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48p【小さな違和感】
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「リキの家ひろーい!!」とウキウキした顔で僕よりも先に家の中に入る陽子さん。
(どうみても、中学生くらいだよなぁ。)
「陽子さんの部屋はこっちです…だよ?…だ。
「はぁーい。ぷふふ!変な喋り方ー♪」と無邪気に笑う陽子さん。
自分の部屋の向かいにある部屋を開ける。
「わぁ!いいの?ベッドまであるじゃん!」と陽子さんはキラキラとした目で僕の顔を見る。
「うん。姉さんの許可もおりてるし、父さんはほとんど帰ってこないから大丈夫だよ。」と少し笑って返す。
「お母さんは?」
「帰ってこないんだ。仕事はしてるっぽいんだけど。」
「ふーん。」
「軽く掃除しようか。長い事使ってないから少し埃が溜まってるや。」
「掃除なら私がやるっ!」
「じゃあ、布団干してくるよ。」
色々と掃除を済ませるとお昼になっていた。
「疲れたー!!お腹すいたー!!」
ぐーっと陽子さんのお腹が鳴って、陽子さんの顔が真っ赤になった。
「お昼作るよ。」
お昼ごはんを作りに台所へいくと陽子さんも後ろからついてきた。
「今日はいつログインするのー?」
「姉さんに色々話してからかな。」
「陽子さんGMだった時って何してたの?」
「んー………ところどころしか覚えてないんだけど、小人達と景色を楽しんだり、イベント開催の司会したり、春風のタクトってね、GM権限で作った超強い武器なんだけど、もう知ってるかもしれないけど使う事ができるのは一人だけ。小人達の気分次第だし、イベントで超難しいクエストをクリアした人に配ってたんだけど。あー、でも、タクトがリキの手に渡るように仕向けたのもは私なんだろうね。」
「何か覚えてる事ある?」
「うん、誰かに手紙を送った気がする。誰かは覚えてないけど、あーもう全然思い出せないー!!」
「あはは…。」と僕は苦笑いをしてしまった。
「ねぇ、りきの中の咲って、どんな感じだった?」
「…儚げだったかな。ほっとけない感じの。」
「中身が私でショック受けた?」
「うーん。あの時、バトルの最中で咲に表情が宿ってちょっと感動した。待ち望んでたからかな。…なんか自由になりたそうな気だけはずっと伝わってたから。」
「おーなーかーすいたー!」
(聞いちゃいない。)
「はいはい…。」
僕は黙って調理して、陽子さんはそれを嬉しそうな顔でみていた。
「わぁ!美味しそう!」
僕はオムライスを作った。オムライスをテーブルにおいた。
「これしか無難なの思いつかなかった。」
「やったー!おっむらいすぅー!」
「お好みでケチャップもどうぞ。」
僕はケチャップもテーブルに置いた。すると陽子さんはケチャップをとって、オムライスにかけた。
「いっただきまーす!!おいしーーー!!!何これ何これ!!」
ガツガツとオムライスを食べていて、小さな子供にしか見えなくて自然と微笑んでしまう。
「喜んでもらえて良かった。」
「リキってさぁ。ちょっと影あるよね。何か辛い事でもあるの?」
「なんですかいきなり…。」
「敬語!!」と陽子さんがスプーンで僕を指した。
「…そうかな?」
「【リアル】で、色々嫌な事とかあったりした?」
「え?どうして【リアル】なんだ?」
「だって、昨日、咲に話しかけてた君は、もっと盲目的な顔をしてたもん。」
「も、盲目的な顔?」
しばらく僕は陽子さんに【リアル】での体験を全部話していたら、いつの間にか夜になっていた。
「ただいま!!!」と姉さんが帰ってきた。
「あ。お邪魔してます。神崎陽子です。」
「え……えー!!!!外人!?中学生!?金髪!?碧眼!?」
「違います!!21歳です!!こんな見た目ですが日本人です!!」
「えー!!!!見えない!!見えない!!!えー!!!絶対嘘!!」
「陽子さん、姉の吉田美智子。」
「美智子さん、お世話になります!」
「ちょっと力!!こんな可愛い子なら大歓迎よ!!もっと早く言いなさいよ!!」
「姉さん仕事中だったじゃん。」
「家が賑やかになっていいわねぇ!力って寂しがりやだからよろしくね?陽子ちゃん。」
「はい!お世話になります!」
こうして、僕と陽子さんは一つ屋根の下で一緒に暮らす事になった。
夜の19時55分。
夕食もお風呂も済ませた。もちろん陽子さんも。
「じゃあ、時計が20時になったら【リアル】に入るから。よろしく。」
「うん。あ!!そうだ。リアルの中では絶対にソルって名前だしちゃだめ!運営に気づかれちゃうから。」
「あ、うん。わかった。」
陽子さんは空き部屋へ、僕は自室に入ってベッドに座る。
あ!そうだった。写真フォルダに入ってる風景写真とか家の写真を【リアル】側の写真フォルダに送信するの忘れてた。僕は携帯の電源を入れた。
シンさんは現世への憧れが強くて、今の日本を特に勉強したいらしい。
いくつか風景をとった写真と家族写真を選ぶ。
家族写真を見て、ドキリとした。僕全然変わってなさ過ぎて驚いた。
(姉さんは凄く成長してるのに、どうしてだ?これいつの写真だ?…って、時間が危ない。とりあえず適当に写真を送信してと…。)
送信を完了させてベッドに寝転んだ。
20時になった瞬間、僕は【リアル】にログインした。
(どうみても、中学生くらいだよなぁ。)
「陽子さんの部屋はこっちです…だよ?…だ。
「はぁーい。ぷふふ!変な喋り方ー♪」と無邪気に笑う陽子さん。
自分の部屋の向かいにある部屋を開ける。
「わぁ!いいの?ベッドまであるじゃん!」と陽子さんはキラキラとした目で僕の顔を見る。
「うん。姉さんの許可もおりてるし、父さんはほとんど帰ってこないから大丈夫だよ。」と少し笑って返す。
「お母さんは?」
「帰ってこないんだ。仕事はしてるっぽいんだけど。」
「ふーん。」
「軽く掃除しようか。長い事使ってないから少し埃が溜まってるや。」
「掃除なら私がやるっ!」
「じゃあ、布団干してくるよ。」
色々と掃除を済ませるとお昼になっていた。
「疲れたー!!お腹すいたー!!」
ぐーっと陽子さんのお腹が鳴って、陽子さんの顔が真っ赤になった。
「お昼作るよ。」
お昼ごはんを作りに台所へいくと陽子さんも後ろからついてきた。
「今日はいつログインするのー?」
「姉さんに色々話してからかな。」
「陽子さんGMだった時って何してたの?」
「んー………ところどころしか覚えてないんだけど、小人達と景色を楽しんだり、イベント開催の司会したり、春風のタクトってね、GM権限で作った超強い武器なんだけど、もう知ってるかもしれないけど使う事ができるのは一人だけ。小人達の気分次第だし、イベントで超難しいクエストをクリアした人に配ってたんだけど。あー、でも、タクトがリキの手に渡るように仕向けたのもは私なんだろうね。」
「何か覚えてる事ある?」
「うん、誰かに手紙を送った気がする。誰かは覚えてないけど、あーもう全然思い出せないー!!」
「あはは…。」と僕は苦笑いをしてしまった。
「ねぇ、りきの中の咲って、どんな感じだった?」
「…儚げだったかな。ほっとけない感じの。」
「中身が私でショック受けた?」
「うーん。あの時、バトルの最中で咲に表情が宿ってちょっと感動した。待ち望んでたからかな。…なんか自由になりたそうな気だけはずっと伝わってたから。」
「おーなーかーすいたー!」
(聞いちゃいない。)
「はいはい…。」
僕は黙って調理して、陽子さんはそれを嬉しそうな顔でみていた。
「わぁ!美味しそう!」
僕はオムライスを作った。オムライスをテーブルにおいた。
「これしか無難なの思いつかなかった。」
「やったー!おっむらいすぅー!」
「お好みでケチャップもどうぞ。」
僕はケチャップもテーブルに置いた。すると陽子さんはケチャップをとって、オムライスにかけた。
「いっただきまーす!!おいしーーー!!!何これ何これ!!」
ガツガツとオムライスを食べていて、小さな子供にしか見えなくて自然と微笑んでしまう。
「喜んでもらえて良かった。」
「リキってさぁ。ちょっと影あるよね。何か辛い事でもあるの?」
「なんですかいきなり…。」
「敬語!!」と陽子さんがスプーンで僕を指した。
「…そうかな?」
「【リアル】で、色々嫌な事とかあったりした?」
「え?どうして【リアル】なんだ?」
「だって、昨日、咲に話しかけてた君は、もっと盲目的な顔をしてたもん。」
「も、盲目的な顔?」
しばらく僕は陽子さんに【リアル】での体験を全部話していたら、いつの間にか夜になっていた。
「ただいま!!!」と姉さんが帰ってきた。
「あ。お邪魔してます。神崎陽子です。」
「え……えー!!!!外人!?中学生!?金髪!?碧眼!?」
「違います!!21歳です!!こんな見た目ですが日本人です!!」
「えー!!!!見えない!!見えない!!!えー!!!絶対嘘!!」
「陽子さん、姉の吉田美智子。」
「美智子さん、お世話になります!」
「ちょっと力!!こんな可愛い子なら大歓迎よ!!もっと早く言いなさいよ!!」
「姉さん仕事中だったじゃん。」
「家が賑やかになっていいわねぇ!力って寂しがりやだからよろしくね?陽子ちゃん。」
「はい!お世話になります!」
こうして、僕と陽子さんは一つ屋根の下で一緒に暮らす事になった。
夜の19時55分。
夕食もお風呂も済ませた。もちろん陽子さんも。
「じゃあ、時計が20時になったら【リアル】に入るから。よろしく。」
「うん。あ!!そうだ。リアルの中では絶対にソルって名前だしちゃだめ!運営に気づかれちゃうから。」
「あ、うん。わかった。」
陽子さんは空き部屋へ、僕は自室に入ってベッドに座る。
あ!そうだった。写真フォルダに入ってる風景写真とか家の写真を【リアル】側の写真フォルダに送信するの忘れてた。僕は携帯の電源を入れた。
シンさんは現世への憧れが強くて、今の日本を特に勉強したいらしい。
いくつか風景をとった写真と家族写真を選ぶ。
家族写真を見て、ドキリとした。僕全然変わってなさ過ぎて驚いた。
(姉さんは凄く成長してるのに、どうしてだ?これいつの写真だ?…って、時間が危ない。とりあえず適当に写真を送信してと…。)
送信を完了させてベッドに寝転んだ。
20時になった瞬間、僕は【リアル】にログインした。
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