【R18】婚約破棄後に異世界召喚されたけど誰かの童貞奪わなきゃ帰れないの！？～誰にでもできる簡単なお仕事と言いますが処女の私にもできますか～

そして異世界へ

　共学だったのは小学校まで、それ以降ずっと女子校で男性との出会いが無かった私。
　出会いが無いから当然男性とお付き合いしたこともない。

　昨日は無事に婚約破棄できたけれど、このままだとまたお父様が勝手に婚約者を決めてしまうかもしれない。
　なんとかして自分で相手を探さなければ。

　運転手にいつもの場所で降ろしてもらう。
　大学の裏。車も、歩いている人も少ない道。
　特に学生は少ないと思う。歩いているのはだいたい大学の職員か教授陣ばかり。

　お父様は私が電車通学することを許してくれない。
　友人たちにお抱え運転手付きの車で通学している事を知られたくなくて、私はいつもここで車を降ろしてもらい裏門から大学に通っていた。


　いつものように裏門をくぐる。ひとつの決意を胸に。
　同じ学科の友人に頼んで、今度の金曜日に開催される『合コン』というものに行ってみようと。

　考え事をしながら歩いていたから足元の異変に気付くのが遅れた。
　ぶわぁぁあ、と下から尋常じゃない量の光の粒子が舞い上がってきて、初めて足元を見る。

　――何これ？　魔法陣！？

　愛理、と誰かに名前を呼ばれたような気がした。
　でも視界はキラキラと輝くばかりで、光しか見えない。

　空を見上げる。
　視界に入る青空がどんどん狭まっていく。
　今日は雲一つない晴天だったのに。
　煌めく光の粒子で空がすっかり覆われるのとほぼ同時に、私は意識を失った。