【R18】婚約破棄予定の御曹司に溺愛調教される無自覚ドSな同居生活でお試し中です

弓はあと

文字の大きさ
上 下
47 / 90

ディナーの時間

しおりを挟む
 ダイニングテーブルには、スージーさんが持ってきてくれたパエリアと生ハムのサラダ、ミートローフとオニオンリングが並んでいる。

「創一郎のためにワインは辛めのを買ってきたわよ。花ちゃんの好みも聞いておけばよかったわ。花ちゃんには甘めのカクテルにしちゃった。お口に合うといいんだけど」

 創一郎さんは辛めのお酒が好きなんだ……そういえば、お酒を飲んでいるところなんて見たことない。

「あと、食後に食べようと思って、生チョコ。このお店の美味しいの。創一郎、甘いもの好きでしょ」

 ほぉ、創一郎さん、甘いものが好きなんて意外……それも、知らなかった。
 知らない事、いっぱいあるなぁ……そうだよね、彼女でもなんでもないんだもん。

 三人で乾杯をして食べ始めようとした時、創一郎さんのスマホが鳴った。

「勇太か。今日は急にすまなかったな。……天王寺社長と藤堂院社長についてか……前に名刺をもらった時に何かメモしたかもしれない。確認する」

 話しながら創一郎さんは廊下に出て行く。

「スージーさんは創一郎さんのこと、好みとか、よく知ってるんですね」
「そうね、一緒に暮らしていたこともあるから、創一郎の知らなくてもいいことまで知ってるかもしれない」

 一緒に暮らしてた……。
 そっか、私の他にも、一緒に暮らしてたことのある女性、いるんだ。
 スージーさんの他にもいるのかな……その人はどんな人?

 いったい何人くらいの女性が、一糸纏わぬ姿で創一郎さんに抱きしめられたことがあるんだろう。
 創一郎さんのこと知りたい。知りたくないけど……知りたい。

「……スージーさんは……、創一郎さんと、お付き合いされているんですか?」
「やだ花ちゃん。私と創一郎はそんな関係じゃないわよ」

 でも……一緒に暮らしていたことがあるんですよね?
 今……は、恋人同士ではないということですか。

「創一郎さんって、今まで、どんな女性と……それに何人くらいの方とお付き合いされてたんでしょうか」
「花ちゃん、男と女の事って、知らなくてもいいこともあるから」

 そんなにたくさんの人と付き合ってきたの?
 つらい思いとか、スージーさんはしたことあるのかな。

「スージーさんは、私が創一郎さんと一緒に暮らしているの、イヤじゃないんですか?」
「ふふ、気にならないと言ったら嘘になるわね。だって好きな人が異性と暮らしてるんだもの」

 好きな人……スージーさん、今でも創一郎さんのことが好きなんだ。
 創一郎さんはどうなんだろう。
 スージーさん、素敵な人だもの。
 好きにならない男性なんて……いないと思う。

「先に食べててよかったのに」

 電話を終えた創一郎さんが戻ってきた。

 食事を食べながら、創一郎さんとスージーさんはワインを、私はカクテルを飲む。
 初めて飲むお酒。ドキドキしながら飲んだら、甘くて美味しかった。
 一口飲ませて、と言って口にした創一郎さんは「あっま」と一言。
 苺の味がする。その後ふわっと匂う、少し頭がとろん、とするような不思議な香り。

「花、飲みやすいけどアルコール度数は高いから飲み過ぎないように気を付けて。それとも冷蔵庫にジュースあるから、そっち飲むか?」

 もうッ、子ども扱いしないでください。私22才ですよ。

 食後はリビングに移動して、みんなでお酒を片手に生チョコをひとつずつ食べた。

「花、あぁもう、ココアがこぼれてるぞ。口にもついてるし」

 創一郎さんは、なぜか嬉しそうに親指で私の唇を拭う。
 
 くぅ、さっきから子ども扱いばっかりして。

「ふふ、花ちゃん可愛い」

 スージーさんが優雅に微笑みながら、私がローテーブルにこぼしたココアを拭いてくれる。

 拭いているその姿も優雅。
 大人の女性って雰囲気がする。

 スージーさんはテーブルを拭き終わると、持ってきていたモニターの商品の箱を開けた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話

水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。 相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。 義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。 陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。 しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

処理中です...