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109話 危険を理解した上で、ダンジョンの海を楽しもう!配信4
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“ん?”
“何かあるような?”
“お、見えてきた”
“もう少しで頭の上の部分が見えるかな”
“あ、後ろの方、見えてるぞ”
晴翔が俺達を映しながら、タブレットでコメントを見せてくれる。その後すぐだった。俺の周りに、少し白っぽいツルツル、プルプルしている物が現れて、数秒後には完璧に俺の事を囲んだ。ついでに言えば、俺の腕には、もうすでにあれが絡まっている。
「協会に水中カメラを借りているので、今から海の中を映す物を配信しますね。少々お待ちください。それと海の中を写している時は、コメントを読めないので、海の中が終わったら、すぐに読み返しますね」
俺がそう言うと、すぐに晴翔がタブレットを置いて、カメラの切り替えをする。そうしてそれが終われば、いつも使っているカメラはその場に置き。協会に借りた水中カメラを、そっとそっと海の中へ入れた。
「どうだ? 映ってるか?」
配信の様子はタブレットで確認ができるからな。晴翔に確認してもらう。
「おう。バッチリ映ってるぞ。バッチリっていうか、今の状態でカメラを動かさなくても十分なくらいだな」
「どういう事だ?」
「いや、いつもより多いいんだよ。だから動かさなくても、向こうから勝手にアップで映り込んでくる。ウエットスーツ着てて良かったな。これは刺されたら、いつもより面倒なことになっていたかもしれない」
「そんなにか!?」
「ああ、映すのが終わったらすぐに見せる」
その後数分程度海の中を配信した俺。それから水中カメラを引き上げて、普通のカメラに切り替えをしている間に、俺は映した映像を見てみた。すると晴翔の言った通り、いつもの倍くらいの数の、プルプル達が映っていた。
「これは……。こんなにいるなんて珍しいな」
「たまたま多いだけか。それとも何かがあるのか、あったのか」
「まぁ、威嚇はしてないし、いつも通りのフレンドリーな感じだから、大丈夫だと思うけど」
「よし、配信再開するぞ」
「みなさんお待たせしました。海の中はいかがでしたか。あの俺の周りに集まっていた、プルプルしているクラゲのような魔獣がプルプルです」
“可愛い!!”
“思っていた以上に可愛かった!”
“数が多い”
“可愛いけど。いつもあんなに数が多いんですか?”
“おれ、こんなに沢山見たのはじめてだ”
そのコメントを見ながら、少し前のコメントも確認する。すると大体が今と同じようなコメントだった。最初はみんな可愛い!! これは人気あるわけだ。癒される!! でもちょっと多すぎない? 確かに多い。さすがにこれだけ多いとなぁ。という感じだ。
「可愛いでしょう。この子達がプルプルなんですよ。ただ、他の視聴者さんの言う通り、確かに今日はプルプルの数が多いですね。いつもの倍くらいでしょうか。俺と晴翔がこれだけのプルプルを見るのは、3回目だったかな? だよな?」
「ああ」
「どうしてこれだけ集まっているのか、理由は色々考えられるのですが。ただ、プルプルは強敵に出会い威嚇する時は、発光して姿を少し変えるので、原因は魔獣やプレイヤーではないと思います」
“姿を変える?”
“変わるの?”
“あ、そうそう”
“確かに変わるわ”
“何、変身でもするの?”
「あ、これはまだ説明していませんでしたね。今はツルツル、プルプル、丸っこく、つぶらな瞳で、とても可愛いですが。敵を威嚇する時は、赤く点滅するように発光して、まん丸がトゲトゲの丸になり、腕や触手もトゲトゲになるんです」
“トゲトゲ!?”
“こんなに可愛いのに!?”
“でも、何かあった時には防衛するために必要な事だもんな”
“プルプルって強いの?”
“弱そうに見えるけど”
「はっきり言って、数匹では弱いですね。ですが大勢が集まると、そうとも言えなくなります。大勢で一気に、毒のレベルを上げて攻撃をするんですよ。しっかりと絡まって。そうすると相手が大型魔獣でも、けっこうやられますね」
“みんなで力を合わせてか”
“ヒリヒリ毒で、少しは安心と思ってたのに”
“まさかの猛毒を出すっていうな”
“みんなでかかれば最強プルプル”
“俺、プルプルを怒らせないようにしようっと”
「そうですね。その方が良いと思います。仲良く、ヒリヒリにさえ気をつけていれば、本当に良い関係を作れるので。と、いう事で、今はそんな様子は見られないので。プルプル達が魔獣に襲われたとか、何かかがあって逃げて集まってきたとか、といわけではないと思います」
“なら良いですね”
“初めては可愛い姿だけを記憶したい”
“赤ちゃんはもっと可愛いよ”
“赤ちゃん!!”
“小さいからなかなか見つけられないけど”
「それでは、プルプルに気をつけながら、クーちゃんの泳ぎの練習をしますね。後は、向こうを見てもらうと良いかと。晴翔」
「おう」
晴翔がブーちゃんを映す。
“www”
“草”
“めっちゃくつろいどるwww”
“あれ、自分で用意したの?www”
“可愛いぃぃぃ!!”
“時々餌やりしてるしwww”
“プルプルだけじゃなくて、可愛い魚集まってるwww”
それは自分で持ってきたリュックの中から、咥えるだけで水が出てくるボトルと。ちょっと重みのあるお皿にクッキーを入れ、骨つき肉型ビート板の上に置き、仰向けで寝ているブーちゃんの姿だった。
そして時々、魚を集めるために買ってきた魚の餌で、寝たまま魚に餌やりまでしている。
『ぬおぉぉぉぉぉぉ!!』
うん、これがやりたかったんだもんな。ブーちゃんが楽しそうで良かったよ。
“何かあるような?”
“お、見えてきた”
“もう少しで頭の上の部分が見えるかな”
“あ、後ろの方、見えてるぞ”
晴翔が俺達を映しながら、タブレットでコメントを見せてくれる。その後すぐだった。俺の周りに、少し白っぽいツルツル、プルプルしている物が現れて、数秒後には完璧に俺の事を囲んだ。ついでに言えば、俺の腕には、もうすでにあれが絡まっている。
「協会に水中カメラを借りているので、今から海の中を映す物を配信しますね。少々お待ちください。それと海の中を写している時は、コメントを読めないので、海の中が終わったら、すぐに読み返しますね」
俺がそう言うと、すぐに晴翔がタブレットを置いて、カメラの切り替えをする。そうしてそれが終われば、いつも使っているカメラはその場に置き。協会に借りた水中カメラを、そっとそっと海の中へ入れた。
「どうだ? 映ってるか?」
配信の様子はタブレットで確認ができるからな。晴翔に確認してもらう。
「おう。バッチリ映ってるぞ。バッチリっていうか、今の状態でカメラを動かさなくても十分なくらいだな」
「どういう事だ?」
「いや、いつもより多いいんだよ。だから動かさなくても、向こうから勝手にアップで映り込んでくる。ウエットスーツ着てて良かったな。これは刺されたら、いつもより面倒なことになっていたかもしれない」
「そんなにか!?」
「ああ、映すのが終わったらすぐに見せる」
その後数分程度海の中を配信した俺。それから水中カメラを引き上げて、普通のカメラに切り替えをしている間に、俺は映した映像を見てみた。すると晴翔の言った通り、いつもの倍くらいの数の、プルプル達が映っていた。
「これは……。こんなにいるなんて珍しいな」
「たまたま多いだけか。それとも何かがあるのか、あったのか」
「まぁ、威嚇はしてないし、いつも通りのフレンドリーな感じだから、大丈夫だと思うけど」
「よし、配信再開するぞ」
「みなさんお待たせしました。海の中はいかがでしたか。あの俺の周りに集まっていた、プルプルしているクラゲのような魔獣がプルプルです」
“可愛い!!”
“思っていた以上に可愛かった!”
“数が多い”
“可愛いけど。いつもあんなに数が多いんですか?”
“おれ、こんなに沢山見たのはじめてだ”
そのコメントを見ながら、少し前のコメントも確認する。すると大体が今と同じようなコメントだった。最初はみんな可愛い!! これは人気あるわけだ。癒される!! でもちょっと多すぎない? 確かに多い。さすがにこれだけ多いとなぁ。という感じだ。
「可愛いでしょう。この子達がプルプルなんですよ。ただ、他の視聴者さんの言う通り、確かに今日はプルプルの数が多いですね。いつもの倍くらいでしょうか。俺と晴翔がこれだけのプルプルを見るのは、3回目だったかな? だよな?」
「ああ」
「どうしてこれだけ集まっているのか、理由は色々考えられるのですが。ただ、プルプルは強敵に出会い威嚇する時は、発光して姿を少し変えるので、原因は魔獣やプレイヤーではないと思います」
“姿を変える?”
“変わるの?”
“あ、そうそう”
“確かに変わるわ”
“何、変身でもするの?”
「あ、これはまだ説明していませんでしたね。今はツルツル、プルプル、丸っこく、つぶらな瞳で、とても可愛いですが。敵を威嚇する時は、赤く点滅するように発光して、まん丸がトゲトゲの丸になり、腕や触手もトゲトゲになるんです」
“トゲトゲ!?”
“こんなに可愛いのに!?”
“でも、何かあった時には防衛するために必要な事だもんな”
“プルプルって強いの?”
“弱そうに見えるけど”
「はっきり言って、数匹では弱いですね。ですが大勢が集まると、そうとも言えなくなります。大勢で一気に、毒のレベルを上げて攻撃をするんですよ。しっかりと絡まって。そうすると相手が大型魔獣でも、けっこうやられますね」
“みんなで力を合わせてか”
“ヒリヒリ毒で、少しは安心と思ってたのに”
“まさかの猛毒を出すっていうな”
“みんなでかかれば最強プルプル”
“俺、プルプルを怒らせないようにしようっと”
「そうですね。その方が良いと思います。仲良く、ヒリヒリにさえ気をつけていれば、本当に良い関係を作れるので。と、いう事で、今はそんな様子は見られないので。プルプル達が魔獣に襲われたとか、何かかがあって逃げて集まってきたとか、といわけではないと思います」
“なら良いですね”
“初めては可愛い姿だけを記憶したい”
“赤ちゃんはもっと可愛いよ”
“赤ちゃん!!”
“小さいからなかなか見つけられないけど”
「それでは、プルプルに気をつけながら、クーちゃんの泳ぎの練習をしますね。後は、向こうを見てもらうと良いかと。晴翔」
「おう」
晴翔がブーちゃんを映す。
“www”
“草”
“めっちゃくつろいどるwww”
“あれ、自分で用意したの?www”
“可愛いぃぃぃ!!”
“時々餌やりしてるしwww”
“プルプルだけじゃなくて、可愛い魚集まってるwww”
それは自分で持ってきたリュックの中から、咥えるだけで水が出てくるボトルと。ちょっと重みのあるお皿にクッキーを入れ、骨つき肉型ビート板の上に置き、仰向けで寝ているブーちゃんの姿だった。
そして時々、魚を集めるために買ってきた魚の餌で、寝たまま魚に餌やりまでしている。
『ぬおぉぉぉぉぉぉ!!』
うん、これがやりたかったんだもんな。ブーちゃんが楽しそうで良かったよ。
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