10 / 10
【おまけの話最終話(ルゼド・ベルダー視点)】どちらがいいですか?
しおりを挟む「ベルダー先生にお願いしたい事があるんだ」
第二王子のグラン殿下から言われた。
六つ年下の殿下には昔、陛下から依頼されて勉強や剣術や魔法を教えていた事がある。
そのため今も、彼からは先生と呼ばれている。
「グラン殿下が私にお願い事なんて、珍しいですね」
「ベルダー先生がサクラ嬢を連れてきてくれて助かったよ。ヒメカにはまだ聞かれたくない話だから」
サクラはヒメカ王子妃に誘われて、王宮内にある庭園でお茶を飲んでいる。
今ごろはおそらくニホンの話題で盛り上がっているのだろう。
「聞かれたくないなんて、不穏な話ですか」
再び第二王子を後継に推す声が出始めていてもおかしくない。
眉をひそめたルゼドに対してグランが笑顔を見せる。
「違うよ、魔導具を作ってもらいたくてさ。房時で使うための」
「は、魔道具を……房時、で……?」
房時に魔導具なんて必要だろうか。
少なくとも自分は知らないし、自分が知らないという事はこの世界には無いはずだ。
そう確信できるくらい魔導具に関する知識については自負している。
「ヒメカの世界にはあったんだって。細かく振動して女性の性感帯を刺激する道具が。おそらくヒメカはそれを、過去にニホンで関係した男と使った事がある」
「そうですか……」
グランが説明した道具に、ルゼドはあまり興味がなかった。
「ほら、昔の男に負けるなんて癪でしょう? だから僕もそれを使ってヒメカの過去の記憶を上書きしたいんだ」
グラン殿下も大変だな、とルゼドは思った。
サクラの過去の男の事を考えたら、自分だったら嫉妬でおかしくなってしまうだろう。
結婚はしたけれど、まだサクラとは挿入行為をしていない。
処女で経験した事が無い、とサクラが言っていたから。
毎晩たっぷりと愛撫をしてサクラが「いれてほしい」と望むくらいに身体を慣らしてあげたいと思っている。
焦らなくても自分が彼女にとって初めての相手になるのだ。
だからどこか余裕をもってグランの話を聞いていられた。
「僕は魔導具を作るのに時間がかかってしまうから、ベルダー先生にお願いしたいと思ってさ」
確かに雨を降らせる魔導具と違って、簡単な仕組みでできそうだから自分ならすぐにできるだろう。
いつも通り仕事をしていても、三、四日もあれば出来上がるかもしれない。
ただ、できるからといってするかどうかは話が別だ。
「そんな個人的な理由で魔導具の開発なんてできませんよ」
「自慰に使う人も、けっこういたらしいよ」
「……自慰、に?」
ルゼドは思わず考えてしまう。
男性経験は無いサクラだが、自慰はシた事があるのでは?
もしかしたらその時に、その道具を使った事があるかもしれない。
負けず嫌いのルゼドは思った。
サクラの事は自分が一番気持ち良くさせたい、道具になんて負けたくない。
実際に使ってみて、どちらが良いかサクラに聞いて確かめなければ、と。
にこ、とグランがルゼドに微笑んだ。
「だからベルダー先生が実用化できる物を作れば経済効果も期待できると思うんだ」
「なるほど、作ってみるのもいいかもしれませんね」
そして、数日後の夜のこと。
寝室のベッドに裸で座るサクラの身体を、ルゼドはうしろから抱きしめていた。
「魔導具で振動させている左胸の先端と、私に触られている右胸、どちらが気持ちいいですか。教えてください、サクラ?」
右胸を優しく揉み、第二王子から頼まれた魔導具の試作品をサクラの左乳首へ当てながら、彼女の耳元で囁く。
「ゃ、わ、かんなッ、んンっ」
「胸だと分かりにくいですか? ではもう少し敏感なところで比べてみましょう、それなら分かるかもしれない」
ヴヴヴヴッと音を立てて振動する魔導具を、ルゼドはサクラの足の付け根にある小さな芽に押し当てた。
「ひァ、ぁあっ!?」
「魔導具と手で、交互に触れてみるのでどちらが良いか教えてください」
ルゼドは魔導具をいったん離すと、濡れそぼったサクラの陰核を人差し指と薬指を使い、くぱぁ、と広げた。
剥き出しになった敏感な芯の部分を中指で刺激する。
「ぁ、ャ、るぜッ、さま、ァアッ」
「教えてくれませんか、サクラ?」
「ゃッ、ムリっ、ぃぃッ、ぁ、んンっ」
「無理? 交互じゃなくて同時にシて比べないと分からないですか?」
再びルゼドが、振動する魔導具をサクラの陰核へ当てた。
魔導具でブルブル陰核を刺激しながら、ヌチュ……と自分の長い指をサクラの穴へと沈めていく。
そして内側から、魔導具を押し当てている陰核のあたりを擦って刺激した。
「ゃ、ゃ、るじぇしゃ、ァ、んンんッ」
「私の指が入っているナカと、魔導具があてられている外、気持ちいいのはどちらでしょうね?」
「ひんッ、いっ、しょ、だめッ、ン ァアッアっ」
「答えないと終わりませんよ……と言いたいところですがサクラが可愛すぎて……」
ルゼドが苦しそうにため息を吐く。
「挿れたくなってしまう……」
「ん、ぃぃ、れすよ……」
サクラの小さな声が聞こえて、ルゼドは目を見開いた。
「……挿れても、いいのでしょうか?」
ルゼドの呟きに、蕩けきった表情のサクラが、小さく頷く。
その直後、ルゼドはサクラに優しく口付け初めての挿入を試みた。
硬くて太い熱杭が、ズブッ、とサクラの穴の奥を突く。
「っ……凄い、サクラのナカが、気持ち良すぎます……ッ」
「……ぃ、ぃ……」
「痛いですか? 動かない方がいい?」
「るじぇ、しゃまの、きもち、ぃの」
「ッ……サクラっ……」
煽られてすぐに吐精してしまったルゼドだが、すぐにソコは硬さを取り戻した。
擦れてサクラの身体が痛みを覚えないよう、ルゼドはお互いの秘処をくっつけたまま腰を押しつけるようにして最奥をグリグリ刺激する。
甘い嬌声をあげ続けるサクラが愉悦の波に飲み込まれ、気を失うまで続けられたその行為。
雨を降らせて恋を成就させたルゼドだったが、この翌朝はサクラから「もう少し控えてください!」と小さな雷を落とされる事になる。
昨晩の痴態を思い出しているのか、頬を染め恥ずかしがりながら怒るサクラ。
そんな彼女の姿を見てルゼドは、可愛い……と再び抱きしめてしまうのだった。
【完】
521
お気に入りに追加
607
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(4件)
あなたにおすすめの小説
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました
ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪
奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」
「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」
AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。
そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。
でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ!
全員美味しくいただいちゃいまーす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
遅くなってしまいましたが……。投稿おめでとうございます……!
体調不良で通知欄を確認できていない間に、別の通知によって上書きされてしまっておりまして、本日ようやくこちらの世界に気が付きました。
最近も不調でしたが今日は少しだけいつもより調子がいいので、現在1話目を眺めさせていただいているのですが、あと3話ほどお邪魔させていただきますね……!
柚木ゆず様
こちらのお話も読んでくださり、本当にありがとうございます!
感想の返信が遅くなってしまい大変申し訳ありませんっっ
体調はその後いかがでしょうか?
暑い日が続いております、くれぐれもご自愛くださいませ☆彡
面白かったです。
ふくらまそうとすればいくらでも長くできそうなストーリーを、さらっとまとめてあって贅沢だと思いました。個人的にこのくらいの長さで楽しく読める作品は嬉しいです。
もう一人の聖女との仲とか、ルゼドを慕っているお姫様のことなんかも気になりますが、おまけで異世界に飛ばされたと思い込んでるヒロインが、意地悪もされずさくさくと幸せになれて、ヒーローに大切にされて、性的な場面はしつこくなくて、ストレスなく読むことができました。
他の作品も読んでみようと思います。
ぱんださん様
感想ありがとうございます!
他の作品も読んでみよう、と思っていただけたようで嬉しい♪♪
作者を幸せにするコメントをくださったぱんださん様に感謝の気持ちでいっぱいです♪
わぁあ!!これはさくらの方が実質素晴らしい功績を残したような🤣彼のみぞ知るというのが良いですね。話したところで本気だと思われないでしょうし☺幸せになれてよかったです☺💕
朝倉真琴様
再びの感想、本当にありがとうございます!
そうなんです、実は素晴らしい功績を残していました☆彡
朝倉真琴様にハッピーエンドをお届けできてよかったです♪♪