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元気
しおりを挟む女性の私には無い部位だけれど、人体図鑑で見たことはある。
でも……
図鑑で見たのに比べると、身長に対しての割合が殿下の陰茎はだいぶ大きいような?
それに、人体図鑑に載っていたソコはダランとした感じに下を向いていたけれど。
殿下のは……なんだか重力に逆らおうとしているわ。
この重力に逆らおうとしている杭状の部分が、赤黒くて特に痛そう。
患部を撫でるため殿下の股間についた杭へ触れたら、ビクッとそこが動いた。
撫でるたびに杭の角度が変わるから、なんだか落ち着かない。
「殿下……ココを手で握ってもよろしいでしょうか?」
「ぇ、にぎ、握るのか!?」
「ぇぇ、その方が効率が良さそうです。握られるのがお嫌でしたら、撫でるだけにしますが」
「エービス……握ってほしい……」
左手は殿下の内腿を撫でながら、右手で殿下の陰茎をそっと握り、撫でる。
でも握っているから、右手は撫でるというよりも擦っているような感じかもしれない。
殿下が痛みを感じないといいけれど。
ハッ……ハッ……、と徐々に殿下の呼吸が浅く苦し気になってきているのが気になる。
それに……
「殿下、どうしましょう……? 撫でれば撫でるほど、患部が大きく腫れて硬くなっていくのですが……」
ご自分の手の甲を口に近付け、浅く呼吸しながら眉根を寄せた殿下は熱っぽい潤んだ目をこちらへ向けた。
「大丈、ぶ……大きいのは元気だということだから、続けて……」
「分かりました。ではやめて欲しかったら、すぐにおっしゃってくださいね」
「ぁぁ……」
本当に、大丈夫かしら……。
手は止めずに殿下の陰茎を撫で続ける。
だけど……
「先端から私の手を濡らすくらい透明な何かが出てきてますけど。ほら聞こえますか、この音」
私が手を動かすと、グジュッグジュッグジュッと濁った水音がする。
殿下が僅かに体を捩った。
「くッ……ぁ……ッ!」
「ほ、本当に大丈夫でしょうか?」
「続けて……くれ」
握っている杭は、とても熱くて。
その熱が、私にも伝わってきたのかもしれない。
身体の芯がカーッと熱くなる。
でも熱いのにどうして、こんなにゾクゾクするの……?
なんか私、変。絶対におかしい。
ぇ、ぅそ……?
じゅわり、と何かが股の間から漏れそうな感覚。
何かが、出そう。
いいえもしかしたらもう、出てるかも。
私……下着が濡れているような気がする!?
まさか、少しだけ漏らしちゃった、とか!?
どうしようどうしよう、こんな事、殿下に絶対に知られたくない。
そろそろ傷も消える頃だろうし。
治療を終えたら、すぐにお暇しないと。
「ぁぁ、エービス……もぅ……これ以上は、だめ、だ……イ、くッ…………ぇ?」
ダメだと言われたので、パッと手を放した。
まるでバネが入っているかのように、陰茎が勢いよく殿下のお腹へペチン、と当たる。
見たところひっかき傷は、もう無い。
「き、傷も治ったことですしこれ以上ならないくらい元気に大きくなられたようなのでもう大丈夫ですね。わ、私、祈りの時間になりましたので失礼致します」
殿下が言葉を発する前に立ち上がり、カーテシーをしてすぐに退室した。
【完?】
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【あとがき】
読んでくださりありがとうございました♪♪
このままここで完結でもオチとしてはアリかなと思うのですが、殿下の気持ちのように「ぇ、ここで終わり……?」な終わり方ですかね??
特にご要望が無ければ完結とさせていただきま~す♪
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