非力だった少年はチートで生まれ変わる。

無月公主

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41p【政治】

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「わぁ、色々スキルがありますね。破壊光線!!なんちゃって。」とシンカさんが言うとほんとにビームが出てAIの一人の体力を削り切ってしまった。
「イナリ!!よくもイナリを!!」とミシェルさんがシンカさんを睨んだ。
「シンカ…。」と変わり果てた姿のシンカさんを見て心配そうにするルナさん。
「ルナ、こんな姿ですけど愛してくれますか?」と涙ぐんだ目で優しく微笑みながらルナさんに問いかける。
「愛するに決まってるじゃない…。」と、ルナさんも涙ぐんでいた。
まるで昼ドラでも見ているようだった。
shiftさんが前の席の壁をドンっと叩いて「キモい!!!」と一言。前に座っている人がビクッとなっていた。
「ぶはっ!!」とスノーポークさんが笑う。
「ふふんっ♪賢者の書で全員の承認を得た威力は凄まじいですわね。」
そうか!なんで削り切れたんだろうと思ってたけど、賢者の書ってアイテムのおかげで威力があがってるのか。
シンカさんはバサバサと空を舞い「シン!絶対に何があっても盾を解くなよ。」と声をかけると、シンカさんはミシェルさんを長く鋭い爪で引っ搔こうとするがミシェルさんには傷一つつかなかった。
「チッ。物理無効か。」とシンカさん。
「なら!私がっ。」と前にでるルナさんをシンカさんは止める。
「まかせてください。物理無効にも限界ってものがあるんでしょう?」と言ってシンカさんは6枚羽から羽を飛ばして攻撃をしかける。
「ふんっ!!物理は無限に無効よ!!」と、ミシェルさんが構えなしで立っていると、龍人のAIがミシェルさんの前に立ってかばう。
「な!!勝手に何を!?」とミシェルさんが驚く。
「これは魔法攻撃です!!!」と龍神のAIがミシェルさんに返す。
「な…そんな…。」
「うわあああああ!!!」と声を上げて龍人のAIは体力が0になり、倒れてしまった。
「あぁ、もう!!これだから嫌なのよ!!これだから!!!ミルフィオレは、チートだらけ。不正者の巣窟!!!汚らわしい!!」と怒るミシェルさん。
最後はシンカさんの黒い光線でミシェルさんの体力が0になって、ルナさんが勝利した。

会場内に歓声が沸き上がった。

「不正で悪かったわね。でも、できちゃうものしかたないわよねー♪それに?本当に不正だったらBANされてるんじゃなくて?不正じゃないからこうして今もこの世界にいられるんでしょう?」と嫌味な笑い方をするルナさん。
「くっ!!」
「さ、誰か、この人お国にお送りしてさしあげて?」とルナさんが声をかけると、シュガーさんがゲートを開いてミシェルさんを放り込んだ。
「凄いですね。ルナさんには勝てる気がしません。」
「勝ってただろ。」とShiftさんに言われた。
「…最後まけたじゃないですか!僕」
「確かに。」
千翠さんがルナさんの前へ出てバシンッと頬を叩いた。
歓声が止まって、シーンっとなった。
「……調子にのらないでください。」と言って大広間から去っていった。
シンさんとシンカさんが元の姿に戻ってルナさんを抱きしめる。
「部屋に戻りましょう。」とシンカさん。
「僕らは大丈夫だから。」とシンさん。
ルナさんはAI達と共に部屋を出た。

「え?なんで千翠さん、ルナさんを?」
会場はとても良い雰囲気だったのに、どうして千翠さん。
「そのままの意味だろ。ルナを調子にのせない為。」とShiftさんが言った。
「ふふんっ♪メールが届きましたわ♪あら?ミルフィオレに潜んでたスパイって、最近入った新人の子だったのね。」
「ぼ、僕ですか!?」
「なんでそうなるんだ。やったのか?」とスノーポークさんが楽し気な声で言った。
「やってませんよ!!!」
「ふふんっ♪安心なさって?最近テストを受けて、ダリア班に配属された新人ですわよ。」
「なんだ良かった。」
「さ、帰るぞ。俺は君達と違って忙しいんでね。」と言ってShiftさん僕の服を掴んで会場の壁際に連れてくると、ゲートを出して、そこに僕を放り込んだ。

ゲートの先ではルナさんが大泣きしていた。つまり、ルナさんの部屋だった。
とても気まずい。パーティーも解散されてしまった。
何が気まずいかというと、ベッドでルナさんが泣いていて、シンさんとシンカさんが一生懸命慰めていたからだ。
シンさんが此方に気づいて来てくれた。
「どうしたの。」
「えーっと、Shiftさんが僕をここにって。用事があるとかって、パーティーも解散されてしまいました。」
「ルナ、ごめん。パーティーいい?」
ルナさんからパーティー招待がきて、入るとシンさんとルナさんとシンカさんで4人パーティーになった。
「えっと、どうしてこんなことに?」とシンさんに聞いてみた。
「ルナはもっと安全に勝てたはずなんだ。それを遊んだから。」
「え?遊んでたんですか?」
「僕ら矛盾ほこたてはあれが全ての姿じゃなくて、最終形態になればミシェルをもっと早く倒せてたと思う。でも、ルナは賢者の書を使いたかったんだ。」
「千翠め。絶対に自分は許しません。」とシンカさんがメラメラ燃えていた。
「千翠さんの考えはわからない事もないけど、大切な人を傷つけられたら腹が立つよね。」とシンさんも相当怒っているようだった。
「すみません、こんな時にお邪魔して。」
千翠さんの考えってなんだろう?
「あぁ。千翠さんの考えがわからないって顔してる?もしかして。」
「バレちゃいましたか。」
「千翠さんはルナの支持率を保つ為に圧倒的な力を見せつけてほしかったんだよね。あれは運任せのギリギリの試合のように見えたからさ。千翠さんもこの国の維持に必死で動いてるからさ。」
「なるほど。支持率…って政治みたいですね。」
「政治だよ。本で読んだだけだけど現実世界とあんまり変わらないんじゃない?」

政治もあるのか、このゲーム。本当に恐ろしいな…。
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