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86話 カッコいいみんなのお兄ちゃん、ブーちゃん

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「クククククッ。で、それからどうしたんだよ」

「おい、笑い事じゃないんだぞ?」

「悪い悪い、でも、これはもう笑うしかないだろう」

「あんまりずっと、プレゼントプレゼント言ってたもんだから、また母さんに怒られてさ。俺達は途中で部屋に行ったよ。それに、プレゼントって言いながら、しかも、いくらなんでも手を出せないって言ってた、お前がくれたラビ達のアルバムの方を。ずっとチラチラ、チラチラ見ててさ。それでも怒られたんだ。今はラビ達からも敵対されてるぞ」

「あ~、それはダメだな」

「夜中の3時過ぎまで、母さんの怒る声が聞こえてたよ。ちなみにだけど、俺も夜中の1時ごろ、1度起こされた」

「は? おばさんにか? 別にお前、怒られるような事ないだろう? それとも何か? おじさんがあんまりだから、プレゼント企画はやめろとでも言われたか?」

「ああ、違う違う、俺は母さんに呼ばれたんじゃないよ、ブーちゃんに起こされたんだ」

「ブーちゃんに? 何でまた」

 今日は晴翔と、ちょっと良いレストランに来ている。この前のプレゼントのお返しに、ご飯が良いと言われたから来たんだよ。それで、料理が来るまで、康伸おじさん報告をしているところだ。

 ほら一昨日、康伸叔父さんがどうして休みを取ったのか判明してお説教されて、俺達に呆れられただろう? あの後もあんまりプレゼントって騒いで、また母さんにお説教されてさ。

 だけどそのお説教されている最中に、さすがに手を出せないと言っていた、晴翔からのラビ達へのプレゼントを。まぁ、チラチラ、チラチラ、見てきて。それに気づいたラビ達は、完全にソファーの後ろに隠れる事に。

 母さんもその様子に気づいたもんだから、お説教の最中に、しかもラビ達を不快にさせるなんて、どういうつもりなんですか!! と。お説教は伸びる事に。
 それに加え、俺にアルバムを預けたラビ達が、母さんの隣で康伸叔父さんに威嚇を初めてさ。部屋の中はまぁ、何とも言えない雰囲気になった。

 そして今まで無視を決め込んでいた父さんも、何故かとバッチリをくらい、一緒にお説教されるっていうね。こういう時は、弟のあなたも何か言うべきでしょうとか、大体あなたはいつも、こういう時知らん顔よねとか。

 良い加減ラビ達を落ち着かせようと、俺が部屋に行こうとした時の最後の様子は。部屋の真ん中で仁王立ちの母さんと、ガックリ項垂れて正座をさせられている大人2人だった。

 そうして部屋に戻り、またゆっくりとアルバムを見始めたラビ達だったけど。そしてまだ父さん達がお説教されている最中だったけど、0時になったから俺達は寝ることに。

 そうして寝始めて1時間しか経っていない時だった。ちなみに俺とラビ達は、ベッドに入ったら1分もすれば眠ることができる。全員爆睡だ。

 が、それなのに、誰が俺を起こしたのかと思ったら、ブーちゃんが俺を起こして来たんだ。しかもあのパーティーメガネを付けて。

「お前、何でそんな格好して起きてるんだよ。てか、何ならお前が1番に寝ただろう」

 そう言った俺に、何故か真剣な面持ちのブーちゃん。そして無言のまま、俺の寝巻きの袖を引っ張り、ベッドから起こそうとして来て。
 寝ることが大好きなブーちゃんが、わざわざ起こしてくるなんて、何かあるのか? と気になって、ベッドからから起きた俺は。

 起きた瞬間、ププちゃんとクーちゃんの、音が鳴るおもちゃを踏んでしまい。危なくみんなを起こすところだった。

『にょうおぉぉぉ!』

 ブーちゃんに静かな声で、みんなが起きるじゃないかって怒られちゃったよ。というか起こしたのはブーちゃんだからな?

 そうして何故か起こされた俺は、そのままブーちゃんに着いていくことに。その時何でパーティーメガネをかけているか聞いたら、カッコいい格好をして、相手に威厳を見せるためだってさ。それを聞いて思わず笑いそうになったが、何とか耐えたよ。

 ブーちゃんが行った場所は何と、父さん達がお説教をされている部屋だった。そしてまだ続いていお説教部屋に、思い切りあの短い足でドアを開き、乱入するブーちゃん。

 まぁ、あんな格好で、しかもお説教されている部屋に入って行ったんだからな。父さんと康伸叔父さんは大笑い。母さんは笑わなかったけど、さすがに驚いた顔をしていた。

 でもブーちゃんの様子いち早く気づいた母さんが、笑う父さん達を軽く攻撃して止めて、俺にブーちゃんのことを聞いて来た。

 この時俺も、どうしてブーちゃんが、ここへ俺を連れて来たのか知らなかったからな、みんなで理由を聞くと。

 何とブーちゃん、ラビ達のお兄ちゃんだから、ラビ達のために、康伸叔父さんを注意しに来たのだった。
 ラビ達の宝物を狙う、危険人物の叔父さんに注意しようと、ブーちゃんの中では1番カッコよくて威厳を見せられる格好の、この姿で注意しに来たんだよ。

 そこから父さんは笑わないように、叔父さんは笑わない+きちんとブーちゃんの話しを聞く、と母さんに監視されながら。ブーちゃんの康伸叔父さんへの注意が始まった。俺は通訳係だったよ。

 でもブーちゃんの 真剣な気持ちが伝わって、最初こそ大爆笑していた康伸叔父さんも、すぐに真剣な面持ちになり、ブーちゃんからの注意を受けていた。

 カッコいい、みんなのお兄ちゃん、ブーちゃんである。
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