召喚された勇者候補気ままにスローライフを満喫する

メイル

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第1章 森の中でのスローライフ

第2話 飛ばされた先の森にて

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「うわーーー!!」

俺が王宮に飛ばされたときと同じ感じで一瞬にして別の場所に移動した。今度は木々が生い茂る森。

「もう本当に散々だ」

つい30分ぐらい前は電車の中だったのに、この短時間でもう文明を全く感じない森の中に1人で放置された。投げつけられたカバンの中身を見てみるか。

「しかし、このカバンやけに軽く...あれ?なんかおかしくないかこれ?」

カバンに手を突っ込むと明らかにカバンの大きさを越している場所にも空間があった。中身をのぞいてみると何もなかった。正確に言うとカバンの底も見えなく、手を突っ込むと手も消えてしまう。

「これは何か考えながら手を戻すと取れるのか?いや、もうめんどくさい!全部出ろ!!」

まどろっこしくなりカバンを逆さにして何か出ろと念じてみながら出してみる。すると、いろいろと出てきた。

「...食料に水、タオルが入ってるのか」

中身を詳しく調べると、パンが数個に水が目測で4リットルぐらい、それにタオルがなぜか入ってた。本当に最低限の物しかない。

「もっても2日が限界か」

おそらくこのカバンは兵士や勇者候補に渡すためのもだったのだろう。街中で過ごすと思う勇者であれば1日分の食糧でも問題ないからな。

「とにかく今は現状の中で最善策を考えて行動するだけか」

なるべく移動時間は削っておきたい。闇雲に動き回って、食料の消費を加速させては元も子もない。もちろん探索してなにかは見つけたいが、体力や精神を削るまではしないでおこう。

「あとはどこか休憩できそうな場所でもあればいいんだが」

理想としては狭く小さく、入り口が1つしかないそんな洞窟があればいいのだが。異世界、そしてさっきのレイルの話から確実にモンスターはいる。寝込みを襲われたらかなわない。

「ほかには、なにか食べられそうなものがあればいいけど、果物とか食べれるか?」

これだけ木がたくさん生えてるし何個かは見つかるだろうけど、食べられるかはもうこの際考えないことにしよう。もうどのみち食糧確保の手段はこれぐらいしかないんだからな。

「ほかにやることは、俺のこの世界での能力に関して考えないとな」

さっき王宮で見た俺の能力はモンスターテイマー、つまりモンスターとともに生活して一緒に戦う能力だったよな。俺が危惧しているモンスターとの遭遇だが、逆にこの能力を使うことができればよりここでの生活は快適になる。

「でもここらへんでどんなモンスターがいいかな」

もし熊とかだったらそもそも食べられちゃうし、仮に成功してもなにかと不便な気がするな。もちろん強いに越したことはないが今俺のニーズにあうのはあんまり大きくない小さめのモンスターがいいな。

「ま、動かないことには始まらないか」
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