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55p【ヒルデ】
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ゴゴゴゴゴと重厚な音を鳴らしながら扉が開いて、入ってみると、中心には城のようなものが立っていて、色んな色淡い光を放つ外灯がズラッと並んでいて、パっと見た感じ、色味のある現代のローマ帝国みたいな印象を受けた。
古代都市やローマ、イギリス、フランスをモチーフにした外装の国は沢山ありそうだ。
少し進めば目の前にゲートがでてきた。
ゲートの中から、長い髪、肌、まつげも何もかも真っ白で、目だけが赤い見た目は16歳くらいの少女がでてきた。服装はワンピース水着っぽいカタチはしているけどプレート系の防具なんだろうなという事だけわかった。
「ヒッヒルデ、ひ、さしぶりだなぁ!!」とにー湯kenさんが赤面しながら挨拶をする。
「お久しぶりです。こんなにたくさん来客がきてくれるなんて。ミーナからメールがきてて、もうくる頃だと思って、お迎えに上がりました。」とニコリと優しい笑みを浮かべるヒルデさん。その顔を見れば心が少しほっこりしてしまう。それから声を聴いて驚いた、恐いくらい姉さんの声に似ていたから。でも姉さんは【リアル】をやってないから違う。姉さん、大人しくなったらこんな感じなんだろうな。
「お久しぶりです。何かお変わりありませんか?」とシンさんが聞く。
「ええ、大丈夫です。毎日平和です。そちらの方はギルドの新人さんですか?」
「あ、はじめまして。リキです。隣は僕のAI咲です。」
「どうも、はじめまして、ヒルデです。あなた、もしかして噂の春風のタクトを使いこなす期待の新人さんかしら?」
「えぇ!?えっと、多分僕です。春風のタクト使ってます。」
「クスクス、そですか。このゲームは復帰者には厳しいですから、頑張ってね。」と頭を撫で撫でされて、にー湯kenさんが少し羨ましそうに此方をみていて気まずかった。
「あはは…。」
「立ち話もなんですし、お部屋へ案内しますね。どうぞ。」とヒルデさんはゲートを開いてくれた。
ゲートの先は凄くゴシックな部屋だった。
「ねぇ、リキ。ヒルデさんの声、すっごくお姉さんに似てない?」
「うん。びっくりしたけど、姉さんは【リアル】をやってないよ。」
「そうよね。」
ヒルデさんはソファへどうぞといってくれて、座ってみると凄くフカフカだった。
「あ。ミーナさんから預かった服だ。」とにー湯kenさんは少し顔を赤らめながらプレゼントを渡す。
「ありがとうございます。早速着てみますね。」ニコリと微笑むヒルデさん。
防具がパッと入れ替わって、白いワンピースドレスになった。そのドレスにはところどころ可愛い白い花がポンポンついていて、またそれが真っ白なヒルデさんを可愛く見せた。
「あ。kenさん石化しちゃった。」とシンさんが言う。
「えぇ!?武器装備してないのに!?」
「ほっときましょう。」とシンさんは何か変なものを見るような目でにー湯kenさんを見つめていた。
「わー…!プレートのドレス凄い!それに可愛い!」と咲は目をキラキラさせてみつめていた。
「ミーナとジャン君のコラボ防具のようですね。」
ホログラム画面が表示されて[ジャンヌダルクフラワードレス:プレート《性能略》デザイン:ミーナ 製作者:ジャン]
「ジャンさんってドルガバの?」
「そうです。あら、リキさんもお知り合いで?」
「あ、はい。僕も一度防具を作ってもらった事があって。」
「いいなぁ~私も作ってもらいたいなぁ。」と咲は羨ましそうにドレスを見る。
「咲なら作ってもらえそうだけど、だって、ウォールの盾はジャンさんに作ってもらったんだよね?」
「そうだけどさぁ。」
「咲さんのお召し物も十分素敵ですよ?りきさんはずいぶんAIに課金なさってるんですね。」とヒルデさん。
「え。」
(まずい。何か勘づかれそうだぞ。)
「コホンッ。そうなんですよ。僕はやめとけって言ってるのに、りきはAIに溺愛してて自分の装備よりAIの装備優先で。」とシンさんがフォローしてくれた。
色々危なかった気がする。「もう喋らないで。」と顔で語られてしまった。
「まぁ!素敵。そういえば、最近平和は平和なんですが。ドルガバの人がしつこくギルド員に勝負をしかけてくるみたいで、我々一同はすっかり引きこもりになってしまっております。」
「え!!全然平和じゃねーじゃん!」とにー湯kenさんが復活して喋りだした。
「今はまだ負けなし、ですけれどバトル回数が多いので気になってしまって。」
「そうですか。これは連合ギルドの様子を見て回る必要があるかもしれませんね。」
「いつも私とパーティーを組んでくれてる副官二人もログインがまだで、少し心細いのですが、特にペナルティになったギルド員はいませんし。平和は平和なんですけどね。」と頬に手をあてて悩むヒルデさん。
「あ。にー湯kenさんお貸ししますよ。副官さんがログインするまでお使い下さい。」
「おっおい!シンっ!勝手に決めるな!」と嬉しそうな顔で否定するにー湯kenさん。
「まぁ!よろしいですか?kenさん。」と嬉しそうににー湯kenさんに詰め寄るヒルデさん。
「まっ、まぁ俺はルナ班の中で比較的予定がないからな。いいけどな。」と頬を赤らめて鼻をこする。
「ふふふ♪ありがとうございます。」
「さて、戻ろっか。晩餐近いし。」とシンさん。
「もうお戻りに?」
「はい、夜には絶対戻るようにルナに言われてるんで。」
「そうですか。また遊びにきてくださいね。」
「はい。」
「リキさんも咲さんも是非遊びにいらしてくださいね。」
「はい。」
シンさんのゲートでギルドの大広間へ帰った。
古代都市やローマ、イギリス、フランスをモチーフにした外装の国は沢山ありそうだ。
少し進めば目の前にゲートがでてきた。
ゲートの中から、長い髪、肌、まつげも何もかも真っ白で、目だけが赤い見た目は16歳くらいの少女がでてきた。服装はワンピース水着っぽいカタチはしているけどプレート系の防具なんだろうなという事だけわかった。
「ヒッヒルデ、ひ、さしぶりだなぁ!!」とにー湯kenさんが赤面しながら挨拶をする。
「お久しぶりです。こんなにたくさん来客がきてくれるなんて。ミーナからメールがきてて、もうくる頃だと思って、お迎えに上がりました。」とニコリと優しい笑みを浮かべるヒルデさん。その顔を見れば心が少しほっこりしてしまう。それから声を聴いて驚いた、恐いくらい姉さんの声に似ていたから。でも姉さんは【リアル】をやってないから違う。姉さん、大人しくなったらこんな感じなんだろうな。
「お久しぶりです。何かお変わりありませんか?」とシンさんが聞く。
「ええ、大丈夫です。毎日平和です。そちらの方はギルドの新人さんですか?」
「あ、はじめまして。リキです。隣は僕のAI咲です。」
「どうも、はじめまして、ヒルデです。あなた、もしかして噂の春風のタクトを使いこなす期待の新人さんかしら?」
「えぇ!?えっと、多分僕です。春風のタクト使ってます。」
「クスクス、そですか。このゲームは復帰者には厳しいですから、頑張ってね。」と頭を撫で撫でされて、にー湯kenさんが少し羨ましそうに此方をみていて気まずかった。
「あはは…。」
「立ち話もなんですし、お部屋へ案内しますね。どうぞ。」とヒルデさんはゲートを開いてくれた。
ゲートの先は凄くゴシックな部屋だった。
「ねぇ、リキ。ヒルデさんの声、すっごくお姉さんに似てない?」
「うん。びっくりしたけど、姉さんは【リアル】をやってないよ。」
「そうよね。」
ヒルデさんはソファへどうぞといってくれて、座ってみると凄くフカフカだった。
「あ。ミーナさんから預かった服だ。」とにー湯kenさんは少し顔を赤らめながらプレゼントを渡す。
「ありがとうございます。早速着てみますね。」ニコリと微笑むヒルデさん。
防具がパッと入れ替わって、白いワンピースドレスになった。そのドレスにはところどころ可愛い白い花がポンポンついていて、またそれが真っ白なヒルデさんを可愛く見せた。
「あ。kenさん石化しちゃった。」とシンさんが言う。
「えぇ!?武器装備してないのに!?」
「ほっときましょう。」とシンさんは何か変なものを見るような目でにー湯kenさんを見つめていた。
「わー…!プレートのドレス凄い!それに可愛い!」と咲は目をキラキラさせてみつめていた。
「ミーナとジャン君のコラボ防具のようですね。」
ホログラム画面が表示されて[ジャンヌダルクフラワードレス:プレート《性能略》デザイン:ミーナ 製作者:ジャン]
「ジャンさんってドルガバの?」
「そうです。あら、リキさんもお知り合いで?」
「あ、はい。僕も一度防具を作ってもらった事があって。」
「いいなぁ~私も作ってもらいたいなぁ。」と咲は羨ましそうにドレスを見る。
「咲なら作ってもらえそうだけど、だって、ウォールの盾はジャンさんに作ってもらったんだよね?」
「そうだけどさぁ。」
「咲さんのお召し物も十分素敵ですよ?りきさんはずいぶんAIに課金なさってるんですね。」とヒルデさん。
「え。」
(まずい。何か勘づかれそうだぞ。)
「コホンッ。そうなんですよ。僕はやめとけって言ってるのに、りきはAIに溺愛してて自分の装備よりAIの装備優先で。」とシンさんがフォローしてくれた。
色々危なかった気がする。「もう喋らないで。」と顔で語られてしまった。
「まぁ!素敵。そういえば、最近平和は平和なんですが。ドルガバの人がしつこくギルド員に勝負をしかけてくるみたいで、我々一同はすっかり引きこもりになってしまっております。」
「え!!全然平和じゃねーじゃん!」とにー湯kenさんが復活して喋りだした。
「今はまだ負けなし、ですけれどバトル回数が多いので気になってしまって。」
「そうですか。これは連合ギルドの様子を見て回る必要があるかもしれませんね。」
「いつも私とパーティーを組んでくれてる副官二人もログインがまだで、少し心細いのですが、特にペナルティになったギルド員はいませんし。平和は平和なんですけどね。」と頬に手をあてて悩むヒルデさん。
「あ。にー湯kenさんお貸ししますよ。副官さんがログインするまでお使い下さい。」
「おっおい!シンっ!勝手に決めるな!」と嬉しそうな顔で否定するにー湯kenさん。
「まぁ!よろしいですか?kenさん。」と嬉しそうににー湯kenさんに詰め寄るヒルデさん。
「まっ、まぁ俺はルナ班の中で比較的予定がないからな。いいけどな。」と頬を赤らめて鼻をこする。
「ふふふ♪ありがとうございます。」
「さて、戻ろっか。晩餐近いし。」とシンさん。
「もうお戻りに?」
「はい、夜には絶対戻るようにルナに言われてるんで。」
「そうですか。また遊びにきてくださいね。」
「はい。」
「リキさんも咲さんも是非遊びにいらしてくださいね。」
「はい。」
シンさんのゲートでギルドの大広間へ帰った。
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