非力だった少年はチートで生まれ変わる。

無月公主

文字の大きさ
上 下
23 / 92

23p【アビリティ】

しおりを挟む
「は?AIも持ってないのにAI調教スキル?その武器に騙されてません?」とシンカさんが眉をひそめる。
「えっと、なんて説明したらいいのやら春風のタクトの中には7体のAIがいてそのAIが戦ってくれるんです。」
「げ。自分の賢者の書並みに面倒な武器ですね。」とシンカさんがパっと分厚い本をとりだしてみせた。
「賢者の書?武器ですか?」
「はい。じーさんAIや、ばーさんAIが7体ほどいて力を使う用途によって威力が変わる面倒な魔法タイプの武器です。」
「じゃあシンカさんもAI調教に振ってるんですか?」
「いえいえ、賢者の書はAI調教に関係しないので、普通に魔法に振ってますよ。まぁ、いっぱいポイントはあるんで違うのにも振ってますけど。」
「とりあえず、武器の指示通りに一度ふってみます。」
エイボンの指示に従ってAI調教スキルに100ポイント振ってMAXになった。
「残りはえーっと、魔力にでもふっておきましょう。」とエイボンが言った。
言われた通り魔力に振ってからAI調教スキルの説明を読んでみると〔半径200m以内の自分のAIは攻撃力・防御力・魔法攻撃力・魔法防御力アップ〕だった。
200mってかなり広いな。でもこれで僕の200m以内にいればみんな強くなるのか。ちなみに魔力は魔力の追加増加だった。
「変な振り方ですね。こんな人ほっとんどいませんよ。まぁ、今度初心者村にある公式が運営しているショップでスキル拡張券を買って、100以上振れるようにしましょう。次はアビリティですね。1バトルにつき100ポイントもらえるんで結構ふれるんじゃないですか?」

アビリティボタンが画面の左端にあってそれを押してみるとホログラム画面が切り替わり色んなスキルが表示された。
【農業・家畜・薬剤調合・料理・宝石加工・採掘・釣り・裁縫・窃盗・地獄耳・移動速度・肉体・美容・音楽・占い・踊り・氷・火・人魚…ect】
真面目に眺めると本当に目がくらむ量だ。なんでもある。右上にポイントが表示されていて500ポイントたまっているようだった。
「あの、この人魚に振るとどうなるんですか?」
「足が魚みたいになりますよ。ポイントさえ稼げばほっとんど振れるんで、これはまぁそんなに心配はいりません。料理がしたかったら料理にふればいいですし。」
「えっと、シンカさんは何に振ってるんですか?」
「料理と地獄耳と踊りと裁縫と薬剤調合と…えーっと…妖精?」
「凄い振ってますね。踊りって使うんですか?」
「武器によっては神楽や舞いを必要とするので、踊りをとっておかないと武器を装備できないんです。あぁ、レア武器は装備する前に[必須:踊り]とか表示されますよ。」
「ルナ姫様は氷と料理と妖精でしたっけ?」と愛媛さんが少し離れたところから言った。なんか可哀想な絵面だ。
「ルナはほとんど振ってますからね。もっとありますよ。」とシンカさんが言う。
「妖精って振るとどうなるんですか?シンカさんもルナさんも振ってるんですよね?」
「空とまではいきませんが、空中をこんなふうに飛べます。」と実際に浮いてみせてくれた。
「便利ですね。あ、武器にちょっと聞いてみます。」
タクトを握りしめてからエイボンに「どれに振れば良いかな?」と心の中で聞いてみた。
「だいぶこの武器のコツ。掴めてるみたいですね、りきさんはフウの力で浮遊する事が可能ですから妖精に振らなくても大丈夫ですよ。よりこの世界を楽しむ為に振りましょう。」
そういうとエイボンは一瞬ニコリと微笑んで消えてしまった。
「決まら無さそうですね。これは初期化にお金かかりますけど、とりあえず料理と釣りにでも振っとけば遠くにいってご飯が尽きても生き延びれますよ。」
「そうですね。そうしときます。」言われた通り釣りと料理にポイントを振ってみた。
「あれ?100がMAXポイントじゃないんですか?」
「はい。100が一応そつなくなんでもこなせる数値ってだけで、自分ですと料理が上限値に達してるんで薬剤調合との連携効果で体力向上とか魔力増幅が含まれる料理に変化させる事ができます。」
「え、上限値って、いくつなんですか?」
「一応1000ですけど、この後が問題なんです。条件地に達した後、実際に料理していくと、黄色文字で追加ポイントが加算されていきます。その上限は不明です。」
「…恐ろしいですね。いったい何が?シンカさんは黄色文字の上限値に達してたり?」
「料理スキルは確かに黄色文字で加算されてますけど、黄色文字の上限値に達してはいませんね。ただ一人。千翠さんだけは、その加算上限値を知ってるそうです。この世界で…いえ、億を超える参加者のいるこの世界でほんの一握りのうちの一人。」
「前から思ってたんですけど、千翠さんって何者ですか?」
「数々の精神汚染系の高難易度ダンジョンをクリアする精神力を評価されて雑誌にのったりしてましたよね!千翠様!」と愛媛さんがまた遠くから言っていた。
「精神汚染系ダンジョン?」
「嫌な音が常に響いてたり、空腹バフがMAX溜まった状態でのボスとの戦闘を強いられたり、真っ暗で無音状態の空間に何時間いられるかとか…?」とシンカさんが自分の頬に人差し指をあてながら説明してくれた。
「想像しただけでも、恐ろしいですね。とりあえず残りはやりたいものが見つかったら振ってみます。」
「そうですね。あ、ゲートに振っといてくださいね。それで行った事のある場所へは自由にゲートを出せるようになるんで。」
「あ、これもアビリティだったんですね。というか、最重要アビリティですよね?」
「はい。初心すぎてすっかり忘れてました。それで町の門前に移動できます。ギルドハウス内はこの大広間と各部屋前に…って、時間ヤバ。」
大広間の大きな古そうな時計を見ると午後6時を指していた。
「愛媛!あとは晩餐の説明を!自分は急いで用意するんで!」とシンカさんは駆け足で大広間にある大扉ではなく普通の扉の方へ入っていった。

「えっと、うちのギルドは午後8時なったら晩餐って言ってギルド員が集まって夕食をとるの。これは任意だから出席してもしなくてもいいんだけど、シンカ君の料理は基礎能力値を上げる効果とかあるからなるべくみんな集まって食べてるよ?」
「そうだったんですね。シンカさんが全部作るんですか?」
「うん!今から続々と集まってくるからテーブル拭いておかないと!」愛媛さんは布巾をどこからかとりだして長い長いテーブルを拭き始めた。
「大変ですね…。」
「えっとりきさんは新人さんだから、あっちのテーブルですよ!新人さんばっかりのテーブルです!」ニコニコと笑顔でテーブルへ案内してくれた。
座っていると。たくさんのAI達(ルナさんに似てるAIが多い気がする。)が料理を運んではテーブルをセッティングしていた。
丁度中央の一番奥の席は横向きにテーブルが並べられていて、恐らくルナさんと幹部的な何かの席なのかなと推測した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる

シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。 そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。 なんでも見通せるという万物を見通す目だった。 目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。 これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!? その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。 魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。 ※他サイトでも連載しています。  大体21:30分ごろに更新してます。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

処理中です...