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第1章
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しおりを挟むもう一言恨み言を言ってやろうかと思ったその時、神殿?の扉がバタン!と開かれ大勢の人間が入ってきた。
その人間たちはこれまたいつの時代の格好だよとツッコミたくなるような鎧を着て、剣を腰にさげていた。
その鎧集団の後に入ってきたのはこれまたテンプレみたいな司祭の一団だった。
そいつらは俺と裕太の前まで進んでくると突然聞いたことも無い言葉で話しかけてきた。
「~~~~~~~~?」
「……はっ?」
「~~~~~~~~~?」
ダメだ。意思疎通が全く取れない。英語ではないみたいだし、フランス語とかドイツ語とか……そんなところだろうか?
「俺は裕太です。こっちは彩斗!」
「裕太、こいつらの言葉わかるのか?」
「えっ?彩斗は分からないのか?」
裕太の問いに俺は首を振って答えた。自慢じゃないが俺は英語ですら赤点を取るような人間だ。そんなやつが他の国の言葉なんて分かるわけないだろう。
しかし、裕太はなぜか不思議そうな顔をして俺の顔を見つめてきた。一体、なんだと言うんだろう。
「えーと、彩斗。この人たちも普通に日本語喋ってるけど……」
「お前は俺をバカにしてるのか?いくら英語赤点の俺でも日本語とそれ以外の言葉の区別ぐらいつくわ」
この期に及んでそんな嘘をついた裕太を睨みつけたが、さらに不思議そうな顔で見つめられた。
するとこの状況を終わらせたかったのか謎の集団の一人が裕太に何か話しかけた。
「それじゃあ、そっちの言葉は俺にしか聞こえてないっていうことか!?何か方法はないのか?」
「~~~、~~~~~……」
「そうか……」
「何だよ?何か分かったのか?」
裕太は俺に視線を移すと息を1回吐き出してから再度俺を見つめて、意を決して話して出した。
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