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あわてんぼうのサンタクロース(途中視点切り替えあります)

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『ただいまー』 


 ぅわッ、創一郎さんもう帰ってきちゃった!?

 慌ててすぐそばにあった布を頭から被り、ソファの陰に隠れる。

 ひゃぅぅ、この布、小さいッ、小さすぎるッ!

 ちょっとだけ顔を出して、ソファの座面に置いてあるブランケットの位置を確認する。

 手を伸ばして取ろう……とした瞬間、ローテーブルの上から振動音がしたので慌てて手を引っ込めた。

 あ……スマホが震えてる?

 ガチャ、と開くリビングのドア。

 あ、隠れなきゃッ

 こんな格好しているところ見られたら、恥ずかしいよぅ。
 
 ちょっとだけ試しで着てみただけなの。

 でもきっと、エプロン1枚だけで着ると創一郎さんが喜ぶなんて、スージーさんの冗談だったのだと思う。

 だって着てみたらすごく変だもの、創一郎さんに笑われちゃう。



 ――隠れていたのにすぐに見つかって、膝の上にのせられてしまった。


「お、おかえりなさい、創一郎さん」

「花、この格好、どうして……」


 そ、そうですよねっ、変に思いますよねっ。


「あの、あのあの、スージーさんからの手紙に、素肌に直接エプロン1枚だけで着ると創一郎さんが喜ぶからって、書いてあったので……」


 しばらく考え込むような表情をしていた創一郎さんは、私の身体にブランケットをかけて、はぁぁ、とため息をついた。

 呆れられちゃった!?

 もう、もう、恥ずかしくて、この場から逃げ出したいっ。


「創一郎さん、私、お風呂に入ってきますね」


 そう言ったら、なぜかブランケットにくるまれたままお姫様抱っこされて寝室へ連れて行かれ、ベッドの中央にそっと座らされた。

 脚に布団をかけられ、シャツを脱いだ創一郎さんにうしろから抱きしめられる。

 スル……と肩から外されたブランケット。


「花、寒くない?」

「は、い」


 創一郎さんの肌の温もりで寒くはないですが……、恥ずかしい、です。
 私が着ているのは、エプロン1枚だけ。


「ひゃッ!?」


 甘い刺激が走ったところに目を向けると、エプロンの胸のハート型が内側からボコボコと不規則に盛り上がるように形を変えた。


「花の胸、柔らかい」

「ひぅッ」


 耳元で聞こえた創一郎さんの声が、なんだか熱くて。
 熱が伝わってくるように、私の身体まで熱く火照る。


「ぁ、ぁ、ゃ……ッ」


 揉まれているところが直接見えているわけじゃないのに、エプロンで見えないからかえって手の動きを意識してしまう。


「花、こっち向いて」


 声のする方へ顔を向けると、創一郎さんの口で塞がれた唇。
 最初はチュ、チュ、と触れるだけのキスから、時々唇を舌でつつかれ侵入をねだられるようなキスへと変化していく。
 薄く口を開いて創一郎さんの舌を招き入れる。舌を絡められ、キュンと身体が疼いたのがわかった。


「んンッ!?」


 両手で胸を揉んでいた創一郎さんの手が、いつの間にか片方だけ下へとおりていっていて。
 クチュクチュと音を立てて、濡れているところを擦った。
 舌を絡められているから、刺激を声で逃すことができない。
 熱がどんどん溜まっていって、身体が燃えてしまいそう。

 胸の先端をきゅっと摘ままれ、身体がビクンと跳ねたところでようやく唇を解放され敏感なところから手も離された。
 はぅ、はぅ、と浅い息しかできない。

 フワッと私の肩にかけられたブランケット。

 あ、終わりなの、かな?

 ちょっと寂しいと思っている自分がいる。
 もう少し触ってほしかったなんて思うのは、はしたない?

 私の脚にかけている布団に創一郎さんが潜り込む。

 ……………………
 創一郎さん、このまま寝ちゃうの、かな?
 ずいぶんベッドの下の方ですよ、もう少し上で寝た方がよいのでは?
 そっか、私がずれた方がよさそうですね。

 移動しようと腰を少し上げたら、グッと腰に手をまわされ反対の手で脚をぐぃっと開かれた。

「ぇ……ぁ、ぁあッ!!」

 ぴら、とエプロンの裾を捲られた瞬間、ヌルリと与えられた快感。

 ふわりと落ちたエプロンの裾を被って隠れているけれどわかる、創一郎さんが私の陰核を舐めた。

 ジュっと敏感なところを吸われ、全身に電流が流れたような衝撃が走る。

 脚の付け根で、エプロンの裾が掛かった創一郎さんの頭が動くたびに、ぐちゅ、ちゅぶ、と卑猥な音が耳に届いた。


「だ、だめ、お風呂、入ってない、汚い、からぁ」

「平気、汚くない。むしろお風呂に入ってない方がいい」


 え、いい? うそぉ!?
 私は恥ずかしくてたまらない。
 それなのに、もっとしてほしくて、いやらしくて、ごめんなさい。

 快感を逃そうと身体を捩る。ハラリとエプロンの裾が創一郎さんの頭から落ちた。


「ぁ、ン、ぃゃッ……」

「花、腰が揺れてる。気持ちいい?」


 も、創一郎さんが、ほしい。
 前に知ってしまった、痛い後に与えられた甘い快楽。
 創一郎さんので、私のナカを満たしてほしい。


「創一郎さん……入れて、ください」


 創一郎さんが驚いたように顔を上げた拍子に目が合った。
 逡巡するように一瞬瞳を揺らす創一郎さん。


「いや、久しぶりだから、もう少し慣らして一度イッてからにしよう、花」


 え? もう音がすごいくらい濡れてるのに?
 これ以上、するんですか!?

 創一郎さんの顔が再び股の間に近づく。


「ぁんッ、ぁッ!」


 ぬる……とした感触が、身体のナカに、這入ってきた。
 これ、創一郎さんの、舌!?
 恥ずかしい液を零す穴の入り口付近を、擦るように動いたり、舌先がナカの敏感なところを撫でたり。


「ひぅ、ぅ、ぁ……ぁ、ぁ、ぁああッ」


 舌だけでも快感が凄いのに、創一郎さんたら、両手で、穴の上の蕾を広げて、指の腹で陰核を弄ばないで。
 耳を疑いたくなるような、淫らな水音と私の嬌声が寝室に響く。
 もう……、許して、創一郎さん。


「ゃ、も、シーツ……濡れちゃう、からぁッ」

「大丈夫、花が寝てる間に俺が換えとくから」


 それはそれで恥ずかしすぎて、大丈夫じゃ、ない。


 創一郎さんは舌で穴を、右手で陰核を虐めながら、ぐっしょりと濡れそぼった左手の指をお尻の方へ潜り込ませてうしろの穴のまわりまでくすぐりだした。
 三か所を同時に責められて、ヒュッと身体が浮くような錯覚に囚われる。


「ひ、ぁ、ぁぅ、あ……」


 とどめとばかりに右手で、くぷぅ、と陰核を広げられ、露わになった芯をじゅりゅッと吸い上げられた途端に目の奥で星が散った。
 それなのに追い打ちをかけるように、じゅぶぶぶと穴から侵入してくる創一郎さんの指。
 舌では届かなかった気持ちのいい所を何度も何度も擦る。

 お願い、もうこれ以上、ナカで、動かないで……。
 身体がビクビクと揺れるのを止めることができない。
 意識を失いそうになるのが怖くて創一郎さんの名前を何度も呼んだ。


「花、挿れるよ」


 コクコクと頷く。たくさんたくさん気持ちよくしてもらったのに、身体の奥の方は創一郎さんを求めていて切なくて。
 指でも届かないところを、創一郎さんので突いてほしい。

 ぐぐッと挿入口に感じる圧迫感。
 でも初めての時と違って、痛みよりも悦びの方が遥かに強い。
 二回目でこんなに気持ちいいなんて、私ってふしだらな女なのかな。


「エプロン越しじゃなくて、花と直接抱き合いたい」


 スルリとエプロンの紐を解かれ、創一郎さんに抱きしめられた。
 直接触れる肌は、すごく気持ちよくて。


「花、すごい、締めつけ……」


 自分でもアソコがヒクヒクしているのがわかって恥ずかしい。
 創一郎さんが動くと、触れ合う肌も擦れて、快楽の波にのまれてしまう。


 あ、また、も、ダメ……。


 つま先がピンと伸びたかと思ったら、ビクビクと痙攣したように震える。
 その直後、創一郎さんが私のナカでドクッドクッと脈打ったような気がした。







 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





 小さい頃、枕元に届けられたプレゼントを見つけた時の幸せな気持ちを思い出した。

 俺のすぐ隣に、心地よさそうに眠る花。

 我が家に来るサンタクロースは、やっぱりあわてんぼうのようだ。

 今日届いたけれど、明日も俺の枕元にはプレゼントが届けられる。あさっても、その次の日も、これから先、毎朝。

 あわてんぼうのサンタクロースに感謝して、可愛らしいプレゼントの頬に、そっと触れるだけのキスをした。

「メリークリスマス、花」




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