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91話 家電量販店へ行きましょう
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「え? カメラを見に行きたいって? それに他の機材も?」
『きゅう!!』
『ぷぷぷ~!!』
『ぬにょ!!』
『なにみにいくのぉ? なんでカメラ? ぼくは、なにかおいしいものたべにいきたい!!』
『きゅい!!』
『ぷぷぷ!!』
『にゅにょおぉぉぉ!!』
『そか!! じゃあ、たいせつなことおわったら、おいしいもね!!』
おい、勝手に話しを進めるなよ。俺はまだ行くとは言ってないぞ。まぁ、今度連れていってやろうとは思っていたけど。何でまた急に行きたいなんて言い出したんだよ。それに今日は、今度の配信の話しを、晴翔とするつもりなんだから。
朝起きて、朝食を食べている時だった。わざわざ自分達のカバンをしっかりと用意して、俺の所へ来たラビ達。何かと思ったら、カメラや周辺機器を見に行きたいと言ってきたんだ。
この前のことで、改めてラビ達が、カメラに興味津々なのが確認できたから。そのうち家電量販店に連れていってやろうとは思ってたけど。何で今日、急に行きたいだなんて言ってきたのか。
ちなみにさっきの会話は。そう!! カメラ!! しっかり確認!! と言った後に。美味しい物はあと!! 大切なことが先!! 今の状況を確認しなければ!! ってさ。
「見に行きたいのは分かったけど、でも今日はダメだぞ? 晴翔と今度の、配信の相談をするからな。5回分は決まってるけど、その後の予定をそろそろ決めておかないと」
と俺が言えば、まぁ凄い顔で俺を見てきたよ。漫画に出てきそうな、口を少しだけ開けてへの字に形にして。目を細めて眉間をよせてさ。お前達、そんな顔もできたのかよ。
「そんな顔をしたって、予定っていうものがあるんだよ。別にカメラも周辺機器も、魔獣みたいに逃げたりしないから、今度別の日に行こう。な?」
『『『『……、……』』』』
いやいや、無言で漫画顔で訴えられてもな。
「何だ? どうした? ……って、何だその顔は!? どうしたんだ?」
今日は休みだからと、ゆっくり起きてきた父さんが、ラビ達の顔を見て驚いた。まぁ、そりゃあ、そうだろう。全員で同じ顔をして、文句を言ってるんだから。
「いやぁ、それがさ……」
俺は今の状況を説明する。すると、父さんが俺のせいか!! と言ってきた。何だ? 今度は父さん、どんな余計な事をしたんだよ!?
この前のパーティーの格好でのダンジョン探索だって、まだ解決してないんだぞ? ラビ達は行く気満々……って、今はそうじゃないくて。今度は何をしたんだ!?
「いやぁ、昨日俺がテレビ見てたら、みんなが寄ってきてな。そうしたら前の番組が終わって、別のバラエティーが始まったんだけど。それが家電特集だったんだよ。で、最初は家庭家電についてやってたんだけど……」
家庭家電に関する時は、普通に一緒にテレビを見ていたらしい。が、途中から配信に関する特集が始まって。今配信者達の中で1番使われているカメラや機材を、ランキング方式で。しかもどんな感じで使っているかの、再現VTRまで付けて流したらしい。
その放送に、カメラに興味があるラビ達が、気づかないはずもなく。最初はソファーに座って見ていたのに、途中からは父さんが何回も引っ張るほど、テレビの前まで移動して、食い入るように、放送を最後まで見たらしい。
「いやぁ、お前に、ラビ達がカメラに興味を持っているって聞いてたからさ。本当にカメラ関係が好きなんだなって程度で、そのまま見せてやったんだよ。まさか、行動に移すなんて思わなかったんだ」
「いや、それはしょうがないよ。別に教育に悪い物を見てたんじゃないし。ただ、そうか。まさか家電特集をやってたなんて。これは連れて行かないとダメなやつかもな」
「でもお前、今日晴翔君と、配信の話しするんだろう? そうだ、お前の代わりに俺がラビ達を連れていってやろうか?」
と、その時、父さんが何て言っているのか、聞いてきたラビ達。父さんの話しを伝えると、さっきからのぶうたれ顔とは大違いの。目をキラキラさせた、ニコニコ顔のラビ達に、一瞬にして変わった。
「はぁ、良いよ。とりあえず晴翔と話してみる。たぶん父さんじゃラビ達に何かあった時、対処できないと思うから」
「何だ、俺は高ランクプレイヤーだぞ。ラビ達の対処くらい……」
俺は携帯端末で父さんに、配信の時のラビ達の様子を見せる。するとすぐに納得した父さんは、
「悪いな、これは父さんじゃ無理みたいだ」
と言いながら、そそくさと部屋から出て行こうとし。それに気づいたラビ達が、一斉に父さんに飛びかかろうとして。そこにたまたま部屋に入ってきた、お茶を持っている母さんにぶつかりそうになり。その場で叱られる父さんとラビ達。
結局怒られている最中に晴翔が来たから、怒られている間に別の部屋でラビ達の話しをしたよ。
「はははっ、それで朝から怒られてるのか」
「で、なんだけどさ。明日、晴翔が用事がなければ、配信の話しは明日にして、今日はラビ達を、家電量販店に連れて行ってやろうと思うんだけど。怒られててもカバンを離さずに、抱えてこんでるんだよ」
「くくくっ、そうか。俺はかまわないぞ。そんなに行きたいって、仕草でも訴えてきてるんじゃな。よし! じゃあ今日は電気屋に行こう。俺もちょうど見たかった物があるんだよ。ついでにラビ達に選ばせてやっても良いし」
「悪いな」
こうしてその後30分ほど怒られていたラビ達は。お説教から解放された後、しょんぼりしていたが。俺が家電量販店に行くぞと言えば、しょぼくれているけど嬉しいと、何とも言えない表情で、なぜか全員で俺に引っ付いてきて。俺はその姿のまま出かけることになった。
『きゅう!!』
『ぷぷぷ~!!』
『ぬにょ!!』
『なにみにいくのぉ? なんでカメラ? ぼくは、なにかおいしいものたべにいきたい!!』
『きゅい!!』
『ぷぷぷ!!』
『にゅにょおぉぉぉ!!』
『そか!! じゃあ、たいせつなことおわったら、おいしいもね!!』
おい、勝手に話しを進めるなよ。俺はまだ行くとは言ってないぞ。まぁ、今度連れていってやろうとは思っていたけど。何でまた急に行きたいなんて言い出したんだよ。それに今日は、今度の配信の話しを、晴翔とするつもりなんだから。
朝起きて、朝食を食べている時だった。わざわざ自分達のカバンをしっかりと用意して、俺の所へ来たラビ達。何かと思ったら、カメラや周辺機器を見に行きたいと言ってきたんだ。
この前のことで、改めてラビ達が、カメラに興味津々なのが確認できたから。そのうち家電量販店に連れていってやろうとは思ってたけど。何で今日、急に行きたいだなんて言ってきたのか。
ちなみにさっきの会話は。そう!! カメラ!! しっかり確認!! と言った後に。美味しい物はあと!! 大切なことが先!! 今の状況を確認しなければ!! ってさ。
「見に行きたいのは分かったけど、でも今日はダメだぞ? 晴翔と今度の、配信の相談をするからな。5回分は決まってるけど、その後の予定をそろそろ決めておかないと」
と俺が言えば、まぁ凄い顔で俺を見てきたよ。漫画に出てきそうな、口を少しだけ開けてへの字に形にして。目を細めて眉間をよせてさ。お前達、そんな顔もできたのかよ。
「そんな顔をしたって、予定っていうものがあるんだよ。別にカメラも周辺機器も、魔獣みたいに逃げたりしないから、今度別の日に行こう。な?」
『『『『……、……』』』』
いやいや、無言で漫画顔で訴えられてもな。
「何だ? どうした? ……って、何だその顔は!? どうしたんだ?」
今日は休みだからと、ゆっくり起きてきた父さんが、ラビ達の顔を見て驚いた。まぁ、そりゃあ、そうだろう。全員で同じ顔をして、文句を言ってるんだから。
「いやぁ、それがさ……」
俺は今の状況を説明する。すると、父さんが俺のせいか!! と言ってきた。何だ? 今度は父さん、どんな余計な事をしたんだよ!?
この前のパーティーの格好でのダンジョン探索だって、まだ解決してないんだぞ? ラビ達は行く気満々……って、今はそうじゃないくて。今度は何をしたんだ!?
「いやぁ、昨日俺がテレビ見てたら、みんなが寄ってきてな。そうしたら前の番組が終わって、別のバラエティーが始まったんだけど。それが家電特集だったんだよ。で、最初は家庭家電についてやってたんだけど……」
家庭家電に関する時は、普通に一緒にテレビを見ていたらしい。が、途中から配信に関する特集が始まって。今配信者達の中で1番使われているカメラや機材を、ランキング方式で。しかもどんな感じで使っているかの、再現VTRまで付けて流したらしい。
その放送に、カメラに興味があるラビ達が、気づかないはずもなく。最初はソファーに座って見ていたのに、途中からは父さんが何回も引っ張るほど、テレビの前まで移動して、食い入るように、放送を最後まで見たらしい。
「いやぁ、お前に、ラビ達がカメラに興味を持っているって聞いてたからさ。本当にカメラ関係が好きなんだなって程度で、そのまま見せてやったんだよ。まさか、行動に移すなんて思わなかったんだ」
「いや、それはしょうがないよ。別に教育に悪い物を見てたんじゃないし。ただ、そうか。まさか家電特集をやってたなんて。これは連れて行かないとダメなやつかもな」
「でもお前、今日晴翔君と、配信の話しするんだろう? そうだ、お前の代わりに俺がラビ達を連れていってやろうか?」
と、その時、父さんが何て言っているのか、聞いてきたラビ達。父さんの話しを伝えると、さっきからのぶうたれ顔とは大違いの。目をキラキラさせた、ニコニコ顔のラビ達に、一瞬にして変わった。
「はぁ、良いよ。とりあえず晴翔と話してみる。たぶん父さんじゃラビ達に何かあった時、対処できないと思うから」
「何だ、俺は高ランクプレイヤーだぞ。ラビ達の対処くらい……」
俺は携帯端末で父さんに、配信の時のラビ達の様子を見せる。するとすぐに納得した父さんは、
「悪いな、これは父さんじゃ無理みたいだ」
と言いながら、そそくさと部屋から出て行こうとし。それに気づいたラビ達が、一斉に父さんに飛びかかろうとして。そこにたまたま部屋に入ってきた、お茶を持っている母さんにぶつかりそうになり。その場で叱られる父さんとラビ達。
結局怒られている最中に晴翔が来たから、怒られている間に別の部屋でラビ達の話しをしたよ。
「はははっ、それで朝から怒られてるのか」
「で、なんだけどさ。明日、晴翔が用事がなければ、配信の話しは明日にして、今日はラビ達を、家電量販店に連れて行ってやろうと思うんだけど。怒られててもカバンを離さずに、抱えてこんでるんだよ」
「くくくっ、そうか。俺はかまわないぞ。そんなに行きたいって、仕草でも訴えてきてるんじゃな。よし! じゃあ今日は電気屋に行こう。俺もちょうど見たかった物があるんだよ。ついでにラビ達に選ばせてやっても良いし」
「悪いな」
こうしてその後30分ほど怒られていたラビ達は。お説教から解放された後、しょんぼりしていたが。俺が家電量販店に行くぞと言えば、しょぼくれているけど嬉しいと、何とも言えない表情で、なぜか全員で俺に引っ付いてきて。俺はその姿のまま出かけることになった。
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