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創一郎のホワイトデー(お話の中では金曜日です)後編
しおりを挟む湯船に浸かって、花が来るのを待つ。
最近は忙しくて帰りが遅かったから、一緒に風呂に入るなんて久しぶりだ。
それだけじゃない、この前の土日は出張だったし、その前に花の生理もあったりして、もう2週間近く花の裸だって見ていない。
物音がしたのでバスルームの扉を見た。
花のシルエットが扉の向こうに見える。
それだけなのに、俺の欲棒が反応した。
ギンギンに上向いている自分のソレを見下ろす。
あー、泡風呂にすればよかったかも。そうすれば、俺の邪な状態を花の眼から隠せたのに。花の誘いに浮かれすぎて、泡風呂の準備をしようと考える心の余裕がなかった。
ガラ、と扉の開く音がする。
はやる気持ちを抑えて、ゆっくりとそちらに視線を向けた。
目に入ったのは、白と水色と紺色のチェックのビキニ姿の花。
前に、一緒に買った水着。さすがにセットのタンクトップとショートパンツは着ていなかったけれど。
もしかしたら、今日は初めてバスルームでするのかと思いコンドームをふたつ、浴室内にある棚の上の方に忍ばせてあったのに……。
そんな事を妄想していた自分が恥ずかしくなってきた。
花は、そのつもりは無かったのか……。
きっと、少しでも長く一緒にいる時間を作ろうとしてくれただけだったんだろうな。
よし、頭の中で、小さな方から順に素数でも思い浮かべて邪念を追い払おう。
ん……?
「花、何その荷物?」
小さなクーラーボックスと、タオルと……それに
ライラック色の……ん?……それ、花のバスローブの腰ひも、かな?
「スージーさんが、お風呂でゼリーを食べるのがお勧めだと言っていたので」
ゼリー? ああ、ホワイトデーに花が源太からもらったゼリーの事か。
そういえば、冷凍庫にクラッシュゼリーを入れてあると言っていたっけ。
足を洗った花は浴槽の縁に腰を掛け、足湯のように足だけを湯船に入れた。
「創一郎さん、隣に座ってもらってもいいですか?」
花にタオルを渡され、腰にタオルを捲いて花の隣に座る。
ライラック色の腰ひもと思われる物を手にして、花がにっこりと笑った。
「目隠し、しますね」
「え?え? なんで??」
「目隠しして食べると、味覚に集中できるから試してみて、とスージーさんからのアドバイスです」
源太のアドバイス……。
何を企んでいるんだ、源太?
やぁねぇ、何も企んでないわよ、と笑う源太の顔が頭に浮かんだ。
「目隠ししてもいいですか」
小首をかしげる花が可愛くて、思わず頷いてしまった。
そういえば、初めて一緒に風呂に入った日もこれで目隠しをされたな。
あの時目隠しされたのは、寝室のベッドでだったけど。
「あーん、って口を開けてください」
目隠しをされた状態で言われた通りに口を開けると、とろぉ、という感じで冷たいゼリーらしきものが口に少量いれられた。
あ、確かに味に集中できる。
桃ベースだけど、ほのかに柑橘の味。そして最後にほんの少しだけ洋酒の香りを感じた。
ゆっくりと、時間をかけて花に食べさせてもらう。
熱くなっていた身体が、冷たいゼリーを欲する。
足は湯船に入っているから、身体が冷え過ぎることもない。もっと食べたい。
食べたい……けど、花から次の『あーん』の指示がない。
終わり、かな?
少し物足りない気持ちでいたら、ギュッと抱きしめられた。
目隠しで見えないし水着越しとはいえ、花の身体の感触に少しおとなしくなっていたアレがムクリと起き上がったのが自分でもわかる。
タオルを捲いておいてよかった……。
そう思った、のに……ふわりとタオルを捲られた感じがして。
その次の瞬間、冷たくてプルプルしたものに大きくなった欲棒が包まれた。
「っ!?」
正確に言うと、包まれてはいない。ひんやりプルプルした感触は先の方だけ。
そして俺の腹と太腿を擽るのは、たぶん花の髪の毛。
「は、な………ぅ……!?」
ヌチュヌチュという音とともに、とんでもない快楽が身体を突き抜けた。
柔らかい感触が俺の欲棒を咥え込んだまま滑る。
それだけじゃない、滑って擦るたびにゼリーのようなプルプルした冷たいものが纏わりつくのが気持ちよすぎて。
声をあげそうになるのを必死で耐える。
「……っ……!」
花……
最高に、気持ちいい、けど。
ダメだ、このままだと花の口に出す。
目隠しを解いて、俺の股間に顔を寄せていた花を抱き上げ膝の上に乗せる。
唇を重ね、舌を挿し込み花の口内に残ったゼリーを舐め溶かした。
キスをしながら今日が金曜日だったことを思い出す。
源太が花に贈ったゼリー、モニターの商品だろ。
まったく、源太の奴は油断も隙も無い。
源太が選んだのはおそらく、食す目的がメインだけど身体に使っても差し支えないゼリー。
だからたくさん口に含んで男性に奉仕することができる。
唇を離したら、花が不安そうな顔で俺の目を覗き込んでいた。
「どうした、花?」
「創一郎さん、嫌でしたか?」
あー、もう、可愛すぎる。
「嫌じゃないから、困る」
花の背中と俺の胸がくっつくように膝の上に座らせて、花のうしろから腕をまわして水着の中に手を挿し入れる。
片方の手は柔らかな胸に、もう片方は、下へ。
お湯とは違う、ヌルリとした液体に指が触れた。
しかも、かなり濡れている。
ゾクリと身体が疼く。
「どうしてこんな風になってるのかな、花? 俺のを咥えていただけなのに」
クチュクチュと音を立てると、花がイヤイヤと身体を捩った。
「嫌ならやめる。どうしたい、花? 教えて?」
ゆっくりとこちらに顔を向けた花の瞳は潤んでいて。
虐めて、ごめん。でも、聞きたい。
「……やめ……ない、で……」
用意しておいたコンドームが無駄になることはなかった。
いや、むしろ足りない。
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