3 / 42
3 たとえば昨夜のふたり 浴室にて
しおりを挟む少し遡って。
ピアがロゼルタの部屋に「大変ですっ!」と駆け込んだ日の前夜、ふたりはいつものようにこんなふうに過ごしていた。
――そう、いつものように。
◇ ◇ ◇
「……ん……ピア、もう……」
王女の寝室の奥に設けられた浴室に、切なげな掠れ声が響く。
ロゼルタは一糸まとわぬ姿で浴槽の縁に腰掛け、その脚の間には湯浴み着を身に着けたピアが屈みこんでいた。
「――そろそろですね」
片手で優しく触れていた〝宝玉〟の変化を感じ取ったピアは、〝王位継承者のしるし〟を擦り立てているもう片方の手の動きを速めた。
「……んんっ……!」
しるしの先端から勢いよく白濁液が噴き出し、薄布で作られたピアの湯浴み着の胸元を濡らしていく。
「は……ぁ」
ロゼルタが息を整えている間にピアは優しくしるしを洗い、清潔な布で拭いてにっこりと微笑んだ。
「今夜もお見事でいらっしゃいました」
「汚しちゃってごめん……」
「光栄です。〝白き賜〟を、この身に浴びたのですから」
誇らしげな笑みを向けられ、ロゼルタは複雑な表情になる。
「――ピアも脱いで」
「えっ……」
「湯浴み着に〝白き賜〟が付いちゃったし」
「で、でも……」
ピアがはにかむと、ロゼルタは諭すように言った。
「私たちしかいないんだから、何も恥ずかしがることはないのよ」
「そ、そうじゃなくて……」
もじもじとうつむくピアを見て、ロゼルタの目がきらりと光る。
「――濡れてるのね?」
図星を指され、ピアは顔を赤らめる。
「しるしを磨いていて、濡らしちゃったのね?」
ピアは情けなさそうに頷いた。
「申し訳ありません。なんだか最近こうなりやすくて……」
「気にしないで。しるしを磨く役目を担う者にはありがちなことだと聞くわ」
「ありがたいしるしに触れさせていただいているのですから、高揚してしまうのは仕方がないことなのかも知れませんが……でも……」
「そうよ。大丈夫だから、さあ」
「あっ」
ロゼルタはピアの脇に手を差し入れてひょいと立たせると、両手を上げさせて被り式の湯浴み着を引き抜いた。
「や、やだ……」
湿り気を帯びてはりついたようになってしまっている亜麻色の薄い茂みに、ロゼルタの視線が注がれる。
「ほんとだ。ぐっしょりね」
「言わないでください……」
恥じ入ったように睫毛を伏せたピアのふっくらとした胸の膨らみに、ロゼルタの手が伸びる。
「あっ」
「大きくなったわね」
初めて「ピアも一緒にお湯に浸かりましょうよ」と誘ったころとはずいぶん変わった。手に余るほどになったそれを柔らかく揉まれ、ピアの肌はますます染まる。
「素晴らしいわ」
「ロ……ロゼルタさまだって、もう少し時が経てば女王陛下のように豊かになられるんでしょう? 今はまだしるしのほうに栄養が注がれるべき時期なので、筋肉しかついていらっしゃいませんけど……」
以前に自分が説明したとおりのことをピアが口にすると、ロゼルタはどこか困ったように眉尻を下げた。
「ピア。大好きよ」
「身に余るお言葉です。もちろん、わたしも心からお慕いして……んっ」
膨らみの先端をつままれ、ピアは鼻にかかった吐息を漏らす。
「あっ……ロゼルタさま」
「いつも心を込めてしるしを磨いてくれるお礼をしないとね」
ピアの滑らかな素肌を見下ろしながら、王女は美麗に微笑んだ。
1
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
夜の声
神崎
恋愛
r15にしてありますが、濡れ場のシーンはわずかにあります。
読まなくても物語はわかるので、あるところはタイトルの数字を#で囲んでます。
小さな喫茶店でアルバイトをしている高校生の「桜」は、ある日、喫茶店の店主「葵」より、彼の友人である「柊」を紹介される。
柊の声は彼女が聴いている夜の声によく似ていた。
そこから彼女は柊に急速に惹かれていく。しかし彼は彼女に決して語らない事があった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる