上 下
6 / 6

6

しおりを挟む
 ※ 女の子がお口で致すシーンがございます。苦手な方はご注意ください。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





「拓斗、どうされると気持ちよくなれそう? どうしてほしいか教えて?」


 獰猛なくらいギンギンになってしまった拓斗の男性器。
 扱いたりして気持ちよくなれば射精して、楽になるのは分かっているけど。
 初めてだから、力加減とか、どうしたらいいのかよく分からない。


「……口に、キスして……ほしい」


 キス? 意外。もっと強く握ってとか、もっと速く動かしてとか、そういう事を言われるのかと思った。
 アソコを扱きながらキスされると、男の人は気持ちいいのかな。

 手を動かしたまま拓斗の唇に自分の唇を重ねた。
 フワッと香るオレンジジュースの匂い。
 そっと触れるだけのキスをしてからゆっくりと唇を離すと、拓斗がとろんと蕩けたような目で私を見ていた。


「ぅわ……俺、初めてキスした」

「え!? 拓斗、キスしたの初めてだったの!?」

「ん……」


 初めてのキスの相手が私で、下半身をボロンと晒して、手をベルトで後ろ手に拘束されてる状況でって、何の罰ゲームよッ!

 今更ながら拓斗に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。


「なんか、いろいろ、ごめん……」

「なんで謝んの? 俺、嬉しいんだけど」


 え? 嬉しいの!?

 ベルトで手を拘束されて下半身晒して辱められて年上女に唇を奪われる状況が嬉しいって、拓斗って……もしかしてマゾ??

 う、うん……大丈夫。拓斗なら、どんな拓斗でも平気、受け入れられる。

 むしろ、拓斗が嬉しいなら何でもしてあげたくなっちゃう。

 どうして? 元彼にはそんな感情湧かなかったのに。

 好き、だから? 私、拓斗のこと、好き、なのかな。


「……ぁ……さ、ゆき……」


 切なそうな掠れた声で名前を呼ばれて、身体の芯がゾクゾクした。

 ん……?

 手に何か、垂れた?
 
 拓斗の大事な場所を握る手を見る。
 握った男性器の先端から透明な液体が零れ、私の手を濡らしていた。

 聞いたことある、初めて見たけど。
 これきっと、男の人が気持ちよくなり始めてる証拠、だよね。

 拓斗、気持ちよくなってくれてるのかな。
 嬉しい、なんか、嬉しい。
 もっと、気持ちよくなってほしい。


「拓斗……」

「ん……?」

「ここ、舐めても、いい?」


 握っていた男性器が、手の中でグンッと硬度を増した。


「ダメダメダメッ! そんな、こと、」

「男の人って、口でされると気持ちいいんでしょう? 初めてだから、上手くできるかわからないけど」

「は、じめて? さゆ……って、いやダメッ!! 汗かいてるし、汚いからッ!」

「別に汚くないよ、拓斗の汗の匂いなんて慣れてるし」


 部活の練習の後とか、よくそばにいたけど拓斗の匂いが嫌だなんて一度も思ったことない。

 マゾっ気のありそうな拓斗の『ダメ』は、『してほしい』ってことで、いいのかな?


 濡れそぼった拓斗のソコに唇を近付け、液を溢れさせている先端の穴をペロリと舐めた。


「ひゔッ」


 今までに聞いたことがない拓斗の声。
 見上げると、拓斗が上半身を反らして顔を天井に向け、身体を震わせていた。


「拓斗、どうしても嫌だったら、『ダメ』じゃなくて『やめて』って言ってね」


 私の声に反応してこちらを見た拓斗は、私と目が合うとバッと思いきり首を横に向けて目を瞑った。
 ぎゅっと目を瞑って耳まで真っ赤にして、ふるふると小さく震えながら、コクンと頷く。


「ん……ふ、ぁ……」


 根元を手で扱きながら口で咥えて舌をヌルヌルと這わせていると、拓斗の口から甘えるような吐息が何度も漏れる。

 拓斗の反応に私の身体の奥の方では何かがジュクジュクと疼き続けていた。


「さゆき……そろそろ、手だけ、ふ……にしたほ、がいい」

 拓斗の言葉に、陰茎から口を離す。

「どうして? 口だと気持ちよくない?」

「いい、けど」


 気持ちよさそうにしてるのに?
 それとも口だと刺激がまだ足りてない?

 先ほどよりももっと奥まで咥えて、唇と舌全体を使ってじゅぶじゅぶと音を立てて擦りながら舐めてみる。


「このまま、じゃッ、くち、ぃにッ、だし、ちゃうッ」


 いいよ、気持ちよくなってもらえるなら、口に出していいから。


「ダメ、くち、ぁ、離してッ、お願ッ!」


 拓斗、どうしても嫌なら『ダメ』じゃなくて『やめて』って言わないと。


「ダメッ、さ、ゆき……も、で、ちゃうッ、でちゃうからッ!!」


 何かを必死に堪えているような声。
 でも、『ダメ』だから手も口も動かし続けた方がいいのかな。

 拓斗の太腿が、痙攣するように揺れ始めた。


「も、ダメッ、がまッ、でき、なッ、ぁ、」


 手の中で拓斗の男性器がビクビクと激しく脈打っている。
 なんだか今にも暴れだしそうなくらい凶暴に感じられて、少し怖い。


「も、ぁ、ぁ、あ、さ、ゆッ、ごめッ」


 口の中で、拓斗の硬くなったモノがビクッビクッと震えた。


「さゆッんゔッ……ぁ……」


 ドクッドクッと勢いよく液体を口に注ぎ込まれてちょっと苦しい。

 口の中いっぱいになった拓斗の精液をコクリと飲み込んだ。
 決して美味しくはないけれど、拓斗のなら受け入れられる。
 最後に先端をチュッと吸ってから、唇を離した。

 その途端、頭上から降ってくる声。


「さゆき! 吐いて、出して、早くッ」

「もう、飲んじゃった」


 拓斗は大きく目を見開くと、私の身体に覆い被さるようにしてベッドに押し倒した。

 そして唇を重ね、舌を侵入させ私の口内を貪るように舐め尽くしていく。

 ふと、大学の時に女友達が『フェラすると途端に彼氏がキスしなくなる』と言っていたのを思い出した。

 拓斗は、直後にキスするの平気なのかな。

 唇を離した拓斗が、眉を寄せ心配そうな表情で私の顔を覗き込んでくる。


「大丈夫? 変な味、消えた? 気持ち悪く、なってない?」

「う、ん、大丈夫」


 私が頷くと、拓斗はホッと安心したように息を吐いて、私の隣にゴロンと横になった。


「イ、テテ! 挟んだ!」

「え? 何!? あ、ファスナーに挟んじゃったの? ちょっとみせて」


 もう、下半身をベロンと出したまま私のことを心配して動いたりするから。
 いつも自分のことを後回しにして……ホントに拓斗ってば、いつもいつも私のことを優先してばっかり。

 ジーンズのファスナーに絡んだ下の毛を解いて、私の涎と拓斗の精液でべとついた陰茎をティッシュで丁寧に拭いてあげた。
 手を拘束していたベルトも外す。手首、赤くなったりしてなくてよかった。


「ねえ拓斗、本当に何か欲しいものないの?」

「ない。今日いろいろもらったし」

「何もあげてないじゃない。……むしろ私が奪ったというか。ね、遠慮しないで欲しいもの言って」

「遠慮なんか、してないよ」

「それならさ、私の誕生日も近いから、拓斗も私に何かちょうだい。ハンカチとか、バレッタとか、そういうの」

「前にあげたハンカチもバレッタも、もうだいぶ長く使ってくれてるよね」


 大学卒業の時にもらったハンカチは端が少しだけほつれてしまったけれど、今でも使っている。
 今つけているバレッタは、入社式の時に使って、と拓斗がくれたもの。飾りが取れかかったけど自分で直してみた。
 貰った物って、捨てられなくて。
 自分で買った物だと、捨てられないって感情は湧かないのに。

 あ、でも、前の彼氏にもらった物は捨てたか。
 あの時は躊躇せず、ぜーんぶ、捨てた。
 だって浮気した人のくれた物とか、持っていてもつらいだけ。

 捨てられないものって、くれた人にもよるのかな?


「さゆきは物を大切にしてくれるから、プレゼントを渡す甲斐があるよ」


 そうでしょう、そうでしょう。もらった物を大切に長く使うのは大事なことよ。
 社会人になった私にプレゼントしてくれる人なんて、もう拓斗くらいだけど。


「お互いにプレゼントあげっこすれば、拓斗も気を遣わなくていいでしょ? 何がほしい?」


 拓斗の顔を覗き込む。
 イッた直後だからか、拓斗の目は少し潤んでいて。
 うっすらと頬を赤らめているのも、なんだか可愛くて。
 あー、もうッ、天使かッ!


「それなら俺……彼女がほしい」





「……え?」





「さゆきがしたくないなら、俺一生童貞のままでいいから。さゆきの事、大切にするから」





「……はい?」





「好きだ、ずっとずっと好きだった。さゆき、俺の、彼女になって」







 私で、いいんでしょうか。

 誕生日プレゼントに、新しい彼氏をもらった。
 
 大切に、大切にしようと思う。


 ――大好きだよ、拓斗。





 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 いったんこれで完結ですが、いつか拓斗視点やお付き合い後のらぶらぶシーンを書かせていただくかもしれません。
 その際はまた読んでいただけると嬉しいです。
 ここまでの閲覧ありがとうございました。


しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

ちゃんみんママ

良い子で待ってます🎵

弓はあと
2023.09.12 弓はあと

ちゃんみんママ様

コメント本当にありがとうございます!
読みたいという想いを届けてくださったちゃんみんママ様に、感謝の気持ちでいっぱいです♪
亀更新な作者で恐縮ですがこれからもどうぞよろしくお願いいたします♪♪

解除
ちゃんみんママ

弓はあと先生
このストーリー大♥️好♥️物なんです🎵
年下の男の子がスッゴく素敵でハイスペックなのに好きな人には可愛くて、そのギャップがたまりません😆
何度も読み返しては楽しんでいます。
そろそろその後のお話お待ちしております。
てか、早く読みたくて読みたくて先生お願い🙇

弓はあと
2023.09.11 弓はあと

ちゃんみんママ様

感想ありがとうございます!
こちら初期の作品なので何度も読み返していただけているとのお言葉がとても嬉しかったです♪
かなり励みになりました♪♪
今は他作品の改稿作業をしているため、続編がいつになるかお約束できなくて申し訳ございません……
他作品の方が落ち着いたらその後のお話をお届けできるように頑張ります☆彡

解除

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?

おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。 『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』 ※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。

【続】18禁の乙女ゲームから現実へ~常に義兄弟にエッチな事されてる私。

KUMA
恋愛
※続けて書こうと思ったのですが、ゲームと分けた方が面白いと思って続編です。※ 前回までの話 18禁の乙女エロゲームの悪役令嬢のローズマリアは知らないうち新しいルート義兄弟からの監禁調教ルートへ突入途中王子の監禁調教もあったが義兄弟の頭脳勝ちで…ローズマリアは快楽淫乱ENDにと思った。 だが事故に遭ってずっと眠っていて、それは転生ではなく夢世界だった。 ある意味良かったのか悪かったのか分からないが… 万李唖は本当の自分の体に、戻れたがローズマリアの淫乱な体の感覚が忘れられずにBLゲーム最中1人でエッチな事を… それが元で同居中の義兄弟からエッチな事をされついに…… 新婚旅行中の姉夫婦は後1週間も帰って来ない… おまけに学校は夏休みで…ほぼ毎日攻められ万李唖は現実でも義兄弟から……

男友達の家で寝ていたら、初めてをぐちゃぐちゃに奪われました。

抹茶
恋愛
現代設定 ノーマルな処女喪失SEX

イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?

すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。 病院で診てくれた医師は幼馴染みだった! 「こんなにかわいくなって・・・。」 10年ぶりに再会した私たち。 お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。 かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」 幼馴染『千秋』。 通称『ちーちゃん』。 きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。 千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」 自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。 ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」 かざねは悩む。 かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?) ※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。 想像の中だけでお楽しみください。 ※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。 すずなり。

俺でオナニーしていた幼馴染とセックス

恋愛
俺は、俺のの家にやって来た幼馴染の穂乃果が俺でオナニーしている現場を目撃した

【R18】イケメン御曹司の暗証番号は地味メガネな私の誕生日と一緒~こんな偶然ってあるんですね、と思っていたらなんだか溺愛されてるような?~

弓はあと
恋愛
職場の同期で隣の席の成瀬君は営業部のエースでメガネも似合う超イケメン。 隣の席という接点がなければ、仲良く話すこともなかった別世界の人。 だって私は、取引先の受付嬢に『地味メガネ』と陰で言われるような女だもの。 おまけに彼は大企業の社長の三男で御曹司。 そのうえ性格も良くて中身まで格好いいとか、ハイスぺ過ぎて困る。 ひょんなことから彼が使っている暗証番号を教えてもらう事に。 その番号は、私の誕生日と一緒だった。 こんな偶然ってあるんですね、と思っていたらなんだか溺愛されてるような?

【R18】お前じゃ勃たないって言われたので

やまだ
恋愛
幼なじみに色気がない、お前じゃ勃たないと言われた。 じゃあ勃ったら謝れよ!とアホな女の子が興奮させようとする話。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。