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第二王子ストルグの想い⑧
しおりを挟む爪を立てるなんて、リーベは不快に思ったのだろうか。
俺の、と言われたことに対して。
兄上に抱かれていると、思いたかっただろうに。
自分のしくじりが情けなくて、リーベのナカで俺の分身が僅かに萎えた。
腰を動かす気分になんてなれない。
俺が精を吐きださなくても、リーベの純潔を奪うという目的は達成しているし。
もうこれで、俺のは引き抜いて、リーベを解放してあげてもいいのかもしれない。
そう思ったけれども、未練がましくリーベのナカにとどまってしまう。
くっついて、抱きしめているだけで心が満たされるから。
もう、少しだけ……
壊れ物を扱うように、そっとリーベの身体を抱きしめる。
だけどそうしたのは、一呼吸する間だけ。
これ以上こうしていたら、戸惑わせてしまうだろう。
リーベから身体を、離そうと、して……、
……ッ……!?
舐め、た……?
気のせいだと思い込もうとした、のに。
再び俺の鎖骨の上を、リーベの小さな舌が這う。
リーベに挿したままの欲棒に、グンッと熱が滾った。
無意識に腰が動き始めてしまう。
また、ちろりと舐められた。
ぞくぞくッと身体が震える。
鞭を打たれた馬のように興奮してしまって。
腰の動きが加速して、リーベに何度も抜き挿しして激しく動くのを自分では止めることができない。
「……リーベ……ッ……」
最奥を突きながら、リーベの名前を何度も呼ぶ。
気持ち良すぎて、狂ってしまうかと思った。
自分の限界が近付いてきたのが本能で分かる。
浅く短い呼吸をしながら必死に堪えていると、リーベの身体が痙攣するようにビクビク震え始めて。
先ほど指で学んだ絶頂を迎えた時のリーベの収縮を、今度は繋がった下半身で感じた。
……ぁ……締めつけ……すご……
収縮を感じながら、腰を動かす。
よか、た……
リーベが、気持ちよく、なれて……
絶頂を迎えたリーベのナカが、今度は俺のを絞り出そうと咥えてくる。
ぅぁ……な、これ……リ、べ……
ぁ……、ぅ、……も、……
「スト、ル……さ……ま……ッ」
「……ッ……!」
リーベに名を呼ばれた瞬間、果ててしまった。
自分でも驚くくらいの量を、リーベのナカに吐き出して。
訓練で武具をつけたまま全力疾走した後のように、呼吸が乱れてしまう。
このまま突っ伏してしまいたかったが、リーベを押し潰すわけにはいかない。
繋がったままリーベを抱きしめ、寝返るようにクルリと身体を反転させる。
リーベの脚をなるべく隠すように、少しだけ身体を起こし手を伸ばしてスカートの裾を整えた。
俺の腕の中に抱かれて、目を閉じたリーベがくったりとしている。
――このままずっと、俺のそばにいてほしい
欲が、出てしまった。
婚約期間をできる限り延ばして、その間にリーベを自由にする方法を探そうと思っていたのに。
俺と結婚してほしいと伝えたら、リーベ、君を困らせてしまうだろうか。
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