【R18】王太子に婚約破棄された公爵令嬢は純潔を奪われる～何も知らない純真な乙女は元婚約者の前で淫らに啼かされた～

王太子アフェクトの想い③

　睦み合うふたりの前から心だけでも逃れたくて、これからの事に思いを巡らせる。

　しばらく息つく暇もないほど忙しくなるだろう。

　恐らくストルグは、婚約期間をズルズル引き延ばそうと画策するはずだ。
　リーベを自分のものにしようとは考えず、婚約期間中に療養やら理由をつけて彼女に自由を与えようと。
　ストルグは、小さな頃から自分の気持ちを押し殺して我慢するような男だったから。

　ダメだよストルグ、そんな事は許さない。
　私の分まで、ふたりには幸せになってもらわないと。

　私とリーベの元々予定していた結婚式は２か月後。
　その結婚式は予定通り行う。結婚するのは私とフィーネ王女だが。

　兄の私より先に結婚式はできないけれど、今回の件でリーベの妊娠の可能性がゼロではない事も考えるとふたりの結婚式は遅くとも３か月後あたりだろうか。
　婚約前にリーベの純潔が失われたことについては限られた者だけが知っていればいいから、お腹が大きくなってからの結婚式は行うことができない。
　
　結婚式の準備を進めながら、王家直属の情報屋にもひと仕事してもわらわないとな。
　私の結婚相手が変わることにより国民が享受できる利益と長年の悲恋が報われた第二王子の美談を取り混ぜて、民衆が喜んで受け入れられるような話にして広めなければ。

　フィーネ王女の国をはじめとする近隣諸国はこの急な結婚話に眉を顰めるかもしれないが、我が国との力関係を考えればどの国も黙認するしかないだろう。



　ふぅ、と小さくため息をついた。

　私はぼんやりとしか顔を思い出せないような、隣国の姫と結婚か。
　国外の王女を娶るなんて、リーベの時以上に政略絡みの結びつき。

　フィーネ王女も、私と同じように虚しい思いを抱えているのだろうか。
　婚約者が亡くなったと思ったら、すぐに隣国の王太子との婚約だなんて。

　私の勝手で巻き込んでしまい、フィーネ王女には可哀想なことをしてしまった。

　ほとんど知りもしない国に嫁いでくるのだから、不安もあるだろう。
　ふたりの間に愛の無い結婚ではあるけれど、せめて不自由のないようにしてやりたい。