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12p【観光の旅】
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歩きながらさっき勝利した報酬をみていた。
EPに、BPに、宝箱?
「対人でも宝箱とかでるんですね。」
「クスッ。それはただのお金です。」
宝箱を開封してみると10000Enがたまった。
「なんだ…、装備ならよかったのに。」
「十分強い装備があるじゃないですか。」
「あ、いえ、その、僕の武器は7つ装備をつけれるみたいなんで7つ適した武器があればなーって思ってまして。」
「武器に装備?おかしな武器ですね。自分も一度装備した経験ありますけどそんな覧なかったはずですけど。」
「僕らを全員だせた時にやっと武器の詳細が見られるようになってるんですよ。」とエイボンが言った。
「なるほど。」
「ん?何がなるほどなんです?」シンカさんは不思議そうな顔をして此方を見ていた。
僕は困った顔をして「武器が喋るんで。」と返した。
「あぁ。なるほど。変わった武器ですね。喋る武器シリーズはいくつかありますからね。自分も一応1個持ってますし。」
それから次の町へ移動する途中シンカさんは何度かバトルを挑まれて、それに伴い僕もバトルを挑まれてしまい、なんとか勝利し続けて無事に次の町へついた。
「初心者狩りしちゃいましたね。」とシンカさんはホクホクとした笑みを浮かべていた。
「そ、そうですね。もう魔力が限界だったんで正直不安でした。心臓に悪いです。」
僕の魔力はほとんど底をついていて足がガクガクと震えだしていた。魔力が切れるとこうなるのかと実感する。
シンカさんはモノクルをつけて僕を見た。
「わ。死にかけじゃないですか。チョコどうぞ。」と手品のようにスッとチョコを出して僕に渡してくれた。
シンカさんからチョコをもらって「ありがとうございます。」といって食べてみると魔力が全回復して、足の震えも止まった。
「クスッ。チョコで全回復って。ハハッ。 初心者ですね。ほんと。」と笑うシンカさん。
シンカさんって、ほんとにAIなのかな?まるで人間みたいだ。AIだから記憶が完璧なはずなのに「はず」って言ったり。
人間と大差ないってわかってはいるけど、ここまで大差ないとは都会はもっとAIが優秀なのかな。
「気に障りましたか?」とシンカさんが僕の顔色を伺う。
「いえ、シンカさんってAIって感じ全くしないなって思って。」
シンカさんだけじゃない。武器の小人達だってそうだ全く人間と大差ない気がしてしまうのは何故だろう。
「それは嬉しいですね。」と照れ臭そうに微笑むシンカさん。
「嬉しい?」
「自分達からすれば嬉しいんです。これはきっと、AIにしかわからないかもしれませんけど。」
「そうですか。」
しばらくすると町らしき場所に辿りついた。
「着きましたね。町ですよ。」
「町って…え?この町ずいぶん殺風景ですね。」
マップを確認してみると町の名前「グッドラック」安全地域。
建物が…宿と住宅しかなかった。地面は砂地。
どの建物も不自然なくらい白くて…四角い。まるで豆腐のようだ。
「ここのバトル王は良く変わるんで…開発途中なんでしょうね。町の名前もコロコロ変わってますし、住んでるユーザーが可哀想といいますか。」
「バトル王が変わると住宅ってどうなるんですか?」
「一度さら地に戻されるんで消えます。家具とか持ち物はスマホに収納されるんで消えたりはしませんけど、住宅を建てるのにも、お金が発生してるんで相当なダメージですよ。」
「一生消えないエリアや国はあるんですか?」
「そんなとこ存在しませんよ。ゲームなんですから。」
「あ…そっか。」
「ですけど、ルナはそれを実現させようと日々頑張っています。なので、アトランティスだけはそういう国になるのかもしれませんね。」
「アトランティスと似た国ってあるんですか?」
「ありますとも。うちよりも大きなギルド【ドルガバ】の建てた国【La C0ree du Nord】とか。ギルド【シュタインズ】の【精神と時の国】だとか。名前を出したら切りがありませんね。」
いったいどこの国の人が建てたんだろう。国名NGワードだったりとかしないのかな。
「意外とたくさんあるんですね。」
「それはもう世界レベルのゲームですから。さっさとこんな町出てエルフの森へ向かいますよ。こんな殺風景な町のくせに宿代高いんで。」
「え!?そうなんですか?」
「出来立ての町って高いんですよね。しかも初心者村から近いエリアとなると人気なのでバトル王の入れ替わりが激しすぎて国レベルまで発展した事って1度も無いくらいです。」
「1度も…ですか。」
僕とシンカさんは殺風景な砂埃が立つ砂地を黙々と歩き次の町を目指した。
いつの間にか砂地から森林に変わって、段々と景色が美しくなっていった。
木々の間をホタルのような光が舞い、白い鹿がチラチラと姿を見せ、小川の音もする。
「こんなに綺麗で空気も森そのものなのに…。ゲームなんですよね。」
「実際の世界でもこんな感じなんですか?森って。」とシンカさんに興味津々な感じで問われ「はい、全然大差ないと思います。」と答えた。
「今度ここでルナとデートでもしようかな。」
AIなのにそんな事まで考えるのか。
「シンカさんはルナさんの事が好きなんですか?」
「……愚問ですね。愛してるんですよ。」
「そ、そうですか。僕もAIを持ったら、僕のAIは僕を愛してくれますかね。」
「さぁ?AIは設定に従順なんで好きという設定に従ってもらえるでしょうけど、自分たちには自我があるんで嫌々好きになってる可能性もありますね。」
「自我…ですか。」
「はい、人間と大差ない作りらしいです。本当に大差ないのかわかりませんけど。ただ、設定に従わない場合は酷い激痛に襲われるとだけ。」
「襲われた事あるんですか?」
「ありますよ。AIには留守番っていう設定があるんですけど、一度だけそれに従わなかった時に、とんでもない激痛に襲われてしまいました。あれはもうトラウマレベルです。」
なんだか可哀想だなAI達。
EPに、BPに、宝箱?
「対人でも宝箱とかでるんですね。」
「クスッ。それはただのお金です。」
宝箱を開封してみると10000Enがたまった。
「なんだ…、装備ならよかったのに。」
「十分強い装備があるじゃないですか。」
「あ、いえ、その、僕の武器は7つ装備をつけれるみたいなんで7つ適した武器があればなーって思ってまして。」
「武器に装備?おかしな武器ですね。自分も一度装備した経験ありますけどそんな覧なかったはずですけど。」
「僕らを全員だせた時にやっと武器の詳細が見られるようになってるんですよ。」とエイボンが言った。
「なるほど。」
「ん?何がなるほどなんです?」シンカさんは不思議そうな顔をして此方を見ていた。
僕は困った顔をして「武器が喋るんで。」と返した。
「あぁ。なるほど。変わった武器ですね。喋る武器シリーズはいくつかありますからね。自分も一応1個持ってますし。」
それから次の町へ移動する途中シンカさんは何度かバトルを挑まれて、それに伴い僕もバトルを挑まれてしまい、なんとか勝利し続けて無事に次の町へついた。
「初心者狩りしちゃいましたね。」とシンカさんはホクホクとした笑みを浮かべていた。
「そ、そうですね。もう魔力が限界だったんで正直不安でした。心臓に悪いです。」
僕の魔力はほとんど底をついていて足がガクガクと震えだしていた。魔力が切れるとこうなるのかと実感する。
シンカさんはモノクルをつけて僕を見た。
「わ。死にかけじゃないですか。チョコどうぞ。」と手品のようにスッとチョコを出して僕に渡してくれた。
シンカさんからチョコをもらって「ありがとうございます。」といって食べてみると魔力が全回復して、足の震えも止まった。
「クスッ。チョコで全回復って。ハハッ。 初心者ですね。ほんと。」と笑うシンカさん。
シンカさんって、ほんとにAIなのかな?まるで人間みたいだ。AIだから記憶が完璧なはずなのに「はず」って言ったり。
人間と大差ないってわかってはいるけど、ここまで大差ないとは都会はもっとAIが優秀なのかな。
「気に障りましたか?」とシンカさんが僕の顔色を伺う。
「いえ、シンカさんってAIって感じ全くしないなって思って。」
シンカさんだけじゃない。武器の小人達だってそうだ全く人間と大差ない気がしてしまうのは何故だろう。
「それは嬉しいですね。」と照れ臭そうに微笑むシンカさん。
「嬉しい?」
「自分達からすれば嬉しいんです。これはきっと、AIにしかわからないかもしれませんけど。」
「そうですか。」
しばらくすると町らしき場所に辿りついた。
「着きましたね。町ですよ。」
「町って…え?この町ずいぶん殺風景ですね。」
マップを確認してみると町の名前「グッドラック」安全地域。
建物が…宿と住宅しかなかった。地面は砂地。
どの建物も不自然なくらい白くて…四角い。まるで豆腐のようだ。
「ここのバトル王は良く変わるんで…開発途中なんでしょうね。町の名前もコロコロ変わってますし、住んでるユーザーが可哀想といいますか。」
「バトル王が変わると住宅ってどうなるんですか?」
「一度さら地に戻されるんで消えます。家具とか持ち物はスマホに収納されるんで消えたりはしませんけど、住宅を建てるのにも、お金が発生してるんで相当なダメージですよ。」
「一生消えないエリアや国はあるんですか?」
「そんなとこ存在しませんよ。ゲームなんですから。」
「あ…そっか。」
「ですけど、ルナはそれを実現させようと日々頑張っています。なので、アトランティスだけはそういう国になるのかもしれませんね。」
「アトランティスと似た国ってあるんですか?」
「ありますとも。うちよりも大きなギルド【ドルガバ】の建てた国【La C0ree du Nord】とか。ギルド【シュタインズ】の【精神と時の国】だとか。名前を出したら切りがありませんね。」
いったいどこの国の人が建てたんだろう。国名NGワードだったりとかしないのかな。
「意外とたくさんあるんですね。」
「それはもう世界レベルのゲームですから。さっさとこんな町出てエルフの森へ向かいますよ。こんな殺風景な町のくせに宿代高いんで。」
「え!?そうなんですか?」
「出来立ての町って高いんですよね。しかも初心者村から近いエリアとなると人気なのでバトル王の入れ替わりが激しすぎて国レベルまで発展した事って1度も無いくらいです。」
「1度も…ですか。」
僕とシンカさんは殺風景な砂埃が立つ砂地を黙々と歩き次の町を目指した。
いつの間にか砂地から森林に変わって、段々と景色が美しくなっていった。
木々の間をホタルのような光が舞い、白い鹿がチラチラと姿を見せ、小川の音もする。
「こんなに綺麗で空気も森そのものなのに…。ゲームなんですよね。」
「実際の世界でもこんな感じなんですか?森って。」とシンカさんに興味津々な感じで問われ「はい、全然大差ないと思います。」と答えた。
「今度ここでルナとデートでもしようかな。」
AIなのにそんな事まで考えるのか。
「シンカさんはルナさんの事が好きなんですか?」
「……愚問ですね。愛してるんですよ。」
「そ、そうですか。僕もAIを持ったら、僕のAIは僕を愛してくれますかね。」
「さぁ?AIは設定に従順なんで好きという設定に従ってもらえるでしょうけど、自分たちには自我があるんで嫌々好きになってる可能性もありますね。」
「自我…ですか。」
「はい、人間と大差ない作りらしいです。本当に大差ないのかわかりませんけど。ただ、設定に従わない場合は酷い激痛に襲われるとだけ。」
「襲われた事あるんですか?」
「ありますよ。AIには留守番っていう設定があるんですけど、一度だけそれに従わなかった時に、とんでもない激痛に襲われてしまいました。あれはもうトラウマレベルです。」
なんだか可哀想だなAI達。
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