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甘く淫らなラブロマンスの長編版(※短編の続きではありません)

ミーネ!?

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「ャ、こん、な、すご、ぃの、ィヤ……ッ」

 耳元で小さく殿下が笑った。

「立っているだけだよ」

 そうだけど。
 そう、だけど……っ

「ぉ、奥、ぁたぅ、の……」
「ここ?」
「っ……そぅ、ッそ、こッ……だめ……っ」

 硬くて太い殿下の先端で奥をグリグリされて。
 反射的にギュッと殿下へしがみつく。

「可愛い……」
「ッ!」

 殿下は何気なく呟いたのだと思う。
 私が顔を殿下の首へうずめていて容貌が分からないから、殿下はサフィニア様と睦み合う場面を頭に思い描いているのかもしれない。

 それでも、可愛いと言われたことが嬉しくて。
 身体が反応してしまい、つながったところがキュゥと締まる。

 ハ、と切なそうに殿下が短く息を吐いた。
 私に挿し込んでいる殿下の大事なところが締めつけられて痛かったのかもしれない。

 申し訳ないからこれ以上締めつけたくないのに。
 再び「可愛い」と呟いた殿下が腰を押しつけ激しく奥を突いてきた。

 気持ちいいと感じる場所へ、ズン、ズン、と。

「ゃッァ!?」

 殿下の先端があたっただけで、快楽を覚えてしまった奥を。
 さらに突かれ、快感が、凄すぎて。

 これ……気持ち、いい……ッ

 初めて殿下に挿入された日、その瞬間は痛みしか感じなかった。
 でもその時でさえ、小さな突起を弄られてから殿下の先端が奥に当たると気持ちよく感じたのを憶えている。

 だけど今は、あの時よりも激しく奥を抉られていて。

 壊れてしまいそう、ダメ、壊れちゃう――

「ァ、ふっ……ひァ、ん、ァ、ッん――っ」

 両足のつま先がピンと伸び、全身にググッと力が入った。

 殿下が少し苦し気に息を吐く。
 大事なところを締めつけられて、殿下はつらいのかもしれない。
 私のナカが、きゅンきゅン収縮しているのが自分でも分かる。

 でもごめんなさい、自分ではどうにもできないの。

 殿下にしがみついて、愉悦の波に耐える事しかできない。

 そのままゆっくりと体がうしろへ倒されていく。
 ぽす、と音がしてベッドの柔らかさを背中に感じた。
 私に覆い被さるようにしてきた殿下の腰が再び動きだす。

「……もっと俺で気持ちよくなって」
「ぇ、まっ、ふぁ、ッ……、ダメ……なん、か、びくびく、とまら、な、ァ、ァア」

 グヂュッグヂュッと濁った水音が響く。
 つながっている所が収縮を繰り返した。
 無意識に、何かを搾り取るような感じで。

「く……ッ、凄いな、締めつけが」
「ごめ、なさ……ッ」
「違う、嬉しいよ。必死に俺を、離すまいとしているみたいで、可愛い」

 今のはきっと、私の首に顔をうずめた殿下がサフィニア様を想像して発した言葉。
 だけど、可愛い、なんて何度も言われて。
 自分は代わりだと分かっていても、甘く響いて脳が蕩ける。

 首を殿下に、ちぅ、と吸われたかと思ったら、いたわるようにレロ……と舐められた。
 全身が敏感になっていて、殿下の舌の感触に身体の奥が悦びで震えてしまう。

「殿、下……ッ」
「名を、呼んでくれ……」

 名前を……?
 私の声で呼んで、違う、とがっかりされたらどうしよう。
 それとも私の恥じらう声、サフィニア様に似ている、の……?

「……ラッド、レン……?」
「声も……ッ、全部、可愛い」
「ッ、ひぁっ、ァ!?」

 殿下の腰の動きが激しさを増した。
 ベッドで膝をついて姿勢が安定したせいか、的確に奥深くの感じる場所を攻めてくる。
 耳孔にかかる殿下の息が、くすぐったくて身体が疼く。

「も、一度、呼んで」
「っァンッ、ラ、ド……レンッン!」
「ミーネ……っ、ミー、ネ……」
「ッ……! ぁ、ぁァアっん~~~――っ」

 まさか殿下に名前を呼ばれるなんて思わなかった。

 顔が見えなければ好きな相手としていると想像できるだろう、と目隠しをされて以来、身体へ触れられる時に名前を呼ばれなくなったから。

 殿下は他の人を、サフィニア様を思い浮かべているのだと、思っていた。

 だから名前を呼ばれて、嬉しくて。
 自分は代わりだと言い聞かせることで微かに残っていた理性のタガが、一気に外れた。

 信じられないくらい甘く聞こえる声が、自分の口から溢れだして零れていく。
 身体の芯が、燃えているみたいに熱くて目がチカチカする。

「……く、ッ……ミーネ……す、」

 突然、殿下に口づけをされた。
 それと同時にふたりの身体がビク、ビク、と揺れて。
 体内にドクッドクッと何かを注がれている。

 おそらく殿下の、子種……。

 押し寄せる波に翻弄されるような感覚がようやく落ち着いてきた頃、ゆっくりと離れていった殿下の唇。
 そうしたら今度は頬に、ちゅ、と口づけをされた。

 まるで私の顔のパーツをひとつひとつ唇で確かめようとしているみたいに、降ってくるたくさんのキス。
 合い間で息継ぎをするように何度も名前を呼ばれながら。

 柔らかい唇の感触が心地よくて、目を閉じた。
 そしてそのまま吸い込まれるように、深い眠りの世界へと意識が遠のいて――。





 目が覚めたら、寝室に殿下の姿は無かった。
 代わりにいてくれたのはベルマリー。

 「ミーネ様が以前タジェロン様に出した手紙の返事を預かっていますよ」

 スッと目の前に封筒を差し出された。





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