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でも中学生になったある日大きくなったシオンに夢で出会った。姿形はすっかり変わってしまってたけど(かっこ良すぎてびっくりした!)優しい瞳がかわらなくて。そのかわらなさに気が抜けた僕は手紙の一つも寄越さないなんて!って泣いて怒った。そしたら困った顔して『絶対迎えにいくから待ってて!約束するから、一番になって迎えに行くから』ってぎゅっと抱き締めてくれて。
それから怒ってる僕をなだめるように優しい触れるだけのキスを顔中に落としてくれたから高ぶっていた僕もだんだんと落ち着いたんだけど、落ち着いてきたら僕をすっぽり包んでしまえる大きな身体とか僕よりずいぶんと大きな手だとか、いつの間にか変わってしまった低い声とかにドキドキしてしまったんだよね。はずかしくなってシオンの胸を押して距離を取ろうとしたら『そんな顔されると困る。放せなくなる。俺すごく我慢してるのに!』って押し殺した声で囁かれた。
え?自分のこと俺って言ってるの?なにそれかっこいい。僕も俺呼びしようかな?って思ったら、ふにって柔らかな感触が唇にあって。これは僕の夢の中だからつまりはえっと、僕がシオンに会いたくてシオンがここに現れて。そんでここで起こることは全部僕の願望な訳で。え?今なんかペロッって唇なめられて口の中に入りたいって感じでシオンの舌が前歯のとこに、え?え?こじ開けられ、あ、入ってきた!僕、僕シオンとこんなキスしたいって思ってたんだ!え、大人のキスってやつだ!
至近距離で見られてる、え、あ、なんか視線がこわいかも?でもシオンかっこいい。あ、背中ぎゅってされてて逃げられない。ど、どうしよう。や、やだ、これ気持ちいいよ。なんか背中ゾクゾクする。あ、舌が僕の舌すりすりして、あれなんか唾がいっぱい、え、これどうするの?溢れちゃう。あ、ぢゅってシオンにすわれちゃった、ん、気持ちい。あ、なんか舌の先、そこ好き。んん゛。ん、なんか苦しい。息、息できない!!
バンバンとシオンの胸を叩いて息ができないと訴えればやっと口を放してくれたけど、今度は耳をべろりとなめて『鼻で息するんだよ』って耳元でくすくす笑われた。
耳元にかかる息に頬が熱いやら身体の奧がもぞもぞするやらでキャパオーバーになってしまった僕は『初めてなんだから仕方ないだろ!』てぶちきれた。僕の想像上のシオンがエロすぎてびっくりしちゃったのもあるけど、こんなにかっこいいシオンは現実ではきっと色々な女の子にモテて経験豊富で僕にはキスなんかしないんだと思ったらなんか胸がきゅっとして悲しくなったのもある。
『シオンと違って僕はいつも一人なんだよ!』そこまで言ってしまえば寂しくて情けなくてまた涙が出てきた。『ずっと一緒にいるって!言ったくせに!君が僕を捨てた!』びくりと身体を揺らしたシオンから身をよじって離れる。ただ子供っぽい八つ当たりをしたのがはずかしくて背を向けた。
落ち着いて振り返った時には彼はもういなくてまた一人ぼっちになったんだと心臓が痛くなって、僕が目を覚ましたときに枕もとはびしょ濡れだった。
ひどい言葉を投げつけたせいかそれから大きなシオンが夢に出てくることはなかった。
★★★
小学校でも中学校でも皆に馴染めなかった僕にユニークスキルが見つかったのは高校生になる前のカウンセリングを受けた時だった。
ただの馴染めない子供じゃないって見抜いてくれたカウンセラーさんは自分も他人のユニークスキルを見抜くスキルを持ってるけどはっきりそれに気づいたのは遅かったから苦労したって。対外的に人に害を与えるスキルではないし異能はまだ弱いからこのまま一般社会でも生活できなくはないけどできれば異能学園に入った方がいいって普通の高校にいった方が良いってしぶる親を説得してくれた。
異能が伸びていけば別の道もひらけるからって。今思えば熱心なカウンセラーさんは僕の隠れた特性に気づいてたんだと思う。僕が受け入れられるか分からないから言わなかっただけで。
まああの当時、非戦闘系能力者は能力が発達することで身体が変化してしまう場合があるって言われてもなんのことやら分からなかったと思う。
そして異能学園に入園した僕は学園内でシオンを見かけることになった。幼稚園の頃から会ってないのに彼だってすぐ分かった。夢で見たシオンよりもずっと大人っぽくて男らしくてかっこよくって遠くから見ただけなのにキラキラして他の人と全然違って見えた。
(守ってあげなきゃ)
また強くそう思った。その後シオンは戦闘系として学園トップクラスの強さを誇ってるって知ってからシオンを守れるほどの強さってどんだけだ?とちょっと白目になったけどね。
同じ学園にいるとは言え戦闘系と非戦闘系は校舎も分けられていたからなかなか会えなくて、たまに見かけたシオンは相変わらず人気でいつも人に囲まれていた。遠目から見るだけでドキドキして勇気を出して近づいても心臓壊れそうになって話しかけるまでずいぶんともだもだして。
学園に入って半年後、勇気を振り絞って会いに行ったけど全然気づいてもらえなくって落ち込むことになったんだけどね。てへへ。
それから怒ってる僕をなだめるように優しい触れるだけのキスを顔中に落としてくれたから高ぶっていた僕もだんだんと落ち着いたんだけど、落ち着いてきたら僕をすっぽり包んでしまえる大きな身体とか僕よりずいぶんと大きな手だとか、いつの間にか変わってしまった低い声とかにドキドキしてしまったんだよね。はずかしくなってシオンの胸を押して距離を取ろうとしたら『そんな顔されると困る。放せなくなる。俺すごく我慢してるのに!』って押し殺した声で囁かれた。
え?自分のこと俺って言ってるの?なにそれかっこいい。僕も俺呼びしようかな?って思ったら、ふにって柔らかな感触が唇にあって。これは僕の夢の中だからつまりはえっと、僕がシオンに会いたくてシオンがここに現れて。そんでここで起こることは全部僕の願望な訳で。え?今なんかペロッって唇なめられて口の中に入りたいって感じでシオンの舌が前歯のとこに、え?え?こじ開けられ、あ、入ってきた!僕、僕シオンとこんなキスしたいって思ってたんだ!え、大人のキスってやつだ!
至近距離で見られてる、え、あ、なんか視線がこわいかも?でもシオンかっこいい。あ、背中ぎゅってされてて逃げられない。ど、どうしよう。や、やだ、これ気持ちいいよ。なんか背中ゾクゾクする。あ、舌が僕の舌すりすりして、あれなんか唾がいっぱい、え、これどうするの?溢れちゃう。あ、ぢゅってシオンにすわれちゃった、ん、気持ちい。あ、なんか舌の先、そこ好き。んん゛。ん、なんか苦しい。息、息できない!!
バンバンとシオンの胸を叩いて息ができないと訴えればやっと口を放してくれたけど、今度は耳をべろりとなめて『鼻で息するんだよ』って耳元でくすくす笑われた。
耳元にかかる息に頬が熱いやら身体の奧がもぞもぞするやらでキャパオーバーになってしまった僕は『初めてなんだから仕方ないだろ!』てぶちきれた。僕の想像上のシオンがエロすぎてびっくりしちゃったのもあるけど、こんなにかっこいいシオンは現実ではきっと色々な女の子にモテて経験豊富で僕にはキスなんかしないんだと思ったらなんか胸がきゅっとして悲しくなったのもある。
『シオンと違って僕はいつも一人なんだよ!』そこまで言ってしまえば寂しくて情けなくてまた涙が出てきた。『ずっと一緒にいるって!言ったくせに!君が僕を捨てた!』びくりと身体を揺らしたシオンから身をよじって離れる。ただ子供っぽい八つ当たりをしたのがはずかしくて背を向けた。
落ち着いて振り返った時には彼はもういなくてまた一人ぼっちになったんだと心臓が痛くなって、僕が目を覚ましたときに枕もとはびしょ濡れだった。
ひどい言葉を投げつけたせいかそれから大きなシオンが夢に出てくることはなかった。
★★★
小学校でも中学校でも皆に馴染めなかった僕にユニークスキルが見つかったのは高校生になる前のカウンセリングを受けた時だった。
ただの馴染めない子供じゃないって見抜いてくれたカウンセラーさんは自分も他人のユニークスキルを見抜くスキルを持ってるけどはっきりそれに気づいたのは遅かったから苦労したって。対外的に人に害を与えるスキルではないし異能はまだ弱いからこのまま一般社会でも生活できなくはないけどできれば異能学園に入った方がいいって普通の高校にいった方が良いってしぶる親を説得してくれた。
異能が伸びていけば別の道もひらけるからって。今思えば熱心なカウンセラーさんは僕の隠れた特性に気づいてたんだと思う。僕が受け入れられるか分からないから言わなかっただけで。
まああの当時、非戦闘系能力者は能力が発達することで身体が変化してしまう場合があるって言われてもなんのことやら分からなかったと思う。
そして異能学園に入園した僕は学園内でシオンを見かけることになった。幼稚園の頃から会ってないのに彼だってすぐ分かった。夢で見たシオンよりもずっと大人っぽくて男らしくてかっこよくって遠くから見ただけなのにキラキラして他の人と全然違って見えた。
(守ってあげなきゃ)
また強くそう思った。その後シオンは戦闘系として学園トップクラスの強さを誇ってるって知ってからシオンを守れるほどの強さってどんだけだ?とちょっと白目になったけどね。
同じ学園にいるとは言え戦闘系と非戦闘系は校舎も分けられていたからなかなか会えなくて、たまに見かけたシオンは相変わらず人気でいつも人に囲まれていた。遠目から見るだけでドキドキして勇気を出して近づいても心臓壊れそうになって話しかけるまでずいぶんともだもだして。
学園に入って半年後、勇気を振り絞って会いに行ったけど全然気づいてもらえなくって落ち込むことになったんだけどね。てへへ。
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