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できることとできないこと

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読者の皆様へ

この小説、カテゴリーをホラーにして初めていたのですが、最初はファンタジー要素が強く、いつのまにかファンタジーにカテゴリが切り替えられておりました。ここから、実は、ホラー要素が入る吸血鬼との出会いを描くつもりだったのですが、またカテゴリ違いになっては困るので、その部分は書き換えて「妖の森~終わらないかくれんぼ~そして誰も・・・・」で書かせていただいております。あれがイベントでそのイベントを乗り切れば、恐怖耐性がつき、そこで、出会った真祖と旅をするという流れだったのですが、少し、方針変換が必要となりますので、進行が少し遅くなりますが、続けますので、よろしくお願いいたします。どういうイベントだったかご興味がある方は、妖の森~終わらないかくれんぼ~そして誰も・・・・」をのぞいてみてください。結構ホラー要素満載で、カテゴリがおかしいとは思っていなかったので、残念です。

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3歳になった。健康(小)のスキルのおかげもあってか、なんとかまた1年生き延びた。中世のようなこの世界では、赤子の命なんて本当にシャボン玉のように消えやすいものだ。生き延びられたことに感謝だ。

そして、いよいよ3歳になって、恐怖耐性を身につけることにした。スキルコレクトオンラインの連中は、ここは課金をさせたかったと思うが、抜け道をトップランカーたちが発見してしまっていた。とはいえ、なかなか難しい条件なので、やっぱりサクっと課金する人間は多かったのだが・・・・・。

レイは森に来ていた。帰らずの森と呼ばれる森は、鬱蒼と茂っており、ここに出る緋色ネズミのレアドロップの緋色の尻尾を煎じて飲むと恐怖耐性が身につくのだ。普通は、緋色のヒゲしかドロップしないのだが、なぜか、設定を間違ったのか、尻尾もごくごく稀にドロップするのだ。そして、多分プログラマーが完全に間違って、この尻尾の部分のデータを作成する時に、ゴーストの何かからコピーしてペーストしたらしく、この尻尾を飲むことで、判定がゴーストを倒したのと同じになるのだ。普通は気がつかないが、なんでもやってみるというトップランカーのおかげで、この裏技が見つかったのだが、まあ、普通の人間は、課金ですませるだろう。

そして、レイは、毎日2時間ずつ、緋色ネズミの討伐を続けた。最初は、時間がかかったが、慣れると2時間で4匹は倒せるようになった。また、ヒゲのドロップも結構高く売れる。スキルにはならないが、このヒゲで作ったブラシで頭皮を刺激すると、薄毛やハゲが解消されるということで、非常に高値で取引されているのだ。

お金には困っていないが、将来どんなことがあるかわからないので、ヒゲを売ってお金を貯めることにしたのだ。最初に売りに行った時は驚かれたが、領主の子供だということがわかると納得してもらえた。また、店のおっちゃんもホクホク顔であった。高く売れるとはいえ、冒険者はネズミを相手にするぐらいなら、猪でも狩った方がずっとおかねになるため、すばしこくて、時間のかかるネズミを狙うハンターは、少ないからだ。

おかげで、色をつけてもらって金貨2枚溜まったころ、ついに尻尾がドロップした。おっちゃんには悪いが、これで、ネズミの狩りはおしまいだとレイもちょっとゲンナりしながら思った。

そして、丁寧に処理して、飲むと、ピロリンと音がして、恐怖耐性(小)が手に入ったのだった。あとは、ゴーストなんかを倒して得たドロップでスキルレベルを上げるだけだ。

それにしても長かったと、レイはげんなりするのであった。ゲームだと、疲れが数値としては出るが、実際の疲れに直結しないのに、この疲れは本物なので、うんざりである。

とにもかくにも、いよいよ本格的な狩りがスタートするのだ。

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