁ。色々あって。とりあえず教室行こう。」
僕は豊の手を引いて門を通過した。特に誰に止められることもなく通過できてホッとした。
「どうしたんだ。お前のそんな顔初めて見るわ。」
「え?どんな顔してた?」
「そうだなぁ。いつもは、優しそうな観葉植物みたいな感じ。」
「どんな顔だよ。」
教室につくと何人かに笑われた。でも、こっちはそんな事に構ってる場合じゃなかった。
携帯の電源を切ってるとはいえ、ヒルコさんが何をしてくるか分からない。
とりあえず、集団の中にいる間は安全って考えていいのかな。
休み時間ごとに髪型イジられるし、昼休みはいつも豊と二人で食べてるのに5、6人は人が集まってしまって内心穏やかではなかった。
学校が終わって豊と一緒に帰る事にした。
「珍しいな。力が一緒に帰ろうなんてさ。」
普段はいつも一人で帰って花屋さんに直行だった。
「あー、実はイメチェンしようと思ってて。良い美容院とかしらないかな?」
「ぷっはははっ!イメチェンって!!お前本当にどうしたんだよ。いいぜ、俺の行ってるとこでよかったらな。」
「ありがとう豊!」
そして僕は豊の行きつけの美容室へ行って、見事イメチェンに成功して家へ帰った。
玄関を開けながら「ただいま。」と言うと陽子さんが玄関まで走ってきて「おっかえりー!って!!?え!?どうしたの!?」と酷く驚いていた。
僕の髪型は【リアル】と全く同じにしてある。
つまり、金髪にして帰りに買ったピンで前髪を止めてある。その時ついでに豊にもワックスを買って返した。
「んー。門の前に別の学校の人が立ってて、僕だってバレるの嫌だったから。」
「そっか、そうなんだ。ごめんね。そこまでさせちゃって。」と無理して笑顔を作りながら謝る陽子さん。
「ううん。いいんだ。気にしなくていいから。僕が好きでやってるんだし。」
「いっぱいお金稼いでおいたから!」
「あ、うん。電子マネーで支払おうとした時とんでもない額が入っててビックリしたよ。」
「えへへ!頑張ったんだから。」
僕は陽子さんの頭をポンポンと撫でた。というか中学生くらいにしかみえないからつい…撫でてしまった。
「あー!子供扱いしてるでしょ!お姉さんなんだからね?」
中学生にしか見えない。
「とりあえず、着替えたら夕食の用意しようかな。」
「あ、じゃあお風呂洗っとこうか?」
「うん、お願い。」
しばらくして姉が帰ってきた。
「ただいまー!あぁぁ!!天使がいるぅぅ!!」
姉は帰ってくるなり陽子さんを抱きしめていた。なんか、すっかり気に入られてるな。
「おかえりなさい!今丁度お風呂沸いたとこで。」
「えっ!?じゃあ、先にお風呂入っちゃおうかな。」
「姉ーさん、そろそろ離してあげなよ。」
「え…。」
姉は大きく目を見開いて、口も顎が外れそうなくらいあけて驚いていた。
「…?」
「えぇぇぇー!!!!!!!誰っ!?力!?力なの!?」
姉が酷く驚いていて、僕は姉のこんな顔生まれて初めて見た。
「え?どうし…あぁ!そういえばイメチェンしたんだった。」
すっかり自分が変わった事を忘れていた。【リアル】で慣れ過ぎてしまったせいだ。
「なっ!?イメチェンってアンタ…え?」
「ごめん。ちょっと色々変えたくて。」
「学校とか大丈夫なの?」
「うん、多分。うちは校則緩いから。ほら、豊も茶髪だし。」
「でも金髪って…。」
「それより、もうちょっとで夕飯できるから早く風呂入ってきなよ。」
「それよりって…。ショックがでかすぎるわ。」
姉は陽子さんを離してとぼとぼ部屋へ入っていった。
「お姉さん、大丈夫かな?」
「うん、気にしなくていいよ。」
そして夕食と風呂を終えて21時。
僕と陽子は【リアル】にログインした。
陽子さんは僕が学校へ行ってる間AIとしてお金を稼いでくれるみたいだけど「でも、バトルふっかけられて負けたらごめんね!」と言われた。
まぁ、負けても咲が一人寂しい思いをしながら過ごす事はないからペナルティくらい…いいのかな。ミルフィオレには迷惑をかけちゃうから、できればペナルティにならないでほしいけど。
とりあえず今日はマスクだけはしてるけど、イメチェンを兼ねて散髪して帰ろう。
学校の門の前につくと、見知らぬ制服を着た人が数人立っていた。うちと違う制服だしヒルコさんの仲間だったら嫌だな。
「よっ!力。何してんだよ。」と背後から声をかけられてビクっと体を震わして振り返る。
背後にいたのは僕と一番仲が良いクラスメイトの武井 豊。
いつ見てもオシャレというか、同じ制服着てるはずなのにオシャレに見える不思議な奴。
「なんだ、豊か。びっくりした。」
「どうしたんだ?そんなビクビクして。」
「あ!そうだ豊!」
「ん?どした?」
「髪の毛につけてるソレ!ワックスとか持ってない?」
「ワックス?持ってるけど?」
「貸してくれ!」
「は?いいけど。力お前どこにつけるんだよ。」
豊はカバンからワックスを取り出して僕に渡してくれた。僕は蓋をあけてワックスを手にとって、べっとりつけて髪の毛をオールバックにした。
「お、おい!お前何してんの!?使いすぎだろ!」
「悪い!新しいの買って返す!」
「てか!!オールバックってまじか。お前。」
豊は顔を引きつらせてドン引きしていた。
「今日はこれで一日過ごす。」
「ぶはっ!」と吹き出す豊。
「お前最高だよ。どうしたんだ?昨日は休むし。なんか雰囲気ちがうし。」
「まぁ。色々あって。とりあえず教室行こう。」
僕は豊の手を引いて門を通過した。特に誰に止められることもなく通過できてホッとした。
「どうしたんだ。お前のそんな顔初めて見るわ。」
「え?どんな顔してた?」
「そうだなぁ。いつもは、優しそうな観葉植物みたいな感じ。」
「どんな顔だよ。」
教室につくと何人かに笑われた。でも、こっちはそんな事に構ってる場合じゃなかった。
携帯の電源を切ってるとはいえ、ヒルコさんが何をしてくるか分からない。
とりあえず、集団の中にいる間は安全って考えていいのかな。
休み時間ごとに髪型イジられるし、昼休みはいつも豊と二人で食べてるのに5、6人は人が集まってしまって内心穏やかではなかった。
学校が終わって豊と一緒に帰る事にした。
「珍しいな。力が一緒に帰ろうなんてさ。」
普段はいつも一人で帰って花屋さんに直行だった。
「あー、実はイメチェンしようと思ってて。良い美容院とかしらないかな?」
「ぷっはははっ!イメチェンって!!お前本当にどうしたんだよ。いいぜ、俺の行ってるとこでよかったらな。」
「ありがとう豊!」
そして僕は豊の行きつけの美容室へ行って、見事イメチェンに成功して家へ帰った。
玄関を開けながら「ただいま。」と言うと陽子さんが玄関まで走ってきて「おっかえりー!って!!?え!?どうしたの!?」と酷く驚いていた。
僕の髪型は【リアル】と全く同じにしてある。
つまり、金髪にして帰りに買ったピンで前髪を止めてある。その時ついでに豊にもワックスを買って返した。
「んー。門の前に別の学校の人が立ってて、僕だってバレるの嫌だったから。」
「そっか、そうなんだ。ごめんね。そこまでさせちゃって。」と無理して笑顔を作りながら謝る陽子さん。
「ううん。いいんだ。気にしなくていいから。僕が好きでやってるんだし。」
「いっぱいお金稼いでおいたから!」
「あ、うん。電子マネーで支払おうとした時とんでもない額が入っててビックリしたよ。」
「えへへ!頑張ったんだから。」
僕は陽子さんの頭をポンポンと撫でた。というか中学生くらいにしかみえないからつい…撫でてしまった。
「あー!子供扱いしてるでしょ!お姉さんなんだからね?」
中学生にしか見えない。
「とりあえず、着替えたら夕食の用意しようかな。」
「あ、じゃあお風呂洗っとこうか?」
「うん、お願い。」
しばらくして姉が帰ってきた。
「ただいまー!あぁぁ!!天使がいるぅぅ!!」
姉は帰ってくるなり陽子さんを抱きしめていた。なんか、すっかり気に入られてるな。
「おかえりなさい!今丁度お風呂沸いたとこで。」
「えっ!?じゃあ、先にお風呂入っちゃおうかな。」
「姉ーさん、そろそろ離してあげなよ。」
「え…。」
姉は大きく目を見開いて、口も顎が外れそうなくらいあけて驚いていた。
「…?」
「えぇぇぇー!!!!!!!誰っ!?力!?力なの!?」
姉が酷く驚いていて、僕は姉のこんな顔生まれて初めて見た。
「え?どうし…あぁ!そういえばイメチェンしたんだった。」
すっかり自分が変わった事を忘れていた。【リアル】で慣れ過ぎてしまったせいだ。
「なっ!?イメチェンってアンタ…え?」
「ごめん。ちょっと色々変えたくて。」
「学校とか大丈夫なの?」
「うん、多分。うちは校則緩いから。ほら、豊も茶髪だし。」
「でも金髪って…。」
「それより、もうちょっとで夕飯できるから早く風呂入ってきなよ。」
「それよりって…。ショックがでかすぎるわ。」
姉は陽子さんを離してとぼとぼ部屋へ入っていった。
「お姉さん、大丈夫かな?」
「うん、気にしなくていいよ。」
そして夕食と風呂を終えて21時。
僕と陽子は【リアル】にログインした。
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