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【おまけの話最終話(ルゼド・ベルダー視点)】どちらがいいですか?

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「ベルダー先生にお願いしたい事があるんだ」

 第二王子のグラン殿下から言われた。

 六つ年下の殿下には昔、陛下から依頼されて勉強や剣術や魔法を教えていた事がある。
 そのため今も、彼からは先生と呼ばれている。

「グラン殿下が私にお願い事なんて、珍しいですね」

「ベルダー先生がサクラ嬢を連れてきてくれて助かったよ。ヒメカにはまだ聞かれたくない話だから」

 サクラはヒメカ王子妃に誘われて、王宮内にある庭園でお茶を飲んでいる。
 今ごろはおそらくニホンの話題で盛り上がっているのだろう。

「聞かれたくないなんて、不穏な話ですか」

 再び第二王子を後継に推す声が出始めていてもおかしくない。

 眉をひそめたルゼドに対してグランが笑顔を見せる。

「違うよ、魔導具を作ってもらいたくてさ。房時で使うための」

「は、魔道具を……房時、で……?」

 房時に魔導具なんて必要だろうか。
 少なくとも自分は知らないし、自分が知らないという事はこの世界には無いはずだ。
 そう確信できるくらい魔導具に関する知識については自負している。

「ヒメカの世界にはあったんだって。細かく振動して女性の性感帯を刺激する道具が。おそらくヒメカはそれを、過去にニホンで関係した男と使った事がある」

「そうですか……」

 グランが説明した道具に、ルゼドはあまり興味がなかった。

「ほら、昔の男に負けるなんて癪でしょう? だから僕もそれを使ってヒメカの過去の記憶を上書きしたいんだ」

 グラン殿下も大変だな、とルゼドは思った。
 サクラの過去の男の事を考えたら、自分だったら嫉妬でおかしくなってしまうだろう。

 結婚はしたけれど、まだサクラとは挿入行為をしていない。
 処女で経験した事が無い、とサクラが言っていたから。
 毎晩たっぷりと愛撫をしてサクラが「いれてほしい」と望むくらいに身体を慣らしてあげたいと思っている。
 焦らなくても自分が彼女にとって初めての相手になるのだ。
 だからどこか余裕をもってグランの話を聞いていられた。

「僕は魔導具を作るのに時間がかかってしまうから、ベルダー先生にお願いしたいと思ってさ」

 確かに雨を降らせる魔導具と違って、簡単な仕組みでできそうだから自分ならすぐにできるだろう。

 いつも通り仕事をしていても、三、四日もあれば出来上がるかもしれない。

 ただ、できるからといってするかどうかは話が別だ。

「そんな個人的な理由で魔導具の開発なんてできませんよ」

「自慰に使う人も、けっこういたらしいよ」

「……自慰、に?」

 ルゼドは思わず考えてしまう。

 男性経験は無いサクラだが、自慰はシた事があるのでは?
 もしかしたらその時に、その道具を使った事があるかもしれない。

 負けず嫌いのルゼドは思った。

 サクラの事は自分が一番気持ち良くさせたい、道具になんて負けたくない。
 実際に使ってみて、どちらが良いかサクラに聞いて確かめなければ、と。

 にこ、とグランがルゼドに微笑んだ。

「だからベルダー先生が実用化できる物を作れば経済効果も期待できると思うんだ」

「なるほど、作ってみるのもいいかもしれませんね」





 そして、数日後の夜のこと。

 寝室のベッドに裸で座るサクラの身体を、ルゼドはうしろから抱きしめていた。

「魔導具で振動させている左胸の先端と、私に触られている右胸、どちらが気持ちいいですか。教えてください、サクラ?」

 右胸を優しく揉み、第二王子から頼まれた魔導具の試作品をサクラの左乳首へ当てながら、彼女の耳元で囁く。 

「ゃ、わ、かんなッ、んンっ」

「胸だと分かりにくいですか? ではもう少し敏感なところで比べてみましょう、それなら分かるかもしれない」

 ヴヴヴヴッと音を立てて振動する魔導具を、ルゼドはサクラの足の付け根にある小さな芽に押し当てた。

「ひァ、ぁあっ!?」 

「魔導具と手で、交互に触れてみるのでどちらが良いか教えてください」

 ルゼドは魔導具をいったん離すと、濡れそぼったサクラの陰核を人差し指と薬指を使い、くぱぁ、と広げた。
 剥き出しになった敏感な芯の部分を中指で刺激する。

「ぁ、ャ、るぜッ、さま、ァアッ」

「教えてくれませんか、サクラ?」

「ゃッ、ムリっ、ぃぃッ、ぁ、んンっ」

「無理? 交互じゃなくて同時にシて比べないと分からないですか?」

 再びルゼドが、振動する魔導具をサクラの陰核へ当てた。
 魔導具でブルブル陰核を刺激しながら、ヌチュ……と自分の長い指をサクラの穴へと沈めていく。
 そして内側から、魔導具を押し当てている陰核のあたりを擦って刺激した。

「ゃ、ゃ、るじぇしゃ、ァ、んンんッ」

「私の指が入っているナカと、魔導具があてられている外、気持ちいいのはどちらでしょうね?」

「ひんッ、いっ、しょ、だめッ、ン ァアッアっ」

「答えないと終わりませんよ……と言いたいところですがサクラが可愛すぎて……」

 ルゼドが苦しそうにため息を吐く。

「挿れたくなってしまう……」
「ん、ぃぃ、れすよ……」

 サクラの小さな声が聞こえて、ルゼドは目を見開いた。

「……挿れても、いいのでしょうか?」

 ルゼドの呟きに、蕩けきった表情のサクラが、小さく頷く。
 その直後、ルゼドはサクラに優しく口付け初めての挿入を試みた。
 硬くて太い熱杭が、ズブッ、とサクラの穴の奥を突く。

「っ……凄い、サクラのナカが、気持ち良すぎます……ッ」

「……ぃ、ぃ……」

「痛いですか? 動かない方がいい?」

「るじぇ、しゃまの、きもち、ぃの」

「ッ……サクラっ……」

 煽られてすぐに吐精してしまったルゼドだが、すぐにソコは硬さを取り戻した。

 擦れてサクラの身体が痛みを覚えないよう、ルゼドはお互いの秘処をくっつけたまま腰を押しつけるようにして最奥をグリグリ刺激する。

 甘い嬌声をあげ続けるサクラが愉悦の波に飲み込まれ、気を失うまで続けられたその行為。
 
 雨を降らせて恋を成就させたルゼドだったが、この翌朝はサクラから「もう少し控えてください!」と小さな雷を落とされる事になる。

 昨晩の痴態を思い出しているのか、頬を染め恥ずかしがりながら怒るサクラ。
 
 そんな彼女の姿を見てルゼドは、可愛い……と再び抱きしめてしまうのだった。




 【完】





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感想 4

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みんなの感想(4件)

柚木ゆず
2024.06.09 柚木ゆず

遅くなってしまいましたが……。投稿おめでとうございます……!

体調不良で通知欄を確認できていない間に、別の通知によって上書きされてしまっておりまして、本日ようやくこちらの世界に気が付きました。
最近も不調でしたが今日は少しだけいつもより調子がいいので、現在1話目を眺めさせていただいているのですが、あと3話ほどお邪魔させていただきますね……!

弓はあと
2024.07.15 弓はあと

柚木ゆず様

こちらのお話も読んでくださり、本当にありがとうございます!
感想の返信が遅くなってしまい大変申し訳ありませんっっ
体調はその後いかがでしょうか?
暑い日が続いております、くれぐれもご自愛くださいませ☆彡

解除
ぱんださん
2024.05.31 ぱんださん

面白かったです。
ふくらまそうとすればいくらでも長くできそうなストーリーを、さらっとまとめてあって贅沢だと思いました。個人的にこのくらいの長さで楽しく読める作品は嬉しいです。
もう一人の聖女との仲とか、ルゼドを慕っているお姫様のことなんかも気になりますが、おまけで異世界に飛ばされたと思い込んでるヒロインが、意地悪もされずさくさくと幸せになれて、ヒーローに大切にされて、性的な場面はしつこくなくて、ストレスなく読むことができました。
他の作品も読んでみようと思います。

弓はあと
2024.06.01 弓はあと

ぱんださん様

感想ありがとうございます!
他の作品も読んでみよう、と思っていただけたようで嬉しい♪♪
作者を幸せにするコメントをくださったぱんださん様に感謝の気持ちでいっぱいです♪

解除
朝倉真琴
2024.05.29 朝倉真琴

わぁあ!!これはさくらの方が実質素晴らしい功績を残したような🤣彼のみぞ知るというのが良いですね。話したところで本気だと思われないでしょうし☺幸せになれてよかったです☺💕

弓はあと
2024.06.01 弓はあと

朝倉真琴様

再びの感想、本当にありがとうございます!
そうなんです、実は素晴らしい功績を残していました☆彡
朝倉真琴様にハッピーエンドをお届けできてよかったです♪♪

解除

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