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 まるでゆう君を誘惑するかのように、ショーツを膝までおろしお尻を高く上げてベッドに胸をつけた格好。
 おまけに赤いネクタイで、後ろ手に縛られている。

 座薬を入れてもらうだけ、なのに……。

 心臓がドッドッドッドッドッ、とあり得ないくらいの速さで鼓動を打ち付け警鐘を鳴らしている気がする。

 どうしてだろう……。

「陽奈、きれいだよ」
「んッ」

 ゆう君、お尻のすぐそばで話すのは、やめていただきたい。
 息がかかって、くすぐったくて、落ち着かないしなんだかムズムズする。

 だけど、ゆう君にきれいだと言われるなんて……
 喜んで、いいの、かな。

「痔だって言ってたけど、お尻、傷も無さそうだしすごくきれい」
「んぅ……」
「本当に、きれいだ……」
「ぁぅ……ン……」

 ゆう君、そんなところで、ハァ……、と何度もため息をつかないで。
 お尻の穴に風が当たって、身体がゾクゾクしちゃうから。

 それにしても、ゆう君の言う『きれい』は、お尻の事でしたか……。
 ガックリと肩を落とす。いや、肩はベッドについてるからこれ以上落ちることはないけど。
 まあね、そんなオチですよね。傷が無いのは切れ痔もいぼ痔も軽症で、おまけにいぼ痔は内側だからだと思います。
 
 ん、でも、待てよ……
 お尻、きれい、って、
 ゆ、ゆう君!!??
 そんなにじっくり見ちゃ、ダメだよ!!??

 ちょっと抗議をしなくちゃと思って、身体を捩って私のお尻に半分隠れたゆう君の顔を睨みつける。

 睨みつけた……のに、私のお尻からヒョコッと顔を出したゆう君に、にこ、と微笑まれてしまった。

 ふぁ、可愛い、ゆう君の笑顔ッ
 ……って、違う違うッ、そうじゃなくて!

「痛みなく挿れるにはもう少し脚を開いた方がいいかな。脱がすよ、陽奈」
「え……?」

 脱がすとは、これ如何に??

 抵抗する間もなく、思いのほか逞しいゆう君の腕がお腹にまわされる。
 ゆう君は私の腰をヒョイとさらに高く持ち上げると、膝の所でもだついていたショートパンツとショーツをスルリと脚から抜き取ってしまった。

 タンクトップ1枚だけの姿になった私は、ゆう君の腕にお腹を支えられながらそぉっと戻され再びベッドの上で元のポーズ。

「陽奈、脚を広げて」

 いや、恥ずかしすぎて、それは無理!

 固まってしまったように動くことができない。

「俺が広げてあげた方がいい、かな?」

 ブンブンブンッと首を横に振る。

 恥ずかしすぎて、それはもっと無理!!

 ベッドについた両膝の距離を、自ら離していく。
 せめてもの抵抗とばかりに、ゆっくりと少しずつ。

 ぅぅ……、恥ずかしいよぅ……。

「そう、上手。偉いね、陽奈」
「ぁ……」

 ゆう君に褒められたら、なぜか脚の付け根あたりがジワリと熱くなったような気がした。





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